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白浜町の井澗(いたに)誠町長が使用済み核燃料中間貯蔵施設を受け入れる意思のないことを議会で表明(2018年9月6日)

 2018年9月8日配信(予定)のメルマガ金原No.3264を転載します。
 
白浜町の井澗(いたに)誠町長が使用済み核燃料中間貯蔵施設を受け入れる意思のないことを議会で表明(2018年9月6日)
 
 「パンダと温泉の町」和歌山県西牟婁郡白浜町に、ふってわいたような(事情を知る住民の間では、ずっと前から予想・懸念されていたことですが)関西電力による使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設計画(関電は公式には何も発表していません)については、私のブログでも、今年の1月以来、折に触れて取り上げてきたところです。
 中でも、注目されてきたのが、白浜町の井澗誠(いたに・まこと)町長の態度でした。
 
 長らく井澗町長は、「まだ中間貯蔵施設が白浜町にどうのこうのという話は全くありませんし、今現在もございません。ですから、それについては、今後、そういった国や県から、あるいは事業者さんから話し合いの申し出があれば、当然、それは話をするのが、私は町としての立場だというふうに思っております。」(2017年12月14日・白浜町議会で丸本安高議員の質問に答えて)という見解を繰り返すのみでしたが、その町長の姿勢に変化が生じたのでは?と思われたのが、今年の6月定例会での以下のような答弁でした(紀伊民報の記事から引用します)。
 
紀伊民放 2018年6月14日
使用済み核燃施設受け入れない 白浜町長が表明
(抜粋引用開始)
 和歌山県白浜町の井澗誠町長は14日の町議会で、原子力発電所から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設について「受け入れることは考えていない」と述べた。これまでの発言から踏み込み、初めて否定的な姿勢を示した。
 溝口耕太郎議員(無)が一般質問でこの話題を取り上げた。「昨年から『白浜に中間貯蔵施設ができるかもしれない』と集会を開いたり、チラシを作ったりして活動している方々がいる」として、井澗町長の考えを聞いた。
 井澗町長は「町民の中には不安を感じている方もいると思う。国や事業者(電力会社)からコンタクトや申し入れがない中で、施設を受け入れることは考えていない」と答えた。「電力会社や国からは非公式にも打診や申し入れはない」「施設の確保は国や事業者が責任をもって進めていくべきだ」とも述べた。
(引用終わり)
 
 この町長の答弁で、安心した方もおられたかもしれませんが、会議録の公開までに時間がかかったことや、発言自体に曖昧さが拭えないこともあり、注意深く見守る必要があるという状況でした。
 
 そのような中、4日に開会した白浜町議会9月定例会の実質的な審議初日の9月6日、井澗誠町長が、6月議会よりもずっと踏み込んで、「将来的に(電力)事業者などから申し入れがあったとしても協議をする考えはない」と述べたと報じられました。
 私もまだ地元紙・紀伊民報の記事をインターネットで読んだだけですが、町議会のホームページで会議録や録画がアップされるまでにはまだ相当の期間を要しそうなので、とりあえず速報として、紀伊民報が伝えたところをお知らせしようと思います。
 
紀伊民報 2018年9月6日
核燃施設「協議する考えない」 白浜町長が表明
(抜粋引用開始)
 和歌山県白浜町の井澗誠町長は6日、原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設の受け入れについて「将来的に(電力)事業者などから申し入れがあったとしても協議をする考えはない」と述べた。これまでの議会で「申し入れがない中で受け入れは考えていない」などと述べていたが、拒否する姿勢を明確にした。
 施設を巡っては、県外を含む複数の住民団体から「受け入れないことの表明」を求める要望書が町に出ていた。
 井澗町長は、町議会9月定例会で、提出した案件を説明する前に「これまでも受け入れる考えはないと申し上げてきたが、不安を感じている方もいらっしゃると聞く。この際、真意を伝えるのが責務と考え、改めて私の考えを申し上げる」と切り出した。
 井澗町長は「白浜町は観光産業を中心に発展してきた。町の将来は観光産業の進展にかかっている」とした上で「町が目指すのは私のスローガンでもある『世界に誇れる観光リゾート白浜』の実現であり、豊かな自然環境や資源を後世に引き継ぐ責務が私にはある」と話した。
(略)
(引用終わり)
 
