wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

「安倍9条改憲NO!」のために「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」はまだまだ頑張ります

 2017年9月14日配信(予定)のメルマガ金原.No.2935を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「安倍9条改憲NO!」のために「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」はまだまだ頑張ります
 
 集団的自衛権の行使を容認する閣議決定が近いのではと観測されていた2014年6月23日、急遽しつらえた「憲法の破壊を許さない!集団的自衛権容認 反対!憲法9条を守る和歌山弁護士の会」という文字が躍る横断幕を先頭に、160人の市民が参加して、第1回「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」が行われました。
 その後、2015年2月のみ、和歌山弁護士会が同一時間帯、同一コースで、「集団的自衛権行使容認に反対するアピールパレード」を実施することになったため(これを企画した当時の憲法委員会委員長は私でした)、参加メンバーの多くがかぶるという事情もあり、お休みしましたが、それを唯一の例外として、毎月必ず実施してきた「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」、今日(2017年9月14日)が、回を重ねて39回目のランチTIMEデモでした。
 
DSCN1893 人数だけの問題ではありませんが、今日の参加者は70人で、第1回の時の半分にも足りません。もっとも、先月(8月10日)は、酷暑に見舞われ、炎天下でのデモとなったことが災いしてか、参加者50人で、これまでの最少記録を更新しましたので、それに比べれば、秋風も立ち始め、少しは回復傾向を見せているとも言えますが、主催団体(憲法9条を守る和歌山弁護士の会)会員の弁護士が6人しか参加していないことも含め、態勢の立て直しが急務であろうと思います。
 
 私は、毎月の「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」については、写真付きでFacebookに投稿することにしており、今日のデモについても既に投稿済みです。
 けれど、Facebookだけではなく、このブログでも「ランチTIMEデモ」を取り上げようと思ったのは次のような理由によります。
 Facebookにも書きましたが、今年の5月3日に顕在化した「安倍9条改憲」の危機は、東京都議選での自民党の敗北によっても、少しも去ってなどいません。代表選前後からの民進党の状況を踏まえれば、危機は一層深化していると言っても良いでしょう。健康問題を含め、安倍首相退陣の可能性が高まれば高まったで、衆参両院で改憲勢力が2/3以上の議席を確保しているうちに、何が何でも改憲発議をという政治的圧力が高まるでしょうし、走り出してしまった機関車にブレーキをかけるだけの理性と能力が自民党に備わっているかも疑わしく、場合によっては、「安倍なき安倍9条改憲」という事態もあり得るという想定が必要なのではないかと考えられます。
 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」や「九条の会」が「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」を立ち上げ、「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」(3000万人署名)をスタートしたのも、そのような危機感と情勢認識の結果によるもののはずです。
 まさに、今こそ、従来からの運動の成果を踏まえつつ、そこから一段も二段も飛躍した大きなうねりを巻き起こすべき時期だと思います。
 
 これからの私たちの運動について、9.8キックオフ集会において、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」共同代表の小田川義和さんは、①3000万人署名達成、②大規模集会の開催(東京で全国で)、③学習会・講演会・街頭宣伝などの多様な取組を「行動提起」されました。
 また、昨日のブログでご紹介した「九条の会事務局」から全国の「9条の会」への訴えは、①全ての「9条の会」が学習会を持つ、②3000万署名の達成、③それぞれの地域で他団体と協力し合って市民アクションを立ちあげ共同の輪を広げる、ことを呼びかけています。

 私たちが、2014年以来、毎月続けて来た「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」も、このような情勢の下、さらにパワーアップし、より多くの方に参加いただくことにより、「安倍9条改憲NO!」を一層アピールする有力なツールにしなければと思います。
 そして、月に1回の「ランチTIMEデモ」だけではなく、もっと多彩な人々が、様々な団体が、色々な場所で思い思いのアピールを(デモでなくてもよいけれど)企画・実行するのが理想でしょう。
 安保法案(戦争法)制定阻止の闘いに比べ、市民の側の盛り上がりがいまひとつではないかと懸念する声も聞こえてきますし、正直、同じ心配を和歌山の地で感じることも事実です。私が、「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」の参加者数にこだわるのも、そういう背景があってのことです(それにしても、弁護士の参加が6人だけというのはないよなあ)。
 
 最後に、年内の「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」の日程を書いておきます。
  第40回 2017年10月11日(水)
  第41回 2017年11月15日(水)
  第42回 2017年12月8日(金)
 いずれも、正午に和歌山市役所前集合、12時20分にスタートし、約15分の行程で、ゴール地点京橋プロムナードで流れ解散です。
 多くの方のご参加をお待ちしています。
 
(付記)
 上でもご紹介した「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」9・8キック・オフ集会の最後で「行動提起」をされた小田川義和さん(「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」共同代表)が、9月17日(日)午後1時~、憲法九条を守るわかやま県民の会主催の集会に出席するため、和歌山市中央コミセン(3F)に来られるということを、今週になって知りました。今日の「ランチTIMEデモ」の出発前に「県民の会」の事務局長と少し話をしたところでも、どうやら「県民の会」傘下団体の意思統一を図ることが主目的の集会のようでした。せっかく、総がかり行動実行委員会の共同代表が和歌山に見えるのですから、この機会に、県下の9条の会に案内を出し、可能であれば是非参加して欲しいと呼びかけるべきだったと思うのですが、まずは内部を固める方が先という判断なのでしょうか。もったいない、と正直思いますよね。
 私は、全然呼ばれていませんが、勝手に17日に中央コミセンに押しかけようかとも思います。もっとも、台風が直撃したら行きませんけど。 
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」関連)
2014年6月2日
2014年7月9日
2016年10月16日
2017年6月12日
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/安倍改憲メッセージ関連)
2017年6月16日
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2017年8月23日
2017年9月5日
2017年9月9日
2017年9月13日

「安倍9条改憲を阻むために全国の九条の会は立ちあがりましょう」(9/6九条の会事務局からの訴え)

 2017年9月13日配信(予定)のメルマガ金原.No.2934を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「安倍9条改憲を阻むために全国の九条の会は立ちあがりましょう」(9/6九条の会事務局からの訴え)
 
 去る9月4日に記者会見を開き、9月8日にキック・オフ集会を成功させ、3000万人署名運動のスタートを切った「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」の動きについては、私もこのブログでフォローさせてもらっており、特にキック・オフ集会の模様をご紹介した9月9日の記事には、私のブログにしては多くのアクセスが集まっています。ブログ右サイドバーにある「人気記事」の圧倒的トップは、2年前に書いた「倉持麟太郎弁護士の「安保法案の欠陥を衝く」(日刊ゲンダイ連載)活用の勧め」ですが、これは特殊事情によるアクセス急増ですから、実質的には、「「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」9.8 キック・オフ集会大成功~3000万人署名活動スタート!」がアクセス数ナンバー1と言うべきでしょう。
 
2017年9月5日
2017年9月9日
 
 ところで、この「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」には様々な賛同団体があるようですが、実質的にその中心を担うのが、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」であり、それに「九条の会」が加わったものである(そこに重要な意義がある)ということは、「安倍9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名」用紙に掲載された4箇所の連絡先が、
となっていることでも明らかです。
 
 ところで、9月5日に閲覧した段階では、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」についての記事が見当たらなかった「九条の会」ホームページですが、現在では、「安倍9条改憲を阻むために全国の九条の会は立ちあがりましょう」という9月6日付の呼びかけ文が「九条の会事務局」名義で発表されており、署名用紙(PDF)もアップされています。
 私自身、2006年1月から丸6年間、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」二代目事務局長を務めたり、「守ろう9条 紀の川 市民の会」の2005年設立以来の運営委員だったり、地元の「九条の会・きし」の役員だったり(あまり活動していませんが)、「和歌山うたごえ9条の会」の会員だったり(今年の会費はまだ払っていないかも)、様々な「9条の会」(私は「九条の会」と区別するためにアラビア数字を使うことにしています)に関わってきていますが、いずれの団体も、「九条の会」を上部団体だと思っているところはありませんし、多分、他の「9条の会」にしてもそうでしょう。
 「九条の会」と全国7,000とも言われる各地の「9条の会」との関係をおさらいするためには、9月5日のブログで紹介した「九条の会事務局」の文章(ご質問に答えて)を引用するのが便宜だと思います。
 
(引用開始)
 九条の会(※金原注 私なら「9条の会」と書きます)は、2004年6月10日の「九条の会」アピールに賛同した方たちが、全国の地域、職場、学園で、それぞれ独自な会を結成して活動をして来ました。
 一つひとつ自立した各「九条の会」の活動を把握し、全国の多様な運動をニュースの発行などで交流させる役割を担って来たのが、「九条の会事務局」です。
(引用終わり)
 
 上記文章には含まれていませんが、「九条の会」は、2014年アピールの後も、重要な節目において、会としての意見を表明してきました(最新は、今年の4月27日付の「日本国憲法施行70周年にあたって」です)。
 それらのアピールは、必ずしも全国の「9条の会」に向けてということではなく、広く国民全体に訴える内容でしたが、個々の「9条の会」においても、それなりに尊重されてきたのではないかと思います。
 
 実際、総がかり行動実行委員会が呼びかけた「戦争法の廃止を求める2000万人統一署名」についても、「九条の会」は、呼びかけ団体にこそなりませんでしたが、取扱団体を「九条の会」とした署名用紙をホームページにアップし、「署名は集まり次第、どんどん届けてください。」と呼びかけていたのです。
 
 そして、今回の「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」については、ついに「九条の会」として正式に参加するという決断を行ったという訳ですが、その間の経緯を説明し、全国の「9条の会」に、共に立ちあがって欲しいと訴えた文章です。
 全国の「9条の会」の活動に関わっておられる全ての人にお読みいただければと思います。
 
