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憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

まだまだやります!「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」

 今晩(2016年10月16日)配信した「メルマガ金原No.2601」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
まだまだやります!「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」

 昨日は、来年「結成30年のつどい」を開催するはずの「原発がこわい女たちの会」ニュース第99号
をお届けしましたので、2年や3年続けているだけで自慢にはなりませんが、しばらくメルマガ(ブログ)でご紹介していなかった「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」について書こうと思います。
 このデモは、安倍晋三内閣による集団的自衛権行使容認の閣議決定を許さないという私たちの決意をアピールすべく、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が呼びかけて、2014年6月23日(月)に第1回を行い、以後、毎月1回欠かさず実施してきたものです。
 デモの内容は、正午に和歌山市役所前集合、12時20分にスタートしてゴールの京橋プロムナード(行程約15分弱)で解散、というものです。
 以下に、第1回ランチTIMEデモへの参加を呼びかけた文章を再掲するとともに、その後の実施実績
を記載します。
 
【第1回の呼びかけ文】
憲法の破壊を許さないランチTIMEデモへの結集を呼びかけます
(引用開始)
                                         
2014年6月2日
皆さまへ
                             憲法9条を守る和歌山弁護士の会
                                代表世話人 山 﨑 和 友
                                  同     豊 田 泰 史
                                  同     藤 井 幹 雄
 
 去る5月15日、私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」からの報告書の提出を受け、安倍晋三首相は、長年にわたり憲法9条の下では行使できないとされてきた政府の憲法解釈を変更し、集団的自衛権行使を容認する「基本的方向性」を明らかにしました。
 これは、本来、憲法改正の手続をふみ、最終的には国民の判断にゆだねるべき重大な問題を、一内閣の
恣意的な決定によって変更しようというものであり、立憲主義そのものを否定する許し難い暴挙です。
 憲法9条改正の要否やわが国の安全保障政策について、国民の間に様々な意見があることは承知していますが、今、安倍政権がやろうとしていることは、政府の一存で憲法規範を無力化しようというものであり、これに対して異議申立てをしないということは、日本が民主主義、法治主義という価値を捨て去り、
為政者の独裁を許すことに加担するのも同然です。
 私たちは、従来の立場の違いを乗り越え、広汎な市民・国民が、「憲法の破壊を許さない」という一点
で結集し、安倍政権の企てを阻止する行動に立ち上がることを呼びかけます。
 まずは、そのためのアピール行動として、以下の昼休みデモを企画しました。1人でも多くの方のご参
加をお待ちしています。
(引用終わり)
 
【これまでの開催日(及び年内の予定)】
第1回 2014年6月23日(月) 160人
第2回 2014年7月9日(水) 110人(雨)
第3回 2014年8月6日(水) 110人
第4回 2014年9月9日(火) 110人
第5回 2014年10月1日(水) 100人
第6回 2014年11月7日(金) 90人
第7回 2014年12月8日(月) 90人
第8回 2015年1月16日(金) 80人
2月は休み ただし、2015年2月16日(月)に和歌山弁護士会主催による「集団的自衛権行使容認に反対するアピールパレード」がランチTIMEデモと同一時刻、同一コースで実施されました(参加者140人)。
第9回 2015年3月16日(月) 80人
第10回 2015年4月15日(水) 
第11回 2015年5月15日(金) 100人
第12回 2015年6月11日(木)
第13回 2015年7月1日(水)
第14回 2015年8月10日(月) 100人
第15回 2015年9月14日(月) 120人
第16回 2015年10月21日(水) 120人
第17回 2015年11月13日(金) 100人
第18回 2015年12月8日(火) 100人
第19回 2016年1月18日(月) 80人(雨・寒風)
第20回 2016年2月15日(月) 110人(寒風)
第21回 2016年3月14日(月) 70人(雨・寒風)
第22回 2016年4月11日(月) 100人
第23回 2016年5月11日(水) 80人(雨)
第24回 2016年6月13日(月) 
第25回 2016年7月1日(金) 80人
第26回 2016年8月8日(月) 90人
第27回 2016年9月12日(月) 80人
第28回 2016年10月17日(月) ※予定
第29回 2016年11月9日(水) ※予定
第30回 2016年12月8日(木) ※予定
 
 私は、一応今までのところ、これまでの27回(2015年2月の和歌山弁護士会主催のものも含めれば28回)の全てに参加しています。私の役回りは、(誰に言われた訳でもないのですが)参加者数のカウントと写真撮影です。そのため、警備の警察官から「今日の参加者何人ですか?」と尋ねられることも時々あり、そのような場合、私は掛け値なしの実数を教えてあげることにしています。
 これまでの参加者数は、おおおむね、その都度Facebook9条ネットわかやまMLで報告してきましたが、MLはともかく、FBの投稿を過去に遡って調査することは、アクティビティログを利用するにしてもとても手間がかか
るもので、今日のところは4回分ほど調べがつきませんでした。判明次第、ブログ版に追記したいと思います。
 それから、(雨)と(寒風)は注記しましたが、実はこの他に(炎天)というのもありました。特に、例年、8月・9月は、「雨が降ってくれた方がまし」という炎天下のデモになることも珍しくなく、そのような中、100人以上の人が参加した2014年・2015年の勢いは凄かったということでしょうか。
 
 振り返ってみると、第2回以降、第1回の160人を上回ったことは一度もありません。最初のうちは、久しぶりに会の主催行事に参加してくれた「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」会員がいたり、この種の企画に初参加という市民がいたりしたものでしたが、やがてそれらの人の足も遠のき、またいつもの顔ぶれに固定してしまいました。最近、まともに広報をやっていないという問題とも密接に関連することですが、大きな反省点であることは間違いありません。
 けれども、毎回100人近く(時にはそれを超えることも)の人々が(たとえ悪天候でも)参加してくれるということは、何よりも心強いことです。参加者の幅を広げることはとても大事ですが、それも、核になる人がいてのことですからね。
 
 さて、この「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」、いつまでやるんだろう?と思うこともありますが、憲法をないがしろにする勢力が政権の座にある限り、止められないでしょう。
 憲法違反の安保関連法が施行(本年3月29日)されて既に半年以上が経過しました。なし崩し的に違憲状態を「なかったこと」にさせてはなりません。声をあげ続けることが私たち市民の責務だと思います。
 平日の昼休みに和歌山市役所に駆け付けることの出来る方、是非、私たちの仲間になってください。
 
第27回ランチTIMEデモ ということで、明日(10月17日)、第28回のランチTIMEデモをやります。天気予報はあまりかんばしくありませんが、1人でも多くの方の参加をお待ちしています。いつものように、
 正午 和歌山市役所前 集合
 12時20分 スタート
 公園前交差点を左折して京橋プロムナードまで
 主催 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
 雨天決行
です。
(注)写真は第27回ランチTIMEデモ(2016年9月12日)の模様。
 
 もう1つお知らせがあります。昨年に引き続き、今年もこの時期(国連軍縮週間10月24日~30日)に、和歌山市役所1F ロビー・市民ギャラリーにおいて、明日10月17日(月)から同月25日(火)まで、市主催による「原爆展」が開かれます。
 
(引用開始)
原爆写真展
趣旨
核兵器の恐ろしさを市民の皆様に広く知っていただくことを目的に、国連軍縮週間に合わせ広島平和記念
資料館からポスターなどの資料提供を受け、市役所本庁舎1階において「原爆写真展」を開催しています。
本年度の開催
10月17日(月曜日)から10月25日(火曜日)まで
開催場所
市役所本庁舎1階市民ロビー・市民ギャラリー
平成28年度の内容
「平和首長会議5,000都市突破記念原爆写真 19点」
ヒロシマナガサキ原爆写真 30点」
(引用終わり)
 
 明日の第28回「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」に参加予定の方は、可能であれば、早めに市役所に来ていただき、市民ギャラリーで「原爆展」の展示写真を観ていただければと思いますし、デモに参加されない方も、ご覧になることをお勧めしたいと思います。

「原発がこわい女たちの会ニュース」第99号が届きました

 今晩(2016年10月15日)配信した「メルマガ金原No.2600」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
原発がこわい女たちの会ニュース」第99号が届きました

 松浦雅代さんから、「原発がこわい女たちの会ニュース」の第99号が届きました。ほぼ3か月に1度
のペースで届く同会のニュースは、このままのペースでいけば、年末もしくは来年早々に記念すべき100号の発行ということになるはずです。
 そこで、私から「100号目前ですね。記念号を楽しみにしています。」というメールを送ったところ、松浦さんから「女たちの会100号は記念号にしません。普通の100号になると思います。」という返信が。まあ、発行者自身が「記念号」と触れ回るような「はしたない」真似はできないでしょうから、そういうものでしょうけど。
 とはいえ、通常でも、毎号8頁立てのニュースを作り続けるというのは容易なことではありません。私
も、2006年に「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」2代目事務局長に就任した当初、張り切って会員向け「ニュース」の発行を始めたのですが(月1回・A4版2頁立て)、4号までで頓挫してしまいました。作っている自分自身が「あきて」しまうのですよね。
 それでは、来年4月には「結成30年のつどい」を開催するはずの「原発がこわい女たちの会」の「ニュース第100号」の1号手前の99号を、じっくりとお読みください。


原発がこわい女たちの会ニュース NO99号・2016年10月11日発行
事務局 〒640-0112和歌山市西庄1024-15 TEL・FAX073/451/5960松浦雅代方
原発がこわい女たちの会ブログ
 
http://blog.zaq.ne.jp/g-kowai-wakayama/
 
 高速増殖炉は、プルトニウムを燃料として使いながら、使ったプルトニウムを新しく生み出す原子炉です。高速増殖炉原子力利用の本命として世界各国が進めてきたのですが、実際に進めてみると技術的な困難さが山とあり、その対策に莫大な費用がかかるので、アメリカが開発中止、イタリアも、西ドイツも開発中止に、イギリスも、それぞれに1900年代に閉鎖、撤退。フランスは「スーパーフェニックス」プルトニウムを燃やす高速炉に、それも事故の為1998年に閉鎖しているのです。プルトニウムを増殖させるという夢の原子炉が、プルトニウムを無くすために燃やす高速炉になってもうまくいかなかった。
日本の「もんじゅ」も1995年にナトリウム漏れで火災事故を起こしていました。中止も廃止も決断
せずに、ずるずると20年も経ってやっと超危険な金食い虫炉が廃炉になるのです。負の遺産をなるべく少なくしたいものです。
(金原注)「原発がこわい女たちの会」ブログに、「高速増殖炉もんじゅ廃炉へ」(2016年9月27日)という記事が載っています。
 「政府は21日、「高速増殖炉もんじゅ」について廃炉を含む抜本的な見直しを行う、と発表した。この
大きなニュースをQ&Aで整理してみた。」「なお本文は、次のブログを参考に、一部引用している。 「もんじゅ君のブログ」ということです。
 

 「熊本地震」を受けて、島崎邦彦氏は原子力規制委員会に入倉三宅式では基準地震動が過小評価になると提言した。
 が、入倉・三宅式以外の式を使う場合は、科学的・技術的な熟度には至っていない、と規制委員会。
 地震はいつ起こるかわからない。科学的・技術的な熟度には至っていなければ、至るまで原発を動かさないことが規制委員会の本来の仕事ではないのか。
 
伊方原発3号機は8月12日に再稼働をした。      
 
99号浜岡原発の位置
〇愛媛の住民は5月31日に松山地裁へ、               
○広島の住民は3月11日に広島地裁に、
〇大分の住民は9月28日に大分地裁
それぞれ伊方原発3号機の運転差し止め仮処分の申し立てをしました。
 
 

「3.11甲状腺がん子ども基金」が設立されました。    
2016年7月20日設立総会。9月17日に設立記念シンポジュウムを開催。
 
99号甲状腺がん子ども基金マーク趣旨
 チェルノブイリ原発事故後、子どもたちの間で小児甲状腺がんが急増しました。福島県民健康調査でも、多くの子どもたちが甲状腺がんと診断され、手術を受けました。リンパ節転移や遠隔転移、再発など、深刻な症例が報告されています。福島県外においても、自治体や民間の自主的な検診により、子どもたちの甲状腺がんが報告されています。政府は、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響による健康被害は起きないとしており、包括的な支援策が一切とられていない状況です。
 こうした中、甲状腺がんと診断された子どもと家族は孤立し、度重なる診察や通院費用などの面で経済的に困窮したり、進学、就職、結婚、出産などの度に壁にぶつかったりしています。また再発や転移により、一生、治療と向き合わなければならないケースも出ています。
99号甲状腺がん子ども基金記者会見 このような状況を解決するためには、治療費や通院費などの給付を含めた経済的支援はもちろん、多様かつ継続的な支援体制が欠かせません。また被曝による健康影響には、甲状腺がん以外の甲状腺疾患や白血病などの血液系のがん、乳がんを含む固形がん、非がん系の疾病など、様々な病気があり、これらの健康被害を見据えた上での、調査や対策が必要です。
 「3・11甲状腺がん子ども基金」は、独立性の高い資金によって、甲状腺がんの子ども等を支援するとともに、原発事故による健康被害状況の調査・把握を行っていきます。
目的
東京電力福島第一原子力発電所事故以降、甲状腺がん甲状腺疾患、その他、被曝影響によると思われる病気に苦しむ子どもなどへの支援と被曝影響に関する健康問題の解決
主な事業
(1)小児甲状腺がん患者に対する療養費の給付。
(2)小児甲状腺がんの増加について理解を深めるキャンペーンやイベントの開催。
(3)被曝による健康被害を被った住民に対する相談事業。
役員
代表理事:崎山比早子
副代表理事:海渡雄一・武藤類子
理事:河合弘之・満田夏花・吉田由布子
監事:坂本有希・福田建治
 