 これまでは、議会での議員からの質問に答えてということであったのに対し(6月定例会では、質問者との事前打合せがあったかもしれませんが)、今回は、町執行部からの「提案理由の説明」(※平成30年第3回定例会日程)を行うに先立ち、町長自ら進んで見解を述べたということですから、それなりの決意をもって表明したものと想像できます。
 
 地元白浜町や近隣の住民はもとより、県内外の多くの団体・市民から寄せられた「白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう」という要望が、町長の態度を受け入れ拒否に導いたという評価が可能かと思います。
 
 もっとも、関西電力やその関連会社が、白浜町日置地区に広大な土地を所有していることに変わりはない訳で、これからも気を緩めることなく注視を続けなければならないことはもちろんでしょう。
 
 なお、上記9月6日の井澗誠町長による表明が、会議録や動画でアップされましたら、あらためてブログでご紹介しようと思いますので、いましばらくお待ちください。
 
 以下には、今回の井澗町長による受入拒否声明の前触れとなった、6月14日、6月定例会(平成30年第2回定例会)での溝口耕太郎議員からの質問とそれに対する井澗町長による答弁を、同会議録から引用しておきます。
 
平成30年白浜町議会第2回定例会 会議録(第2号)
1.開会 平成30年6月14日 白浜町議会第2回定例会を白浜町役場議場において 9時30分開会した。
(引用開始)
○議長
 日程第1 一般質問を行います。
 通告順に従い、順次、質問を許可します。
 13番溝口君の一般質問を許可します。溝口君の一般質問は一問一答形式です。まず、1点目の中間貯蔵施設についての質問を許可します。
 13番 溝口君(登壇)
○13番(溝口耕太郎)
 13番溝口であります。通告に従いまして、6月議会の一般質問をしてまいりたいと思います。
 本日は、3点の一般質問を予定しております。それでは、早速でございますが、質問に入りたいと思います。
 第1点目といたしましては中間貯蔵施設についてでございます。この中間貯蔵施設につきましては、昨年から政党の関係者の方であるとか、それとまた市民団体の方々がこの中間貯蔵施設の計画が白浜町で進んでいるのではないかと、そういった危惧等から集会等や、またチラシなどの啓蒙活動をしているというような状況であるかと思います。
 そういった中で、私も先の3月の議会議員選挙活動の際に、数名の町民の方、2名か3名だったと思いますが、そういった方から中間貯蔵施設がこの白浜町にできるのかとか、そんな計画があって進んでいるのかと、そういった質問を二、三の方から聞きました。私はそのときには、その町民の方々に、そんな計画を私自身も聞いたこともありませんし、そういったことを把握もしていませんよと。しかし、現状から考えてそれを簡単につくるどうこうというのは、そういうふうな形で簡単には進まないのではないですかと、そういったような答弁をした記憶がございます。先の白浜町議会でも一般質問にも取り上げられました。しかし、このことについては、電力会社とかまた国が公式的に、中間貯蔵施設の建設についての申し入れとか、それは今現在そういったことはないと、そのように私も承知をしております。しかし、余りにも降って沸いたようなという言い方は表現が合っているのかどうかわかりませんが、そういった話を聞きますので、ひょっとしたら非公式にでも打診があったのかどうかを聞いてみたいと思います。
 先の議会の一般質問の答弁でも、町長が、電力会社や国からもこの中間貯蔵施設に関する申し入れ等であるとかそんなのは一切ありませんと、そういった答弁であったと思いますが、再度町長の答弁を求めたいと思います。よろしくお願いします。
○議長
 溝口君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 番外 町長 井澗君(登壇)
○番外(井澗誠町長)
 ただいま議員より、使用済核燃料の中間貯蔵施設についてご質問いただきました。
 中間貯蔵施設につきましては、先の議会におきましてもご質問をいただき、答弁したところでございますが、ご質問にありました中間貯蔵施設の建設につきましては、電力会社や国から公式及び非公式におきましても打診や申し入れはございません。
○議長
 13番 溝口君(登壇)
○13番
 そういたしましたら、この中間貯蔵施設については、今の日本の現状から私が判断しまして、どこかに中間貯蔵施設の建設をしなければならないことであると、そういうふうに私は把握をしておるんですけれども、しかしこのことについては、やはり電力会社や国が責任を持って進めていくべきものであると、そういうふうに私としては把握をしております。しかし、白浜町としては、中間貯蔵施設については、今町長から答弁がありましたけども、公式な申し入れ、そしてまた非公式な申し入れも一切ありませんが、それだったら一体白浜町としてどういうふうに考えておられるのかと、そうした基本的な考え方について聞いてみたいと思います。それでは、町長の答弁を求めます。