(引用開始)
         安倍9条改憲を阻むために全国の九条の会は立ちあがりましょう
 
                  2017年9月6日    九条の会事務局
 
 安倍首相は、日本国憲法施行70周年の5月3日、あえて挑戦するように新たな改憲の提言を行いました。今回の安倍改憲は、9条1項、2項を残しながら、新たに自衛隊保持を憲法に明記することで、9条を根本的に変質させ日本を「戦争する国」に転換しようという重大なねらいをもっています。森友、加計学園にみられる行政の私物化、自衛隊日報隠し、共謀罪法案の強行採決などとどまることを知らない悪政に対する怒りが噴出し、都議会議員選挙で安倍自民党は大敗し、その後も安倍政権は支持率の低下が続いていますが、首相は改憲を強行する決意を変えていません。憲法と日本の進路は今、戦後最大の岐路を迎えています。
 安倍改憲を広範な共同で阻もうと、総がかり行動実行委員会をさらに広げ、19名の発起人の訴えに基づき「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が発足し、3000万署名を軸に安倍改憲を阻む行動が呼びかけられています。
 九条の会は、結成以来憲法を改変するさまざまな企てに反対する行動の先頭に立ってがんばってきましたが、共同の行動のよびかけに名前を連ねることは控えてきました。9人のよびかけで発足した九条の会の役割は、あくまで全国7000余にのぼる九条の会の交流や連絡調整に当たることにあり、その多様な活動を縛ることは避けたいという思いからでした。
 しかし、安倍改憲の企てを阻むことは、2004年に九条の会が出発したそもそもの目的にほかなりません。そこで、会事務局は、よびかけ人と世話人の了解もいただいて、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」に組織として参加し、他団体と協力して活動する決断をしました。安倍改憲を阻むため、全国市民アクションの一員として全力をあげる決意です。
 この重大な局面に立って、安倍改憲を阻む大きな共同の闘いを起こすため、全国の九条の会のみなさんに、以下の3つの行動に立ち上がることを訴えます。
1 すべての会が、学習会を持ち、市民とともに、安倍9条改憲の危険性を改めて確認しましょう。
2 全国市民アクションが掲げる3000万署名を達成するために、会毎に目標をたて、戦争法廃止2000万署名の経験を生かしながら、全国津々浦々の草の根で宣伝と対話を広げ署名の輪を広げましょう。
3 それぞれの地域で他団体と協力し合って市民アクションを立ちあげ、安倍改憲阻止のための市民アクションの取り組みに積極的に参加し、共同の輪を広げましょう。
 
(引用終わり)
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/安倍改憲メッセージ関連)
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「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(074~076)~朝鮮学校無償化裁判、『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』、福島地裁・生業訴訟

 2017年9月12日配信(予定)のメルマガ金原.No.2933を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(074~076)~朝鮮学校無償化裁判、『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』、福島地裁・生業訴訟
 
 3週間毎にアーカイブをご紹介している「自由なラジオ LIGHT UP!」。今回は、074~076の3回分です。
 今回は、ゲストのお名前を紹介するよりも、ゲストが取り組んでおられる裁判や書かれた著書をタイトルにしました。この方が皆さんにアピールするかと思いまして。もっとも、矢部宏治さんは、署名でなく、著者名にした方が良かったですかね?
 是非3本とも聴取していただければと思います。
 なお、過去のアーカイブは以下のYouTubeチャンネルから聴取できます。
 
 
 
074 2017.8.29
高校無償化の意義を問う―多文化・他民族共生社会を目指して
PERSONALITY 矢野 宏(新聞うずみ火代表・ジャーナリスト)
GUEST 丹羽 雅雄 氏(弁護士・朝鮮学校無償化裁判大阪弁護団団長)
 

■メインテーマ:「高校無償化の意義を問う――多文化・他民族共生社会を目指して」
 先日、大阪で画期的な判決が下されました。高校の授業料無償化の対象から朝鮮学校を外した国の処分について、大阪地裁が7月28日、この処分を違法とする判決を言い渡したのです。日本で学ぶすべての生徒に公平に教育の機会を与える、という制度の原点に立った判決であり、北朝鮮朝鮮総連との関係が深いことを理由に、朝鮮学校だけを除外してきた安倍政権の姿勢を厳しく問う判決でした。ということで、今回のテーマは、「高校無償化の意義を問う――多文化・他民族共生社会を目指して」と題して、「朝鮮高校無償化裁判大阪弁護団」団長の丹羽雅雄弁護士をゲストに、判決までの経緯と判決の持つ意味について伺います。
■Light-Upジャーナル:「猛暑でも電力は大丈夫?原発再稼働の影響は?」
 今年は、6月から真夏日が続き、東日本では一時的に気温が低い様な地域もありましたが、7月8月と記録的な暑さが続いていました。ところが、不思議と「節電」という言葉を聞きませんでした。2011年3月の東日本大震災直後は、原発が止まった影響などで計画停電があり、その年の夏は、政府のよる節電要請があったにもかかわらずです。本当に電気は大丈夫なんのか?原発再稼働が影響しているのか?改めて、今中さんに詳しくお話を伺います。
■よりそいコラム:「せめて1日」〜大阪大空襲に寄せて
 敗戦前日の1945年8月14日、当時の国鉄京橋駅を1トン爆弾が直撃し、数百人の命が奪われたことを知らない人も多いようです。いわゆる「大阪大空襲」。毎年その日には慰霊祭が行われるのですが、今年もJR京橋駅前には遺族ら300人が集まり、犠牲者に祈りを捧げました。今回の「よりそいコラム」を「せめて1日」とした理由とは?是非、リスナーのあなたも一緒に考えてみて下さい。
 
 
075 2017.9.5
矢部宏治・ぼうごなつこ「知ってはいけない」本を書いた訳
PERSONALITY 木内みどり
GUEST 矢部宏治さん(ジャーナリスト・作家)、ぼうごなつこさん(漫画家)
 

 発売と同時に品切れ、ベストセラーという異例の人気書「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」(講談社現代新書)をお出しになったジャーナリストでノンフェクションライターの矢部宏治さんと、この本の四コマ漫画を描いた漫画家・ぼうごなつこさんをお迎えしました。
 矢部宏治さんは、当番組第10回、2016年6月の放送にお迎えしてから、2回目の登場です。そのときには、「日本はなぜ『戦争ができる国』になったのか」というご本をお書きになったばかりで、戦後の日米安保の構造から戦争法の成立までを詳しく教えていただきながら、私たち国民には全く知らされていない衝撃の事実が、いくつもあるということを知りました。
 その他、矢部さんのご著書は、大ベストセラーとなった「日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」を含むと17万部を突破するなど、今、本当に多くの方に読まれています。
 その矢部宏治さんが、8月17日にお出しになりました新著「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」(講談社現代新書)。戦後の日米関係における密約、日米地位協定の本当の意味など、日本政府の中枢ですら知らされていなかった衝撃の「真実」を追った集大成とも言えます。これを読めば、日本という国は実は今も、独立国家などではないことがはっきりとわかるのですが、今回のインタビューでは、矢部さんがどのようにしてそのような国家のタブーに挑んだのか?そしてこの先、日本はどこに向かうのか?をたっぷりとお話しいただきました。
 またこの本に、4コマ漫画で参加した漫画家・ぼうごなつこさんにもお話しを伺いました。ぼうごさんは、この日スタジオに1歳になる赤ちゃんを連れてきてのインタビュー。収録中にも澄み切った可愛らしい声を時々あげる赤ちゃんの声を聞きながらも、この国が再び戦火に包まれることなく、人が憎しみ合うことなく、いつも穏やかに笑い合える、そんな未来に向かっていてほしいと願うばかりなのですが・・。番組エンディングでは衝撃の事実が!?
<Light Up!ジャーナル>
原発推進派の要人と論争するなら、どこへでも出向きます(小出裕章・談)」
 久々のパーソナリティ木内みどりとの電話対談。どんなお話しが聴けますか。こちらもお楽しみに!
※このサイトからぼうごなつこさんの描いた4コマ漫画がご覧いただけます。
※番組でご紹介しました矢部宏治さんの新著

※その他矢部宏治さんの過去のベストセラー
076 2017.9.12
福島地裁「生業訴訟」判決直前レポート!
地域のためにスーパーを営む 原告団事務局長があきらめない訳
PERSONALITY おしどりマコ・ケン
GUEST 服部 浩幸さん(生業を返せ、地域を返せ!福島原発訴訟の原告団事務局長)
 

 もうすぐ2017年10月10日、福島地裁で「生業を返せ、地域を返せ!福島原発訴訟」の判決が言い渡される予定です。今日は、その原告団事務局長で、二本松市でスーパーマーケットを営む、服部浩幸さんをゲストに迎えました。服部さんには、判決を前にこれまでの道のり、そして先への希望をたっぷり1時間お伺いします。
 このいわゆる「生業訴訟」は、ひとことで言いますと、福島第一原発事故によって失われた暮らしを元通りに戻してほしいと訴えている裁判です。原発事故に関しては、全国で1万2000人以上の人々が、約30件の訴訟を起こしていますが、原告数にしてその3割を占める約4000人が参加しているのがこの生業訴訟なのです。
 これまでに、2017年3月17日には、前橋地裁で群馬訴訟に対する判決が出ており、9月22日には、千葉地裁で判決が降り予定です。そして福島は、3月21日結審していて、10月10日に判決が出る見込みです。
 2011年3月11日震災当時、代々スーパーマーケットを営む服部浩幸さんは、放射能の影響を心配する余裕もなく、地元の人々のために近隣地域から必死に食料をかき集め供給しつづけていたといいます。
 そんな服部さんが、生業訴訟の原告団事務局長となり、日常を失ったすべての原発事故の被害者のために立ち上がったのは、必然であったのかもしれませんが、地元の方々の願い、想いを丁寧に形にして法廷につなげる、そんな仕事を成し得ているのは、服部さんでこそなのではないか、そんなことが伺える心温まるインタビューとなりました。
 また、事故後PTA会長になったとき、福島産の米を給食に使うようになると聞いた父兄の訴えを背負って、教育委員会や学校との交渉に奔走した日々、また2013年にウクライナに視察に行った際に感じた、復興したキエフと取り残された郡部とのコントラストについてなど、被災地に根をはって実直に活動を続ける服部さんならではの視点で、さまざまなお話しをいただきました。
 リスナーの皆さまも、ぜひ10日10日に判決がでる福島をはじめ、この「生業を返せ、地域を返せ!福島原発訴訟」に注目をしていただきたいと思います。
 応援いただける方は、ぜひ署名にも参加をお願いいたします!
 