寄付の振込先は城南信用金庫本店、口座名「サンイチイチコウジョウセンガンコドモキキン」、口座番号「845511」
「3.11甲状腺がん子ども基金」サイトより
(金原注)
2016年9月9日に開かれた「3・11 甲状腺がん子ども基金」設立記者会見の動画をご紹介しておきます(OurPlanet-TVから)。

 
 

日本中に放射能をばらまく計画
8000ベクレル/kg以下の除染土を全国の公共事業

 
 環境省は、福島第1原発事故後の除染で出た汚染土に関し、8,000ベクレル/kg以下の汚染土を、全国の公共事業で利用する方針を打ち出した。(図・環境省資料より)
(がれき広域処理を思い出しました。)
99号8000ベクレル公共事業 汚染土(「再生資材化した除去土壌」と環境省は命名しています)の安全な利用に係る基本的な考え方を28年6月30日に出している。
 その目的は福島県内における除染等の措置に伴い生じた土壌及び廃棄物について、福島県大熊、双葉両町にまたがる中間貯蔵施設に保管される除染廃棄物は最大2200万立方メートルになると見込まれている。国は開始後30年以内に福島県外における最終処分の完了に向けて、平成28年4月に「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略」を策定した。
 この技術開発戦略検討会(非公開)においては、周辺住民や作業者に、1メートル離れた場所で追加被ばく線量を年間0.01㍉シーベルトに抑える、としている。
 要するに汚染土を公共事業として全国にばらまくことが、汚染土の再生利用技術開発戦略なのだ。そして、私たちは放射能汚染を追加強要されることになる。
(国民の理解熟成活動も並行して行うことが必要だと強調しています(第4回戦略会議議事録))。
 原子炉等規制法では、制限なく再利用できるのは100ベクレル/kg以下。環境省の非公式会合で、5000ベクレル/kgの廃棄物が100ベクレル/kg以下まで低下するには170年かかる一方、盛土の耐用年数は70年とする試算が出ていた。(毎日新聞
 放射性物質は決して拡散してはならず、閉じ込め、管理しなければならないはず。
 しかし環境省はその成果は世界でも前例のない経験・知見として国際的な共有財産となる、との考えだ。開いた口が塞がらない。南相馬市で、10月から実証事業が始まる。
(金原注)環境省「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会(第4回)」議事録
 

福島から南三陸      有田川町 古田伊公子
 
 7月12日、南相馬市小高区、避難指示解除。これに併せてJR常磐線の小高―原町―鹿島の3つの駅の区間のみ開通。私は2013年4月に初めて福島を訪ねた時に紹介され、ずーとおつき合い頂いている根本さん夫妻を今回は夫婦で訪ね、水田1町歩がどんなものか見せて頂きました。
 「1,000人位だろ帰るのは」と根本さん。元の住民は13,000人。NHKラジのニュースでインタビューを受けてる人も「店も病院もなく帰ったとしても!」と怒った口調でした。田んぼも稲がサヤサヤ元気なのは根本さんの1町歩のみ、周りの田んぼは草の海でした。海岸は巨大堤防が築かれ海は見えず(2013年には船が国道6号を越えて陸にあるのを見た)、南相馬市の所々にはまっ白い鉄板の高いへい、『特定廃棄物保管場所』の看板が貼り付けてありました。黒いフレコンバックの仮仮置き場なのでしょう。8000ベクレル/㎏以上の。
 8000ベクレル/kg以下のは公共事業に使用可という法律が出来たそうで(事故前は100ベクレル/㎏以上は六ケ所に埋めることになっていた)。(*「日本中に放射能をばらまく計画」参照)
 私たちの身近では京名和自動車道の工事初期には文字通り数か所に黒いフレコンバックが山積にされていましたね。阪和自動車道を利用される方は目にされていると思います。異様な光景でしたね。のちに書く南三陸の盛土 盛土 盛土(この上に店や家が建つ予定)の下にもきっと。まだ周辺に沢山並べられているのが目につきました。国道6号線は朝・夕 トラックで大渋滞なのだそうです。
 7月13日朝7:40発のくろしおに乗って新幹線を乗り継ぎ福島駅からバスで原町駅に着いたのは1
6:37。根本さんご夫妻に迎えられて車で小高へ。田・畑・お家とかけ足で見せて頂き、一緒に鹿島区農家民宿“森のふるさと“へ。2011年4月位から福島市のお寺さんの呼びかけに応じて通学路等の除染ボランティアに参加してたという静岡からのご夫妻と同宿。除染土の置き場にお寺の敷地の一部を提供されていたところ、行政が管理するとの事で敷地ごと取り上げられボランティア活動が出来なくなったそうです。今は得意の包丁研ぎをします、とのことで仮設住宅をまわっているとか。
 鹿島区は30㎞園外ということで最初から何の保証もなく米を作っても、買ってもらうのも、お客さんに食べてもらうのも、と耕作中止。2014年には全ての農家が草刈りのみをされていましたが2016年の今年は何と、森さん以外は全て水田に。森さんも又米植えるかなあという気持ちになられているようでした。森さんの田はもったいない、と女性陣が藍を植え20数人で藍染めをして販売もされています。
(根本幸子さんもお仲間の一人)。
 私がおつき合い頂いている皆さまは、それぞれ目標を持って、前向きに生きておられる方々ですが、そ
れでも帰る、帰らない、作る、作らない。等々何をするにも苦悩の末の決断を迫られておられるようで、お話をきき、生き様を見せて頂いていても胸が締め付けられる思いです。
 夫の希望で翌日は南三陸へ。かの有名になった防災庁舎のある地区。ホテルが朝30分の`語り部バスを出していて“部長さん”がすっかり語り慣れた口調で案内してくださるのですが、つい涙というドラマがいっぱい。根本幸子さんも車中「ドラマ ドラマなのよ」とお知り合いの方々のかろうじて助かった、残
念なことに亡くなられたというお話沢山きかせて下さいました。
 福島は怒り、南三陸は深い悲しみから懸命に立ち上ろうと皆さん努力されているように思います。“部長さん”神戸に視察に行かれたそうで、神戸は2年で仮設住宅は全てなくしましたと言われた。東北は6年目まだまだ仮設住宅解消していない。(南相馬には復興住宅が建っていました)「格差を感じています」とおっしゃいました。
 語り部バス、仙台への送迎バス(片道2h)の運転手さんは当時小6だった方。海から200mの所に
あった小学校。高台の神社に登り、雪の降る夜が明けて救援が来るまで皆で励まし合って全員無事。「長生きしてね」とお別れしました。
99号根本さん古田さん 東北は遠い。往き帰りに1日ずつかかりますが、ほんの短時間でも車で通り過ぎるだけでも多くの現象=日常でない不思議な光景=を目にすることが出来ます。飯館村にはまだまだフレコンバックの山。その上にカ―キ色のシートがかけられ、いくつもの短い煙突が突き立てられている!(発酵熱を逃がす為)2013年には全く人影が見えなかったのですが、今年は人も車も多く目にしました。原発立地と同じ位線量はまだまだ高いと思われるので複雑な気持ちです。
 原発いらない! 再稼動絶対反対!! です。
(写真は、2015年3月11日、日高町の「波満の家」で。向って左奥が南相馬市の根本洸一さん、右は古田夫妻。)
 

電力システムの改革
まず原発保護政策から
 
99号電気を選べる時代へ 2016年10月から私の家の電気は関西電力から大阪ガスに切り替わりました。他の小売電気事業者も調べましたが、まだこれからのところもあり、まずは原子力発電所のない会社を選びました。手続きは簡単です。選んだ会社、私の場合は大阪ガス会社のホームページから申し込みました。電話でも可です。しばらくして関西電力さんから電話があってメーターを取り替えに伺いますとの連絡が入り、取り換え作業が終わります。大阪ガスさんからは大阪ガスの電気にいつから変更になるという変更通知と引き落としの銀行口座番号の連絡要請があり、それで終わりです。一応2年契約にしました。その方が安いからです。あなたも選びませんか?
 すでに、2012年7月1日から再生可能エネルギーの固定価格買取制度が施行されています。様々な再生可能エネルギーの普及のための政策手段であって、まだ買い取った再エネの電気はほとんど使われていませんが、私たちは買い取り代金を再エネ促進賦課金として電気料金と一緒に支払っています。日本は原子力を中心にした大規模電源を前提とした集中型の構造であったので大型発電所から消費場所に送る下方一方向潮流の系統運用だそうです。
 再エネ特措法と同施行規則には、再エネ電源を電力網に「優先的に接続する」規定はなく、接続申し込みが接続可能量(誤差の範囲)を超過した場合、指定電気事業者7社は上限無しに無補償で出力抑制できるようになっています。要するに再エネは電力系統の誤差の範囲でそれ以上は捨てているのが現実です。再エネ事業者を育てるための固定価格買取制度が、需給状況によらず一定価格での買取が保証されるため、投資対象になっている現実があります。
 
★系統(送電網)を全国規模で適切に運用するための機関として、電力広域的運営推進機関
★電力市場での競争を促進するための機関として、電力取引等監視委員会
★2016年からは電力・ガス取引監視等委員会が設置されました。
 電力システムの改革は進められてきましたが政府は再エネを主力にする意図はありません。原発の再稼働や40年以上の原発も稼働させようとしています。ベースロード電源として。
◆2020年には発送電分離がおこなわれ、総括原価主義に基づく電気料金制度も廃止されます。
 
 福島第一原発廃炉費用などのために新たに8.3兆円を国民に負担させる形で政府が調整にはいった。内訳は廃炉費用4兆円、賠償費用3兆円さらに福島第一以外の廃炉費用として1.3兆円というものです。
 

〇報告 原発の40年延長運転に対して関西広域連合として国に厳格な審査を求めよ!
7月14日(木)県に申し入れをしました。

 
 関西広域連合は40年延長運転に係る厳格な審査等を求めていました(6月16日、「平成29年度国の予算編成等に対する提案」)。にもかかわらず、原子力規制委員会は6月20日に高浜原発1・2号運転延長認可をおこないました。避難計画を案ずる関西連絡会(脱原発わかやまもメンバーです)では、今回の認可の審査は関西広域連合が求める「厳格な審査」にはなっていないことを訴え、関西の住民の安全を守るために関西広域連合の「提案」を生かしていくよう、国に求め続けることを要望したものです。今回、脱原発わかやまでは、仁坂吉伸知事に要望書を提出するとともに、原子力防災に関する和歌山県の体制について県との話し合いを申し出て、急遽実現したという次第です。県からは危機管理・消防課(高瀬課長、瀬川さん)、政策審議課(前副課長さん、中尾さん=広域連合担当)、産業技術政策課(大川課長、高木さん)の6名が出席していただき、脱原発わかやまからは5名でした。時間は10時から11時15分、前回の話し合いから1年半ぶりで担当者の方々もかなり入れ替わりがあったようです。
99号和歌山県と脱原発わかやま交渉 いろいろ意見交換しましたが、危機管理という点では、原子力防災と、現在県下で焦眉の課題となっている南海トラフによる地震津波の襲来への対策とには共通する部分があるのではないか、ということが今後の話し合いにつながる共通点と確認しました。
 県の方から、この日の新聞に島崎邦彦・前規制委員の誤解を招いた記事が載っていたことに関連した質問がありました。熊本地震のあと入倉・三宅式は基準地震動の過小評価になるとの指摘です。後日島崎さん自身が田中委員長に送った文章をメールで県の担当者にお送りしました。
 詳しくは7月17日のブログ
に載せています。
 
 和歌山県仁坂吉伸知事は関西広域連合副連合長ですので、きちっと知事に和歌山の声を届けること、福井県原発事故が起きた場合140キロ離れているくらいで被害はないとは言えない。気象状況によっては厳しい問題が起きてくると思います。今後、私たち住民の立場から提案をして行くことが必要ではないかと思いました。
 


☆第167回公害教室・最終章「汐見文隆氏をしのぶ会」のご案内
 日時:2016年11月3日(木・祝)14:00~16:00
 会場:和歌山市勤労者総合センター6階・文化ホール(和歌山市役所西隣)
     TEL:073-433-1800
 参加費:無料 だれでも参加できます。
(金原注)「風力発電の被害を考える会わかやま」からのインタビューに応じる汐見文隆先生の貴重な動画がアップされています。
低周波音公害と現在医療~汐見文隆~」(15分29秒)

 