○議長
 番外 町長 井澗君
○番外(町長)
 これまでも中間貯蔵施設に関する質問を何度かいただいておりますが、改めて私の考えを正確にお伝えしたく思います。
 以前から申し上げていますように、この件に関しましては国や事業者から施設に関する申し入れなどは一切ございません。中間貯蔵施設の確保につきましては、議員がおっしゃったように、国や事業者が責任を持って進めていくべきものだと考えております。これまで国や事業者から中間貯蔵施設に関する申し出等は一切なく、何ら具体的な話がない中で、中間貯蔵施設を受け入れることは考えておりません。
 古き時代から先人が築き上げていきた白浜町は観光産業が中心となって発展してまいりました。町の将来は観光産業の進展にかかっていると考えています。それは議員各位も同じだと思います。白浜町の目指すところは、私の公約、スローガンでございます、世界に誇れる観光リゾートの実現であります。これまでもご質問をいただきまして、私の考えを説明してまいりましたが、町民の中には不安を感じておられる方もいらっしゃるかと思います。不安の声も聞いております。国や事業者から何のコンタクトも申し入れがない中で、繰り返しの答弁となりますが、中間貯蔵施設につきましては受け入れることは考えておりません。
○議長
 13番 溝口君(登壇)
○13番
 ただいま町長のほうから明確な答弁というか話がございましたけれども、私は今回の一般質問に際して、本来でありましたらこういった仮定の話での一般質問というのは控えるべきではないかと、そのように判断をしていたわけでありますけども、降って湧いたようにといいましょうか、ここのところ昨年ぐらいから、この中間貯蔵施設について、ある町民の方から聞いたときには、さも計画の話が非公式に進んでいて、あとここ1年もたてば表舞台に上がってきて、こういった話で町内でわいわいなるのかなと、そういった危惧をした話を何回も聞きましたので、ここはやはり仮定の話ではありますけども、基本的な考え方について、白浜町として、いま一度町長のほうから聞いて、発言、発信をしていただいたほうが、少しでも町民の方が安心するのではないのかなと、そのような思いで今回一般質問をしました。
 本来でありましたら、このような仮定の話を一般質問の場で取り上げて、聞かれる町当局の方も大変だと思うわけであります。これは白浜町だけが進めていくとか反対であるとかそういうわけではありません。先ほども言いましたように、こういった大変重要で、そしてまたシビアな案件でありますので、本来なら先ほども言いましたように、こういった案件につきましては、電力会社や国が一歩一歩進めていくのであるならば、進めていくべきであって、そこの地元の市町村がまず先もってどうこう言うべきものではありません。また、答弁もなかなかしづらいものであろうと思うわけですけども、先ほど町長のほうから基本的な考えについて発信がございました。
 この問題については、私は、政争の具にしようという形で動いている方もいるよう把握をするわけでありますけども、そんなことはすべきではないという思いで、今回あくまで、私ははっきり申し上げますが、あくまで仮定の話です。仮定の話を一般質問で取り上げるというのはいかがなものかと思いましたけど、そういった思いで一般質問をいたしました。
それでは、議長、1点目の質問については終わりたいと思います。
○議長
 以上で、1点目の中間貯蔵施設についての質問は終わりました。
(引用終わり)
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/白浜町・中間貯蔵施設関連)
2018年1月8日
「和歌山に中間貯蔵施設はいらない!~脱原発わかやま原発学習会」(2018年1月20日)のご案内
2018年2月3日
「和歌山に中間貯蔵施設はいらない!」(講師:小山英之美浜の会代表)が和歌山市でも開催されます(2/18あいあいセンター)
2018年2月4日
吉原毅氏を招いて/「原発ゼロ法案」と「核のゴミ」を考える~白浜に核のゴミ(中間貯蔵施設)は来るのか!?~(2/23田辺ビッグ・ユー)のご案内
2018年2月25日
白浜町長に県内8団体が要望書を提出~使用済核燃料の中間貯蔵施設は受け入れないとの意思の表明を求める(2018年2月23日)
2018年2月26日
パンダの町・白浜町関西電力の中間貯蔵施設を受け入れるのか?~白浜町議会2017年12月定例会会議録を読む
2018年4月17日
白浜町長への要望書「(略)白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう使用済核燃料の「中間貯蔵施設」は受け入れないとの意思をあらかじめはっきりと表明してください」を読む http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/51852204.html
2018年7月31日
「核のゴミはいらん日置川の会」が結成されました~松浦雅代さんからの報告

