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「共謀罪」をめぐる5月16日の動きを動画で振り返る~衆議院法務委員会参考人質疑、日比谷野音大集会、立憲デモクラシーの会シンポ

 今晩(2017年5月17日)配信した「メルマガ金原No.2815」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
共謀罪」をめぐる5月16日の動きを動画で振り返る~衆議院法務委員会参考人質疑、日比谷野音集会、立憲デモクラシーの会シンポ

 共謀罪シリーズの第25回です。
 今日にも委員会採決、明日には衆議院本会議通過か?という観測も流れていましたが、とりあえず、今週中の衆議院通過はなくなったようです。
 
朝日新聞デジタル 2017年5月17日11時35分
「共謀罪」週内通過を断念 4野党が法相不信任案提出

(抜粋引用開始)
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法の改正案をめぐり、民進、共産、自由、社民の野党4党は17日午前、法案を所管する金田勝年法相について、「資質の欠如は憲政史上例を見ない」などとして不信任決議案を国会に提出した。これを受けて、この日の衆院法務委員会は開かれず、自民、公明両党
は週内の衆院通過を断念した。
 自公両党の幹事長、国会対策委員長は同日朝、東京都内で会談し、不信任決議案を18日の衆院本会議で否決することを確認した。19日の衆院法務委で法案を採決する方針だが、衆院の通過は与党が目指していた18日から、23日以降にずれ込むことになった。
(略)
(引用終わり)
 
 さて、このような緊迫した情勢下、昨晩(5月16日)、東京において、共謀罪に反対する大規模集会とシンポジウムが開催されました。いずれも、動画がアップされていますので、ご紹介します。
 
 まず、午後6時半から日比谷野外大音楽堂で開催された「共謀罪廃案・安倍政権の改憲暴走を止めよう!5.16大集会」(共催:共謀罪NO!実行委員会、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)です。
 複数の動画がアップされていますが(集会だけのものや集会後のデモを含むものなど)、集会でのスピ
ーチが最も聴き取りやすいと判断したものをまずご紹介します。
 
2017.05.16 共謀罪廃案・安倍政権の改憲暴走を止めよう!5.16大集会(1時間16分)

3分~ 開会
4分~ 開会挨拶 福山真劫氏(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、戦争をさせない
1000人委員会)
10分~ 枝野幸男衆議院議員民進党
17分~ 山本太郎参議院議員自由党
23分~ 山下芳生参議院議員日本共産党
29分~ 吉川元衆議院議員社民党
33分~ 糸数惠子参議院議員沖縄の風
40分~ コール練習
43分~ 中野晃一氏(市民連合)
50分~ 海渡雄一氏(秘密保護法廃止へ!実行委員会)
56分~ 小野文珖氏(日蓮宗僧侶)
1時間02分~ 佐高信氏(評論家)
1時間07分~ 高田健氏(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、許すな!憲法改悪・市民連絡会)

 集会後のデモの様子も収録された動画も1つご紹介しておきます。
 
5月16日 共謀罪廃案・安倍政権の改憲暴走を止めよう!5.16大集会(2時間12分)
 

 もう1つ、時間も同じ午後6時半から文京シビックセンターで開催されたのが、立憲デモクラシーの会
シンポジウム「「共謀罪」を考える 自由を守るために私たちは何をすべきか」です。
 いつも立憲デモクラシー講座の中継をしてくださる三輪祐児さん(UPLAN)から動画がアップされていますのでご紹介します。
 
20170516 UPLAN「共謀罪」を考える 自由を守るために私たちは何をすべきか(2時間02分)

冒頭~ 開会 司会・山口二郎氏(法政大学教授、立憲デモクラシーの会共同代表)
6分~ 高山佳奈子氏(京都大学教授・刑事法学)
26分~ 長谷部恭男氏(早稲田大学教授・憲法学)
40分~ 山口二郎
41分~ 梅森直之氏(早稲田大学・日本政治思想史)
1時間08分~ ディスカッション
 
 植森教授からは、「頭の体操」として、治安維持法を褒めちぎるとどうなるか?という興味深いお話が聴けます。「共謀罪」を「治安維持法の再来」と評することが多いのですが、植森先生のお話を聴いてからなら、さらに説得力豊かな訴えが出来るのではないかと思います。
 
 さて、動画の紹介は以上の2つだけのつもりでしたが、やはりこれもご紹介しておきましょうか。
 昨日(5月16日)、4月25日に続き、衆議院法務委員会において、2回目の参考人質疑が行われま
した。
 衆議院インターネット審議中継で、当日の動画が視聴できます。
 意見を陳述した5人の参考人と、その推薦政党(推測ですが)を書いておきます。
  木村圭二郎氏(弁護士、ニューヨーク州弁護士)←自由民主党
  椎橋隆幸氏(中央大学名誉教授、弁護士)←公明党
  海渡雄一氏(弁護士)←民進党
  加藤健次氏(弁護士)←日本共産党
  指宿信氏(成城大学法学部教授)←日本維新の会
 弁護士が多いのですが、そのバックグラウンドは様々です。一番有名なのは海渡雄一さんでしょうか。
現在、日弁連共謀罪法案対策本部副本部長ですが、昨日の参考人としての意見は、日弁連を代表してのも
のではなく、個人的意見を述べるものと冒頭で断っておられました。
 加藤健次氏は自由法曹団幹事長、木村啓二郎氏は日弁連民事介入暴力対策委員会委員長ですが、お2人
とも、海渡弁護士と同様、(少なくとも建前は)個人の意見を陳述したということでしょう。
 弁護士の中にもいろいろな人がいる(自民党副総裁や公明党代表からして弁護士ですからね)のは当然
ですが、日弁連の一委員会の現役の委員長が国会で、日弁連が理事会の承認を経て公表した意見書を批判するというのは、正直あまり見たくない光景ではあります。
 とにかく、ご紹介だけしておきます。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2017年2月6日
レファレンス掲載論文「共謀罪をめぐる議論」(2016年9月号)を読む
2017年2月7日
日弁連パンフレット「合意したら犯罪?合意だけで処罰?―日弁連は共謀罪に反対します!!―」(五訂版2015年9月)を読む
2017年2月8日
「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」(2017年2月1日)を読む
2017年2月10日
海渡雄一弁護士with福島みずほ議員による新春(1/8)共謀罪レクチャーを視聴する
2017年2月21日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介
2017年2月23日
日本弁護士連合会「いわゆる共謀罪を創設する法案を国会に上程することに反対する意見書」(2017年2月17日)を読む
2017年2月24日
「安倍政権の横暴を許すな!」連続企画@和歌山市のご案内~3/3共謀罪学習会&3/25映画『高江―森が泣いている 2』上映と講演
2017年2月28日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.3
2017年3月1日
ついに姿をあらわした共謀罪法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)
2017年3月3日
「共謀罪」阻止の闘いは“総がかり”の枠組みで~全国でも和歌山でも
2017年3月4日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.4

2017年3月6日
共謀罪に反対するのも“弁護士”、賛成するのも“弁護士”
2017年3月8日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.5~「テロリズム集団その他」のまやかし

2017年3月9日
3月9日、和歌山で共謀罪に反対する街頭宣伝スタート~総がかり行動実行委員会の呼びかけで
2017年3月17日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.6~立憲デモクラシーの会が声明を出しました
2017年3月21日
閣議決定された「共謀罪」法案~闘うための基礎資料を集めました
2017年3月31日
2017年4月7日
2017年4月14日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.9~民科法律部会の声明を読む
2017年4月18日
声明「許せない「共謀罪」」~「「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会」が引き継ぐ「志」
2017年4月26日
緊急開催!和歌山弁護士会「共謀罪法案(テロ等準備罪)を考える県民集会」(5/10@プラザホープ)
2017年4月27日
高山佳奈子京都大学大学院教授による共謀罪法案についての参考人意見陳述(2017年4月25日・衆議院法務委員会)を読む

2017年5月9日
「共謀罪」阻止のために~5/9WAASA学習会で話したこと、6/11くまの平和ネットワーク講演会で話すべきこと

5月3日の憲法集会で山城博治さんが歌った『沖縄 今こそ立ちあがろう』

 今晩(2017年5月16日)配信した「メルマガ金原No.2814」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
5月3日の憲法集会で山城博治さんが歌った『沖縄 今こそ立ちあがろう』

 遅ればせながらですが、今年の憲法記念日(5月3日)、有明防災公園(東京臨海広域防災公園)で開催された「施行70年 いいね!日本国憲法 -平和といのちと人権を!-5・3憲法集会」
(主催:5・3憲法集会実行委員会)の動画をご紹介します。
 2016年から“ようやく”統一開催にこぎ着けた「憲法集会」。プログラムの内容については、
公式サイトの告知をお読みください。
 なお、この事前告知(チラシ)がWEBサイトに掲載されたのは3月17日のことでしたから、登壇予定者の中にお名前はありませんでしたが、その翌3月18日、5ヶ月間の不当拘束からようやく保釈された山城博治(やましろ・ひろじ)さんが、有明防災公園のステージに登壇され、そのスピーチと歌に多くの人が感動しました。ここに、山城さんの登壇部分の動画をご紹介します。
 