本の紹介⇒岩波新書『原発プロパガンダ』本間 龍 著(2016年4月20日刊)

 安倍政権になって、原子力ムラが復活。原発プロバガンダの復活です。皆さんも気づかれていると思いますが一時姿を消していた原発推進の人たちがテレビに登場しています。福島事故がなかったかのようにです。本間さんは博報堂に18年間勤めていた方です。広告会社の最大手は電通ですね。2番手の博報堂の営業をされていました。
 私はチェルノブイリ事故後、原発反対の気運が盛り上がっていたときにその渦中にいましたが、原発反対市民グループから参議院選候補者を立てる話は分裂してしまい、みんな落選しました。その後原発反対の気運が下がったのは、私たちの側の政治に対する未熟さも大きかったと思いますが、それだけではなかったのがよくわかりました。
 この本の5章、最後に作者の次の文言があります。
「テレビやPCの前でただ座っていたのでは、正しい情報は得られない。原発プロパガンダがそうであったように、資金を持っている政府や大企業は凄まじい量のPRで国民の意識を麻痺させようとする。それ
に抗う第一歩は、ありきたりではあるが個人の意識をしっかり持つことにかかっている。そしてそれが、3.11以降の時代に生きなければならない、私たちに課せられた義務なのではないだろうか。」
 

 2016年の夏は暑かった。9月の蒸し暑さにへとへとでした。へとへとしてる場合ではない。と思いながらも、この閉塞感。政治が面白くない、大きな力が動いている。参議院選挙で自民党が勝ったからだ。何も発言しない政治家。右へならえとマスコミが作り出しているのではないのか。
 「原発プロパガンダ」を読んで、広告会社と政府とメディアの関係、手口がよくわかりました。
◇書き残したものが沢山あります。「生きるということ」次号に回します。
◇2016年度の会費まだの方は納入お願いします。この会は会費とカンパで成り立っています。
◇11月3日は汐見文隆氏をしのぶ会です。  
                                        松浦雅
 

「原発は今、どうなっているのか!」~「週刊女性」(10/25号)の10ページ大特集を読む

 今晩(2016年10月14日)配信した「メルマガ金原No.2599」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
原発は今、どうなっているのか!」~「週刊女性」(10/25号)の10ページ大特集を読む

 今日(10月14日)は、昨日お送りした
「UPLAN【原発事故被害者インタビュー(3)】吉田千亜さん(フリーライター)~『ルポ 母子避難―消されゆく原発事故被害者』著者~のご紹介」の続編でもあります。
 UPLANによる吉田千亜さんインタビューの動画を紹介しようと関連サイトを読んでいたところ、今週(10月11日)発売の「週刊女性」10月25日号に、吉田さんが記事を寄稿していることを知り、さらにその「週刊女性」今週号の表紙をネットで探したところ、「10P大特集 原発は今、どうなっているの
か!なかったことにされていく「被害」の現状」という文字が躍っており、その大きさは「超人気漫画家 週2回の密会愛はまさかのW不倫」に続き2番目に大きいものでした。

 ということで、今日の午前中、私の事務所の女性事務員が外回りに行くついでに「週刊女性」を「事務所の経費で買って来て欲しい」と依頼し、昼前に10月25日号の「週刊女性」を無事ゲットしました。そこで、急いで見出しなどを一瞥した上で、昼休みを利用してFacebookに速報をアップしました。この特集を知らない人に、「早く買いに行かないと売り切れてしまうよ」ということを急告するためです。

(引用開始)
週刊女性」10/25号をゲットしました(外回りに出かける事務員に頼んで買ってきてもらった)。目当て
は、10ページに及ぶ大特集「原発は今、どうなっているのか!なかったことにされていく「被害」の現状」です。もっとも、本文のトップは、「週2回の密会愛はまさかのW不倫」という記事で、浦沢直樹さん、なかなか大変ですね・・・というものでしたが。
肝心の原発大特集の内容は、ざっと以下のとおり。
1 全国の原発の状況(大間原発建設差止を求めて裁判闘争中の函館市
2 祝島「闘うおばあちゃんたちの34年」(取材:山秋真氏)
3 保坂展人世田谷区長(取材:渋井哲也氏)
4 日常を取り戻せない原発避難者たち(取材:吉田千亜氏)
5 山下祐介首都大学東京准教授インタビュー(同上)
6 「子どもの甲状腺がんは、今―」(取材:青木泰氏)
いつものことですが、「週刊女性」頑張っていますね。10月11日発売だったと思うので、もうすぐ店頭か
らなくなるでしょう。皆さん、急いでゲットしましょう。税込390円です。
※昨日UPLANのインタビュー動画をご紹介した吉田千亜さんを始め、何人かのフリーライターの方が分担しての「大特集」のようです。編集部スタッフだけで作れる内容ではないでしょうから当然ですが。
(引用終わり)
 
 以上が、今日の昼休みまでの状況ですが、午後7時過ぎに最後の打合せが終わって事務所に1人残り、ようやく昼前にゲットした「週刊女性」の大特集を読める時間が持てました。10ページをじっくり熟読して正味40分かかりました。
 以下は、38頁から47頁に至る今回の大特集の[見出し]を中心とした内容と執筆者情報をご紹介するものです。
 
38頁・39頁
[見出し]
原発は今、どうなっているのか!
アンダーコントロールの嘘を暴く10P
なぜかよみがえる“安全神話
終わらないクライシス
再稼働の陰でうごめく新設計画
「多発」なのに検査縮小 子どもの甲状腺がん
原発新設の凍結を求めて国を提訴 函館市が異例の裁判を闘うワケ
[前文]
東日本大震災から5年8か月を迎えたが、原発事故からの避難者は、なおも8万9000人超。なぜ未
曾有の惨事となったのか。その責任はどこにあるのか。ひとたび大事故が起きたとき、私たちの安全や健康、暮らしを誰がどう守るのか―。その検証もないまま動かされ、また新たに建てられていく原発。「避
難解除」のもとで切り捨てられていく住民。なかったことにされていく「被害」の真相に迫る。
[内容]
前半:新潟県知事選挙と柏崎刈羽原発再稼働、もんじゅ等についての飯田哲也氏のコメント。
後半:Jパワー大間原発の建設差止訴訟を闘う函館市の工藤寿樹市長インタビュー
「福島事故を受けて、原発から半径30キロの自治体にまで拡大して避難計画の策定が義務付けられまし
た。(原発の稼働や停止に事前同意する)『同意権』も与えられていないのに、避難計画を作れというのはおかしな話。30キロ圏まで危ないというなら、立地自治体だけでなく当然、周辺自治体にも同意権が
必要でしょう」(工藤市長)
[取材]表示がないので、週刊女性原発」取材班か?
 
40頁・41頁
[見出し]
山口・上関
闘うおばあちゃんたちの34年
「祝の島」に原発はいらない―抗議活動で巨額請求も
脅しと暴行に抵抗 私たちの力で止める
[内容]
祝島周辺環境の紹介
13年~15年の漁業補償金受け取り強要問題
山口県知事による埋立免許更新問題
スラップ訴訟の勝訴的和解
[取材・文]山秋 真
ノンフィクションライター。神奈川県出身。石川県珠洲市山口県上関町と原発立地問題に揺れる町と人
々の姿を取材。近著に、『原発をつくらせない人びと―祝島から未来へ』岩波新書)がある。

42頁
[見出し]
「自治体と原発」を考えるインタビュー
保坂展人世田谷区長
事故発生。そのとき、住民を守れるのか―
原発事故からパーフェクトに住民を守る方法はない。それを学ぶべきです」
[内容]
衆院議員時代も原発問題を追及していたことから、「原発は安全と言ってきた議員よりも、考え方によっ
ては自分のほうが責任が重いのではないか」と考えていた・・・
[取材・文]渋井哲也
 
43頁・44頁
[見出し]
日常を取り戻せない原発避難者たち

楢葉町に続き飯舘村も避難解除。誰のための「帰還」なのか―
震災から5年半 戻らない“日常”
原発事故とお金で変貌するふるさと
[内容]
2015年9月に避難指示が解除された楢葉町の現状
避難者の「解除」についての想い
広野町の場合
囲み記事自主避難者への福島県の非常」⇒「自主避難者にとって唯一の経済支援だった借上住宅の無償提供が17年3月で打ち切られることが一昨年、福島県から発表された。いまだ住宅が決まらない避難者も多く、各都道府県も対応を始めた。そんな中、福島県は昨年11月、「住宅確保に必要な国への要請事
項」を自治体(注:各地道府県)から集めながら国に伝えていないことが取材で明らかになった。」
[取材・文]吉田千亜
フリーライター、編集者。東日本大震災後、福島第一原発事故による放射能汚染と向き合う母親たちや、
原発避難者への取材を精力的に続けている。近著に『ルポ 母子避難―消されゆく原発事故被害者』岩波新書


45頁
[見出し]
「復興」と帰還政策を考えるインタビュー
山下祐介首都大学東京准教授
原発事故の収束も総括もまだ。避難者は“怖いから帰れない”と言っていいんです」
避難解除。そのとき、住民に何が起きるのか―
[内容]
「帰れる前提が成り立ち、この原発で2度と事故は起きないと客観的に判断できる状況があれば、帰りた
い住民も増えるでしょう。それがないのに、帰れるというのは詭弁です。住民は、“事故を起こしたのは誰なんだ!”“ふるさとをこんなふうにしたのは誰だ!”“元通りの安全な場所にしろ”と言うべきです

「賠償問題よりも前に、帰るに帰れない状況を作り出した責任を国はきちんと認めること。廃炉までの長期的な展望をもって、復興政策を組み立てる覚悟をすることです。性急な解除ではなく、“いつか、やがて帰る”という長期政策・制度化によって復興すべきです。帰還政策を進め“事故はなかったことにする
”というのは、信頼再建どころか新たな信頼失墜にしかつながりません」
[取材・文]吉田千亜
 
46頁・47頁
[見出し] 
子どもの甲状腺がんは、今―
福島で多発!それなのに検査縮小の動きが出てくる「謎」
福島で子どもたちに何が起きているのか
母たちに衝撃!検査縮小の動き
[内容]
甲状腺がんの検査体制を縮小しようという動きについて「東京電力や国が今やっているのは、被害を極力
少なく見せようという、その場しのぎの対応にすぎない。水俣病をはじめとする公害問題で、日本の行政は事業者側に立ち、被害を拡大してきた誤りを再び繰り返そうとしている。縮小論の背後には、被ばく被害が注目されれば、「東京オリンピック開催に支障をきたす」から、これを避けたい。そのような思惑が
あるのではないか。そう筆者は感じざるをえない。」
[取材・文]青木 泰
環境ジャーナリスト。民間の技術研究所を経て現職。市民活動の現場から被ばく問題について情報発信を
行う。近著に『引き裂かれた「絆」―がれきトリック、環境省との攻防1000日』(鹿砦社
 


 昨年の安保関連法についても果敢な特集を組んだ女性週刊誌の雄(とは言わないか・・・)「週刊女性」の素晴らしい「大特集」です。
 表紙での扱いも、浦沢直樹さんの浮気スクープに次ぐビリングの2番手というのですから大したもの(?)です。
 女性週刊誌の読者は圧倒的に女性が多いでしょうから、このような記事が多くの女性に浸透していくことによる世論形成は非常に重要だと思います。
 また、今回の特集でも、優れたフリーのライター、ジャーナリストが協力してこそ充実した記事が集め
られたのですし、これらの皆さんに、執筆の場を提供するというのも、女性週刊誌の重要な役割なのだなと認識を新たにしました。
 このメルマガ(ブログ)を読んで「週刊女性」10月25日号を買いに走ってはたして入手できるかは分かりませんが、ネットからバックナンバーやデジタル版を入手する方法もあるでしょうから、是非1人でも多くの方にお読みいただきたく、ご紹介しました。
 

UPLAN【原発事故被害者インタビュー(3)】吉田千亜さん(フリーライター)~『ルポ 母子避難―消されゆく原発事故被害者』著者~のご紹介

 今晩(2016年10月13日)配信した「メルマガ金原No.2598」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
UPLAN【原発事故被害者インタビュー(3)】吉田千亜さん(フリーライター)~『ルポ 母子避難―消されゆく原発事故被害者』著者~のご紹介

 いつもの午後2時からではなく、午後1時半から始まった原発賠償関西訴訟(大阪地方裁判所)の第11回口頭弁論、パワーポイントを使用した原告訴訟代理人による弁論も1本だけ、20分くらいで終わってしまい、傍聴された方にとってやや物足りなかったかもしれませんが、弁護団の一員として和歌山から大阪地裁まで出かけた私にとって、弁論が終わった後、午後2時過ぎから場所を移して行われた進行協議こそ、今日のメイン企画(?)でした。3人の裁判官に対し、原告、被告国、被告東京電力の三当事者が、それぞれこれまでの主張(一部これからの予定を含む)のポイントを(原告と国はパワーポイントまで用意して)プレゼンするというもので、終わったら5時を回っていました。私は、ただ聞いているだけの立場ですが、疲れました。非公開で行われた進行協議なので、その内容を勝手に書く訳にもいきませんが、「いっそ、このプレゼンを公開の法廷でやったら?」とは思いましたけどね。
 