あれから3年、「安保法制」廃止と「安倍改憲」NO!を訴える9・19和歌山集会&デモに結集を!

 2018年9月7日配信(予定)のメルマガ金原No.3263を転載します。
 
あれから3年、「安保法制」廃止と「安倍改憲」NO!を訴える9・19和歌山集会&デモに結集を!
 
 昨日は、「キックオフから1年 さようなら安倍政権 めざそう3000万人の署名 9・5集会」の模様をご紹介しましたが、
今日は、「あれから3年」という話題です。
 再来週の水曜日、9月19日は、あの安保法制(戦争法)が「成立」してからちょうど3年目の節目の日となります。
 これを記念して、というのは変ですから、「この日を期して」と言うべきでしょうが、全国各地で様々な企画が予定されているようです。
 中でも規模の大きなものとしては、総がかり行動実行委員会が中心となり、東京の日比谷野外音楽堂で開かれる以下の集会(その後デモ)でしょうか。
 
[開催概要]
戦争法からまる3年、安倍9条改憲NO!沖縄・辺野古新基地建設阻止!9・19日比谷野音集会
2018年9月19日(水)18:30~ 日比谷野外音楽堂にて
18:20からプレコンサート 集会後、銀座デモ
(デモが目を引くように、LEDライト等の光り物を、お持ちの方は、ご持参下さい!)
共催:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、基地の県内移設に反対する県民会議、「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実行委員会
<プログラム>
・プレコンサート(なりぞうさん
・主催者挨拶
・国会各野党代表挨拶(党首クラスの参加を要請中)
・連帯挨拶:
 安保法制に反対する学者の会(上野千鶴子さん)
 「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実行委員会(発言者未定)
 九条の会渡辺治さん)
 沖縄から(山城博治さん)
(開催概要 以上)
 
 9月19日が、同月13日告示、30日投開票の沖縄県知事選挙のまっただ中ということになったのは、ひょっとしたら偶然かもしれませんが(翁長知事急逝の前にこの集会の枠組みが決まっていたのかもしれません)、「沖縄・辺野古新基地建設阻止!」は、まさに時宜を得た集会テーマであると思います。
 