(付録)
 「071」として放送された「リスナー大感謝祭@Loft9 Shibuya【公開録音】」(PERSONALITY 木内みどり/おしどりマコ・ケン/今西憲之 GUEST 河合弘之氏(弁護士・映画監督)/吉田照美氏(ラジオパーソナリティ)/小出裕章氏(元京都大学原子炉実験所))の文字起こしが、「Light Up!ジャーナル 071」として掲載されていました。

三訂版・ありそうでなかなかない伊藤真弁護士の講演録と講演動画のご紹介

 2017年9月11日配信(予定)のメルマガ金原.No.2932を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
三訂版・ありそうでなかなかない伊藤真弁護士の講演録と講演動画のご紹介
 
 伊藤塾塾長、日本弁護士連合会憲法問題対策本部副本部長、法学館憲法研究所所長などとして、そして、一人一票裁判や安保法制違憲訴訟の主要メンバーとして、伊藤真弁護士の活躍は広く知られていますし、その講演を直接聴いたという方も少なくないと思います。 私自身のことでいうと、伊藤先生の講演を直接聴く機会を持つ前に、DVD「憲法ってなあに?憲法改正ってどういうこと?」の発売を、旧知の錦織明弁護士(千葉県弁護士会)から教えてもらい、まだ視聴もせぬうちにメルマガ(ブログ)でご紹介しました。
 
2013年5月21日
 
 上記ブログに(追記)したとおり、実際に入手して約55分のビデオを視聴したところ、「目から鱗とはこのことか!」「憲法のことなんて難しくて分からない、という人にこそ見てもらいたい」と深い感銘を受け、学習会の講師を頼まれれば必ずこのDVDを持参し、その年のうちに200枚以上を和歌山県下で売りまくったものでした。
 そして、収録からちょうど1年経過した2014年4月末に、このビデオは(英語吹替版、韓国語吹替版とともに)YouTubeで公開されました。
 
憲法ってなあに?(55分)

英語吹替版

韓国語吹替版

 
 なお、YouTubeでの公開後も、DVD版が500円、講演内容を文字起こししたテキスト&パワポ資料が100円という廉価で継続販売中です(注文はWorkers for Peace のフォームから)。
 DVD版を注文される際には、是非併せてテキスト&パワポ資料も注文されることをお勧めします。
 
 ところで、「憲法の伝道師」として、少なくとも年間100回以上は間違いなく各地で講演されているであろう伊藤真さんですが、これだけインターネット(動画配信を含む)が普及したにもかかわらず、まとまった伊藤弁護士の講演動画や、講演内容をテキスト化した講演録が、なかなかネット環境では見当たらないのです。
 実は、2014年9月に和歌山弁護士会が伊藤先生を講師にお招きし、集団的自衛権を考える市民集会を開催した際(私は同会憲法委員会委員長として企画に関わっていました)、「講演を含む集会内容を全て文字化して報告書を作って配布したいのですが」と伊藤先生にご相談したところ、ネットでの公開も含めてご快諾いただけただけではなく、原稿の校正や小見出しを付ける作業まで引き受けていただきました。その際、他に伊藤先生の講演録がネットで公開されていないかと思って調べてみたのですが、2005年10月12日、新聞労連中央委員会での講演録しか見つかりませんでした。
 このようなお願いをする主催者がめったにないのか、あるいは、上記のケースでは、主催者が和歌山弁護士会であり、日本弁護士連合会が共催となっていたという事情があったからかもしれません(その後、2016年8月に行われた商社九条の会・東京での講演録が公開されました)。  
 
 それに、講演動画についても、30分程度のミニ講演であればいくつか見つかりますし、集会でのスピーチや記者会見での発言などは結構視聴できますが、1時間以上のまとまった長さの伊藤先生の講演動画というのは、その講演回数の割には、実はなかなか見当たらないのですよね。
 そこで、以下には、2015年7月の米沢市(実行委員会の主要メンバーが米沢市在住の弁護士8人全員と当時の米沢市長であると冒頭で紹介されています)と2016年5月の京都弁護士会(音声レベルが低く、聴きづらいと思いますが、パワーポイントを見ながら耳を澄ませば聴き取れる範囲でしょう)、それから、2017年2月の静岡市での講演動画をご紹介します。
 滑舌の良さでは定評のある伊藤真弁護士ですから、少々早口でも(かなり早口の部分もありますが)、すっと頭に入ってくるはずです。
 
 ところで、現在、憲法をめぐる情勢は、5月3日の安倍改憲メッセージに端を発する9条加憲論にどう立ち向かうかということが焦眉の急となっており、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が3000万人署名活動をスタートしたということは、このブログでもご紹介済みです。
 また、9条加憲論の何が危険なのかということについては、多くの憲法研究者の見解が、ネット上で視聴したり読めたりするようになってきています。おそらく伊藤さんご本人も、各地での講演では、その問題についての分かりやすい解説をされていることと思いますし、そのような最新の講演動画や講演録がアップされたら、この記事の四訂版を配信しようと思いますが、今のところ、ネットで視聴できる伊藤弁護士の講演動画、読める講演録は、そもそも憲法とはどのようなものか?という最も基本的なところから説き起こすものが大半です。
 私は、9条加憲論という、なかなか頭の整理をすることからして難しい問題について学ぶ前提として、是非伊藤先生の講演でしっかりと「憲法とは何か?」ということを学んでおいていただきたいと考えています。そのような下地があってこそ、9条加憲論についての理解も深まるのだと思います。
 そのような意味から、以下の講演録・講演動画の前に、伊藤真弁護士が、「伊藤塾の塾長として」毎年講義している「法律家を目指す塾生に向けた【体系マスター】と呼ばれる講座の憲法の一日目の講義(第1~3回、3時間)」(2017/3/2)が公開されていますので、伊藤塾の塾生になったつもりで、じっくりと視聴されるのが良いかもしれません。
 
1.憲法とは何か「日本国憲法で一番たいせつなものは何ですか?」
⇒こんな話題も。
自民党改憲草案・集団的自衛権・安保法制違憲訴訟・一人一票・憲法改正国民投票
2.憲法の必要性「多数意見が常に正しいわけではない。」
⇒こんな話題も。
イラク戦争自衛隊イラク派遣・イギリスのEU離脱ヒトラードイツのプロパガンダ、政策
3.近代憲法の特質「憲法とは、国家権力を制限して、国民の権利・自由(人権)を守る法である。」
 
 
  
講演動画 2015年7月5日 米沢市
平成27年度(第2回)憲法のつどい(実行委員会主催)
日本国憲法を知ろう~憲法に無関心な人はいても憲法に無関係な人はいない~(2時間13分)

 
講演動画 2016年5月28日 京都市
京都弁護士会主催(日本弁護士連合会共催)
憲法がなくなる!伊藤真さんが語る緊急事態条項の恐怖(2時間13分)

 
  
講演動画 2017年2月11日 静岡市
第50回 2.11思想と信教の自由を守る静岡市民集
「今こそ憲法を学ぼう!~わが国を「戦争する国」にしないために~」(2時間02分)

 
※注 本講は、2016年12月5日に配信した「ありそうでなかなかない伊藤真弁護士の講演録と講演動画のご紹介」及び2017年3月23日に配信した「増補版・ありそうでなかなかない伊藤真弁護士の講演録と講演動画のご紹介」の改訂・三訂版です。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/伊藤真弁護士関連)
2013年3月23日
伊藤真氏の自民党「日本国憲法改正草案」批判
2013年5月8日
憲法記念日に伊藤真氏が解説する自民党「日本国憲法改正草案」(報道するラジオ)
2013年7月31日
小林節氏×伊藤真氏~憲法改正を議論するために~
2013年9月4日
マガ9学校 第28回 伊藤真さん「立憲主義と民主主義~主権者って何する人~?」
2014年2月1日
伊藤真弁護士の死刑違憲論(1/31和歌山市にて)
2014年8月13日
予告 9/16 伊藤真弁護士、和歌山で集団的自衛権を語る(和歌山弁護士会)
2015年1月24日
伊藤真弁護士が岡山で語る「投票価値の平等は憲法の要請」~付「憲法ってなあに?憲法改正ってどういうこと?」文字起し版廉価で配布中
2015年3月20日
伊藤真弁護士講演録(憲法と集団的自衛権を考える) 和歌山弁護士会ホームページで公開(付・予告4/7「日本はどこに向かうのか(全国キャラバン東京集会)」)
2015年12月2日
安保法制違憲訴訟を考える(4)~伊藤真弁護士(安保法制違憲訴訟の会)による決意表明(11/19@国会前)と小林節氏の現時点(11/21@和歌山県田辺市)での見解

2016年12月5日
2017年3月23日

市民連合「第4回全国市民意見交換会」(9/10)が開催されました

 2017年9月10日配信(予定)のメルマガ金原.No.2931を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
市民連合「第4回全国市民意見交換会」(9/10)が開催されました
 