2017.05.03「5.3 憲法集会」: 山城博治さん (基地の県内移設に反対する県民会議)【15/26】(9分41秒)

  
 山城さんが歌われた曲は2曲あったようなのですが、最初の曲は(申し訳ありませんが)私は知りませ
ん(一緒に歌っていた人もいたようなので、知られた曲なのかもしれませんが)。
 もう1曲は、私でも知っている『美しき五月のパリ』(加藤登紀子さんが自らの訳詞で歌った)の替え
歌で、山城さん自身の作詞だそうです。替え歌の方のタイトルは?ネットで調べてみると、『美しき五月の沖縄』『沖縄の未来(みち)』『今こそ立ちあがろう』『沖縄 今こそ立ちあがろう』など様々あって、一番最後のがいいかな?などとも思いますが、正確なところはよく分かりません。
 歌詞を書き出したサイトもありましたが、これが確定版というものでもないようです。
 いずれにせよ、遅ればせながらであっても、是非多くの方に耳を傾けていただきたく、ご紹介すること
にしました。
 
 なお、集会全体の動画としては、(長いですけど)以下のものをご紹介しておきます。
 
『5・3憲法集会』全編(3時間28分)


 全編動画では、2時間54分から、「クロージングコンサート」(制服向上委員会、中川五郎PANTAの皆さんが出演)
の模様が視聴できます。演奏された曲目は以下のとおりでした。
 『理想と現実』
 『一台のリヤカーが立ち向かう』(中川五郎
 『さようなら世界夫人よ』(PANTA
 『新しい日本』(橋本美香、制服向上委員会)
 

(付録)
『今こそ立ち上がろう』 2015年11月29日 キャンプシュワブ ゲート前
演奏:山城博治with加藤登紀子古謝美佐子
  

放送予告5/21『戦争のはじまり 重慶爆撃は何を招いたのか』(NNNドキュメント)

 今晩(2017年5月15日)配信した「メルマガ金原No.2813」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
放送予告5/21『戦争のはじまり 重慶爆撃は何を招いたのか』(NNNドキュメント)

 1938年から1943年にかけて、200回以上にわたり、日本軍によって断続的に実施された「重
慶爆撃」。その軍事的、政治的、はたまた人道的、歴史的評価については、様々な見方があるようです。
 であるにしても、一時資料に基づいて、どのようなことがなされたのかを知ろうとする誠実さは、誰に
とっても必要なことでしょう。
 今度のNNNドキュメントが、55分の拡大枠で「重慶爆撃」を取り上げます。
 NNNドキュメントといえば、昨年のギャラクシー賞テレビ部門優秀賞を受賞した『南京事件 
兵士たちの遺言』(2015年10月放送)が思い出されます。その時と同じスタッフかどうか分かりませんが、自ずから期待が高まります。是非視聴をお奨めします。
 
日本テレビ系列 2017年5月22日(月)午前0時55分~(21日・深夜)
NNNドキュメント『戦争のはじまり 重慶爆撃は何を招いたのか』

(番組案内から引用開始)
日中戦争から今年で80年。その中でもあまり語られることがない日本軍による「重慶爆撃」。
当時の中国の首都の戦禍とは。
今も存命の中国人被害者は何を語るのか?
そしてその空爆の結果、いったい何を招いたのか...。
取材班は、防衛省に残る当時の日本軍の戦闘記録にあたった。
そして中国の重慶で海外のメディアとしては初めて、空襲の様子を記録した一次史料にたどり着いた。
取材から見えてきた「重慶爆撃」の真相を探る-。
ナレーター / 湯浅真由美  制作 / 日本テレビ  放送枠 / 55分
再放送
5月28日(日)11:00~ BS日テレ
5月28日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24
(引用終わり)
 
(付記)
 今週は、連日、メルマガ(ブログ)を書くために割ける時間が限られており、TV番組案内や動画紹介が続くと思います。私自身は正直「手抜き」ですが、紹介する対象の番組や動画は一切手抜きなしです。

必見!MBSドキュメンタリー映像'17『村と科学者~避難解除の福島・飯舘村~(仮)』(5/28深夜)

 今晩(2017年5月14日)配信した「メルマガ金原No.2812」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
必見!MBSドキュメンタリー映像'17『村と科学者~避難解除の福島・飯舘村~(仮)』(5/28深夜)

 昨日・今日の2日間(5月13日・14日)、放送大学和歌山学習センターで、 面接授業「中世の紀行文学を鑑賞する」(講師:下西忠高野山大学教授)を受講しました。放送大学の現役学生(正式に入学して9年目に入ったところ。まだ今年度を含めて2年間在籍できます)として、「東関紀行」を読むという得難い経験をしました。これによって、中世紀行文学の隆盛と新文体の確立が、その後の日本文学(松尾
芭蕉の「奥の細道」など)や文章日本語の形成に与えた大きな影響を知ることができました。
 来月も、下西先生は講演で和歌山市を訪れる予定と話されていましたが、詳細を聞きそびれてしまいました。簡単なネット検索ではよく分かりませんでしたが、講演情報に接してご都合がつくようであれば、是非受講をお勧めしたいと思います。

 さて、今日のメルマガ(ブログ)は、大阪の毎日放送MBS)が月に1回のペースで放送するMBSドキュメンタ
リー映像'17のご紹介です。
 番組案内を読んだ限りでは、飯舘村と今中哲二さんを追ったドキュメンタリーのようであり、これは必
ず視なければと思い、皆さまにもご案内することとしたものです。
 3.11以降、何度も今中さんの講演会に参加し、一度は私が交渉担当者となって来ていただいたこともあり(2012年4月に青年法律家協会和歌山支部がお招きした際)、すっかりお馴染みとなった今中哲二
さんですが、恥ずかしながら、3.11までは、そのお名前も存じ上げませんでした。

 3.11以降、今中さんや小出裕章さんら、京都大学原子炉実験所の原子力安全研究グループに集ったいわゆる「熊取6人組」の存在を知るきっかけとなったのは、毎日放送のドキュメンタリー映像'08として放送された『なぜ警告を続けるのか~京大原子炉実験所・"異端"の研究者たち』がネットにアップ
されたのを視聴した時でした。この番組を放送したばっかりに、関西電力からの強硬な抗議によって大変な騒ぎになったということも、すぐに知識として共有するようになりました。
 そして、3.11が起こった年(2011年)の秋には、その続編というべき
『放射能汚染の時代を生きる~京大原子炉実験所・"異端"の研究者たち~』が放送されました。

 その後、私のメルマガ(ブログ)でもたびたび今中哲二さんの活動を取り上げてきました。そのほんの
一部に過ぎませんが、末尾にリンクしておきました。

 それでは、5月28日(日)深夜に放送される「村と科学者~避難解除の福島・飯舘村~(仮)」の放送予告をご紹介します。大阪・毎日放送が視聴可能なエリアにお住まいの方は是非ご覧になってください。

毎日放送 2017年5月29日(月)午前0時50分~(28日・深夜)
MBSドキュメンタリー映像'17
「村と科学者~避難解除の福島・飯舘村~(仮)」

(番組案内から引用開始)
 福島県の北部にある飯舘村(いいたてむら)は人口6,000人、農業と肉牛で村おこしに励み、四季折々の風景が美しい村だった。村の大部分は福島第一原発から30キロ以上離れていたが、2011年3月の原発事故では気象状況のために大量の放射性物質が雨と雪によって降下し、山や田畑、住宅を汚染した。事故発生当初、村民には放射能汚染についての情報がほとんど知らされず、1ヶ月以上経ってから国は村を“計画的避難区域”に指定。人々は物事の判断を十分に行う暇もないまま全村避難させられ、故郷を奪われることに
なった。
 この飯舘村に事故当初から入り、放射能汚染の測定を続けている科学者がいる。京大原子炉実験所の今中哲二さんだ。村内をまわって空間放射線量や土壌汚染のデータを測定し、広く一般に公開している。「飯舘村を汚染している放射性物質は、主にセシウム134(半減期3年 ※金原注「2年」の間違い?)とセシウム137(半減期30年)。理論どおりに減衰してはいるが、汚染がほぼなくなるまでに、50年100年単位の時間がかかる」と今中さんは言う。原子力の専門家として、1986年にソ連で起きたチェルノブイリ原発事故を主に研究してきた。今中さんは福島とチェルノブイリを重ね合わせて、こう言う。「いったん原発事故が起きると、周囲20~30キロの地域・文化がまるごと失われるという点では、同じことが起きている・
・・」
 今年3月31日。飯舘村では避難指示が解除された(一部帰還困難地域を除く)。宅地や農地の大規模な除染の結果、年間の追加被ばく線量が20ミリシーベルトを下回るようになったというのが理由だが、山林の除染は手つかずで、村内には高線量が計測される“ホットスポット”が点在する。5月1日現在、村に戻ったのは259人。全人口の4%足らずで、ほとんどが高齢者だ。そんな村は、いま国からの交付金で財政は潤い(予算額は原発事故前の4倍)、道の駅や子ども園などの公共工事が急ピッチで進められている。原発事故での強制避難と解除を経験した村は、巨額の公費の下でどう再生を果たそうとしているのか、村民と科
学者それぞれの視点から考える。
(引用終わり)