 さて、難波から電車に1時間揺られて和歌山に帰り、ほぼ1日留守にしていた事務所に寄ってから「今日のメルマガ(ブログ)どうしよう?」「とても時間がかかる素材は取り上げられないし」と頭をひねっていると、さすがに5年半のキャリアは伊達ではなく(かな?)、今日1日を締めくくるに相応しい素材をすぐに見つけました。
 三輪祐児さんが主宰するUPLANが始めた【原発事故被害者インタビュー】シリーズの第3回がアップされていたのです。
 第1回の松本徳子さん、第2回の森松明希子さんのインタビュー動画については、まとめてメルマガ(ブログ)でご紹介していました。
 
 
 第3回となる今回は、ご自身が避難者という訳ではなく、避難者に寄り添い、交流し、取材した結果を発表して、避難者への理解を訴えているフリーライターの吉田千亜(よしだ・ちあ)さんがゲストです。
 
20161011 UPLAN【原発事故被害者インタビュー(3)】吉田千亜氏(フリーライター)に聞く(56分)
 

 吉田さんは、ライターとして週刊女性などの週刊誌にも寄稿しており、今発売中の同誌10月25日号にも書いておられるそうなのですが、未読ながら、同誌の表紙には、「10P大特集 原発は今、どうなっているのか!なかったことにされていく「被害」の現状」とありますので、この大特集の一部として、住宅支援打ち切りなどで追いつめられている避難者の現状をレポートしておられるのではないかと思います(想像ですけど)。
 
 また、このメルマガ(ブログ)を書くために調べていて気がついたのですが、吉田さんは、今年の2月、岩波新書から『ルポ 母子避難―消されゆく原発事故被害者』を刊行されているのでした。これも是非読まねば。岩波書店ホームページに掲載された情報を引用します。

(引用開始)
『ルポ 母子避難―消されゆく原発事故被害者』

この事実をまず知ってほしい

 原発事故による難をのがれ、県外へ自主的に避難した人たちのほとんどが、母と子だけの避難者であるといわれます。本書は、その母子避難者たちが強いられてきた苦しい生活の実態を初めて伝えるルポです。子の健康と成長を気遣う、母であればごく自然な思いが、ただ「避難指示区域外だから」ということだけで、冷たい無理解にさらされてしまう。本書が突きつけているのは、他者の境遇にたいする私たち自身の想像力の欠如と無関心です。原発事故のもたらした見過ごせない事実が、ここにもあります。本書を読
んで、なによりもまず知っていただきたいです。
(本書編集担当)
■著者紹介
吉田千亜(よしだ・ちあ)立教大学文学部卒業。出版社勤務を経て、フリーライター東日本大震災後、
放射能汚染と向き合う母親たちの取材を続けている。原発事故と母親を取材した季刊誌『ママレボ』、埼
玉県に避難している人たちへの情報誌『福玉便り』などの編集・執筆に携わる。
著書に『原発避難白書』人文書院(編集幹事、分担執筆)がある。
季刊誌『ママレボ』公式サイト
情報誌『福玉便り』公式サイト
■目次
はじめに

第1章 地震直後―迫られた選択
3・11/爆発/さらに遠くへ/親戚宅で/埼玉へ
[コラム]事故直後の被曝
第2章 避難生活―劣悪な環境
築40年の団地で/住み替え問題/「帰れ!」/郊外の公営住宅で/孤独な子育て/生活保護
[コラム]福島第一原発事故における甲状腺がん
第3章 夫― 一人残されたとき
転々と/東京へ/残された夫
[コラム]放射能汚染の測定
第4章 作られていくしくみ―被害の矮小化のはじまり
賠償指針/賠償を元手に/子ども・被災者支援法/「住民票」という問題/閉ざされた新たな自主避難
[コラム]分離世帯
第5章 なぜ避難者支援が不十分なのか
法律の基本方針/避難者とは誰か/原発ADR
[コラム]残った夫たち
第6章 帰還か、避難継続か
葛藤/帰還/強いられる選択/2014年になって初めて/広がる不安
[コラム]北海道と沖縄
第7章 消されゆく母子避難者
住宅提供の打ち切り報道/「避難する状況にない」/帰還に向けて/市長との対話/泣きながら待つより

おわりに
(引用終わり)
 
 『ルポ 母子避難』刊行時に受けたインタビューの中から、週刊通販生活にリンクしておきます。
 
週刊通販生活 今週の読み物
『ルポ 母子避難』著者 吉田千亜さんインタビュー
「来年3月に迫った借り上げ住宅の無償提供打ち切りを、なんとかして食い止めたい」

(抜粋引用開始)
──副題の「消されゆく原発事故被害者」はまさに、被害者にとって苦しい現状を言い表しています
吉田 何年後かには、原発事故の被害は住民の帰還が叶わない一部の地域だけにしかなかったことにされ
てしまうかもしれません。
 でも、母子避難者がどれだけ大変な思いで避難してきたかを側で見てきた私は、彼女たちの5年間を消したくないし、今後も子どもを被ばくから守りたいという意思を否定したくない。この本を通じて、現状
に一石を投じたいですね。
──『ルポ 母子避難』を読んだ方からは、どんな反応が寄せられましたか。
吉田 あるお母さんが「ここには、私のことが書いてあると思った」という感想を寄せてくださって。その方は、避難者ではないのですが、もし同じ状況になったら、自分も子どもを連れて避難するかも、と。
一番伝えたいことが伝わったのかな、と思えました。
(略)
 結局、私が一番伝えたいのは「自主避難している人たち、間違ってないよね」ということなんです。「
もし同じ状況に立たされたら、あなたも同じ選択をしない?」と問いかけたかった。
 住宅提供打ち切りは、自主避難の正当性を真っ向から否定する決定です。だからこそ、「子どもを守りたい」と思う人なら、母子避難者の思いが通じるはずだ、通じないかな、頼む、通じて!という、ギリギリの願いを『ルポ 母子避難』に託しました。母子避難者の現状を「明日の私の話」と捉え、打開策を一
緒に考えてくれる人が増えるようにと、願っています。
(引用終わり)
 
 UPLANによるインタビュー動画の紹介だけのつもりが、吉田千亜さんの著書や活動のご紹介にまで及びました。これを機に、『ルポ 母子避難―消されゆく原発事故被害者』は絶対に読もうと決意しました。皆さんも是非!

 最後に、いつものことながら、このような貴重な動画を無償配信してくださるUPLANに心から感謝したいと思います。と、お礼を言いながら書くのも気が引けますが、吉田さんインタビューの音声レベルが低く
て聴き取りにくいのです。これは私のパソコンだけの問題なのでしょうか?

10/29映画『標的の村』自主上映会@和歌山県橋本市のお知らせ~今の沖縄問題が90分で分かる!

 今晩(2016年10月12日)配信した「メルマガ金原No.2597」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
10/29映画『標的の村』自主上映会@和歌山県橋本市のお知らせ~今の沖縄問題が90分で分かる!

 メルマガやブログをやっていると、時々事務所に全く一面識もない方から手紙が届くことがあります。幸い、これまでのところ、ブログに書いた記事に対する非難中傷めいたものはほとんど来ておらず、かといって、賞賛のファンレターもなく、多くは行事のご案内だったりします。
 そして、その内容次第では、メルマガ(ブログ)で案内させていただくこともあります。
 今日、ご案内する映画上映会も、そのようにして私のところに届いた手紙とチラシをきっかけとして企画を知ったものです。
 私が、この上映会を取り上げようと即座に決めたのは、手紙を寄越された方が、私がいつもお世話になっている方のお知り合いであったということもありますが、何より、(おそらく)個人で上映会を企画したと思われるその映画というのが、三上智恵監督の2013年作品『標的の村』(制作:琉球朝日放送)だったからです。
 米軍ヘリパッド建設のために全国の警察力だけではなく、自衛隊のヘリコプターまで動員するというとんでもない状況が連日続く沖縄県東村(ひがしそん)高江。その高江の歴史と闘いを描いた三上智恵さんの3年前の夏に公開された初監督作品にして、琉球朝日放送に残した置き土産となった『標的の村』。和歌山県でも、紀南の方で上映会が行われたという話は聞いているのですが、かけ違ってまだ観る機会を持てていませんが、それにもかかわらず、少なくとも2回、私はこの映画をメルマガ(ブログ)で取り上げています。
 
2013年8月8日
映画『標的の村』が観たい!
 
 
 最初のブログにも書きましたが、『標的の村』は、琉球朝日放送が撮影したニュース素材などを基に、まずANN系列局で放送するための「テレメンタリー2012」用の30分ヴァージョンが作られ、ついで沖縄限定で放送するための60分ヴァージョンが作られました。この放送用の作品は、『標的の村 国に訴えられた東村・高江の住民たち』というタイトルでした。そして、全国の多くの人に観てもらうため、劇場公開用の91分ヴァージョンが作られたという経緯をたどった作品です。
 この内、私は、沖縄限定で放送された60分ヴァージョンが、2013年末に関西の放送局(多分、朝日放送)から1回だけ放送された際に録画して視聴し、深い感銘を受けたものの、劇場公開版はいまだに観られていないということは、先ほど書いたとおりです。
 
 映画の概要については、後ほど引用するチラシの記載情報をお読みいただくこととして、まずは、映画の予告編をご覧になっていただいた上で、今回ご案内する和歌山県橋本市での上映会の概要をご確認ください。その上で、上映日(2016年10月29日(土)3回上映)に橋本市に出向くことが可能な方には、是非、連絡先にメールか電話をして、『標的の村』をご覧になっていただきたいとお勧めします。
 
 
『標的の村』劇場予告編(2分06秒)

 
橋本市上映会のお知らせ
日時・会場
(1)映画上映のみ 
   2016年10月29日(土)11:00~ 
    橋本市産業文化会館「アザレア」3F会議室
     和歌山県橋本市高野口町向島135番地 TEL:0736-42-5070  
(2)映画上映+座談会(希望者のみ) ※座談中、梅川幸子さんの琴演奏あります♡♡
   2016年10月29日(土)13:00~
    橋本市産業文化会館「アザレア」3F会議室
     和歌山県橋本市高野口町向島135番地 TEL:0736-42-5070
(3)映画上映+交流会 ※民家のため20名迄、要予約。
   2016年10月29日(土)19:00~
    岸上 丸九(まるきゅう)食堂(丸九は、正しくは「〇」の中に「九」の字)
     和歌山県橋本市岸上(きしかみ)  
      ※金原注 岸上「まるきゅう食堂」で、地元の人は誰でも分かるのでしょうね。
入場料(各回とも) 前売り1,000円 当日1,200円
申し込み、問い合わせ先
 090-8753-4784(クサジマ)
 
marukyuushokudou@i.softbank.jp
 
 10月29日(土)、午前中は私的な輪読会、16時からは木村草太氏講演会(於:和歌山県勤労福祉会館プラザホープ)ということで、和歌山市橋本市間を往復しているだけの時間はとてもなく、今回の企画も私自身は見送らざるを得ません。
 橋本市での上映会が、3回とも盛況でありますよう、お祈りします。
 
 以下に、チラシの記載情報を転記します。
 
チラシから引用開始)
標的の村
  
スクリーンに叩きつける、伝えきれない沖縄
  
2012年9月29日。
アメリカ軍・普天間基地は完全に封鎖された。
この前代未聞の出来事を「日本人」は知らない。
 
ナレーション:三上智恵 音楽:上地正昭 構成:松石泉 題字:金城実 編集:寺田俊樹・新垣康之 撮影:寺田俊樹・QAB報道部 音声:木田洋 タイトル:新垣政樹 MA:茶畑三男 
統括プロデューサー:賀数朝夫 プロデューサー:謝花尚 
監督:三上智
制作・著作琉球朝日放送 配給:東風
2013年/HD/16:9/日本/91分/ドキュメンタリー 
 
公正中立などありえない。
なぜなら情報は視点なのだ。主観的で当たり前。
ところが現在のマスメディアは、ありえない公正中立を偽装している。
特に大メディアになればなるほど、この建て前は崩せないのだろうか。
……僕のその思いを、この作品はあっさりと覆した。
全編にみなぎる人々の怒りと悲しみは、撮影クルーや取材する記者たちの怒りと悲しみの声でもある。
すがすがしいほどに主観全開。それでいい。
だってそれが本来のメディアなのだから。
森 達也(作家・映画監督)
 
日本は未だにアメリカの植民地じゃないか。
それが沖縄の現実だ。
その最も象徴的な理不尽さに闘いを挑んでいる東村高江の人々。
米軍の軍事訓練の標的にされながら生活するその過酷な日常は殆ど報道されず、黙殺されている。
この映画はそれを訴える。
これは僕らの現実でもあり高江の人々の闘いは僕らの希望なのだ。
遠藤ミチロウ(ミュージシャン)
 
アメリカ軍・普天間基地が封鎖された日
全国ニュースから黙殺されたドキュメント
 
日本にあるアメリカ軍基地・専用施設の74%が密集する沖縄。5年前、新型輸送機「オスプレイ」着陸帯建設に反対し座り込んだ東村(ひがしそん)・高江の住民を国は「通行妨害」で訴えた。反対運動を委縮させるSLAPP裁判[※1]だ。わがもの顔で飛び回る米軍のヘリ。自分たちは「標的」なのかと憤る住民たちに、かつてベトナム戦争時に造られたベトナム村[※2]の記憶がよみがえる。10万人が結集した県民大会の直後、日本政府は電話一本で県に「オスプレイ」配備を通達。そして、ついに沖縄の怒りが爆発した。
 
2012年9月29日、強硬配備前夜。台風17号の暴風の中、人々はアメリカ軍普天間基地ゲート前に身を投げ出し、車を並べ、22時間にわたってこれを完全封鎖したのだ。この前代未聞の出来事の一部始終を地元テレビ局・琉球朝日放送の報道クルーたちが記録していた。真っ先に座り込んだのは、あの沖縄戦や米軍統治下の苦しみを知る老人たちだった。強制排除に乗り出した警察との激しい衝突。闘いの最中に響く、歌。駆け付けたジャーナリストさえもが排除されていく。そんな日本人同士の争いを見下ろす若い米兵たち……。
 
本作があぶりだそうとするのは、さらにその向こうにいる何者かだ。復帰後40年経ってなお切りひろげられる沖縄の傷。沖縄の人々は一体誰と戦っているのか。抵抗むなしく、絶望する大人たちの傍らで11才の少女が言う。「お父さんとお母さんが頑張れなくなったら、私が引き継いでいく。私は高江をあきらめない」。奪われた土地と海と空と引き換えに、私たち日本人は何を欲しているのか?
 