 今日(9月10日)午前10時30分から午後4時までの日程で、全日通霞ヶ関ビルディング8F大会議室において、市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)が主催する「第4回 全国市民意見交換会」が開かれました。
 実は、「どうやら9月10日に、市民連合が全国意見交換会を開くらしい。」ということを私が知ったのは、8月10日(木)の昼休み、第38回「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)の集合場所である和歌山市役所前でのこと、和歌山県平和フォーラムの藤原慎一郎さんから、「平和フォーラム・原水禁メールマガジン」(第233号)の「今後の主な取り組み」の中に、「9月10日 市民連合全国交流会(10:00~全日通会館)」という記載があるけれど、聞いていますか?と声をかけられたのが最初でした。
 その後、8月18日(月)に市民連合わかやまの会議に参加した際も、それ以上の知識の持ち合わせのある者は(共同代表を含めて)誰もいないという有様でした。
 何しろ、市民連合のホームページFacebookTwitterをしらみつぶしに閲覧しても、交流会についての記述は全然見つからないのですからね。
 そして、ようやくその全国交流会の全貌(?)が判明したのは、回り回って「第4回全国市民意見交換会のご案内」(7月28日付で市民連合が発出した文書)が市民連合わかやまのMLにたどり着いた8月21日(月)のことでした。やれやれ。
 この「ご案内」を読んでみると、「市民と野党の共闘の深化と衆院選に向けた戦略の構築を目指す目的で」第4回全国市民意見交換会を開催するので出席して欲しいという要請書なのですが、「尚、会場の都合上、参加人数は小選挙区の団体は1名、小選挙区の団体がない県の団体は2名とさせていただきます。」とあり、完全クローズドの集会であることが分かりますので、インターネットでの告知を一切行わなかったことも理解できないことはありません。
 
 さて、その第4回全国市民意見交換会です。長丁場の意見交換会ですから、ネット公開できる部分とそうでない部分が当然あります。
 公開された第1部前半と第3部をライブ配信した上で、早速、1時間32分の動画をアップしてくださった「Makabe Takashi」さんのYouTube動画をご紹介します。
 ちなみに、第2部は「意見交換会(分科会)」でした。
 
市民連合 第4回全国意見交換会~市民と野党の共闘の深化と総選挙に向けた戦略~(1時間32分)

第1部(前半)
冒頭~ 司会(佐藤学氏、長尾詩子氏)
4分~ 開会挨拶 高田健氏(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)
10分~ 市民連合の紹介 広渡清吾氏(東京大学名誉教授)
19分~ 山口二郎氏(法政大学教授)「立憲デモクラシーの危機から政権交代へ」
第3部
49分~ 各分科会からの報告
1時間11分~ ファシリテーターからの報告
 1時間11分~ 山口二郎
 1時間14分~ 長尾詩子氏(安保関連法に反対するママの会)
 1時間17分~ 池田亮子氏(同上)
1時間19分~ まとめ 中野晃一氏(上智大学教授)
1時間28分~ 閉会 佐藤学氏(安全保障関連法に反対する学者の会)
 
 第3部の各分科会からの報告を聴きながら、身につまされる思いをする方も多いのではないかと思いました。
 複数の方が言及されているように、10月22日投開票の衆院トリプル補選の結果が非常に重要なものになることが共通に認識されているようでした。補選告示までもう1ヶ月しかなく、第4回全国市民意見交換会を開くタイミングとして、この9月10日より遅らせる訳にはいかなかったということでしょう。
 民進党代表選が終わり、予想通りというか予想以上にゴタゴタが続く同党ですが、明日以降、また5人の衆議院議員が離党するという観測記事が出ているその中に、和歌山1区の現役議員もいるのですよね。さてさて・・・。
 いずれにせよ、各地の実情に応じた「(相対的に)最もましな選択」をせざるを得ない状況は全然変わっていない、と言うよりも、より状況は厳しくなっているように見えます。
 今日の全国市民意見交換会に出席できなかった地域においても、今後の運動の参考とするため、是非視聴されることをお勧めします。

「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」9.8 キック・オフ集会大成功~3000万人署名活動スタート!

 2017年9月9日配信(予定)のメルマガ金原.No.2930を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」9.8 キック・オフ集会大成功~3000万人署名活動スタート!
 
 4日前(9月5日)のこのブログでご紹介した「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」実行委員会が主催するキック・オフ集会が、昨日(9月8日)、なかのZERO大ホールで開催され、キャパ1,300弱のホールに入りきれない人がロビーを埋め、1,500人の参加と発表されました。まずは、幸先の良い船出ということで、良かったですね。
 そのキックオフ集会の模様を伝える動画が何種類もアップされていますが、聴き取りやすさと見やすさが高いレベルで達成されている「Makabe Takashi」さんの動画をご紹介することとします。
 
「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」9・8キック・オフ集会 2017年9月8日 (1時間31分)

冒頭~ 司会 菱山南帆子さん(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)
4分~ 主催者挨拶 高田健さん(同上)
8分~ 経緯の説明 福山真劫さん(同上)
市民アクション発起人・呼びかけ人から
18分~ 浜矩子さん(同志社大学教授)
23分~ 鎌田慧さん(ルポライター)
29分~ 暉峻淑子さん(埼玉大学名誉教授)
37分~ 佐高信さん(ジャーナリスト)
42分~ 高野孟さん(「インサイダー」編集長)
48分~ 落合恵子さん(作家)
55分~ 香山リカさん(精神科医
松元ヒロさんライブ~動画なし
1時間03分~ ミニ講演 清水雅彦さん(日本体育大学教授)
1時間24分~ 行動提起 小田川義和さん(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)
 
 小田川義和さんの行動提起で説明のあった「安倍9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名」(3000万人署名)の署名用紙(PDFファイル)が総がかり行動実行委員会のホームページに掲載されています。その内容を読んでおきましょう。
 
(引用開始)
                      安倍9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名
参議院議長  様
 2017年5月3日、安倍晋三首相は突然、「新たに憲法9条自衛隊の存在を書きこむ」「2020年に新憲法施行をめざす」と述べました。この発言を受けて、改憲への動きが急速に強まっています。
 戦後70年以上にわたって、日本が海外で戦争をしてこなかった大きな力は憲法9条の存在と市民の粘り強い運動でした。いま、9条を変えたり、新たな文言を付け加えたりする必要は全くありません。私たちは、日本がふたたび海外で「戦争する国」になるのはゴメンです。
 私たちは、安倍首相らによる憲法9条などの改悪に反対し、日本国憲法の民主主義、基本的人権の尊重、平和主義の諸原則が生かされる政治を求めます。
請願事項
1、憲法第9条を変えないでください。
2、憲法の平和・人権・民主主義が生かされる政治を実現してください。
第一次集約 12月20日  第二次集約 4月25日  第三次集約 5月末
呼びかけ団体 安倍9条改憲NO!全国市民アクション
連絡先 1000人委員会 ☎03-3526-2920/9条壊すな!実行委員会 ☎03-3221-4668
      憲法共同センター ☎03-5842-5611/九条の会 ☎03-3221-5075
(引用終わり)
 
 国会請願を念頭に置いた真っ当な署名用紙ですね。
 国会請願など念頭になく(請願などしなくても国会で多数を占めている)改憲派(美しい日本の憲法をつくる国民の会)の1000万人署名用紙は、国民投票運動で活用すべく、まるで後援会入会申込書のように、郵便番号や電話番号まで書き込む書式になっていますけどね。
 まあ、我々が改憲派の「署名用紙」の真似をする訳にもいかないでしょうが。
 
 最後に、清水雅彦さんのミニ講演と小田川義和さんの行動提起の部分の個別動画をご紹介するとともに、小田川さんによる行動提起の一部を文字起こししておきます。「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」からの提案を各地の個人・団体が主体的に受け止め、大きな国民運動として盛り上げていくための参考となれば幸いです。
 
2017.09.08「安倍9条改憲 NO!全国市民アクション…」:〈学習会〉清水雅彦さん (日本体育大学教授・憲法学)【11/12】(21分)

※注 清水さんが言及されている9条加憲論のネタ元である日本会議常任理事・政策委員である井上哲夫が、日本政策研究センター機関誌「明日への選択」2016年9月号で発表した論考の内容については、リテラに掲載された以下の記事などをご参照ください。
 
2017.09.08「安倍9条改憲 NO!全国市民アクション…」:〈行動提起〉小田川義和さん (総がかり行動実行委員会)~ 閉会【12/12】(7分)