 以下にご紹介する9・19和歌山集会&デモの企画に少し関わった私から見ると、日比谷野音集会の「国会各野党代表挨拶(党首クラスの参加を要請中)」というのが「さすがは東京」「枝野さんや玉木さんを含めて党首が揃い踏みしたら凄いな」と思いつつ、「地方にはそれぞれ異なった事情があるから一律にはいかない」と自らに言い聞かせざるを得ませんでした。
 
 それはさておき、以下に、9・19和歌山集会&デモ(正式には、「安保法制」廃止と「安倍改憲」NO!を訴える9・19和歌山集会&デモ)について、その開催概要をお伝えします。
 ただし、集会の式次第については、現在「調整中」なので、大枠のご説明にとどまります。
 
 以下には、本日、私のところに届いたチラシと集会&デモの要項(案)、さらに、8月中に作成した「呼びかけ文」(私が草稿を起案)などをとりまぜたハイブリッド版(今の時点で確定と思われる内容)の開催概要を記載します。
※チラシ
 
[9・19和歌山集会&デモ 開催概要] 
「安保法制」廃止と「安倍改憲」NO!を訴える9・19和歌山集会&デモ
 
 存立危機事態における集団的自衛権の行使容認、後方支援という名の米軍等との一体化など、数々の憲法違反の内容を含む安保法制が成立してから、今年の9月19日でちょうど3年目を迎えます。
 この間、安保法制成立阻止のために力を合わせて闘った団体の多くは、その廃止に向けた活動に継続して取り組んできました。
 他方、昨年5月3日のいわゆる「安倍改憲メッセージ」に端を発して、自民党憲法への自衛隊明記など改憲4項目を取りまとめるという動きに対し、全国の「九条の会」をはじめとする広汎な諸団体や個人が、「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」(3000万人署名)に取り組んできました。
 「安倍改憲」の本質は、憲法違反の「安保法制」を国民投票によって事後的に追認し、違憲でないことにしようとするところにこそあります。
 今こそ、3年前に安保法制を阻止するために立ち上がった全ての市民・団体が再結集するとともに、新たな力も迎え入れ、「安保法制」の廃止と「安倍改憲」NO!を訴える運動を力強く進めていく必要があります。
 時あたかも、9月20日には自民党総裁選挙で安倍晋三総裁の三選が決まるのでは?との観測が有力であり、他方、9月30日には、「安倍改憲」を阻止するための3000万人署名の第4次集約日を迎えます。
 以上の状況を踏まえ、私たちは、下記の通り「安保法制」廃止と「安倍改憲」NO!を訴える9・19和歌山集会とデモを行うことを企画しました。平日の夕方ではありますが、1人でも多くの方にご参加いただきたく呼びかけます。
 
 〈呼びかけ団体(順不同)〉
  9条ネットわかやま
  憲法9条を守る和歌山弁護士の会
  戦争をさせない和歌山委員会
  和歌山県平和フォーラム
  和歌山県地方労働組合評議会
  憲法九条を守るわかやま県民の会
  市民連合わかやま
  安保関連法に反対するママの会@わかやま
  安全保障関連法制の廃止を求める和歌山大学有志の会
 
日時 2018年9月19日(水)18:00開会
場所 和歌山城 西の丸広場
内容 
18:00~ 集会
 共同呼びかけ団体からのスピーチなど
 詳細は調整中
18:30~ デモ行進(JR和歌山駅前まで)
☆夜のデモになります。光り物を身に付けて、楽しく元気に訴えましょう!みなさんの力作をお待ちしています。 
    
問い合わせ先
 和歌山県平和フォーラム(TEL:073-425-4180)
 和歌山県地評(TEL:073-436-3520)
 金原徹雄法律事務所(TEL:073-427-0852)
(開催概要 以上)
 
 私が上記呼びかけ文を起案したのは、8月の盆休みに入ったばかりの頃で、当時まだ選挙日程は確定していなかったものの、翁長知事急逝の報には接していたのですから、沖縄への連帯の重要性、知事選が改憲動向に重大な影響を及ぼすことなどに言及すべきだったかと、今になっては思います。
 