[※1]SLAPP裁判
国策に反対する住民を国が訴える。力のある団体が声を上げた他人を訴える弾圧・恫喝目的の裁判をアメリカではSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation)裁判と呼び、多くの州で禁じられている。
[※2]ベトナム
1960年代、ベトナム戦を想定して沖縄の演習場内に造られた村。農村に潜むゲリラ兵士を見つけ出して確保する襲撃訓練が行われていた。そこで高江の住民がたびたび南ベトナム人の姿をさせられていた。
(引用終わり)
 
(付記/劇場上映について)
大阪:シアターセブン大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ5階)で上映中
2016年10月8日(土)~10月14日(金) 15:40~17:16
2016年10月15日(土)~10月21日(金) 10:30~12:06
※金原注 三上智恵さんご自身のtweetから
「関西の皆さんへ!今の沖縄問題が90分でわかるドキュメンタリー映画「標的の村」の追加上映始まりました!来週金曜日、21日までです。今、劇場で見られるのはここだけです。今度こそお見逃しなく!十三シアターセブンで、高江と繋がって下さい!」
 
東京:ポレポレ東中野(東京都中野区東中野4丁目4-1)特集上映「地方からの声」で上映決定 
『標的の村』の上映予定
2016年11月12日(土)13:00~
2016年11月13日(日)15:30~
2016年11月14日(月)13:00~
2016年11月15日(火)15:30~
2016年11月17日(木)13:00~
2016年11月18日(金)15:30~

「報告・高レベル放射性廃棄物の処分をテーマとしたWeb 上の討論型世論調査」(日本学術会議・社会学委員会討論型世論調査分科会)のご紹介

 今晩(2016年10月11日)配信した「メルマガ金原No.2596」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「報告・高レベル放射性廃棄物の処分をテーマとしたWeb 上の討論型世論調査」(日本学術会議社会学委員会討論型世論調査分科会)のご紹介

 巻末に一覧を掲げておきましたが、3.11以降、高レベル放射性廃棄物の処分に関する日本学術会議の動向は、ある程度継続的にフォローしてきました。
 この間の経緯については、昨年(2015年)4月24日、日本学術会議・高レベル放射性廃棄物の処分に関するフォローアップ検討委員会が公表した「高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言-国民的合意形成に向けた暫定保管」の「要旨 1 作成の背景」に簡潔に説明されています。
 
 
(引用開始)
 日本学術会議は、2010年9月7日、原子力委員会委員長から「高レベル放射性廃棄物の処分の取組における国民に対する説明や情報提供のあり方についての提言のとりまとめ」という審議依頼を受け、課題別委員会「高レベル放射性廃棄物の処分に関する検討委員会」を設置した。委員会では、原点に立ち返った審議を行い、2012年9月 11日に原子力委員会委員長に回答を行った。
 回答で提示した提言を政府等が政策等に反映しやすくするために、より一層の具体化を図ることが重要であるとの認識から、2013年5月に「高レベル放射性廃棄物の処分に関するフォローアップ検討委員会」を設置し、回答のより具体的な方策について技術と社会という総合的視点から検討を重ねた結果、以下の12の提言を取りまとめた。
(引用終わり)
 
 上に述べられた、原子力委員会からの審議依頼(これは3.11の半年前)に対し、「原点に立ち帰った審議」(つまり依頼の趣旨を超える、ということ)をとりまとめた「回答」は以下のようなものでした。
 
 
 2012年「回答」後、上記のとおり、「高レベル放射性廃棄物の処分に関する検討委員会」における2年間の検討を経て、2015年4月に「政策提言」がなされたのですが、12点に要約された「提言」をもう一度振り返っておきましょう。
 
(引用開始)
(1) 暫定保管の方法と期間
提言1
 暫定保管の方法については、ガラス固化体の場合も使用済燃料の場合も、安全性・経済性の両面から考えて、乾式(空冷)で、密封・遮蔽機能を持つキャスク(容器)あるいはボールト(ピット)貯蔵技術による地上保管が望ましい。
提言2 暫定保管の期間は原則50年とし、最初の30年までを目途に最終処分のための合
意形成と適地選定、さらに立地候補地選定を行い、その後20年以内を目途に処分場の建設を行う。なお、天変地異など不測の事態が生じた場合は延長もあり得る。
(2) 事業者の発生責任と地域間負担の公平性
提言3 高レベル放射性廃棄物の保管と処分については、発電に伴いそれを発生させた事業者の発生責任が問われるべきである。また、国民は、本意か不本意かにかかわらず原子力発電の受益者となっていたことを自覚し、暫定保管施設や最終処分場の選定と建設に関する公論形成への積極的な参加が求められる。
提言4 暫定保管施設は原子力発電所を保有する電力会社の配電圏域内の少なくとも1か所に、電力会社の自己責任において立地選定及び建設を行うことが望ましい。また、負担の公平性の観点から、この施設は原子力発電所立地点以外での建設が望ましい。
提言5 暫定保管や最終処分の立地候補地の選定及び施設の建設と管理に当たっては、立地候補地域及びそれが含まれる圏域(集落、市区町村や都道府県など多様な近隣自治体)の意向を十分に反映すべきである。
(3) 将来世代への責任ある行動
提言6
 原子力発電による高レベル放射性廃棄物の産出という不可逆的な行為を選択した現世代の将来世代に対する世代責任を真摯に反省し、暫定保管についての安全性の確保は言うまでもなく、その期間について不必要に引き延ばすことは避けるべきである。
提言7 原子力発電所の再稼働問題に対する判断は、安全性の確保と地元の了解だけでなく、新たに発生する高レベル放射性廃棄物の保管容量の確保及び暫定保管に関する計画の作成を条件とすべきである。暫定保管に関する計画をあいまいにしたままの再稼働は、将来世代に対する無責任を意味する。
(4) 最終処分へ向けた立地候補地とリスク評価
提言8
 最終処分のための適地について、現状の地質学的知見を詳細に吟味して全国くまなくリスト化すべきである。その上で、立地候補地を選定するには、国からの申し入れを前提とした方法だけではなく、該当する地域が位置している自治体の自発的な受入れを尊重すべきである。この適地のリスト化は、「科学技術的問題検討専門調査委員会(仮称)」が担う。
提言9 暫定保管期間中になすべき重要課題は、地層処分のリスク評価とリスク低減策を検討することである。地層処分の安全性に関して、原子力発電に対して異なる見解を持つ多様な専門家によって、十分な議論がなされることが必要である。これらの課題の取りまとめも「科学技術的問題検討専門調査委員会」が担う。
(5) 合意形成に向けた組織体制
提言10 
高レベル放射性廃棄物問題を社会的合意の下に解決するために、国民の意見を反映した政策形成を担う「高レベル放射性廃棄物問題総合政策委員会(仮称)」を設置すべきである。この委員会は、「核のごみ問題国民会議(仮称)」及び「科学技術的問題検討専門調査委員会」を統括する。本委員会は様々な立場の利害関係者に開かれた形で委員を選出する必要があるが、その中核メンバーは原子力事業の推進に利害関係を持たない者とする。
提言11 福島第一原子力発電所の激甚な事故とその後の処理過程において、国民は科学者集団、電力会社及び政府に対する不信感を募らせ、原子力発電関係者に対する国民の信頼は大きく損なわれた。高レベル放射性廃棄物処分問題ではこの信頼の回復が特に重要である。損なわれた信頼関係を回復するために、市民参加に重きを置いた「核のごみ問題国民会議」を設置すべきである。
提言12 暫定保管及び地層処分の施設と管理の安全性に関する科学技術的問題の調査研究を徹底して行う諮問機関として「科学技術的問題検討専門調査委員会」を設置すべきである。この委員会の設置に当たっては、自律性・第三者性・公正中立性を確保し社会的信頼を得られるよう、専門家の利害関係状況の確認、公募推薦制、公的支援の原則を採用する。
(引用終わり)
 
 さて、今日ご紹介しようとするのは、今年の8月24日、日本学術会議内に設置された「社会学委員会討論型世論調査分科会」が公表した報告「高レベル放射性廃棄物の処分をテーマとしたWeb上の討論型世論調査」です。
 その経緯や調査結果については、報告の冒頭に掲げられた「要約」を引用したいと思います。
 
 
(引用開始)
                   要             旨
1 作成の背景
 日本学術会議は、2012年9月に『高レベル放射性廃棄物の処分について』と題する回答を原子力委員会に提出したが、より一層の具体化を図るために、2013年5月にフォローアップ検討委員会を設置し、2015年4月に『高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言-国民的合意形成に向けた暫定保管』と題する提言をまとめた。また、このフォローアップ委員会と並行して、2013年5月、日本学術会議社会学委員会の下に、討議デモクラシーの一つである討論型世論調査分科会を設置して、高レベル放射性廃棄物の処分問題をテーマとしたオンライン上の討論型世論調査(Deliberative Polling®; 以下 DP と略す)の実施と審議を進めることにした。
①討議テーマである高レベル放射性廃棄物の処分方法については、日本学術会議が先の回答で新たに提言した暫定保管、総量管理を中心に扱った。日本学術会議の提言は必ずしも地層処分を否定するのではなく、それに至る前に総合的なエネルギー政策の提示と高レベル放射性廃棄物の処分に関する国民的合意形成の必要性を強調する点に特徴がある。そこで政府の既定方針となっている地層処分と日本学術会議の提案のどちらが望ましいかをめぐり参加者による討議を実施し、討議前後の態度変容を計測した。
②討議参加者の募集はインターネット調査会社に依頼。同社登録のモニターからWeb討議参加者125人を募集した。層化抽出条件として、男女比、年齢分布、居住地域を用いたほか、Web 会議システム利用可能という条件を加えて参加者を募った。最終的には、101 人の有効参加者を得た。
③2015 年1月から討議参加者の応募を開始し同年3月1日に討議実験を実施した。
④その間、協力者には、応募時、討議直前、討議直後の計3回にわたり同一のアンケート調査を実施。比較のために、層化抽出された討議参加者以外のモニター1000名に対し同一の質問紙調査を実施した。
⑤討議実験は、1グループ6から8名で構成される14のグループに分け、グループごとの自由討議を75分間行い、討議の最後に専門家に対する質問をグループごとに作成し、続く全体会で立場の異なる専門家集団と2つのサブテーマについて質疑を各70分間行った。サブテーマとして、「地層処分 vs. 暫定保管・総量管理」、「処分地立地の方針と負担・便益の分担」の2つが設定されている。なお、討議参加者には、A4 版41頁の討議用資料を第一回アンケート調査後に配布した。

2 討議参加者の代表性、参加者による Web DP に対する評価
①討議参加者の学歴が非参加者に比べて高い傾向があること、及び 70 歳以上の参加者を得ることができなかったものの、性別、年齢、居住地、職業については有意差のないサンプルを得ることができた。
②討議参加者のWeb討議会に対する評価として、グループ討議、専門家との質疑応答セッションともに、およそ80%から90%が役に立ったと回答している。自由記入欄でのコメントを読むと、国民の理解と合意を要する政策について市民同士が市民目線で話し合う場をもっと作って欲しいという意見もあり、潜在的ニーズは高いと考えられる。
③北海道から沖縄まで日本全国からほぼ無作為に参加募集をした人が、14 グループにわかれ政策について議論し合う討議空間が作れたことの意義は大きい。