(一部文字起こし)
「この統一署名の表題について触れたいと思います。「安倍9条改憲 NO!」としていますが、この点は意味を持っているということです。「改憲 NO!」ではありません。「9条改憲 NO!」でもありません。戦争する国づくり反対の方々に、運動に参加いただくことは当然として、憲法を守ろうとしない安倍首相に、9条まで手をつけさせることが我慢できない、こういう方も含めて運動に参加を呼びかける、広がりのあるものとしていくために、署名のタイトル、こういう形にさせていただきました。」
「具体的な行動について、3点ほど申し上げたいと思います。第1に、諸選挙での投票数を念頭に、国会内での改憲派3分の2の結集にくさびを打ち込む意図をもって、署名の目標数3000万人として提起をさせていただいています。地域住民の過半数とか、有権者過半数とか、あるいは工場、事業所の全労働者とか、より積極的な目標を掲げ、署名実行委員会のような体制を無数に作って、達成にチャレンジしていただくことを大いに歓迎をしたいと思います。署名の集約時期、第一次を12月20日、第二次を4月の25日、第三次を5月末として提起を致します。来年の通常国会での改憲発議を安倍首相が狙っている、その状況認識に立って、通常国会中に迎える71年目の憲法記念日5月3日前に、3000万の目標達成を、という構えでの提起、是非ご協力をお願いしたいと思います。」
「具体的な運動の第2は、節目ごとの大規模な集会の開催です。署名と併せ、大規模集会で世論を可視化をし、政党に改憲に反対する市民との共闘を迫ってまいりましょう。戦争法でもそうでしたけれども、私たちの運動が、政党を変え、政治を変え、国会内の力関係を変える最大の力だと思います。そのために、当面、11月3日、新春、5月3日、国会最終盤の6月、この4つの節目の大規模集会、今から準備をし、全国で数百万規模の行動を繰り返し取り組んでいこうと確認をし合いましょう。当面11月3日は、東京は午後2時(14時)開始で、10万人を超える規模で国会包囲の大行動に取り組みたいと思います。全国にも、連携した集会・行動に、100万人を超える皆さんの参加を募ること、成功させることを、今日の時点で確認をし、皆さまとともに準備を進めてまいりましょう。」
「第3は、安倍9条改憲の狙いや危険性、憲法を守り生かすことの重要性、憲法の価値を学ぶ学習会や講演会、19日なでの集中日を決めた宣伝署名行動など、それこそ、地域、職場、学園で、多様な取り組み、運動や参加者を増やしてまいりましょう。新聞意見広告など、経費のかかる運動では、多くの皆さんの拠出をお願いすることになろうかと思います。運動の先頭に立っていただくと同時に、運動の基盤づくりにも皆さんに参加いただきますことをお願いしたいと思います。」
 
 以上、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」からの3つの行動提起です。
 様々な団体(地域の「9条の会」を含む)は、それぞれ独自の目的をもって設立され、活動を続けてきたのであり、「安倍9条改憲」への反対運動にも、もちろん主体的に取り組むのが当然ですが、それら個々の活動が一つの大きな国民運動となり、より影響力を高めるための触媒を「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が果たそうとしているのだと思います。
 そのことを念頭に、当面、来年の通常国会での改憲発議阻止を目標に、各地の団体が活動計画を具体化する(地域ごとの連携・共同も当然必要になってきます)ことが求められています。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/安倍改憲メッセージ関連)

ビッグイシュー日本版と商社九条の会・東京HPで読む浜矩子教授の“アホノミクスを倒すための平和の経済学とケアリング・シェア社会”

 2017年9月8日配信(予定)のメルマガ金原.No.2929を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
ビッグイシュー日本版と商社九条の会・東京HPで読む浜矩子教授の“アホノミクスを倒すための平和の経済学とケアリング・シェア社会”
 
 毎日、事務所で昼の弁当を食べ終わった後、コーヒーを飲みながらインターネットで様々なサイトを渡り歩き、「今日のブログに何を取り上げようか?」と素材探しをするのが習慣になってしまっています。
 昼休みの間にはなかなかこれといった素材が見つからず、続きはまた夜になってからということが多いのですが、今日は珍しく有力な候補を昼休みに見つけました。何ヶ月かに一度はチェックする商社九条の会・東京のホームページを閲覧したところ、以前閲覧した時には掲載されていなかった講演録が掲載されているのに気がついたからです。
 同会は、豪華講師を招いた講演会の内容を文字起こしして、その講演録をホームページに掲載するのが例となっています。
 
 
 上記「活動記録」を一読すればお分かりのとおり、実に豪華な講師陣の講演が文字化されており、非常に貴重な資料となっています。
 私も、これまで何度かブログでご紹介しています(巻末リンクをご参照願います)。
 ただ、講演録の文字化にはそれなりに時間を要しますので、そうすぐにホームページにアップとはいかず、何ヶ月も経ってから(時には年を超してから)掲載されることも珍しくありません。
 商社九条の会・東京が講演会を開催するという告知記事を読んだことのある講師による講演録が、忘れたころに同会ホームページに掲載されていることを知るといのはよくあることで、今日の昼休みには、昨年8月28日の伊藤真弁護士による「平和といのちと人権を!」~自民党改憲案」を批判する~」と、今年の2月5日に行われた浜矩子同志社大学大学院教授による「自壊するアホノミクス~平和の経済学が下す鉄槌」という2つの講演録を発見し、前者も、伊藤弁護士のまとまった講演録としては、和歌山弁護士会が2014年9月16日に開催した講演会のもの(私が所管委員会の委員長だった時にお願いしました)くらいしかネットで読めるものがなかったので、貴重なものだとは思いましたが、またこれは別の機会にご紹介することとし、今日のブログでは、浜教授の講演録をご紹介しようかなと思いながら、午後2時過ぎには大阪高裁での弁論準備ために事務所をあとにしました。
 
 大阪高裁に行くために、地下鉄御堂筋線淀屋橋駅を降り、淀屋橋を渡ると大阪市役所なのですが、その手前の淀屋橋北詰に差し掛かる前に、私は小銭入れから350円だけ取り出していました。 
 淀屋橋北詰で、ビッグイシュー日本版を売っている人がいたら是非買おうと思っていたからです。
 私がこの前ここを通ったのは8月31日のことで、大阪地裁で行われた原発賠償関西訴訟の第15回口頭弁論に出席するためだったのですが、昼過ぎに通りかかった際には販売者の方の姿は見当たらず、裁判を終えた帰りには販売しておられたのですが、帰りの電車の時間が気になり、買わずに通り過ぎてしまったことが心に引っかかっていたので、今日は是非買いたいと思っていたのです。
 幸い、今日は販売者の方がビッグイシュー最新号を掲げておられましたので、1冊買い求めました。そして、その表紙を飾っていたのが、何と浜矩子教授であったのは、偶然には違いありませんが、何かの暗合のような気がしましたね。
 
 ちなみに、今日購入したビッグイシュー日本版は、創刊14周年記念号(vol.318 2017.9.1)であり、浜矩子さんに対するビッグイシュー日本共同代表の佐野章二さんによる巻頭インタビューが6頁にわたって掲載されていました。インタビューのタイトルは、「阻止できるか?経済ファシズム 今、経済殺しのアホノミクスを超える躍動するケアリング・シェア社会へ」というもので、少し早めに着いた大阪高裁の1階公衆控え室で一気に読んでしまいました。
 
 ところで、私の買ったビッグイシューには、A5サイズの紙片がはさまれており、手書きで以下のように書かれていました。
 
(引用開始)
前略 路上より
今日声をかけて頂きありがとうございます。
昼暑く夜涼しい季節になりました。
食事もおいしくなるので食べ過ぎに要注意です。
しばらくはいい天気が続きそうです。
私もどこかに出かけてみたいなと思います。
次号も元気にお会いしましょう。
9/1(金)
大切なお客様へ
ビッグイシュー販売者「吉富」より
(引用終わり)
 
 こういうポップというのでしょうか、メッセージ付きのビッグイシューを購入したのは初めてでしたので驚きましたし、暖かい気持ちにさせてもらって嬉しかったですね。
 しかも、ビッグイシューの今号の25頁には、その淀屋橋北詰の販売者・吉富卓爾さんの紹介記事が載っていたのです(ビッグイシューのホームページでも、その記事の冒頭部分が掲載されています)。
 
 
 ビッグイシュー日本版の販売は以下の各地で行われています(月2回刊/350円)。気軽に声をかけて購入されてはいかがですか。良い記事がたくさんありますよ。
 
 さて、商社九条の会・東京に掲載された浜矩子教授の講演録をご紹介します。2月5日に行われた「講演内容を録音したものから、事務局の責任で文章化し、見出し・小見出しを付けて編集したものです。」ということで、講師による事後の手入れは行われていないようです(伊藤真弁護士の講演録は、講師による「補筆訂正」がなされていますが~和歌山弁護士会のものもそうでした)。
 その分、講演の内容がそのまま伝わってくると言っても良いので、講演録全体を読んでみたところ、主催者が付けた見出し・小見出しは適切なものだと思いました。そこで、以下、講演録自体からの引用は差し控えますが、どのような内容の講演であったのかを理解いただくため、主催者が付した見出し・小見出しに基づく目次(と講師プロフィール)を以下に引用します。
  
 (引用開始)
目 次
講師紹介(司会)
はじめに~今日の四つのテーマ
テーマ その一 状況は変わる、変えられる
テーマ その二 比較研究(トランプと安倍)
 平和の経済学とは
 共通点は幼児的凶暴性
 トランプは引きこもり型、安倍は拡張主義的
 安倍の目指すものは大日本帝国への回帰 軍備増強
 戦前回帰、改憲の野望あらわな施政方針演説
テーマ その三 不都合な現実 アホノミクスの自壊
 若者の貧困率アップにポピュリズムがつけ込んでいるが
 アホノミクス自壊の兆候 三つの証拠
テーマその四 警戒すべきこれから 財政収支均衡化の放棄
 インフレで債務返済負担を軽減 シムズ理論
 日銀の国債直接引き受け ヘリコプターマネー理論
質疑応答
 国の膨大な債務について
 経済成長とは
 防衛に関して
 若い世代への問いかけ
 年金基金をアメリカのインフラ投資に使う
 日本の円安誘導
 女性の労働について
 現状の解決策
浜 矩子 氏【プロフィール】
同志社大学大学院ビジネス研究科教授。一橋大学経済学部卒、三菱総合研究所のロンドン駐在員事務所長、経済調査部長、政策経済研究センター主席研究員を経て、2002年より現職。専門はマクロ経済分析、国際経済。
近著:「アベノミクスの真相」(中経出版、2013 年)、「地球経済のまわり方」(ちくまプリマー新書、2014 年)、「国民なき経済成長 ~ 脱・アホノミクスのすすめ」(角川書店、2015 年)、「さらばアホノミクス 〜 危機の真相〜」(毎日新聞出版、2015 年)、「アホノミクスの完全崩壊に備えよ」(角川書店、2016 年)、『どアホノミクスへ最後の通告』(毎日新聞出版、2016 年)他多数
(引用終わり)
 