 ところで、安保法制が「成立」した2015年9月19日以降、和歌山市で行われた比較的規模の大きな集会としては、以下の2回がありました。
 
2015年9月23日
安保法制(戦争法)廃止を求める9・23和歌山集会
 
2016年9月19日
強行採決から1年 違憲立法・安全保障法制(戦争法)ただちに廃止!和歌山アピール行動
 
 昨年の9月19日(火)はどうだったか?少なくとも私の訟廷日誌には何も書かれていません(前日の9月18日(敬老の日)には、第1回「政治をなおそうデモ」に参加していましたが)。
 
 呼びかけ文やチラシにもあるとおり、「平日の夕方」(から夜にかけて)という、なかなか参加しにくい日程かもしれませんが、
  9月20日 自民党総裁選挙
  9月30日 沖縄県知事選挙
     同日 「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」第4次集約
    10月?   臨時国会召集
という切迫した情勢の中、「安保法制」廃止、「安倍改憲」NO!、そして「辺野古新基地建設」阻止!という市民の意思を大きな力としてアピールするため、是非結集しましょう!

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「キックオフから1年 さようなら安倍政権 めざそう3000万人の署名 9・5集会」を視聴する~さあ、これからだ

 2018年9月6日配信(予定)のメルマガ金原No.3262を転載します。
 
「キックオフから1年 さようなら安倍政権 めざそう3000万人の署名 9・5集会」を視聴する~さあ、これからだ
 
 2017年5月3日の「安倍改憲メッセージ」に対抗するため、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション実行委員会」が結成され、「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」(3000万人署名)の取組がスタートしてから1年を迎えました。
 
 昨年(2017年)の9月8日、東京のなかのZERO大ホールで、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」9.8キック・オフ集会が開催され、キャパ1,300弱のホールに入りきれない人がロビーを埋め(1,500人の参加と発表)たことは、すぐに私のブログでも取り上げました(「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」9.8 キック・オフ集会大成功~3000万人署名活動スタート!/2017年9月9日)。
 
 それからほぼ1年、昨日(2018年9月5日)午後6時半から、会場キャパとしてはかなり規模縮小ではありますが、文京区民センター会議室において、安倍9条改憲NO!全国市民アクション実行委員会主催による「キックオフから1年 さようなら安倍政権 めざそう3000万人の署名 9・5集会」が開かれました(主催者発表の参加者は立ち見も含めて400人)。
 
[開催概要]
日時 2018年9月5日(水)18:30~
場所 文京区民センター3A会議室
参加費無料
主催:安倍9条改憲NO!全国市民アクション実行委員会
連絡先:戦争をさせない1000人委員会、憲法9条を壊すな!実行委員会、戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター、九条の会
●講演「安倍9条改憲臨時国会の課題」
  中野晃一さん(市民連合上智大学教授)
●報告―各地でこんな取り組みが
 a 信州のあちこちで目標を超えても続く戸別訪問[長野県]
 b 大学の門前で学生によびかける[世田谷区]
 c 街宣隊が駅頭で躍動[東京都]
 d 手紙で広がる平和の思い[埼玉県]
 e 街なかで歌うシスターたち……SISTERsACT[東京都]
●まとめ「対話と工夫で広がる3000万人署名」
  小森陽一さん(九条の会東京大学教授)
 
 以上が、事前告知(チラシ)に記載された集会の内容です。中野晃一先生による情勢分析を伺った後、各地での3000万人署名への取組事例を報告してもらい、これらを参考に、さらにもう一段、全国での取組を強化したいという主催者の意図がうかがわれると思いました。
 
 この集会の模様は、既にいくつかネット上にアップされていますが、ここでは、その中から「Makabe Takashi」さんによる動画をご紹介しておきます。
 3000万人署名を達成することによって何としても改憲発議を阻止しようと頑張っている各地の皆さんを、さらに勇気付ける集会になったことと思います。是非ご覧ください。
 