3 Web 討議参加による態度変容
 今回の実験では、Web会議システムを通じたグループ討議と質疑応答セッションであっても実空間上のDPと同様の態度変容が起きることが確認できた。主な結果は以下のとおり。
①「地層処分に対する賛成者」の割合は、討議前 32.7%から討議後 48.5%へと有意に増加した。また、処分の立地を受け入れるという者の割合も、討議前 11.9%から討議後 23.8%に増加した。このことは、討議を行うことによって、漠然とした不安がより客観的なリスクとして捉えられるようになったためと推察される。また、迷惑施設に対する責任を回避しないという倫理的選択を促す手掛かりになる可能性も示唆している。
②地層処分に対する支持が増加するのと同時に、「地層処分に性急に着手するのではなく、今しばらく時間をかけて、広く国民的議論を行うべきである」とする暫定保管の意見に対する支持も強まった。当初、地層処分と暫定保管が対立するものとして報道される傾向があり被験者もそのように考えることが想定されたが、討議参加者はそのように捉えていない。現状では、地層処分の必要性や安全性についての理解が深まったが、その危険性に対する危惧は高い水準にとどまっている。また、安全性を確保することは可能であるという認識も高まったものの、その技術が実現するまでには長期間を要すると認識することにより、暫定保管の支持率が高まったと考えられる。さらに、高レベル放射性廃棄物の総量に対する社会的合意がない状態で、その処分方法について議論することに対する異議も、暫定保管を支持する理由になっていると考えられる。
③暫定保管の期間については、討議前は10 年未満が最も多かった。これが、討議後には最頻値が10年~30年にシフトする。ただ、30年以上とする者は、討議後でも14.8%にしかならない。討議の結果、問題の性格から考えて短期に解決できない問題であるとの認識が高まったこと、しかしそれにもかかわらず、一世代程度30年の間に決着すべきという考えを反映した判断とみなせる。つまり、自分たちが作り出した問題を将来世代に押し付けるのではなく自己責任において解決すべきと考えていることである。
 通常の世論調査は、十分な情報や人の意見を聞く機会がないままの意見しか捉えることができず、熟慮した場合に人々がどのような意見を持つようになるのかを知ることはできない。今回の結果は、Web 会議システムを用いたDPが通常の世論調査の問題点を克服し、無作為抽出された市民からなる公共空間としてのミニ・パブリックスによる討議と民意の形成に、有力な手法となることを示している。高レベル放射性廃棄物の処分についての国民的合意形成にも有効な方法であることが示されたといえる。
 なお本報告は、文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(C)「Web会議システムを用
いたオンラインDP(討議型世論調査)の社会実験」(2013~2015年度、研究代表者・坂野
達郎)の助成を受けて、社会学委員会討論型世論調査分科会の監修の下に実施した調査の審議結果を取りまとめて公表するものである。
(引用終わり)
 
 上の「要約」では、「暫定保管の期間については、(略)一世代程度30年の間に決着すべきという考えを反映した判断とみなせる。つまり、自分たちが作り出した問題を将来世代に押し付けるのではなく自己責任において解決すべきと考えていることである。」というのは納得できるとしても、「「地層処分に対する賛成者」の割合は、討議前 32.7%から討議後 48.5%へと有意に増加した。また、処分の立地を受け入れるという者の割合も、討議前 11.9%から討議後 23.8%に増加した。このことは、討議を行うことによって、漠然とした不安がより客観的なリスクとして捉えられるようになったためと推察される。」というのは、「どうして?」と思いますよね。「全体会で立場の異なる専門家集団と2つのサブテーマについて質疑を各70分間行った。」とありますので、その「専門家集団」って具体的に誰?ということが気になり、調べてみました(「報告」の26頁に記載がありました)。
 
テーマⅠ:最終処分のリスクと責任(午前)
司会
 寿楽浩太(東京電気大学未来科学部人間科学系列助教
専門家
梅木博之(原子力発電環境整備機構理事)
鈴木達治郎(長崎大学核兵器廃絶研究センター長・教授)
藤村陽(神奈川工科大学基礎・教養教育センター教授)
柴田徳思(東京大学名誉教授、高エネルギー加速器研究機構名誉教授)
千木良雅弘京都大学防災研究所教授)
長谷川公一(東北大学大学院文学研究科教授)
 
テーマⅡ:処分地を受け入れますか?(午後)
司会
 寿楽浩太(東京電気大学未来科学部人間科学系列助教
専門家
武田精悦(原子力発電環境整備機構技術顧問)
鈴木達治郎(長崎大学核兵器廃絶研究センター長・教授)
山口幸夫(NPO法人原子力資料情報室共同代表)
新野良子(柏崎市男女共同参画審議会副会長)
千木良雅弘京都大学防災研究所教授)
長谷川公一(東北大学大学院文学研究科教授))
 
 「司会」を担当された東京電気大学助教の寿楽浩太(じゅらく・こうた)さんは、例えば以下のような論考を書いておられる方です。
 
 
 「専門家」の中には、私でも名前を聞いたことがある人もおられます。例えば、梅木博之さんは、3.11の4ヶ月ほど前、資源エネルギー庁が主催する「双方向シンポジウム どうする高レベル放射性廃棄物」(於:岡山市)小出裕章さんと対論した人で、当時の肩書きは「(独)日本原子力研究開発機構 地層処分研究開発部門 研究主席」という、「地層処分」推進研究者の代表のような人でしたね。
 それから、鈴木達治郎さんは、現職の前は、「原子力委員会・委員長代理」だった方です。
 また、長谷川公一東北大学大学院教授は、2015年「提言」公表後、原子力資料情報室の公開研究会の講師を務めておられました(原子力資料情報室の理事でもあったと思います)。
 テーマⅠについてのそれ以外の「専門家」の方の経歴などは全然存じ上げませんが、「専門家の人選は、DPの運営委員会が行う。人選にあたっては、討議テーマに対する立場の違いを反映するように選ぶこととなっている。今回は、前述の日本学術会議社会学委員会討論型世論調査分科会の監修のもとにこの人選を行った。」ということです。
 
 この「報告」を子細に読み込めば、多くの示唆が得られるかもしれませんが、今はそれだけの時間的余裕がありませんので、とりあえず、高レベル放射性廃棄物をテーマとした世論調査、それも「Web 上の討論型世論調査」という手法を用いた調査が行われ、その報告書が公表されているということをご紹介するにとどめます。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2012年10月1日(2014年1月18日にブログに再アップ)
2012/9/11 日本学術会議による高レベル放射性廃棄物の処分に関する「提言」

2012年12月31日(2013年2月13日にブログに再アップ)
12/2日本学術会議 学術フォーラム「高レベル放射性廃棄物の処分を巡って」
2014年10月3日
日本学術会議・分科会が公表した高レベル放射性廃棄物問題についての2つの「報告」
2015年2月19日
「核のごみ」をめぐる注目すべき動き~国の「基本方針」改訂と日本学術会議の「提言」
2015年5月7日
日本学術会議「高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言―国民的合意形成に向けた暫定保管」をこれから読む
2015年11月17日
長谷川公一氏「日本学術会議 暫定保管提言を考える」講演と意見交換(11/16原子力資料情報室 第88回公開研究会)

「総がかり行動」の中間総括~「戦争法廃止!憲法いかそう!総がかり行動シンポジウム」(10/6)を視聴して

 今晩(2016年10月10日)配信した「メルマガ金原No.2595」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「総がかり行動」の中間総括~「戦争法廃止!憲法いかそう!総がかり行動シンポジウム」(10/6)を視聴して

 10月6日(木)18時30分から、北とぴあ・さくらホールにおいて、戦争させない・9条を壊すな!総がかり行動実行委員会が主催する「戦争法廃止!憲法をいかそう!さらなる広がりを求めて 総がかり行動シンポジウム」が開かれました。
 当日のプログラムは以下のとおりでした。
 
①司会 土井登美江氏(解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会)
②主催者挨拶 高田健氏(解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会)
③総括と提起 福山真劫氏(戦争をさせない1000人委員会)
④カンパのお願い
⑤沖縄コーナー 
  “寿”ミニライブ
  一坪反戦地主会関東ブロックからの発言 
⑥シンポジウム 「総がかりのこれまで・これから」
 シンポジスト
  中野晃一氏(上智大学教授)
  高野孟氏(「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹)
  渡辺治氏(一橋大学名誉教授)
 コーディネーター
  小田川義和氏(戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター)
 
 このプログラムを眺めればお分かりのように、安保法案に反対する運動を結集するために作られたプラットフォーム「総がかり行動実行委員会」の、とりあえずの「中間総括」的な試みということでしょうか。
 私としては、中野晃一氏、高野孟氏、渡辺治氏という、情勢を分析し、展望を語るのに最もふさわしい3人の識者によるシンポジウムに興味をひかれました。
 ということで、動画を探したところ、いくつも見つかったのですが、この種のシンポジウムや講演会を動画で視聴する際、各話者の発言がクリアに聴き取れるかどうかが一番の関心事なので(少なくとも私は)、そういう基準から、最も「聴き取りやすい」立花健夫さんによる動画をご紹介することにしました。
 以下に、視聴のための目安時間も書いておきます。
 
2016/10/6 戦争法廃止!憲法いかそう!総がかり行動シンポジウム@北とぴあ(2時間22分)

冒頭~ 開会 司会 土井登美江氏(解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会)
2分~ 主催者挨拶 高田健氏(解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会)
9分~ 総括と提起 福山真劫氏(戦争をさせない1000人委員会)
28分~ カンパのお願い
30分~ “寿”ミニライブ
47分~ 木村辰彦氏(一坪反戦地主会関東ブロック)からの発言
55分~ シンポジウム 「総がかりのこれまで・これから」
 56分~ 小田川義和氏(戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター)
 58分~ 中野晃一氏(上智大学教授) 
 1時間18分~ 高野孟氏(「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹)
 1時間39分~ 渡辺治氏(一橋大学名誉教授)
 2時間02分~ 大沢真理氏(東京大学教授)からのメッセージの紹介
 2時間04分~ 中野晃一氏
 2時間11分~ 高野孟
 2時間14分~ 渡辺治
 2時間18分~ 小田川義和氏
2時間21分~ 閉会
 
 ところで、上にご紹介した動画は「聴き取りやすい」ということを最優先して選んだのですが、絵が引き過ぎていて、表情も読み取れないと不満に思われた方もいらっしゃることと思いますので、映像優先で選んだ動画もご紹介しておきます。「Makabe Takashi」さんによるものです(2本に分割されています)。
 
シンポジウム『戦争法廃止!憲法をいかそう!―さらなる広がりを求めて』 前半 2016年10月6日(56分)

シンポジウム『戦争法廃止!憲法をいかそう!―さらなる広がりを求めて』 後半 2016年10月6日(1時間27分)
 


 シンポジウムの最後で、渡辺治さんが、民主党政権の「失敗」をもたらしたのは、「私たちが観客であったこと」がその真の原因ではないのか?と発言されたことが心に残りました。
 参院選後に行われた渡辺治さんの講演動画はないか?と探しているのですが、なかなか見つかりません。見つけたらすぐにこのメルマガ(ブログ)で紹介しますね。
 
 「総がかり行動」の枠組みによる共同行動は、全国よりも半年余り遅れたとはいえ、ようやく和歌山でも実現し、実績を重ねつつあるところです。この灯火を守り、育てていくために、観客ではなく、当事者として何をしなければならないか、考えていきたいと思います。

「第6回 さようなら原発1000人集会~福島事故は、終わらない 帰還政策は、なんのため?~(10/8伊丹市)」アーカイブ動画を視聴する

 今晩(2016年10月9日)配信した「メルマガ金原No.2594」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「第6回 さようなら原発1000人集会~福島事故は、終わらない 帰還政策は、なんのため?~(10/8伊丹市)」アーカイブ動画を視聴する

 昨晩、といっても真夜中ですが、自分のブログ更新情報をFacebookにアップしたついでに、タイムラインに流れる「友達」発信の情報を流し読みしていたところ、花田惠子さんの投稿が目にとまり、一読しました。
 それは、私も気になっていた「第6回 さようなら原発1000人集会」(於:兵庫県伊丹市いたみホール」)に参加したという写真付きの報告でした。
 「気になっていた」というのは、基調講演が海渡雄一弁護士、報告者(ゲスト)が宇野朗子(うのさえこ)さんと福島みずほ参議院議員というのですから、(たとえ有料でも)都合がつけば聴いてみたいと思うでしょう?
 海渡雄一福島みずほご夫妻がともに参加・発言する企画って、ありそうで、めったにないような気がするんだけど。
 集会の動画が公表されていないだろうかと考え、開催地が兵庫県なので、「IWJ兵庫が中継してアーカイブをアップしてくれているのではないか?」と期待してアクセスしたところ、期待通りでした。大変ありがたいことです。
 動画は3本に分かれていますが、一番大事な音声レベルは非常にクリアで聴き取りやすいです。海渡さん、宇野さん、福島さんが、お三方とも滑舌が良く、もともと聴き取りやすいお話をされているということともあいまって、動画で集会を追体験するための条件はしっかりと整っています。
 同じ空気を吸うことによる共時体験は、さすがに現場に身を置くしかありませんが、それでも、講師、報告者のお話に耳を傾け、共に考えるための素材は十分に提供されています。あとは、それは私たちが有効に活用できるかどうかです。
 以下に、IWJ兵庫のアーカイブをご紹介します。
 