 なお、今日のブログのタイトル「ビッグイシュー日本版と商社九条の会・東京HPで読む浜矩子教授の“アホノミクスを倒すための平和の経済学とケアリング・シェア社会”」の内、「平和の経済学」については上記講演録をお読みくださればどのようなものかが分かります。
 そこで、最後に、「ケアリング・シェア社会」とは何か?ビッグイシューのインタビューから引用します。
 
(引用開始)
そこで一つ、軸になるかもしれないのが、本当のシェアリング経済です。今、政府が推進しようとしているシェアリングエコノミーは「みんなフリーランスになって遊休資産を切り売りしましょう」というもの。そうではない本当のシェアリング世界になるために必要なのはケア(気遣い合い)で、そんな社会をどう具体的に作っていくのかをみんなで考えたい。私はどうも、ケアリング・シェア社会というのは本当の意味での共産主義社会なのではないかと思えてきているんです。
(引用終わり)
 
 正直、これだけではよく分かりませんが、自分であれこれ考えるヒントにはなります。いまだかつて出現したことのない理想の共産主義社会(?)を夢見るのも悪くはないかもしれませんね。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/商社九条の会・東京関連)
2012年12月20日(2013年2月23日に再配信)
2014年5月29日
2015年5月11日
2015年8月19日
2015年12月2日
2016年4月15日

田中浩一郎氏と高橋和夫氏が語る「イラン情勢と米国の中東政策」(日本記者クラブ/2017年6月8日)を視聴する

 2017年9月7日配信(予定)のメルマガ金原.No.2928を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
田中浩一郎氏と高橋和夫氏が語る「イラン情勢と米国の中東政策」(日本記者クラブ/2017年6月8日)を視聴する
 
 3ヶ月前の日本記者クラブでの会見動画ですが、ようたく視聴できましたのでご紹介することとしました。
 日本エネルギー経済研究所・中東研究センター長の田中浩一郎氏と放送大学教授の高橋和夫氏の2人が招かれ、「イラン情勢と米国の中東政策」をテーマとして話をされました。
ちょうど、イランでの大統領選挙で現職のロウハニ師が再選を果たしたタイミングでしたので、田中浩一郎氏が「イランの国内情勢」について、高橋和夫教授が「トランプ政権とイラン」について冒頭で20分ずつ基調発言をされ、その後、質疑応答が行われました。
 
高橋和夫 放送大学教授/田中浩一郎 日本エネルギー経済研究所・中東研究センター長「イラン情勢と米国の中東政策」2017.6.8(1時間31分)

会見リポートを引用開始)
「トランプ時代の中東」をどう見るか
 5月のイラン大統領選でロウハニ師が再選された。トランプ米大統領サウジアラビアイスラエルを歴訪し、「共通の脅威はイランと過激派」と強調した。6月に入ってサウジなどがカタールと断交し、テヘランで連続テロが起きた。中東をめぐる国際情勢の変化とその背景について、2人のゲストは論理的な整理と感覚的な説明を交えて語った。
 イラン大統領選について田中氏は、「保守強硬派も核開発問題の合意自体は否定せず、開放政策で外資導入を進めようとするロウハニ政権と、自前の経済強靱化を唱える保守強硬派の経済路線の違いが争点になった」と解説。保守強硬派が善戦した背景には、「トランプ氏の暴言に対してロウハニ師がおとなしいことへの不満もある」と指摘した。
 高橋氏は「トランプ政権には政策の整合性がない」「ロシアゲートで失脚するのがホワイトハウスにいる側近なら、閣僚の発言力が増す」と説明した。そのうえで、マティス国防長官ら中東経験がある将軍たちは、米兵が犠牲になった過去の事件にイランが関与していたという不信感が強く、「イランへの姿勢は厳しい」と付け加えた。
 「トランプ氏は他人の意見に乗せられやすい。サウジとイスラエルの立場が近いという図式は、イスラエルが強調してきたこと」と田中氏は言う。トランプ大統領は米大使館の移転実行を先送りし、エルサレムに対するイスラエルの主権を認めるのを避けたが、「ネタニヤフ政権が移転を望んでいるかも疑問。サウジとの距離を縮めにくくなるからだ」と高橋氏は見る。
 イスラエルアラブ諸国も、自らに都合のいい部分だけ相乗りして米国を利用しようと動く。個々の発言や宣伝に振り回されず、実際に何がどう変わるかを見る必要がある。「トランプ時代の中東」の見方を示す会見でもあった。
日本経済新聞社コラムニスト 脇 祐三 
(引用終わり)
 
 上記のレポートの冒頭を読むだけでも、「イラン大統領選でロウハニ師が再選され」、「トランプ米大統領サウジアラビアイスラエルを歴訪し、「共通の脅威はイランと過激派」と強調し」、「6月に入ってサウジなどがカタールと断交し」、「テヘランで連続テロが起きた。」と様々なニュースが数え上げられています。この会見を理解する前提として、以下の報道にリンクしておきます。
 
 
 
  
  
 ところで、イランには、1979年のイスラム革命後、シーア派の聖職者が就任する最高指導者という職があり(ホメイニー師と、その死後就任したハーメネイー師の、まだ2人しかいませんけど)、イランの大統領は国家元首ではなく、単なる行政権の長であることは認識しておく必要があります。
 
 というようなことを基礎知識として、この会見動画を視聴すれば、色々と教えられることが多いと思います。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/高橋和夫教授関連)
2013年8月17日
2015年1月23日
2016年8月6日
2017年1月26日
2017年8月17日

中川五郎さんの『トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース』を聴き、変わろうとしないこの国の人たちを思う

 2017年9月6日配信(予定)のメルマガ金原.No.2927を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
中川五郎さんの『トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース』を聴き、変わろうとしないこの国の人たちを思う
 
 今日(9月6日)の夕方、和歌山弁護士会の委員会を終え、徒歩約1分の事務所に戻ったところ、郵便ポストに、全国一律164円で日本郵便が配達する「クリックポスト」サービスで、注文していたCDが届いていました。
 私は、即座に、今日のブログはこのCDを取り上げようと決めました。
 それは、中川五郎さんの発売されたばかりのシングルCD『トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース』です。
 収録されているのはタイトル曲1曲のみ。ただし、演奏時間は17分49秒あります。
 
 私が敬愛するフォークシンガー中川五郎さんのことをブログで取り上げるのはこれが何回目でしょうか。巻末に、「中川五郎/金原」というキーワードでGoogle検索して見つかったブログ記事にリンクしておきましたが、これでも何本かは漏れているような気がします。
 一番最近書いたのは、中川さんが今年の7月30日、「くまの平和の風コンサート」でメインゲストとして歌われるということをご紹介した記事で、残念ながら他用のために新宮まで伺えませんでしたが、後に主催者の1人から送ってもらったメールによれば、とても素晴らしいコンサートだったようです。
 
 さて、『トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース』です。
 この作品は、中川さんが、『九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響』(加藤直樹著/ころから刊/2014年3月)という本を読んで受けた衝撃から、作られたものです。

 今年の9月初旬にCDをリリースするという時期の設定は、この曲が題材とする事件が起きた9月2日(関東大震災の翌日)に合わせてということだったのでしょうが、時あたかも、小池百合子東京都知事が、従前の慣例を破り、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式に追悼文を送らないこととしたというニュースと時期が重なり、以下のようにメディアが中川さんのCDを紹介するきっかけになったのは、何というタイミングかと正直驚きます。
 
(抜粋引用開始)
 1923(大正12)年9月1日の関東大震災で起きた朝鮮人虐殺。この事件をテーマに、フォーク歌手の中川五郎さん(68)が歌を作った。民族差別的なヘイトスピーチのデモが相次ぐ現代に警鐘を鳴らす約18分の長い歌だ。
 曲名は「トーキング烏山神社の椎(しい)ノ木ブルース」。かつて住んでいた東京都世田谷区の千歳烏山駅近くで、虐殺に絡んで植えられたというシイの木の伝承を題材にした。
 中川さんは60年代後半からベトナム反戦や反差別をテーマにした米国のフォークソングに影響を受けて歌い始め、69年には第1回の「中津川フォークジャンボリー」にも参加。高田渡岡林信康らとともに、フォークを代表する歌手の1人だ。
 94年前の震災直後、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などとするデマが流れ、関東各地で朝鮮人や中国人が暴行を受けて殺害された。世田谷区南烏山2丁目の烏山神社にあるシイの木は「殺された朝鮮の人13人の霊をとむらって地元の人びとが植えた」と、区制50年誌に記されている。
 一方、加害者として起訴された12人が「晴れて郷土にもどり(中略)記念として植樹した」との古老の証言記録も残る。この証言を紹介したノンフィクション「九月、東京の路上で」(加藤直樹著、ころから刊)が2014年に出版された。読んだ中川さんは、「異質なものを排除し、加害者をかばって木まで植えてしまった」と衝撃を受けた。
(引用終わり)
 