(参考サイト) 

(参考動画)
第112回 原子力安全問題ゼミ(2016年2月10日) 今中哲二さん講演(1時間13分)

井手英策慶応義塾大学教授が民進党定期党大会(3/12)で語ったこと

 今晩(2017年5月13日)配信した「メルマガ金原No.2811」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
井手英策慶応義塾大学教授が民進党定期党大会(3/12)で語ったこと

 まことに遅ればせながらですが、2017年3月12日に開催された民進党定期党大会における井手英策氏(慶応義塾大学経済学部経済学科教授)による来賓挨拶をご紹介します。
 この10分余りのスピーチは、直後から大変な反響を呼んだそうですが、うかつにも私は全然気がついておらず、ほぼ2ヶ月遅れで、Facebookのタイムラインで挨拶の全文(民進党ホームページに掲載)がシェアされているのに気がつき、一読、井手教授の魂の言葉に直接私の心が鷲づかみにされるような衝撃を受けました。
 私のメルマガ(ブログ)の読者でも、ついこの前までの私と同様、まだこのスピーチの存在を知らない方がおられるだろうと思いますので、ご紹介することとしました。
 井手教授の研究分野が「財政社会学、財政政策史、地方財政論」であると本務校ホームページに掲載されていますが、同教授のその他の学問的業績や経歴などは、末尾で参考サイトにまとめてリンクしておきましたので、適宜ご参照ください。
 
 この「あいさつ全文」は、録音に基づく文字起こしに手を入れたものか、それともスピーチ用の原稿をそのまま掲載したものか分かりませんが(多分後者ではないかと思うのですが)、スピーチ動画と併せて繰り返し読むに値するものです。
 本当は、全文「転載」したいところですが、冒頭部分は引用を省略しました。この部分では、なぜ井手教授が、周囲の反対を押し切ってまで、民進党の「尊厳ある生活保障総合調査会」(前原誠司会長)のアドバイザーとなり、党大会の来賓として挨拶すべくここに立っているのかを、実に率直に語っておられます。是非この部分もリンク先でお読みください。

 民進党の党大会における同党アドバイザーによる来賓祝辞ではありますが、このスピーチに接したほとんどの者は、おそらく党派性など意識しないでしょう。本当に必要なパラダイムシフトとは何か?その方向性の共有こそ、間近くは「立憲野党共闘」の結集軸であるべきだし、中長期的には、今後の「政治改革」(この言葉には危険な要素が多分に含まれていますが)が目指すべき理念でなければならないと考えるのではないでしょうか(※ここでは、個々の政策(例えば「増税」とか)についての賛否はとりあえず横に置いておきますが、いずれそうも言っていられなくなるでしょう)。 
 
 前置きはこれくらいにしておきます。以下に、井手英策教授による3月12日のスピーチを、動画と原稿でご紹介します。
 感銘を受けられましたら、是非周りの方に広めてください。
 
動画・民進党・2017年度定期大会来賓挨拶 慶応大学経済学部 井手英策教授(12分)


2017年03月12日 民進党【定期党大会】
来賓 慶応大学経済学部 井手英策教授あいさつ=全文

(抜粋引用開始)
(冒頭部分省略)
 そうです。傍観することを、ただ黙って見ていることを、時代が許してくれません。日本の現状を見てください。現役世代への社会保障や教育サービスの水準は主要先進国の中で最低レベル。必死に働いてお金を貯めて、そして自分自身の力を振り絞って明日の暮らしを何とかする。まさに自己責任の社会を僕たちは生きています。
 ところがです。子どもの教育であれ、病気や老後の備えであれ、貯蓄がなければ生きていけないこの社会なのに、家計貯蓄率はほぼゼロに落ちています。夫婦2人で働くようになったにもかかわらず、世帯の収入はこの20年間で2割近く落ちました。
 年収300万円以下の世帯が34%を占め、国民の9割が老後に不安を感じる。異様です。苦しんでいるのは現役世代だけではありません。高齢者の中で生活保護を受ける人の割合、この20年間で倍増しました。「老後の備えとして貯金や資産が足りない」と答えるお年寄りの割合も、欧米の2倍から3倍に達しています。
 それなのに、それなのにです。多くの人たちが不安に打ち震える中、財政は再分配、格差是正の力をすっかりなくしてしまっています。財政が介入すると、子どもの貧困率がかえって悪化するという驚くべき状況までが生まれています。北欧諸国と並んで平等主義国家と言われた私たち日本でしたが、今ではジニ係数を見ても、相対的貧困率を見ても、格差社会、いやいや、あえて言うならば「格差放置社会」をつくり出しています。僕たちは同じ国を生きる仲間なのに、困っている人たちを平気で切り捨てるような社会をつくってしまった。
 いや、今の日本は、弱者を見捨てる、切り捨てるだけでは済みません。僕の住んでいる神奈川県小田原市で、生活保護受給者を見下すようなジャンパーが作製され、それを着用した職員が約10年にわたって生活保護受給者の自宅を訪ねるという問題が発覚しました。僕は一市民として情けなくて、情けなくて、情けなくて、胸がもう悲しみで張り裂けそうになりました。市長のご依頼もあり、この問題を検証する会議の座長を引き受ける決意をいたしましたが、そこで驚くべき事実と出会いました。
 ケースワーカーは、重労働に耐え、時には命をかけて仕事に熱心に取り組んでいた人たちだったのに、組織の中では彼らは孤立し、そして彼ら自身苦しみを訴えるチャンスすら与えられていませんでした。彼らは、加害者であるのと同時に、犠牲者でもありました。追い詰められた弱者が、さらに弱い人たちを差別する。ここにこそこの問題の本質がありました。
 多くの障がい者が殺傷された相模原の事件を思い出していただきたいと思います。戦後最悪の事件の一つでしたし、犯人を許すことは絶対にできません。ただ、一方で加害者は、職を失い障がいを持つ社会的な弱者でもありました。この事件も小田原市の問題と同じで、弱者がさらなる弱者を痛めつけて喜ぶという絶望的な事件だったわけであります。
 そう、誰もが犠牲者に、被害者になり得るというこの悲しい構図の中で、弱者に対する優しさが失われ、不安を抱える者同士が傷つけ合う。それが今の日本社会の姿ではないのかと思います。
 民進党の政策理念に「未来への責任」という言葉がございます。全くそのとおりです。3人の子どもを持つ一人の父親として、このようなみすぼらしい社会を子どもたちに残すわけにはいきません。
 人間同士が分断され、生きることが苦痛と感じるような社会を、子どもたちに絶対に残すわけにはいかんのです。だからこそ、皆さんに聞きたいことがある。皆さんはアベノミクスをどうお考えでしょうか。「かけ声倒れの失敗だった」「何の効果もないじゃないか」、きっとそうお考えでしょう。
 では、皆さんにもう一度お伺いしたい。民進党が政権を取れば、かつてのような経済成長を取り戻すことができるとお考えでしょうか。民進党が政権を取れば、かつてのような豊かな貯蓄をまた本当に取り戻せるとお考えでしょうか。僕はそう思いません。
 成長率を高めるには幾つかのポイントがあります。労働力人口、労働者の生産性、国内の設備投資。しかし、どれも期待できない。そのことは、潜在成長率が1%さえ超えられないという現実によって雄弁に語られていると思います。
 最後の希望は技術革新です。「政府がイノベーションを生み出す」、本当ですか。歴史を見る限り、私の知る限り、日本経済が次々と新しい技術を開発し、そして高い成長率を記録した時代、それは政府が景気対策規制緩和も行う必要のなかった高度経済成長期のことであります。
 そうです。経済を成長させて、所得を増やして、貯蓄で安心を買うという、この自己責任モデルがもう破綻しているわけです。アベノミクスへの対抗軸は決して成長を競い合うことではありません。
 貧しい人を助けるという常識が通用しない時代がやってきています。生活不安があらゆる人間をのみ込もうとしています。自己責任のこの財政をつくり変え、分かち合い、満たし合いの財政にしていく。貧しい人だけではなく、あらゆる人々の生活を保障していく。期待できない経済成長なんかに依存するのではなく、将来の不安を取り除けるような、そういう新しい社会モデルを示してこそ、対立軸たり得るのではないのかと私は思います。
 不安に怯える国民が待ち望んでいるのは、このパラダイムシフト、勇気ある一歩、発想の大転換だと申し上げたくて、きょうはこの場に参りました。
 僕は20年かけて、自分の学者生命をかけて作り上げた大切な理論を、言ってみれば学者としてのこの僕自身全てを、前原調査会、皆さんにお預けしようと思っています。理由は簡単です。僕はこの日本という国が、好きで、好きでたまらないのです。自分が生まれた国だからではありません。日本がすごい国だからでもありません。家族や友人、愛する人たちが生きるこの国だからこそ、僕は日本が大好きです。大切な人たちが住むこの国を、どうか自己責任の恐怖に怯える国から、「生まれてよかった」と心底思える国に変えてください。人間が人間らしく生きていける社会。人間の顔をした政治を取り戻してください。
 対抗軸は皆さんにしかつくれません。この叫びにも近い強い願いを皆さんに託して、私からのご挨拶の言葉にかえさせていただこうと思います。
 ご清聴どうもありがとうございました。
(引用終わり)
財政社会学者、井手英策のブログ
※ブログの最新エントリーは、民進党大会でのスピーチの反響を受けて書かれた「シンプルなものをもっとシンプルにして生きる」です。
 