アーカイブ動画1本目
1分~ 主催者挨拶 山崎昌子さん(さようなら原発1000人集会実行委員会委員・呼びかけ人)
6分~ 海渡雄一さん(弁護士) 講演
※注 プログラムに掲載された講演の演題は「福島原発事故の原因・被害と脱原発訴訟の課題と展望」というものであり、講演冒頭で海渡さん自身が言われているとおり、非常に盛り沢山な80分間の講演です。演題には含まれていませんが、主催者のリクエストにより、最後の部分で「共謀罪」についても話をされているのですから。ちなみに、海渡さんは伊丹市の出身だそうです。
 
アーカイブ動画2
冒頭~ 宇野朗子(うのさえこ)さん(福島市から関西に避難) 報告
※注 自らの避難体験の報告と「避難の権利」を求める理由を訴えられました。「避難の権利」を求める全国避難者の会共同代表。
 
アーカイブ動画3
冒頭~ 宇野朗子(うのさえこ)さん 報告(続き)
6分~ 福島みずほさん(参議院議員、弁護士) 報告
辺野古・高江、憲法「改正」、TPPなど。ところで、福島さん、かつての対談相手・内田樹先生が館長をされている凱風館は、空手道場ではなくて合気道道場ですよ。
33分~ 閉会挨拶 中川慶子さん(さようなら原発1000人集会実行委員会委員・呼びかけ人)
 

(付録)
『ラブソング・フォー・ユー
』 作詞・作曲・演奏:ヒポポ大王
  

「前田佳世ソプラノコンサート 祈り、平和。そして希望へと」(11/12和歌山市河西コミセン)へのお誘い

 今晩(2016年10月8日)配信した「メルマガ金原No.2593」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「前田佳世ソプラノコンサート 祈り、平和。そして希望へと」(11/12和歌山市河西コミセン)へのお誘い

 前田佳世(まえだ・かよ)さんのコンサートをどうご案内しようかと考えています。
 知っている人には今さらですが、佳世さんのことを全く知らない人に、「11月12日(土)に和歌山市河西コミセンで前田佳世さんという方のコンサートをやります。素晴らしいコンサートになるはずだから是非聴きに来てください。入場料1,000円だけど。」ということを、どうやって広めていけば良いかと、主催の「前田佳世コンサートを成功させる会」共同代表4人のうちの1人として考えたことを書こうと思います。
 
 まずは、私が前田佳世さんに初めてお会いしたのがいつだったかと考えてみると、それまでも、田辺におうかがいした機会に、どこかですれ違っていた可能性は充分にありますが、ちゃんとお話したのは、2014年5月4日、和歌山県田辺市の紀南文化会館で開かれた「紀南ピースフェスタ2014~つながるいのちのために~」2日目に参加するために和歌山市から車を飛ばし、西谷文和さんの講演を聴いたり、クロージングコンサート「AWAYA with FRIENDS ミニマジカルサウンド劇場」を堪能したりしてから、閉会後の紀南文化会館の薄暗いロビーの一角で、旧知の笠松美奈さん(なつおmeets南風)を含む数名の方とお話した中に佳世さんも加わっておられたのが最初の機会であったと思います。この時は、もしかすると、「小池」という姓を名乗られていたかもしれません(「前田」というのは結婚前の旧姓ですが、音楽活動では「前田」を使い続けておられます)。
 その時のお話は、結成したばかりであったか、これから結成するということであったか定かに記憶していないのですが、安倍政権の進める集団的自衛権行使容認に向けた憲法解釈変更への動きなどに大きな危機感を抱き、田辺市の子育て中のママたちが、「9条ママnetキュッと」を結成するについて、参考になる話を聞きたいということで、お話することになったのだと思います。「助言」というほど大したことはお話できませんでしたが、「子どもたちのために何かをしなければ」というママたちの熱意に打たれました。そして、その活動の中心になっていたのが佳世さんでした。
 
 その「9条ママnetキュッと」が、田辺市で開業する日本最高齢の助産師・坂本フジヱさんを招き、「平和でこその命」と題した結成記念おはなし会を開催したのは、その年の7月13日のことでした。
 このおはなし会の模様は、田辺市中辺路町高原に住む映像作家・東条雅之さんが撮影し、スナメリチャンネルにアップしてくれています。そして、小池(前田)佳世さんが、主催者を代表して開会の挨拶をしています。佳世さんの挨拶は、動画の1分10秒ころからですが、東条さんの編集により、あっという間に終わって坂本先生の講演となります。
 
91歳現役の助産師 坂本フジヱさんのお話 「平和でこその命」 2014.7.13
 

 音楽家・前田佳世さんが、ソプラノ歌手、あるいは合唱指導者(田辺第九合唱団も指導)として、田辺市などの紀南地方を中心に活躍し、多くの実績を積み重ねておられることは、話には聞いていたものの、私自身が佳世さんの音楽家としての一面に触れる機会はなかなかなく、ようやくその機会に恵まれたのは、2014年9月23日に田辺市・万呂公民館で行われた「9条ママnetキュッと」主催の「憲法ってなあに?9条ってなあに?」に参加した時、集会の最後に、笠松美奈さんのピアノ、小池佳世(この日は前田佳世ではなかったような)さんの指導で、『青い空は』を一緒に歌った時でした。
 
 そして、憲法違反の安保関連法案が国会に上程された後、佳世さんの「子どもを守る活動」は、否応なく活発にならざるを得ませんでした。こちらの方は、小池佳世としての活動だったと思いますが、その活躍ぶりが端的に分かる動画を2本ご紹介します。
 1つ目は、2015年7月13日に和歌山城西の丸広場に2,500人の市民が結集した「憲法違反の「安保法制」に反対する7・12和歌山大集会」(主催:和歌山弁護士会)での佳世さんのスピーチです。当日の集会を下村雅洋さんが撮影された2本の動画の内の2本目冒頭で、佳世さんがスピーチされています(0分44秒~5分40秒)。
 
7月12日、和歌山弁護士会主催「憲法違反の安保法制に反対する7.12和歌山大集会&パレード」2部
 

 2つ目は、同年9月12日、田辺ひがしコミュニティセンターで開かれた「安保法案だよ全員集合!」という、安保法案に対する賛成派と反対派が2人ずつ登壇し、様々な論点について意見を述べ合うというイベントに、反対派の1人として登壇し、堂々と自らの主張を述べる小池佳世さんです。ちなみに、佳世さんと共に反対派として意見を述べたのは私でした。このイベントは実行委員会の主催ということになっていましたが、実質は、「9条ママnetキュッと」のメンバー及びその周辺の人たちが中心になって準備したもので、佳世さんは、賛成派として意見を述べてもらうべく、日本会議紀南支部の支部長に直接要請に行かれたと聞いています。すごい行動力!
 このイベントの動画も、東条雅之さんが撮影してくださいました。
 
安保法案だよ全員集合 2015.9.12
 

 さて、「安保法案だよ全員集合!」の1週間後、ついに安保関連法が成立してしまった訳ですが、佳世さんあきらめずに闘い続けます。今度は、本来の音楽家・前田佳世として。
 前田佳世さんによる、歌とトークで構成する平和コンサートが初めて行われたのは、私が知る限りでは、2015年11月29日に和歌山県みなべ町の南部公民館で開かれた「第6回 平和を願う町民のつどい」(主催:みなべ九条の会)であったと思います。
 このコンサートの模様は、幸い2本に分割されてYouTubeにアップされていますので、視聴の目安時間も添えて、曲目もご紹介しておきます。
 
前田佳世さん歌とトークNO1

冒頭~ トーク1
04分48秒~ 
 1曲目「アンパンマンのマーチ
 作詞:やなせたかし 作曲:三木たかし
10分04秒~
 2曲目「おひさま~大切なあなたへ」
 作詞:岡田惠和 作曲:渡辺俊幸
14分55秒~ トーク2(「9条ママnetキュッと」結成に至る経緯)
23分04秒~
 3曲目「いのちのリレー~NHK沖縄放送局 戦後70年テーマソング~」
 作詞・作曲:玉城千春金城綾乃仲宗根泉 
28分02秒~
 4局目「花~すべての人の心に花を~」
 作詞・作曲:喜納昌吉
 
前田佳世さん歌とトークNO2

冒頭~
 5曲目「島唄
 作詞・作曲:宮沢和史
04分25秒~ トーク3
09分20秒~
 6曲目 金子みすゞ童謡歌曲集から「こだまでしょうか」
 原詩:金子みすゞ 作曲:中田喜直
10分50秒~
 7曲目 金子みすゞ童謡歌曲集から「たいりょう」
 原詩:金子みすゞ 作曲:中田喜直
12分35秒~
 8曲目「歌をください」
 作詞:渡辺達生 作曲:中田喜直
17分30秒~
 9曲目「あい」
 作詞:谷川俊太郎 作曲:前田佳世子
20分00秒~
 10曲目「戦争は知らない」
 作詞:寺山修二 作曲:前田佳世子
23分14秒~ トーク4(平和って何?)
29分18秒~
 11曲目「多喜二へのレクイエム」
 作詞・作曲:kei suger
35分55秒~
 12曲目「アヴェ・マリア
 原詩:ウォルター・スコット 作曲:フランツ・シューベルト
 
 前田佳世さんによる、このような歌とトークで送る平和コンサートは、その後も県下何カ所かで行われたようですが、そのうち、私が聴かせていただいたのは、2016年2月28日に海南保健福祉センターで開かれた「海南海草平和の集い ママが歌い若者と弁護士が語ります」という集会ででした。サブタイトルで「ママが歌い」を担当したのが佳世さんで、「弁護士が語ります」が私であったことは言うまでもありません。

 その素晴らしい演奏の後、佳世さんの大ファンである西郷章さん、それに前田佳世さんと伴奏ピアニストの細尾和代さん(佳世さんとは田辺高校以来の親友だとか)に私を交えた4人で近くの喫茶店でお茶を飲みながらいろいろ楽しくお話したのですが、その中で、是非、和歌山市でも佳世さんのコンサートを実現したいね、という話が出たことを、もちろん忘れていませんでしたが、私自身は何をしたということもないうちに、てきぱきと段取りを進めた西郷章さんの呼びかけに応え、実行委員会(成功させる会)に参加したという次第です。
 
 ここで、ようやく11月12日(土)に開催する「前田佳世ソプラノコンサート」のお知らせが始まります。我ながら、前置きが長過ぎると思いますが、せっかく書いたのだから、削除はせず、このまま配信しようと思います。
 佳世さんの歌手としての実力については、本領のクラシック分野での歌唱を、実は私はまだ一度も聴いたことがなく、今度の河西コミセンでのコンサートを「楽しみにしています」ということなのですが、ただ、海南で経験した平和コンサートから想像する限り、今回のコンサートの第Ⅰ部(クラシック・オペラの一幕)は、決して期待を裏切ることのない素晴らしい演奏になるだろうと思っています。
 私自身、音楽の素養はありませんが、これでも和歌山県第九の会の理事として、和歌山市でのベートーヴェン第九公演の裏方歴は20年を超え、「門前の小僧習わぬ経を読む」程度の判断力はあるだろうと自負していますので。
 
 詳細は、チラシをご覧いただきたいのですが、以下には、「前田佳世コンサートを成功させる会」からのお願いの文書とチラシ記載情報を適宜整理したハイブリッド版の告知を記載します。
 何しろ、手作りのコンサートですから、ようやくチラシは刷り上がったものの、チケットはこれから作るということで、間もなく前売開始です。お声がかかりましたら、このメルマガ(ブログ)なども参考に、是非お買い求めのほど、よろしくお願いします。
チラシPDF
 
【コンサートの概要】
前田佳世ソプラノコンサート 祈り、平和。そして希望へと
[日時]2016年11月12日(土)14:00~16:00(13:30開場)
[会場]河西コミュニティセンター 2F多目的ホール
      和歌山市松江北2-20-7 ☎073-480-1171
[料金]1,000円(前売・当日) 
      障がい者500円/大学生・高校生500円/中学生以下無料
[出演]前田佳世(ソプラノ)& 細尾和代(ピアノ伴奏)
     クロマティカ! 田中麻衣子(ヴィブラフォン)& 多田安希子(ピアノ)
[内容]
Ⅰ クラシック・オペラの一幕 前田佳代&細尾和代
   オペラ「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」
   シューベルトアヴェ・マリア
   メンデルスゾーン「歌の翼に」他
クロマティカ!(Chromatica!) ※ヴィブラフォンとピアノのユニット
   バッハ「無伴奏チェロ組曲第1番・プレリュード」
   ピアソラ「鮫」「オブリヴィオン」他 
Ⅲ 母として歌手として、平和を想う 前田佳世&細尾和代
   さんご「いのちのリレー」
   Kシュガー「多喜二へのレクイエム」
   三木たかしアンパンマンのマーチ
   みんなで歌おうコーナー
   岡野貞一「故郷」
   菅野よう子「花は咲く」他 
[託児]託児あります(無料)。お申し込みは、11月8日までに西郷(☎090-5465-3105)までお願いします。
[主催]前田佳世コンサートを成功させる会
       共同代表 西郷 章、里﨑 正、田村悠紀栄、金原徹雄
[お問合せ]090-5465-3105(西郷)、090-1142-7774(里崎)、090-5670-7157(田村)
 