 もう1つ、同じく9月1日にハフィントン・ポストにも以下のような記事が掲載されました。
 
 (抜粋引用開始)
 1923年、関東大震災から一夜明けた9月2日の午後8時頃。東京府北多摩郡千歳村字烏山において新宿方面に移動中のトラックが自警団によって止められ、竹やり、棍棒、トビ口などで武装した人々に取り囲まれた。
 車中に乗っていたのは17人の朝鮮人労働者たちで京王電鉄の依頼を受けて土木作業現場に就く途中であった。すでに「震災の混乱に乗じて転覆を図る朝鮮人暴徒が世田谷方面から集団で襲って来る」等のデマが千歳村に流布されており、尋常ならざる興奮状態であった武装集団は数回の押し問答の末、朝鮮人という言葉に反応し手にした凶器で襲い掛かった。
 法に基づいた調査もなされずにただ朝鮮人ということだけで凄惨を極める私刑が行われた。当時35歳だった洪其白さんたち13名が犠牲になった。
(略)
 「怖いことです。僕も住んでいたからこそ分かるんですが、千歳の村でかばい合う意味での絆があったんでしょうね。身内の団結というか、例え誤ったことでもそれは地元のためにやったことだからと正当化してしまう。内向きでそれを正義にしてしまう。日本の恐ろしい所、この国が犯して来た過ちです。これを歌わなければと強く思ったわけです」
 本が出たのが2014年3月で5月にはもう曲を作っていた。烏山で起きた事件をひとつの物語としてろうろうと歌い上げるバラッドは実に17分49秒におよぶ大作となった。
 「でもね」と続ける。「僕が歌っているのは、94年前のことではなく、今の日本のこと。事件は過去のことでも現在と未来のことを歌っているんです」
 一時ほどではないにせよ、白昼堂々と「朝鮮人を殺せ」と叫ぶヘイトスピーチが横行し、それらを企んだ人物が政党を作った。一年前には相模原の障害者施設で19人が殺害される事件が起こった。
 「自分たちと異なる人たち、出自を外国に持つ人であったり、障害を持つ人たちとこの国で共に生きようとするのではなくて排除しようとしている。そんなひどい社会になっているじゃないですか」
 そして関東大震災の虐殺については、歴代都知事が行って来た朝鮮人犠牲者の追悼式に対する追悼文を小池百合子都知事が、約6000人という犠牲者の数に疑義を呈して今回は見送ると表明した。
 「ああいう歴史修正が恐ろしい。小池知事は東京大空襲や広島、長崎の被害の数字にはこだわりは見せていないじゃないですか。それでいて関東大震災の虐殺については数字から事実ではないのではないかという言いがかり。仮にその数字に信憑性がなかったとしても、例え犠牲者の数が少なかったとしても、デマがあって自分たちと違う人々がそれを理由に殺されたという悲惨な出来事自体はあったわけです」
 「都知事の立場ならば、かつて東京でそういう事件が起こったということ、数字の正確さよりもそれを二度と繰り返さないという誓いを言わないといけないと思うんですよ。ところが、数字の問題にすり替えて、あった事実をゼロにしてしまう。知事が追悼の言葉を送らないなんて考えられないですよ。恐ろしい時代になって来ました。そのおかげで僕はこの年になって歌いたいことがどんどん出て来ました」
(略)
(引用終わり)
 
 上記HUFFPOSTの記事はほぼ良い内容なのですが、かなりまずい表現が1箇所あります。それは、「13名が犠牲になった」という部分です。これを読んだ人は、当然、中川さんの『トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース』は、13人の虐殺された朝鮮の人たちの悲劇を歌い上げ、そのような悲劇的な歴史を直視せず、ヘイトスピーチに走ったりする世相を厳しく批判している曲に違いないと思うでしょう?
 違うのです。この曲が取り上げた事件で亡くなった(殺された)方は1人だけなのです。17人の朝鮮人労働者のうち、2人は現場から逃げ、残る15人が集団暴行を受けて重軽傷を負い、その内1人が病院に搬送されるも亡くなったということだったのです。
 中川さんの約18分の曲は、甲州街道沿いの烏山村で発生した事件を語り、暴行に加わった自警団員のうち12人(「その中には大学で英語を教える教授もいた。」)が殺人罪で起訴された、と歌ったところでちょうど半分あたり(9分過ぎ)となり、しばらくギターだけの間奏となります。
 従って、この曲の残る半分は、事件そのものを語る訳ではないのです。後半の始めの方の歌詞を一部引用します。
 
(引用開始)
少し時が流れて 烏山神社の参道に椎ノ木が植樹された
そして もっと大きな時の流れの中で
事件のことは 人々の口には上らなくなっていった
60年後の1982年 世田谷区制50年を祝って
世田谷区から 郷土史の本が出版された
その本では 大橋場の事件に触れて こう書かれていた
今の烏山神社の参道には 13本の椎ノ木が粛然と立っている
これは殺された朝鮮人13人の霊を弔うために 村の人たちが植えたもの
しかし 殺されたのは「ホン ギペック(?)」ただ1人
重軽傷を負った朝鮮人の土工たちは全部で14人
烏山神社の参道に植えられた椎ノ木は全部で12本
13人の霊を弔うと書いたその本の文章は摩訶不思議
そして 真相が明らかになった
烏山神社の参道に植えられた12本の木は 
起訴された自警団員の男たちが
晴れて村に戻れたことを祝って植えられたものだった
(引用終わり)
 
 小池百合子知事の発言に対し、問題は「人数」ではないとして厳しく批判する中川さんの発言の背景には、当然この『トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース』で歌った事件があります。そう、問題は「人数」ではないのです。
 それでは何が問題なのか?
 『トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース』の歌詞の最後の部分を引用することでその説明に代えたいと思います。
 
(引用開始)
変わらないこの国 変わらないこの国の人たち
変わろうとしないこの国 変わろうとしないこの国の人たちを
残った椎ノ木は 見つめている
また同じことを 繰り返そうとしている
この国を見つめている
「良い朝鮮人も 悪い朝鮮人も みんな殺せ」
そんなことを 街中で大声で叫ぶ人たちがいて
それに 見て見ぬふりをして
何も言おうとしない人たちが あふれるこの国
変わらないこの国 変わらないこの国の人たち
変わろうとしないこの国 変わろうとしないこの国の人たち
今も残った椎ノ木は 同じことを繰り返す
この国を見て 一体何を思うのか
僕は思った 僕は思った
変わろうとしないこの国を 変わろうとしないこの国の人たちを
変わろうとしないこの国を 変わろうとしないこの国の人たちを
まるで まるで まるで まるで
まるで まるで まるで まるで
祝福しているかのうような この大きな椎ノ木を
ぶった切ってやりたいと
あー あー あー あー あー あー あー あー
(引用終わり)
 
 私は事務所に戻ってから、すぐに届いたばかりのCDを聴きながら、文字起こしを始めていました。18分弱の全ての歌詞を文字起こしするのに1時間以上かかりました。
 1つには、歌詞カードが付いていなかったからですが、もう1つの理由は、一字一句書き取ることによって、中川さんの叫びを直接私の中に取り込みたい、そのためには、自分で文字起こしするのが一番良い、と直感したのですね。
 ですから、私が皆さんにお勧めしたいのは、すぐにこのCDを注文して入手され(送料・消費税込みで1,000円です)、自分で最初から最後まで文字起こしをすることです。
 固有名詞を正確にどう表記すべきかは、加藤直樹さんの『九月、東京の路上で』を参照しないと分からない箇所もありますが、それ以外は大体正確に書き取れるはずです。
 
 
中川五郎 - トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース(Trailer)(2分41秒)
 

 上記動画はプロモーション用のトレーラーですが、18分の全曲にわたり、このような語りというかメロディが続いていきます。これが由緒正しいバラッドの姿だと思いますが、これを「歌」ということに躊躇する人がいるかもしれませんね。
 でも、私はやはりこれは「歌」以外のものではない、トーキングという「歌」だろうと思います。
 
 なお、是非1人でも多くの方に発売されたばかりの中川五郎さんの『トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース』を購入して聴いていただきたいのですが、「とにかく今すぐ全曲を聴きたい」という方には、YouTubeで曲名を入力して検索すれば、中川さんによる複数のこの曲のライブ動画がヒットすることを申し添えておきます。
 
 それから、この曲で歌われた烏山村の大橋場で発生した事件の内容については、基本的に、加藤直樹さんの著書『九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響』に準拠したものであり、異説があっても不思議はありません。
 
(付記)
  関東大震災における朝鮮人等の虐殺については、政府の中央防災会議に設けられた「災害教訓の継承に関する専門調査会」における報告書でも取り上げられていますので、ご紹介しておきます。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/中川五郎さん関連)
2012年8月22日(2013年2月11日に再配信)
2012年9月25日(2013年2月3日に再配信)
2015年1月2日
2016年5月7日
2016年5月8日
2017年6月12日

「九条の会」も参加して「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」がスタートします~目指せ3000万人署名

 2017年9月5日配信(予定)のメルマガ金原.No.2926を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
九条の会」も参加して「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」がスタートします~目指せ3000万人署名
 
 日本体育大学教授の清水雅彦先生(憲法学)は、毎日更新されているブログ(清水雅彦の憲法・鉄道・バイクetc.)をちょっと拝見しただけでも、本務校での教育、研究活動以外に、様々な団体からの依頼による講演をこなすかたわら、自ら主体的に「運動」に関わっておられる最もアクティブな憲法研究者であることがすぐに分かります。
 そのような清水先生なればこそ、和歌山の一地域9条の会(守ろう9条 紀の川 市民の会)の依頼に応え、神奈川県のご自宅と和歌山の間を日帰りで往復しての講演とその後の懇親会への参加まで快く引き受けてくださったのでしょう(清水先生のブログ金原のブログ)。 
 その清水先生の今日(9月5日)のブログに、昨日の動きを伝える以下のような記事が掲載されているのに気がつきました。
 