(参考書籍)
『財政赤字の淵源 寛容な社会の条件を考える』有斐閣)2012年10月刊

『日本財政 転換の指針』岩波新書)2013年1月刊

『経済の時代の終焉』岩波書店)2015年1月

『18歳からの格差論 日本に本当に必要なもの』東洋経済新報社)2016年6月刊


『財政から読みとく日本社会 君たちの未来のために』(岩波ジュニア新書)2017年3月刊

5/20安倍政権に反対する和歌山デモ(ABE NO! DEMONSTRATION)参加のお誘い

 今晩(2017年5月12日)配信した「メルマガ金原No.2810」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
5/20安倍政権に反対する和歌山デモ(ABE NO! DEMONSTRATION)参加のお誘い

 典型的なノンポリ弁護士であった私は、長らく「デモなど自分にとっては無縁なもの」と思ってきました(お誘いもありませんでしたしね)。
 そんな私が、初めて本格的なデモに参加したのは、2012年7月22日、奥野亮平さんが呼びかけて実施された「原発さよなら行進@和歌山」(の第1回)でした。この日、集合・解散場所となった和歌山城西の丸広場で、わざわざ駆け付けてくださった中川敬さん(ソウル・フラワー・ユニオン)と記念写真に収まった私の嬉しそうな写真が残っています(7/22「原発さよなら行進@和歌山1」大成功!)。

 当日書いたメルマガ(後にブログに転載)には、「私は、写真を沿道から撮影しがてら、誰に頼まれた訳でもないのですが、参加人数の確認を何度か行いました。数えるたびに人数が違いましたが、最も多かったのは、三年坂を下った関西電力和歌山支店の直前あたりでの「186名」でした。」とあり、以後、私が参加したデモの大半で、「誰に頼まれた訳でもな」く、写真係兼参加者数確認係を続けています。
 憲法9条を守る和歌山弁護士の会が呼びかけて、2014年6月から始まった「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」は、回を重ねて、来週月曜日(5月15日)が第35回となります(自慢ではありませんが、私は「皆勤」です)。
 
CIMG6074 ということで、私自身、デモに参加すること自体は少しも珍しいことでくなってきました。
 とはいえ、サウンドカーが先導し、その荷台からコールやスピーチが行われるという、本格的な「サウンドデモ」が和歌山で行われたのは、私の知る限り、昨年(2016年)実施された以下の2回だけだったと思います。
 
2016年3月27日(日)実施
“Sound Walk Festa –Democracy Never Falls Silent–”(サウンド・ウォーク・フェスタ「民主主義は黙らない」)
 
2016年6月11日(土)実施
“GO VOTE サウンドウォークデモ”
  
 私のブログで、6月のデモの予告記事を書いた際、3月の“Sound Walk Festa”の写真レポートをご紹介していますので、ご参照いただければと思います(“GO VOTE サウンドウォークデモ”@和歌山市(6/11)のご案内/2016年5月17日)。
 上に掲載した写真は、昨年6月11日の“GO VOTE サウンドウォークデモ”のゴール付近(南海和歌山市駅前)の模様です。

 さて、昨年の6月以来、久々のサウンド・デモが5月20日(土)に行われます。その名も「安倍政権に反対する和歌山デモ(ABE NO! Demonstration)」。
 去る5月9日、WAASA(安全保障関連法制の廃止を求める和歌山大学有志の会)の共謀罪学習会にお招きいただいて和歌山大学を訪ねた際にフライヤーをいただきました。
 若い人たちが中心になって準備しているサウンド・デモ。是非多くの人が参加して盛り上げたいですね。
 ということで、以下にフライヤーの内容をご紹介します。


フライヤーから引用開始)
安倍政権に反対する和歌山デモ
ABE NO! DEMONSTRATION
WAKAYAMANS NEVER GIVE UP DEFENDING DEMOCRACY!

2017.5.20 SAT
@大新公園 14:00 集会 14:30 デモ出発

「♯デモのある和歌山」へ
安倍政権が暴走している!と思いませんか?
2017年に入ってからの問題をあげても
南スーダン「日報」問題、森友問題、教育勅語の復活を否定しない、共謀罪など・・・
また、長年の課題である、原子力発電は相変わらず推進されています。
沖縄では辺野古埋め立ての強行工事が再開されました。
福島では新たに避難解除地域が増え、それに伴い復興大臣の暴言がありました。
興大臣に限らず、安倍政権の閣僚からは失言・暴言が次々と出てきています。
国会では法案の話し合いがまともに行われず、
多数決の強行採決で、法律が作られ、変えられています。
私たちは、こういった安倍政権の態度に日々、不安と怒りを募らせています。
こうした情勢の中で、私たちは、「ここ、和歌山からも声をあげたい」
「デモが日常の景色としてある社会を和歌山にも作っていきたい」
と考えています。
「こんな政治はおかしい!」「こんな政治にしたい!」
みんなの思いを一緒に訴える、そんなデモを作りたいと思います。
2017年5月20日、一緒に歩きましょう!
                
ABE NO! DEMONSTRATION 実行委員会
(引用終わり) 

 私としても、是非参加したい「安倍政権に反対する和歌山デモ」ですが、果たして参加できるだろうか?と悩んでいます。何しろ、その日、どうしても欠席する訳にはいかない親戚の法事があり、法事が終わってから急いで着替え(略礼服のままというのは避けたい)、大新公園を目指したとして、はたして14時30分のデモスタートに間に合うか?かなり疑問だからです。
 こうなったら、デモ隊に途中合流するしかないかもしれないと思い、5月9日に和歌山大学で確認したルートを以下に書いておきます(ただし、和歌山市の地理に不案内の人には何のことか分からないでしょうが)。

1 スタート地点 大新公園(和歌山市坊主丁12番地)
2 大新公園を南下して「けやき大通り」と交差する地点で左折。同大通りを東進してJ R和歌山駅を目指す。
3 JR和歌山駅前大交差点の紀陽銀行東和歌山支店角を左折。
4 「北大通り」を北進。
5 中之島ロータリーを抜けて「北大通り」を西進。
6 北新橋西詰の交差点を左折して「築地通り」を南進。
7 「ドン・キホーテぶらくり丁店」前を通過しさらに南進。
8 「堀詰橋」南詰プロムナード付近でゴール・解散

天啓の宙2015 なお、デモに参加してゴールした人は、堀詰橋プロムナードに設置されているオブジェ「天啓の宙(てんけいのそら)」を是非ご覧になってから帰宅の途についてください。この像は、和歌山大空襲から50年目の1995年、当時「和歌山の平和を希(ねが)う会」の事務局長だった故・斎木早苗(さいき・さなえ)さんの依頼で、湯浅町の彫刻家・橋本和明さんが製作したもので、毎年8月15日には、有志市民らが集まって、オブジェと周辺の清掃活動をボランティアで行っており、2年前には和歌山放送が取材しています。今でも写真付きでそのニュースを読むことができます(【終戦の日】和歌山市の「天啓の宙」像で清掃活動(写真付))。そういれば、その日は私もその場にいたのでした。

安倍ノーデモ表安倍ノーデモ裏

小沢一郎自由党代表講演会@6/10和歌山市(ルミエール華月殿)のご案内

 今晩(2017年5月11日)配信した「メルマガ金原No.2809」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
小沢一郎自由党代表講演会@6/10和歌山市(ルミエール華月殿)のご案内

 選挙の応援などは別として、講演などのために和歌山を訪れる著名な政治家の内、自由党(現在、衆議院議員2名、参議院議員4名が所属)議員の存在感はなかなかのもので、昨年2月の山本太郎さん(当時は「生活の党と山本太郎となかまたち」)、今年2月の森ゆうこさんに続き、いよいよ小沢一郎
んが6月10日に和歌山で講演されます。
 同日、自由党和歌山県支部連合会の結成大会が開かれるのに合わせての来和です。
 主催の自由党和歌山県支部連合会結成準備会の中心メンバーから広報への協力依頼があり、メルマガ(ブログ)でお知らせすることとするものです。

 前々から述べているとおり、私は選挙権を行使できる年齢に達して以降ずっと、「選挙には必ず行く無
党派」であり続けています。
 私には私なりの政党に対する評価はあり、その時々の情勢により、戦略的投票を行うことも躊躇しない
ということでやってきました。
 私の「現在の」自由党(こう言わないと、鶴保庸介氏を最初に参議院議員に当選させたのも「旧」自由党でしたからね/小沢さんには、元秘書の現状について「落とし前」をつけてもらわねば、というのが私の思いです)に対する評価は、小なりと言えども、立憲野党グループの中で重要な位置を占めている政党というものであり、今日のメルマガ(ブログ)で小沢一郎さん講演会をお知らせするのも、そのような立場からです。
 
 ここでは、憲法記念日自由党が小沢代表名で公表した文章を紹介しておきましょう。
(引用開始)
                               