【出演者のプロフィール】
前田佳世(ソプラノ)
 大阪音楽大学大学院修了。ロータリー財団国際親善奨学生としてドレスデン国立音楽大学大学院にて研修を積み、ドイツ国家演奏資格を授与される。第9回和歌山音楽コンクール第1位。第52回全日本学生音楽コンクール大阪大会入選。
 これまで「魔笛」「小さな煙突掃除」「鬼打ち猿丸」などオペラ出演のほか、バッハ「ヨハネ受難曲」「ニコライミサ曲」など宗教曲のソリストを務める。大阪シンフォニカー交響楽団の定演、「丹波の森国際音楽祭 シューベルティアーデたんば」に出演。和歌山県内各地の小中学校でのコンサート、リサイタル活動など様々な演奏活動を展開している。
 2014年「9条ママnetキュッと」を立ち上げたことで、平和をテーマにしたコンサート活動もするようになり、「大切なものすべては、平和であればこそ」とメッセージを添えて演奏している。
 日本ドイツリート協会、日本シューベルト協会、田辺ゾリステン各会員、田辺第九合唱団指導、あすなろ合唱団指揮。
 
細尾和代(ピアノ伴奏)
 和歌山県立田辺高等学校を経て、武蔵野音楽大学器楽学科ピアノ卒業。和歌山県新人演奏会、田辺ゾリステン例会コンサート、ピアノ連弾「AiRe(アイレ)コンサート」、「滝浪ゆかりMY FAVORITE コンサート」等のコンサートに出演。また、1999年の南紀熊野体験博で上演されたオペラ「鬼打ち猿丸」では稽古伴奏ピアニストとして、2016年に、小中学校に配布される和歌山県民歌の録音に、東陽中学校合唱部の伴奏ピアニストとして参加。他、音楽ソロ、合唱、ヴァイオリン、チェロ、フルート、マリンバ等の伴奏をしながら、自宅にて後進の指導にあたる。これまで、ピアノを高橋陽子、小片修、原盾二郎、丸山徹薫、滝浪ゆかりの各氏に師事。
 
Chromatica!(クロマティカ!)
●田中麻衣子(ヴィブラフォン
 神戸女学院大学音楽学部音楽学科打楽器専攻卒業。
●多田安希子(ピアノ)
 神戸女学院大学大学院音楽研究科修了。
 ヴィブラフォンとピアにによる鍵盤楽器ユニット。二人は神戸女学院大学音楽科卒業の同級生で、2006年にユニットを結成し社会とつながる音楽活動を目指して続けている。『Chromatica!』の生の由来は、英単語のChromatic(半音階の。色彩的な鍵盤楽器の技巧的な曲という意味を持つ)です。
 
(お断り)
 今度のコンサートの会場が「河西(かせい)コミュニティセンター」という、コンサートを開催するのに適切とは言いにくい会場となったのは、年内の出演者の日程が動かせず、他に適当な会場を押さえることが出来なかったことによります。少しでも会場予約で苦労したことのある方であれば、秋の土曜日に演奏会に適した会場が空いているはずがないという実態をご理解いただけるかと思います。
 それと、市内のコミセンの中でも比較的古い河西コミセンにはグランドピアノがなく、演奏者にはアップライトピアノで演奏していただくことになり、大変申し訳なく思っています。「名演奏家は楽器を選ばず」という格言(?)のとおり、最善の演奏をしていただけることは間違いありませんので、ご来場の皆さんも、何卒ご理解をお願い致します。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2014年6月19日
“9条ママnetキュッと”結成記念おはなし会(坂本フジヱさんをお招きして 7/13@田辺市)へのお誘いと今後への期待
2014年7月18日
91歳の助産師 坂本フジヱさんが地元田辺で語った「平和でこその命」(7/13“9条ママnetキュッと”結成記念おはなし会)
2014年8月3日
子どもたちは絶対に守る!~ママは立ち上がる、いずれ日本中で
2014年9月23日
「9条ママnetキュッと」主催の「憲法ってなあに?9条ってなあに?」に参加してきました
2015年7月13日
「憲法違反の「安保法制」に反対する7・12和歌山大集会&パレード」に2500人が結集!
2015年9月12日
「安保法案だよ全員集合!」(9/12@田辺市)で話すつもりだったこと
2015年11月19日
前田佳世さんの歌とトークでおくる「第6回 平和を願う町民のつどい」(11/29みなべ「九条の会」結成10周年記念)のご案内
2015年12月27日
前田佳世さん(ソプラノ)の歌とトークで感じる“平和”~動画11/29みなべ九条の会「第6回 平和を願う町民のつどい」を視聴して
2016年1月28日
未来のために今を知る~2016年2月下旬 和歌山市・海南市での企画3題
 
 

(付録)
『Don't mind(どんまい)
』 作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ
 

前田佳世チラシ表前田佳世チラシ裏

10/16「原発問題を考える-なぜ原発映画を撮ったのか」~映画『朝日のあたる家』上映と太田隆文監督対談(主催:浄土真宗本願寺派総合研究所)

 今晩(2016年10月7日)配信した「メルマガ金原No.2592」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
10/16「原発問題を考える-なぜ原発映画を撮ったのか」~映画『朝日のあたる家』上映と太田隆文監督対談(主催:浄土真宗本願寺派総合研究所)

 和歌山県田辺市出身の太田隆文監督による、原発事故に見舞われた家族の悲劇を描いた劇映画『朝日のあたる家』を観に大阪十三のシアターセブンまで出かけてから、早いもので、3年以上が経過しました。
 鑑賞した当日の内に、その感想をブログにアップしています。
 
 
映画『朝日のあたる家』予告編-ロングバージョン(7分07秒)
 

 当初、DVD化は難しいのでは?と言われていましたが、発売にこぎつけ、今でもAMAZONから注文できます。
朝日のあたる家 [DVD]
オデッサ・エンタテインメント
2016-05-03

 
 その後も、2015年には『向日葵の丘 1983年・夏』をヒットさせ、東日本大震災のために一時上映打ち切りの悲運に見舞われ、その後、DVD化もされていなかった青春書道映画『青い青い空』も、5年ぶりに間もなくDVDが発売されるなど、太田監督の活躍は続いています。
 
 ところで、今日、太田隆文監督ご自身のFacebookを通じて、久々に『朝日のあたる家』に関する情報を知りました。来る10月16日(日)14:30~18:00、京都市龍谷大学響都ホールにおいて、映画『朝日のあたる家』上映(第1部)と太田監督を迎えた対談(第2部)が「入場無料」で行われるのですが、何と、主催が浄土真宗本願寺派総合研究所だというのです。
 実は、私自信、西本願寺の末寺の檀家に生まれ、今でも、同教団の門徒の1人にカウントされていることは間違いないでしょうし、特段それに異を唱えるつもりはないのですが、惜しむらくは、本願寺派西本願寺)が、大谷派東本願寺)に比べて、原発に対する姿勢が曖昧であるということです(憲法や安保法制についてもそうですが)。
 日本国憲法を継受した真宗大谷派の宗憲を読んだ時、私の念頭に浮かんだ感想は、今や象徴門首制をとる大谷派日本国憲法体制だとすれば、本願寺派西本願寺)は、大日本帝国憲法体制、それも大正デモクラシー期のそれかな、というものでした。
 それは余談として、その西本願寺にも変化の兆しがあるのでは?と思ったのは、今年の7月6日に浄土真宗本願寺派宗学院が小出裕章さんを招いた講演会を開催するということを知った時でした。私は大いに驚き、思わずブログで紹介したものでした(注目!小出裕章さんを公開講座の講師に招く浄土真宗本願寺派宗学院(2016年7月6日)/2016年2月22日)。
 
 今回、映画『朝日のあたる家』上映と太田隆文監督との対談(対談相手は、所長の丘山新さん)を企画した浄土真宗本願寺派総合研究所というのは、教団直轄のシンクタンクとでも言えば良いのでしょうか。
浄土真宗本願寺派総合研究所ホームページ
 
 宗学院といい、総合研究所といい、このような動きは、西本願寺本山自体にも変化が起きつつある兆候ということでしょうか。注目したいと思います。
 なお、10月16日の企画は定員350名ですが、本日(10月7日)現在、ホームページを見る限り、まだ申込み可能のようでしたので、本メルマガ(ブログ)でご紹介することとしました。ご都合のつく方に是非お勧めしたいと思います。
 以下に、浄土真宗本願寺派総合研究所ホームページから開催概要を引用します。
 
(引用開始)
平成28年10月16日(日) 
原発問題を考える-なぜ原発映画を撮ったのか-映画上映&監督対談
 
原発問題は社会全体の課題であり、その社会に生きる一人ひとりが主体的に考えるべき問題です。私たちは、原発のかかえる様々な課題に真摯に向き合い、次世代の人々が安心して暮らせる社会を実現しなければなりません。いまこそ原発をめぐる意見の対立を越えて共に考え行動することが求められています。今回上映する映画は、原発問題を扱ったもので、世代を超えて見ることの出来る内容となっています。一人でも多くの方々に映画を見ていただき、原発に対する関心を深め、どうのように向き合っていくべきかを考えていただければと思います。
 
開催日:平成28年10月16日(日)14:30~18:00(14:00開場)
講師:太田隆文 氏(映画監督)
内容:
 14:00 受付
 14:30 開会
 14:50 映画「朝日のあたる家」上映
 16:50 休憩
 17:00 太田監督と丘山研究所長との対談
 18:00 終了
受講料:無料
開催場所:龍谷大学響都ホール
 JR京都駅八条東口より徒歩約1分 
 アバンティ9階(店内東側エレベータをご利用ください)
定員:350名
お申し込み:FAXまたはWeb

[FAX申込用紙]
 
Introduction
 「ストロベリー・フィールズ」「青い青い空」「向日葵の丘1983年・夏」と、青春群像劇を描くことで評価が高い太田隆文監督が最新劇場用映画第3作目として選んだ題材は、メディア業界では“タブー”とされる原発問題を扱ったもの。
 本作「朝日のあたる家」は、自然が美しいある町に突然降りかかる原発事故による悲劇と、否応無く事故に巻き込まれていくひとつの家族の姿を描いていく。
 映画というものは、資金がなければ製作は出来ない。その資金集めに困難が予想された本作品は、企画の立ち上げから約1年半、ロケ地ともなった静岡県湖西市の人々の熱い支援により完成した。
 太田監督の描くものには、常に“連綿と繋がっていく思い”が詰まっている。それは前2作を観た観客が心を震わせ太田作品を“大事なもの”として胸に留め続けることからも明らかだ。
 今作も原発事故というシビアな題材を扱いつつ、ひとつの家族の姿を、ロケ地となった自然の美しい湖西市を舞台にして浮かび上がらせていく。そこにあるのは原発事故という悲劇だけではなく、家族、親子、次世代へと繋がる“絆”。その絆が何よりも大切なものであることを映画は見事に伝えていく。
 すでに2013年5月のジャパン・フィルム・フェスティバル・ロサンゼルス2013でも高評価を受けた本作。それは“想い”の詰まった映画ゆえに、言葉の壁を越えて人々の心に届いたからに他ならない。的確な演出、効果的な音楽、ドキュメンタリーであるかのような俳優たちの演技、それを支えるスタッフ、湖西市の支援、それら全てが一体となって製作された「朝日のあたる家」。
 “現在の日本”を生きる我々が真に必要とするべき映画がここに誕生した。
(引用終わり)
 
 最後に、チラシに記載された「講師プロフィール」を転記します。太田監督は、西本願寺と深いご縁があったのですね。
 
(引用開始)
1961年、奈良・誓興寺(浄土真宗本願寺派)住職太田信隆の長子として生まれる。南カリフォルニア大学・映画科に学ぶ。2006年、故郷和歌山県田辺市を舞台に青春ファンタジー映画「ストロベリーフィールズ」を監督。カンヌ映画祭でも上映。県から「きのくに芸術新人賞」受賞。2010年、浜松を舞台にした青春書道映画「青い青い空」を監督。地元でその年1番のヒット。ロサンゼルスの映画祭でも上映。2015年は「幸せとは何か?」をテーマとした「向日葵の丘 1983年・夏」(常盤貴子・主演)を監督。全国でヒット。いずれも原作のないオリジナル脚本を自ら執筆。地方の美しさを描いた映画。「毎回、涙が止まらない爽やかな感動作!」と多くの映画ファンが注目。大林宣彦監督が最も期待する映画作家の1人である。
(引用終わり)
 

(付録)
『ラブソング・フォー・ユー(LOVESONG FOR YOU)』 
作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