(抜粋引用開始)
 この後はすぐに移動して、9月1日ブログで触れた、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」の記者会見(議員会館)に私も参加してきました。記者会見では、高田健さんが司会を務め、佐高信さん、私、菱山南帆子さん、渡辺治さん、福山真劫さんの順番で発言しました。私からは、総がかり行動が野党共闘も作り上げたが、さらにこれを超える運動の必要性からこの全国市民アクションが誕生し、これに従来他団体との活動に組織として参加してこなかった九条の会が加わることの意義や九条「加憲」論の問題点について述べました。九条の会が加わることについては、事務局の渡辺治さんも熱弁されていました。
 昨日の記者会見については、今日の『朝日新聞』朝刊社会面(写真付き。私の名前も出ています)、『東京新聞』朝刊1面(写真付き)、『しんぶん赤旗』1面・5面国民運動面(写真付き)などで報道されています。
 こちらは、高田健さんツイッターです。
 次は、8月26日ブログにもチラシを掲載した9月8日(金)18時30分から20時30分までのキック・オフ集会です(東京都・なかのZERO大ホール)。ミニ講演は私が務めることになりました。多くの方の参加を期待しています。
(引用終わり)
 
 うかつなことに、私はこの動きを知りませんでした。清水先生が書かれている「『朝日新聞』朝刊社会面(写真付き。私の名前も出ています)」は、東京本社版のことでしょう。私の事務所に配達された大阪本社版朝刊の社会面は、「紀伊半島大水害6年」が特集されており、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」記者会見のことは全く載っていませんでした(デジタル版には載っていましたけど)。
 以下に、清水先生が紹介されている3紙から、抜粋して引用します。
  
 (抜粋引用開始)
 澤地久枝さんら護憲派の文化人らでつくる「九条の会」や、安全保障関連法に反対してきた市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が安倍晋三首相による9条改正阻止を訴える新たな団体を設立し、4日、都内で記者会見した。8日に発足集会を開き、3千万人を目標とする署名集めも始める。
(略)
 日本体育大学の清水雅彦教授(憲法学)は「九条の会は組織としてこれまで他団体とは行動しなかった。一緒にかかわるのは画期的」と語った。
(略)
(引用終わり)
  
 (抜粋引用開始)  
 五月に安倍晋三首相が憲法自衛隊を明記して二〇二〇年施行を目指すと表明したのをきっかけに、臨済宗相国寺派管長の有馬頼底(らいてい)さんや作家の沢地久枝さん、作家・作詩家のなかにし礼さん、神戸女学院大名誉教授の内田樹(たつる)さんらが呼び掛け人となり、市民団体や法律家団体などが賛同した。
(略)
 実行委には、これまで他団体と共同行動をしてこなかった九条の会も参加。同会の事務局を務める渡辺治・一橋大名誉教授は「従来は地方の九条の会との調整や連絡を重視していたが、会の存立に関わる重大な転換点なので」と強調した。
 実行委は八日に東京・中野でキック・オフ集会を開き、活動を本格化させる。
(引用終わり)
  
 (抜粋引用開始)
 安倍首相による9条改憲を阻止するため、広範で多様な人々を結集しようと「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が結成され、発起人らが4日、衆院第1議員会館で記者会見を行いました。3000万人を目標にした9条改憲に反対する一大署名運動を提起。「憲法改正の発議そのものをさせない世論をつくっていく」と強調しました。
(略)
 実行委員会には、「総がかり行動実行委員会」に参加する団体に加えて、「安全保障関連法に反対する学者の会」「安保関連法に反対するママの会」の有志なども参加。「九条の会」も「戦後日本と憲法の最も大きな岐路」だとして参加しています。「九条の会」が他団体と共同するのは初めてです。
 会見に参加した「九条の会」事務局の渡辺治さん(一橋大学名誉教授)は、「憲法改悪に反対することは、会の趣旨そのものです。先頭に立って活動する決意です」と語りました。
 安倍9条改憲NО!全国市民アクションの発起人19氏は次の通り。(敬称略)
  有馬頼底(臨済宗相国寺派管長)
  内田樹神戸女学院大学名誉教授)
  梅原猛(哲学者)
  落合恵子(作家)
  鎌田慧(ルポライター)
  鎌田實(諏訪中央病院名誉院長)
  佐高信(ジャーナリスト)
  澤地久枝(作家)
  杉原泰雄(一橋大学名誉教授)
  瀬戸内寂聴(作家)
  田中優子(法政大学教授)
  田原総一朗(ジャーナリスト)
  暉峻淑子(埼玉大学名誉教授)
  なかにし礼(作家・作詞家)
  浜矩子(同志社大学教授)
  樋口陽一東北大学東京大学名誉教授)
  益川敏英京都大学名誉教授)
  森村誠一(作家)
(引用終わり)
 
 2004年の発足以来、この種の共同行動に直接参加してこなかった「九条の会」が、方針変更したことに各紙とも注目しています。もちろん、私も注目しましたが、しんぶん赤旗の読者はともかくとして(だろうか?)、朝日新聞東京新聞の読者にぴんと来ますかね?・・・というところは相当に疑問なのですが、ある意味、画期的であることは間違いありません。
 そこで、この方針変更が「九条の会」ホームページに反映しているかどうか閲覧してみたのですが、予想通り、何も載っていませんでした。・・・というか、会の発足以来、ホームページの抜本的改装を一度も行っていないため、まことに読みにくいというか、情報を探しづらいホームページですから、どこかに紛れ込んでいるかもしれませんが。
 もっとも、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」ホームページの分かりにくさも相当なものですけどね。
 
 もっとも、今回の「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」への「九条の会」参加と関連のありそうな記事が、同会ホームページに掲載されているのを見つけましたのでご紹介します。それは、「質問に答えて 「九条の会」事務局から/長野県下の九条の会 Aさんからのご質問 (2017年02月22日)全国的に取り組む署名について」というもので、以下のような内容でした。
 
(引用開始)
全国的に取り組む署名について
九条の会」事務局としての判断 
長野県下の九条の会 Aさんからのご質問に答えて
<質問> 
 全国的に取り組む署名について質問します。2000万署名が一段落した以降、新たに9条を守り生かす署名に取り組む必要があると思いますが、「九条の会」としてはどのようにお考えですか。
<返事>
 「九条の会」は、2004年6月10日の「九条の会」アピールに賛同した方たちが、全国の地域、職場、学園で、それぞれ独自な会を結成して活動をして来ました。
 一つひとつ自立した各「九条の会」の活動を把握し、全国の多様な運動をニュースの発行などで交流させる役割を担って来たのが、「九条の会事務局」です。
 「戦争させない。九条壊すな!総がかり行動実行委員会」で提起した、戦争法廃止2000万人署名にも、全国各地の「九条の会」が、それぞれ自発的に取り組み大きな成果を上げました。全国的な統一した行動にも、各「九条の会」の独自の判断で参加しています。
 各「九条の会」の自律した活動が、日本社会を草の根から変えていく運動を発展させることに貢献して来たと、事務局としては判断しています。
(引用終わり)
 
 「戦争法廃止2000万人署名にも、全国各地の「九条の会」が、それぞれ自発的に取り組み大きな成果を上げました。全国的な統一した行動にも、各「九条の会」の独自の判断で参加しています。」というのはその通りですが、「それで、九条の会はどうするのですか?」というのがAさん(長野県下の九条の会)の質問の趣旨だったと思うのですが、端的な答えがないですね。「一つひとつ自立した各「九条の会」の活動を把握し、全国の多様な運動をニュースの発行などで交流させる役割を担って来たのが、「九条の会事務局」です」というのが答えだったのかもしれませんが、それは「過去についての説明」であって、「それで、これからどうするのですか?」という問いに対しては、結局、回答留保としか読めません。
 おそらく「九条の会」事務局の中でも色々な議論はあったのでしょうが(そういえば、昨日の記者会見になぜ小森陽一事務局長が出席しなかったのだろう?)、最終的に、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」に参加し、3000万人署名にも主体的に取り組むという決断がなされたという訳です。
 
 ちなみに、昨日の記者会見にも出席された清水雅彦先生は、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」構成団体である「戦争をさせない1000人委員会」の事務局長代行(少なくとも発足時はそうでした)であるとともに、昨年新たに就任した「九条の会」の12人の世話人の1人でもあります。
 そういう意味からも、9月8日(金)に開かれるキック・オフ集会でミニ講演をされるのが清水先生に決まったのも、当然の人選と言うべきでしょう。
 
 今後は、全国各地で、総がかり行動実行委員会系統の団体とともに、各地の「9条の会」がこれまで以上に連携し、協力し合い、3000万人署名に全力で取り組むことになるのだろうと思います。気合いを入れ直して頑張りましょう。
 
 以下に、キック・オフ集会のチラシ記載情報(発起人については、上記しんぶん赤旗の記事をご参照ください)から開催概要を転記します。会場の「なかのZERO大ホール」はキャパ1,292席。これから3000万人の署名を集めようという団体のキック・オフ集会で、これだけの席を埋められなければ、相当にぱっとしない船出になりますから、特に東京方面の方は、是非ご参加ください。
 
「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」
9.8 キック・オフ集会
2017年9月8日(金)18時30分~20時30分(18時開場)
なかのZERO大ホール(JR中野駅南口徒歩8分)
*入場無料・カンパ要請あり
●発起人あいさつ
●松元ヒロさんライブ
●ミニ講演
●市民アクション結成の経過報告
●行動提起 ほか
安倍政権によって特定秘密保護法、安保法制(戦争法)、共謀罪と、憲法を無視した悪法が成立させられました。その延長線上に、「憲法自衛隊を明記して2020年の施行をめざす」とした安倍首相の発言があります。
憲法破壊の安倍首相に憲法を語る資格はない」。
これが多くの市民の思いです。
安倍9条改憲反対の一点で手をつなぎ、野望をくいとめるための「全国市民アクション」(仮称)の発足集会に、ぜひご参加ください。
〈連絡先〉
 戦争をさせない1000人委員会 TEL 03-3526-2920
 憲法9条を壊すな!実行委員会 TEL 03-3221-4668
 戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター TEL 03-5842-5611

(弁護士・金原徹雄のブログから/安倍改憲メッセージ関連)
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全国市民アクション・キックオフ集会