平成29年5月3日
                               代 表 小 沢 一 郎

 日本国憲法が施行されて、本日で70年を迎えた。
 確かに普段国民が憲法そのものを意識する機会は決して多いとはいえない。しかし、憲法立憲主義の精神が、この国と、国民の生活全体を支える欠くことのできない基盤となっていることはいうまでもない

 我々が、日々自由に活動できるのも、自由に発言・表現できるのも、すべて憲法の保障によるものであ
り、憲法記念日は、そうしたことを国民一人ひとりが改めて噛み締める良い機会である。
 しかし、同時に、憲法立憲主義は現在、これまでにない最大の危機を迎えている。安倍政権は、現行憲法が戦後の「押しつけ」であるとして肯定的な評価を与えないばかりか、安保法制の強行採決に見られ
たように、あからさまに憲法をないがしろにする政治姿勢を続けている。
 そもそも総理は、信じがたいことであるが、「憲法で国家権力を縛るというのは絶対王政時の旧い考え方」と国会で答弁するなど、現行憲法立憲主義を全く理解しておらず、この総理が提唱する憲法改正
ど、考えただけでも恐ろしいことである。
 すなわち、国民主権基本的人権の尊重、平和主義、国際協調主義の四原則をしっかりと守るため、国家権力の暴走を食い止めることこそ憲法の本質なのであり、これを全く理解せず、情緒的な反立憲主義
立場をとる安倍政権下での憲法改正は、全く認められない。
 このまま安倍政権による憲法軽視、権力の濫用・私物化を認めていけば、この国の立憲主義も、議会制民主主義もいずれ必ず終焉を迎える。我々は絶対的にそれを阻止すべく、この国の将来のため、引き続き
徹底的に安倍政権に対峙していきたい。
(引用終わり)

 同じ5月3日、衆議院議員289名、参議院議員123名の国会議員が所属する(両院議長は除く)自由民主党安倍晋三総裁は、党内手続さえ無視して、憲法は、国の未来、理想の姿を語る
ものです。私たち国会議員は、この国の未来像について、憲法改正の発議案を国民に提示するための、「具体的な議論」を始めなければならない、その時期に来ていると思います。」「新しく生まれ変わった日本が、しっかりと動き出す年、2020年を、新しい憲法が施行される年にしたい、と強く願っています。私は、こうした形で国の未来を切り拓(ひら)いていきたいと考えています。」「第19回公開憲法フォーラム」に送ったビデオメッセージから)と公言しました。
 
 私は、この安倍晋三氏からの宣戦布告を受けて立つ陣営には、小沢一郎氏、山本太郎氏、森ゆうこ氏ら自由党の面々の力が是非とも必要だと思っています。
 選挙の際に自由党に投票するかどうかは別として(私自身、確言しかねます)、6月10日の小沢一郎代表講演会は得難い機会だと思いますので、ご都合がつけば是非参加されますようにお勧めします。

 なお、付言すると、自由党和歌山県支部連合会結成準備会から伺ったところでは、民進党
共産党社民党、それから市民連合わかやまから来賓挨拶が行われる予定ということでした。
 さらに蛇足ながら、会場のルミエール華月殿の宴会場は、一番広い部屋でも、その収容人数は最大160名ですから、本当に希望者全員が入りきれるのだろうか?と私は本気で心配しています。(別室に同時
中継で動画を配信する手配をしておかなくても良いのだろうか?)

 

(チラシ文字情報から引用開始)
自由党 小沢一郎 代表 記念講演
国民のための政治の実現を 
自由で公正な社会をめざして
一部の人やアメリカのための安倍政治にNO!

一般の方、他の政党支持者の方など、多くの皆さまのご参加をお待ちしています。

2017年6月10日(土)開場:午後1時 開演:午後2時
場所 ルミエール華月殿
      和歌山市屋形町2丁目10番地 TEL:073-424-9392
資料代 500円(大学生以下無料)
駐車場に限りがあるため、バス等のご利用または周辺駐車場のご利用をお願いします。

同日開催
自由党和歌山県支部連合会」結成大会
 時間:正午~ 場所:ルミエール華月殿
 自由党に興味のある方などどなたでもお気軽にご参加ください!

■お問合せ 090-8520-7957(神領美紀)・090-7757-1959(内海洋一)
                    jiyuto.wakayama@gmail.com
■主催 自由党和歌山県支部連合会結成準備会
■後援 小沢一郎さんの講演実行委員会

(引用終わり)

※本日掲載したチラシは、訂正前の初版であり(私が貰っていたのはこれ)、その後、「参加費」→「資料代」と訂正されています。訂正された確定版が入手でき次第、ブログ掲載のチラシは差し替えることにします。

「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(056~058)~内田樹さん、丹下絋希さん、原発ゼロに舵を切った台湾レポート

 今晩(2017年5月10日)配信した「メルマガ金原No.2808」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(056~058)~内田樹さん、丹下絋希さん、原発ゼロに舵を切った台湾レポート

 「ラジオフォーラム」の事実上の後継番組として、昨年の4月にスタートした「自由なラジオ LIGHT UP!」。無事1年が経過して2年目に突入しています。
 ほぼ3週間毎にお送りしている番組アーカイブの「まとめ」紹介、今日は、以下の3番組(056~058)をご紹介します。
 内田樹さん(056)、丹下絋希さん(058)というとても魅力的なゲストのお話や、原発ゼロに舵を切った台湾現地からのレポート(057)を聴くことができます。
 是非じっくりと耳を傾けていただければと思います。

 なお、過去のアーカイブは以下のYouTubeチャンネルから聴取できます。

自由なラジオ Light Up! (001~039までのアーカイブが聴けます)
jiyunaradio funclub (039以降のアーカイブが聴けます)

056 2017.4.25
思想家 内田樹 安倍政権を読み解く
PERSONALITY 西谷文和(ジャーナリスト)
GUEST 内田樹さん(思想家・神戸女学院大学名誉教授)


■メインテーマ:「思想家 内田樹 安倍政権を読み解く」
 森友問題、昭恵夫人教育勅語、忖度・・・安倍政権が今、かつてない揺らぎ方をしています。その本質は「(森友問題に)私や妻が関係していたということになれば、これはもうまさに総理大臣も国会議員も辞めるということははっきり申し上げておきたい」発言に代表される「奢り」と、これに根ざした「脇の甘さ」だと内田樹さん指摘します。
 さて、安倍政権はこの先、どういう歩みを続けるのか?これまで安定政権を維持してきた「マイレージシステム」とは何か?森友爆弾はまだまだ炸裂し続けるのか?安保法制に続く悪法と言われる共謀罪の危険性とは?武道家でもあり思想家でもある論客、内田樹氏が語り尽くします。
*当番組は2017年4月6日に収録したものです。収録時点では最新の情報をもとに番組を構成しておりますが、放送時点では、取り上げた事実関係に変化がある場合もあり得ることをあらかじめご了承ください。
■Light-Upジャーナル:「高浜原発再稼働&伊方原発差し止め却下」について
 関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止めを命じた昨年3月の大津地裁の仮処分について、大阪高裁は3月28日、関電の抗告を認めて取り消す決定をしました。また、稼働中の四国電力伊方原発3号機の運転を差し止めるよう瀬戸内海を挟んだ広島市松山市の住民計4人が申し立てた仮処分について、広島地裁は、3月30日、却下する決定をしました。東日本大震災から6年過ぎたところでの司法の大きな大転換。今回は、「高浜原発伊方原発の司法判断」について、今中さんにお話を伺います。

■メインテーマ:政権交代原発ゼロに舵を切った台湾・現地レポート

 今回は、台湾の原発事情を特集します。台湾では2025年までに原発をゼロにするという電気事業法改正案が、今年1月、日本の国会にあたる立法院で可決されました。今後、脱原発に向かって、自然エネルギーなどへの転換が進んでいくとされています。
 そこでジャーナリストの今西憲之が、実際に台湾に行き、立法委員(国会議員)をはじめ様々な方のお話しをうかがって参りました。今回は、そんな現地でのインタビューの模様を中心に、脱原発に向けて国家として舵を切った、台湾の原発事情に迫ってみようと思います。
お話しを伺ったのは、次のお三方です。
・陳 曼麗 氏(台湾立法委員・民進党
・黃 國昌 氏(台湾立法委員・時代力量)
・郭 慶霖 氏(北海岸反核行動聯盟代表)
 戒厳令下では原発が作られていることすら国民に知らされなかったとか、人の生活地域のすぐそばにあたり前に立っている原発の現状など、台湾の原発の驚くべき事実が、今西憲之のレポートにより明らかになっていきます。
■Light-Upジャーナル:
核のゴミ最終処分場は香川県直島町に?
計画ありきで進む「最適」の基準とは?
川上道大氏(日本タイムズ)にインタビューします。


 
今回の「おしどりのラジオアクティブ」は、映像作家として著名な丹下絋希さんをお迎えします。ラジオをお聴きのあなたも一度は目にしたことがあるような著名なアーティストのミュージックビデオなども手掛けておられます。
 しかし丹下さんは、社会から押し着せられる既成概念や地位、立場、つまりは人の外側を嫌い、肩書きの入った名刺を捨てました。今ご自身は何ですか?と問われれば、「人間」であると答えるといいます。その丹下さんは様々な映像作品を世に送り出す傍ら、ひとりの「人間」として、反戦、反原発などの社会的なメッセージも積極的に発信しておられます。
 丹下さんを大きく動かしたのは、福島の原発事故でした。長く広告業界の最先端を走って来られた丹下さんはその時、自身と社会との関わりを改めて深く考えたといいます。気が付かなかったこと、許してしまったこと、止められなかったことへの「責任」を思うとき、特に暗い時代へと突き進むかのように思える今、この国のしくみとどう向き合うべきなのか?その問いが丹下さんの様々な活動につながっています。
 丹下さんは、原発が安全だと刷り込んできた「広告の責任」を重く受け止めています。そして偽りの安心は今も続いていて、その中では、生活や家族、生命までも人質に取られて、本当に信じるままに発言、行動ができない人たちが社会にあふれています。
「ただインターネットの上でつぶやくだけで社会は変わるのか?」そんなふうに思う丹下さんは、「視点を変えて生きていきたい心の集まり」である「NOddIN(ノディン)」という活動を立ち上げました。(・・この文字をひっくり返してみると見えてくるものがあります。)
*NOddIN のホームページ
 経済や社会の成長といったものだけを追い求める中では見えて来ないものにこそ、答えがあると丹下さんは語ります。そしてそれは意外にも最も側にあって、どこからも自由なひとりの「人間の心」なのだといいます。ならば私たちは、肩書きを捨てた人間としてのその「心」を支えに表現し続けることで、きっと世の中は動いていくと信じたいと思うのです。たとえばこんな風に・・・
*「あなたを心配する手紙」
 
 
 2014年、日本が国会で、トルコ・ベトナムUAE原発を輸出することを決めたとき、丹下さんは、マスメディアを通してではなく、ひとりの人間として、トルコ語で映像の手紙を届けました。シンプルな映像で、まっすぐに向き合った丹下さんが、覚えたてのトルコ語で、心を込めて語るのが印象的でした。
 そして、トルコから2年越しにお返事が届いた・・・。
 自由なラジオ第58回。ちょっと未来を信じてもいいのかなと思えるそんな60分。丹下絋希さんとともにお過ごしください。
[その他番組でご紹介した丹下絋希さんの「人間」としての代表的な活動]
*「戦争のつくり方」アニメーションプロジェクト
[番組中おしどりマコが涙した丹下さんお薦めの1曲]
*「ヒューマン」(日食なつこ)
 
ヒューマン (Sing alone)
Living,Dining&Kitchen Records
2015-12-09
 

「共謀罪」阻止のために~5/9WAASA学習会で話したこと、6/11くまの平和ネットワーク講演会で話すべきこと

 今晩(2017年5月9日)配信した「メルマガ金原No.2807」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
共謀罪」阻止のために~5/9WAASA学習会で話したこと、6/11くまの平和ネットワーク講演会で話すべきこと

 共謀罪シリーズの第24回をお届けします。
 さて、衆議院法務委員会での共謀罪法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)の審議は、慣例を破ってGWの谷間にも開会するという仕事熱心さで(?)審議が続けられているようですが、私が気になっているのは、(森友学園問題の時もそうでしたが)、公式の会議録の公開が遅い!「遅い」というより何より、公開されている衆議院法務委員会の会議録で一番最近のものは4月12日の分(第9号)ですが、これは民法改正案を審議した(この日に附帯決議を付して委員会採決された)時の会議録ですからね。つまり、共謀罪法案審議経過は、会議録では全く分からず、衆議院インター
ネット審議中継で確認するしかない。
 未定稿の速記録は日ならずして関係者に配布されるはずですが、会議録の確定稿を1日も早く公開して国民に審議経過を知ってもらおうという姿勢が感じられない。
 
 それはさておき、今日(5月9日)午後6時半から、WAASA(安全保障関連法制の廃止を求める和歌山大学有志の会)のお招きにより、学習会の講師を務めてきました。ということで、メルマガ(ブログ)の素材を別に探して書いている時間的余裕がないので、いつものことですが、今日のレジュメをそのまま掲載させてもらいます。
 今回のレジュメは、去る4月9日に御坊市で行われた学習会(主催:憲法9条を守り・いかす日高連絡会)のために書いたものの増補改訂版です。主な増補箇所は、審議中の法案を理解するために必要と思われる(改正の対象となっていない)「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」の条文を引用したこと、去る4月25日に衆議院法務委員会で行われた参考人質疑のうち、高山佳奈子京都大学大学院教授による意見陳述(メルマガ&ブログでご紹介済み)を要約して挿入したことです。
 
 ところで、今日のWAASAの学習会は、まだ衆議院での委員会審議中だったから良いのですが(「良い」というのも変ですが)、私が
もう1つ引き受けている講演会は6月11日(日)の開催ですからね。
 4年ぶりに「くまの平和ネットワーク」からお招きいただき、同日午後1時30分から、新宮市福祉セ
ンター(市役所前)において、「『共謀罪』って何?こんなにある問題点!」という演題で講演させていただくことになりました(※チラシ)。例年この時期に行われる同ネットワークの「憲法の講演会」なのですが、国会の会期末が6月18日。都議選への影響を恐れる公明党は会期延長に強く反対しているらしいし、6月11日、正直どうなっていることやら。
 とにかく、強行採決を許さず、法案反対の世論をさらに盛り上げるべく頑張るしかありません。
 
 

2017年5月9日(火) 於:和歌山大学
WAASA(安全保障関連法制の廃止を求める和歌山大学有志の会)
 
         “共謀罪”学習会レジュメ
 
                         弁護士 金 原 徹 雄  
 
1 3月21日に国会に上程された共謀罪法案
 2月28日に自民・公明両党に示された法案には「テロ」の「テ」の字もなかった。
 ところが、与党からの指摘を受け、共謀罪の構成要件を定めた「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」第6条の2に、4箇所も「テロリズム集団その他の」という文言を追加する修正を加え、閣議決定の上、3月21日に衆議院に提出した。
 共謀罪を規定した第6条の2及び別表、並びに同条項が前提とする「団体」の定義規定(第2条1項/これは既存の規定)を引用する。
 併せて、同法のそもそもの目的を規定した第1条(これも改正対象外)も引用する。

組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年八月十八日法律第百三十六号) ※第6条の2及び別表は審議中の「改正案」
(目的)
第一条 この法律は、組織的な犯罪が平穏かつ健全な社会生活を著しく害し、及び犯罪による収益がこの種の犯罪を助長するとともに、これを用いた事業活動への干渉が健全な経済活動に重大な悪影響を与えることにかんがみ、組織的に行われた殺人等の行為に対する処罰を強化し、犯罪による収益の隠匿及び収受並びにこれを用いた法人等の事業経営の支配を目的とする行為を処罰するとともに、犯罪による収益に係る没収及び追徴の特例等について定めることを目的とする。
 
(定義)
第二条 この法律において「団体」とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織(指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体をいう。以下同じ。)により反復して行われるものをいう。
2~7 省略
 
テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画)
第六条の二 次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
一 別表第四に掲げる罪のうち、死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められているもの 五年以下の懲役又は禁錮
二 別表第四に掲げる罪のうち、長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められているもの 二年以下の懲役又は禁錮
2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又はテロリズム集団その他の組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を二人以上で計画した者も、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、同項と同様とする。
 
別表第三(第六条の二関係) 略
別表第四(第六条の二関係)
一 別表第三に掲げる罪(次に掲げる罪を除く。) 略
二 第七条(組織的な犯罪に係る犯人蔵匿等)の罪(同条第一項第一号から第三号までに掲げる者に係るものに限る。)又は第七条の二第二項(証人等買収)の罪
三イ 刑法第九十八条(加重逃走)、第九十九条(被拘禁者奪取)又は第百条第二項(逃走援助)の罪
 ロ 刑法第百六十九条(偽証)の罪
四 爆発物取締罰則第九条(爆発物の使用、製造等の犯人の蔵匿等)の罪
五 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法第四条第一項(偽証)の罪
六 国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律(平成十九年法律第三十七号)第五十六条(組織的な犯罪に係る証拠隠滅等)又は第五十七条第一項(偽証)の罪
 
 そもそも、今回改正の対象となっている「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」は、第1条(目的)を一読すれば明らかなように、テロ対策のために作られた法律ではないし、第6条の2にしても、「テロリズム集団」は単なる例示(それも、立法技術的には非常に拙劣な「後付け」である)であり、意味があるのは「その他の」の方である。
 今回の共謀罪法案が「テロ対策」のためのものというのは、もちろん「デマ」であり「嘘」である。そして、我々がそれを見抜いてることなど政権は百も承知の上で、「デマ」「嘘」を押し通そうとしている。そういう意味から言うと、我々は、恐ろしく空しい消耗戦を強いられている。
 考えてみると、このようなやり方は決して昨日、今日始まった訳ではない。そういう観点から見れば、
安倍政権とトランプ政権というのは非常に親和性が高いと言えるかもしれない。
 
2 資料の説明
①「一からわかる共謀罪 話し合うことが罪になる」(全48頁)
 (以下、本レジュメで「テキスト」と呼称)
 編集・発行
 「秘密保護法」廃止へ!実行委員会(平和フォーラム 新聞労連 ほか)
 「解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会(許すな!憲法改悪市民連絡会 憲法会議)
 盗聴法廃止ネットワーク(盗聴法に反対する市民連絡会 日本国民救援会
 ※上記3団体に、
 「日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)」
 「共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会」
が加わって「共謀罪NO!実行委員会」が作られ、統一署名が呼びかけられている(後記)。
②「対象の犯罪と罪名一覧」
 国会に上程された「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」別表第3と第4を新聞社でまとめたもの(対象犯罪数277)。
 
3 共謀罪の「これまで」を振り返る(テキスト15、26頁)
 2000年11月:国連越境組織犯罪防止条約 採択
 2003年 3月:第1回 国会上程
 2004年 2月:第2回 国会上程
 2005年10月:第3回 国会上程
 2006年4月~6月:与野党修正案提出
 2006年 9月:第一次安倍晋三内閣成立
 2009年 7月:第3回法案が衆議院解散にともない廃案に
 2012年12月:第二次安倍晋三内閣成立
 2017年 3月:第4回 国会上程 
 
4 共謀罪が出来たなら~最も重大な3つの問題点
(1)日本の刑事法体系が破壊される(テキスト6頁)
①陰謀(共謀)→予備→未遂→既遂
 陰謀(共謀)罪は例外中の例外
 刑法77条「内乱の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の禁錮に処する。」
 他に、外患陰謀罪、私戦陰謀罪、爆発物取締罰則等 
 ところが、広汎な犯罪について共謀(計画)を罰することになると、未遂は処罰されないのにその前々
段階の共謀(計画)は処罰されるというような犯罪が続出するという不合理な事態が現出する。
 ※例:横領罪(刑法252条/5年以下の懲役) 未遂処罰規定なし
②未遂罪との均衡がくずれる
 刑法43条「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。」
 実行に着手までしながら、自らの意思で中止した場合(中止未遂)には、必要的にその刑が減軽または免除されるのに、その前々段階の共謀(計画)を行ったものの、自らの意思で計画から離脱したとしても、抜け駆けで実行の着手前に自首しない限り、減軽・免除の利益を受けられない(共謀罪法案第6条の2第1項ただし書)という不均衡が生じる。
③日本の刑事法体系の思想(テキスト6頁)
 罰すべきは「意思」ではなく「行為」である。
 具体的な「法益侵害」またはその「具体的危険」が発生したことが刑罰権発動の根拠であるとする考え方が根本的に変容する。
(2)「捜査」のあり方が一変する(テキスト7頁)
・共謀(計画)罪は、2人以上の者の意思の合致によって成立する。
・どうやって捜査するのか?盗聴(通信傍受)、おとり捜査が常態化する恐れがある。
・既に昨年、通信傍受法・刑事訴訟法が「改正」され、通信傍受できる対象犯罪が拡大されており(同年12月施行)、また、従来のように通信事業者の施設内でその立会いの下でやらねばならないという制約も撤廃されている(こちらはまだ施行されていない)。共謀罪が成立すれば、これも盗聴(通信傍受)の対象とされる可能性が極めて高い。
(3)人権が蔑ろにされる息苦しい社会となる(テキスト5、21、28頁)
・犯罪構成要件が曖昧過ぎる。
・刑罰法令の人権保障機能が失われる。
・思想・良心の自由、表現の自由などの人権体系の根幹をなす優越的権利が危機に瀕する。
・現在よりも、一層の「監視社会化」が進んだ息苦しい社会が到来することは疑いない。法案(第6条の2第1項ただし書)による密告奨励の自首規定はそれを助長する。
⇒昨年の参院選大分県警(別府署)が野党統一候補陣営を隠しカメラで盗撮していたことを想起せよ。
 
5 国連越境組織犯罪防止条約の批准に共謀罪は不要(テキスト15頁)
・そもそも条約はマフィアなどの国際的組織犯罪集団の効果的な取り締まりのために締結された条約であってテロ対策は無関係。
・日本は全てのテロ対策条約(全部で13)を批准済み。
国連越境組織犯罪防止条約を批准済みの187カ国のうち、批准のために新たに共謀罪を作ったのはノルウェーブルガリアの2カ国のみと政府も答弁している。
・現行法のままで条約批准は可能。必要であれば留保宣言付きで批准すればよい。 
※海渡弁護士レジュメから引用「越境組織犯罪条約については、日本政府は異常なほど律儀に条約の文言を墨守して、国内法化をしようとした。むしろ、一部の法務警察官僚は、批准を機に過去になかったような処罰範囲の拡大の好機ととらえた節がある。もしかすると、アメリカ政府との間で、アメリカ並みの共謀罪を作るという合意があったのかもしれない」
 
6 高山佳奈子京都大学大学院教授(刑事法)の衆議院での参考人質疑(4/25)から
(1)「五輪開催のためのテロ対策」などではない。
・「単独犯のテロの計画」、「単発的な集団のテロ」が射程外。
東京五輪開催決定(2013年秋)後に出された政府の犯罪対策計画でも、犯罪の準備段階で処罰する立法とテロ対策とはまったく別々の章に規定され、リンクして論じられたことはない。
・2014年改正「テロ資金提供処罰法」により、テロ目的による資金、土地、建物、物品、役務その他の利益の提供が包括的に処罰の対象となり、ほとんどのテロ目的の行為をカバーし、五輪のためのテロ対策は完了している。
・最近の最高裁判所の裁判例は、詐欺罪や建造物侵入罪の適用を非常に幅広く解釈している。例えば、通帳を他人に譲渡する目的で自分の名義の銀行口座を開設する行為が通帳を騙し取ったということで詐欺罪、また、飛行機に他人を搭乗させる目的で自分の買った搭乗券を受け取っても詐欺罪が成立するとされている。また、暴力団関係者が、暴力団ではないと偽って自分の預金口座を開設しても通帳を騙し取ったということで、通帳に対する詐欺罪が成立している。さらに、他人の暗証番号を盗撮する目的で、誰でも入れるATMコーナーに立ち入った行為、これが建造物侵入罪の既遂として処罰されている。というように、違法な目的をもって何かを入手したり、ある場所に立ち入る行為が、かなり広い範囲で処罰の対象になっており、テロ対策としても日本は諸外国と比べても広い処罰範囲をすでに有している。
(2)国連組織犯罪防止条約(TOC条約)批准のために共謀罪は必要ない。
・条約の全体を見れば、各国は組織犯罪対策として、国内法の基本原則に適合するように対処することを求めているのであり、憲法の範囲で対処すればよい。
・日本には明治以来の組織犯罪対策の伝統である「共謀共同正犯」という確立された判例があるが、実行準備行為のところがより限定的で、実質的な危険のある行為でなければならないとされているので、アメリカが(一部の州に共謀罪規定がないことを理由に)留保できるのであれば、日本も留保した上で批准できるはずである。
・日本は、海賊行為の普遍的な処罰を求めている「国連海洋法条約」を1996年に批准したが、国内の対応法である「海賊行為対処法」を制定したのは10年以上後の2009年だった。
・第一次安倍政権下の2007年に「国際刑事裁判所規程」に日本が参加したときにも、国際刑事裁判所規程の中には犯罪の定義が非常に細かく広範囲にわたって規定されていたが、これに対応する国内方の処罰範囲の拡張という改正は一切行っていない。
・国際協力の範囲を他国に合わせるために今般の法案の可決が必要と言われることもあるが、日本の現行法の処罰はすでに他国よりも広範なケースが多い。例えば共謀罪のある国でも、抽象的危険犯や予備罪などの処罰が日本のように広く行われていない国もある。また、結集罪参加型の立法を行っている国で、そもそも団体の結成の当初からの目的が犯罪でなければならないと限定している国、あるいは予備罪処罰がそもそもないといった国では、処罰の対象は大幅に限定されている。
国連が2004年に公表した「各国のための参考資料としての立法ガイド」の監修に当たったアメリカ
ノースイースタン大学ニコス・パスタス教授から聞いたところでも、「条約への参加の仕方はいろいろあるので、まずその条約を締結して、その後で国内法についてより改善していくというやり方も十分認められる」という意見であった。
(3)処罰が限定的であるという主張には同意できない。
オウム真理教のように、当初は宗教団体として結成されたけども、一部の構成員が犯罪を始めたというケースに適用をしないのであれば、当初の全体の集団の結成目的が犯罪でなければならないという要件を課すことができるだろうが、適用するのであれば、団体の一部が性格を犯罪的なものに一変させた場合も対象に含めざるを得ず、一般人の通常の団体として結成された場合を適用外とすることはできないことになる。
共謀罪の構成要件たる「計画」の成立自体、「黙示の合意」、「順次的な合意」、「未必的な故意」による合意をすべて含むことが従来の判例から推測される上、「計画」の事実認定としても、従来型の犯罪でも、何月何日何時何分に何が起こったというところまでの厳密な認定が要求されているわけでもない。
・実行準備行為については、構成要件要素ではなく、客観的処罰要件であって、特段の危険性が要求されておらず、外形的な行為であれば、特に限定なく、「その他」の中に含まれる。
(4)対象犯罪の選別が恣意的である。
・公権力を私物化するような犯罪である公職選挙法政治資金規正法、政党助成法違反は除外されている。公用文書電磁的記録毀棄罪のような重大犯罪も除かれており、また、警察官などによる特別公務員職権濫用罪・暴行陵虐罪も除外されている。
・組織的な経済犯罪が除かれている。一般に「商業賄賂罪」と呼ばれ、諸外国で規制が強化されてきているような、会社法金融商品取引法商品先物取引法投資信託投資法人法、医薬品医療機器法、労働安全衛生法貸金業法、資産流動化法、仲裁法、一般社団財団法人法などの収賄罪が対象犯罪から除外されている。
・主に組織による遂行が想定される酒税法違反や石油税法違反なども除外されており、相続税法違反が除外されているものの、所得税法違反は含まれている。なぜ、このようになっているのか。対象犯罪の選別が著しく恣意的で不合理なものになっている。
(5)その他
 近年の犯罪情勢は非常に好転しており、一番犯罪の多かった2002年と最新統計の2015年とを比較すると、犯罪の認知件数は年間あたり200万件以上減少し、40数%にまで落ち込んでいる。これに対し、警察職員の数は、同じ期間に2万人増員されている。本来であれば、増えた警察の人員は適切なマンパワーとして、適材適所で活用されなければならないが、これが乱用されるということになると、仮に司法手続で回復されたとしても、相当な年数がかかってしまう。
 
7 戦争する国づくりの集大成としての共謀罪(テキスト11頁)
 2013年 秘密保護法
 2015年 安保法制(戦争法)
 2016年 盗聴法(通信傍受法)拡大
 2017年 共謀罪
 国が常時市民を監視し、萎縮させ、戦争に協力させるための体制作りの集大成としての共謀罪。 
 
8 共同の取組で共謀罪阻止を
(1)「共謀罪NO!実行委員会」結成(2017年3月~)
 呼びかけ団体
 ●「秘密保護法廃止」へ!実行委員会(新聞労連、平和フォーラム等)
 ●解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会(憲法会議、許すな!憲法改悪・市民連絡会等)
 ●日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)
 ●共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会
 ●盗聴法廃止ネットワーク(日本国民救援会等)
(2)3月~5月 緊急統一署名に取り組もう!
 「共謀罪NO!実行委員会」
 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」
 が共同で呼びかける
(3)和歌山でも
和歌山県平和フォーラムと和歌山県地方労働組合評議会が「戦争させない・9条壊 すな!総がかり行動実行委員会」の枠組により、共謀罪に反対する共通チラシを作成・配布している。
・3月9日(木)18時~19時、JR和歌山駅前で、上記両団体などが参加する緊急行動(統一署名も)が行われたのを皮切りに、街頭でのアピール行動が各地で取り組まれている。
・5月10日(水)午後6時~(プラザホープ4階ホール)、和歌山弁護士会が「共謀罪法案を考える市民集会」を開催予定。
                                        以 上
 

(弁護士・金原徹雄のブログから)
2017年2月6日
レファレンス掲載論文「共謀罪をめぐる議論」(2016年9月号)を読む
2017年2月7日
日弁連パンフレット「合意したら犯罪?合意だけで処罰?―日弁連は共謀罪に反対します!!―」(五訂版2015年9月)を読む
2017年2月8日
「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」(2017年2月1日)を読む
2017年2月10日
海渡雄一弁護士with福島みずほ議員による新春(1/8)共謀罪レクチャーを視聴する
2017年2月21日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介
2017年2月23日
日本弁護士連合会「いわゆる共謀罪を創設する法案を国会に上程することに反対する意見書」(2017年2月17日)を読む
2017年2月24日
「安倍政権の横暴を許すな!」連続企画@和歌山市のご案内~3/3共謀罪学習会&3/25映画『高江―森が泣いている 2』上映と講演
2017年2月28日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.3
2017年3月1日
ついに姿をあらわした共謀罪法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)
2017年3月3日
「共謀罪」阻止の闘いは“総がかり”の枠組みで~全国でも和歌山でも
2017年3月4日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.4

2017年3月6日
共謀罪に反対するのも“弁護士”、賛成するのも“弁護士”
2017年3月8日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.5~「テロリズム集団その他」のまやかし

2017年3月9日
3月9日、和歌山で共謀罪に反対する街頭宣伝スタート~総がかり行動実行委員会の呼びかけで
2017年3月17日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.6~立憲デモクラシーの会が声明を出しました
2017年3月21日
閣議決定された「共謀罪」法案~闘うための基礎資料を集めました
2017年3月31日
2017年4月7日
2017年4月14日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.9~民科法律部会の声明を読む
2017年4月18日
声明「許せない「共謀罪」」~「「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会」が引き継ぐ「志」
2017年4月26日
緊急開催!和歌山弁護士会「共謀罪法案(テロ等準備罪)を考える県民集会」(5/10@プラザホープ)
2017年4月27日
高山佳奈子京都大学大学院教授による共謀罪法案についての参考人意見陳述(2017年4月25日・衆議院法務委員会)を読む

くまの平和ネットワーク「共謀罪」チラシ 

斎藤紀(おさむ)氏(福島医療生協わたり病院医師)講演会@6/13和歌山市中央コミセンのご案内

 今晩(2017年5月8日)配信した「メルマガ金原No.2806」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
斎藤紀(おさむ)氏(福島医療生協わたり病院医師)講演会@6/13和歌山市中央コミセンのご案内

 和歌山県平和委員会のと言うべきか、これからは和歌山県原水協のということになるのか、いつもあちこちでお世話になっている里﨑正さんから講演会のチラシをいただきましたのでご紹介しようと思いますが、私自身、チラシに書いてあること以上の知識は全くありませんので、チラシ記載の文字情報をそのまま転記します。
 ただし、「被爆」「被曝」「被ばく」などの文字遣いは、往々にして誤記が生じがちなので、紹介されている翻訳書のタイトルを含め、信頼できるインターネットソースの記載に基づいて訂正した箇所があります。
 
チラシ文字情報から引用開始)
福島医療生協わたり病院医師
斎藤 紀 講演会

福島第一原発の諸相」
―福島の医師として今、伝えたいこと―

2017年6月13日(火)18:45~20:30
場所 和歌山市中央コミュニティセンター 多目的室(小)
      和歌山市三沢町1丁目2番地 TEL:073-402-2678
参加費 300円(資料代)

どなたでもご参加いただけます。 

 斎藤医師は長年被爆者の支援を行ってきました。チェルノブイリの被災者の相談活動、現在は福島市内の病院で被災者の診療活動に従事しています。
 また、故肥田舜太郞さんと共に「死にいたる虚構~国家による低線量放射線の隠蔽」(ジェイ・M・グールド、ベンジャミン・A・ゴルドマン共著/PKO法「雑則」を広める会
)、「低線量内部被曝の脅威:原子炉周辺の健康被害と疫学的立証の記録」(ジェイ・マーティングールド著/緑風出版)などの翻訳をされています。

斎藤 紀(さいとう・おさむ)
1947年宮城県生まれ。福島医療生協わたり病院医師。福島県立医科大学卒業後、広島大学原爆放射能医学研究所で内科・臨床血液学の研究に従事。その後、88年福島生協病院院長、07年名誉院長を経て、09年から現職。原爆症認定集団訴訟では「国は原告個々の被害の実相を見よ」と意見・リトアニアベラルーシで被災者の医療相談活動に取り組む。元全日本民医連被ばく問題委員会委員。現在日本原水協代表理事、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)会員。

■主催 斎藤紀さんの講演会を成功させる実行委員会
■連絡先 TEL:073-488-7355 里崎 正(和歌山県平和委員会内)
■後援/核戦争防止和歌山県医師の会・原水爆禁止和歌山県協議会・非核の政府を求める和歌山県民の会・和歌山県民主医療機関連合会・和歌山県平和委員会
(引用終わり)

(参照サイト)
訳書『死にいたる虚構~国家による低線量放射線の隠蔽』
訳書『低線量内部被曝の脅威:原子炉周辺の健康被害と疫学的立証の記録』

全日本民医連トピックス 2017年2月7日
〈民医連〉第7回被ばく医療セミナー 被爆者運動や原発事故被害者の現状学ぶ

(抜粋引用開始)
松本純医師・被ばく問題委員(福島・生協いいの診療所長)は、県民健康調査の概況と事故後の福島県民医連のとりくみを報告。また、子どもの甲状腺がんに関して、同県連の被ばく事故対策委員会が昨年秋に確認したスタンスを紹介。「現段階で、『多発』とみることも、原因を原発事故だと断定することにも違和感がある」と前置きし、「低線量なりに健康影響の可能性はある。子どもたちを長期に見守る」こと、県内で不足する甲状腺エコー検診の担い手として、受託をめざしている、と紹介しました。
(引用終わり)
※金原注 なお、全日本民医連内に設置された委員会の名称につき、同公式サイトを閲覧してみると、当初は「被爆問題委員会」という表記がなされていましたが(原爆による「被爆」が対象だったからかもしれません)、近年は専ら「被ばく問題委員会」という表記が使われているようです。従って、元委員である斎藤紀氏の肩書きとしてどの表記が適切か、正直言ってよく分かりませんでした(「被曝」ではないと思うのですが)。

斎藤紀講演会チラシ