キックオフから1年 さようなら安倍政権 めざそう3000万人の署名 9・5集会 2018年9月5日(1時間58分)
冒頭~ 司会 菱山南帆子さん
1分~ 主催者挨拶 高田 健さん(全国市民アクション共同代表)
9分~ 講演「安倍9条改憲臨時国会の課題」
     中野晃一さん(市民連合上智大学教授)
57分~ 大村忠嗣さん「信州のあちこちで目標を超えても続く戸別訪問[長野県]」
1時間03分~  角倉よう子さん(世田谷デモスタ)「大学の門前で学生によびかける[世田谷区]」
1時間10分~  ふやふやさん「街宣隊が駅頭で躍動[東京都]」
1時間16分~  伊藤稔さん(さいたま・教職員9条の会)「手紙で広がる平和の思い[埼玉県]」
1時間22分~  大田伊杜子さん「街なかで歌うシスターたち……SISTERsACT[東京都]」
1時間31分~ まとめ「対話と工夫で広がる3000万人署名」
     小森陽一さん(九条の会東京大学教授)
1時間51分~ 行動提起 小田川義和さん(全国市民アクション共同代表)

憲法尊重擁護義務を土足で踏みにじった安倍晋三内閣総理大臣の訓示(第52回自衛隊高級幹部会同にて)

 2018年9月5日配信(予定)のメルマガ金原No.3261を転載します。
 
憲法尊重擁護義務を土足で踏みにじった安倍晋三内閣総理大臣の訓示(第52回自衛隊高級幹部会同にて)
 
 昨日、西日本を襲った台風21号で被害に遭われた皆さまにお見舞い申し上げます。
 私の住む和歌山市でも、観測史上最も強い最大瞬間風速57.4m/秒を記録しました。私は、昨日は事務所を臨時休業とし(和歌山地裁も前日のうちに期日を変更)、自宅で台風に備えたのですが、秒速50mを超えたかどうかはともかく、建物自体が風でぐらぐら揺すぶられる感覚というのは、そうそう経験するものではありません。
 おかげで、屋根の一部とカーポートが破損し、ケーブルテレビ会社と契約しているインターネットが接続できないという不具合も生じていますが、幸い、私の住むところでは、停電も一瞬だけですぐに回復し、断水もしておらず、ガスはもともとプロパンなので、日常生活に不自由を来していないのが幸いです。
 FB友達の投稿などを見ると、和歌山市内では、今日になっても停電が続く世帯も少なくないようで、関西電力のホームページによると、5日の15時現在で、和歌山県下で未復旧(停電中)の家は、約6万3000軒(兵庫や京都より多いし奈良や滋賀とは1桁違う)とか。
 やはり、それだけ強風が吹き荒れたということなのでしょう。
 
 このような大きな災害に見舞われなければ、もう少しは注目を浴びたかもしれないニュースがあったのにお気づきの方はおられたでしょうか?
 
毎日新聞 2018年9月3日11時31分(最終更新9月3日15時10分)
安倍首相 自衛隊幹部を前に憲法改正に意欲
(抜粋引用開始)
 安倍晋三首相は3日、防衛省で開かれた自衛隊高級幹部会同で訓示し、「全ての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整えるのは、今を生きる政治家の責任だ。私はその責任をしっかり果たしていく決意だ」と述べた。憲法自衛隊の存在を明記する改正に取り組む考えを改めて示した形だ。
 会同は毎年行われており、今回は自衛隊幹部ら180人が出席した。首相は、自衛隊西日本豪雨への対応などをたたえた上で「自衛隊員の歩みを振り返ると、心ない批判にさらされ、悔しい思いをしたこともあったかもしれない。自衛隊の最高指揮官、同じ時代を生きた政治家として、じくじたる思いだ」と述べた。具体的には言及しなかったが、憲法改正への意欲をにじませた。
(略)
(引用終わり)
 
産経ニュース 2018.9.3 21:36
憲法改正】共産・小池晃書記局長、首相の自衛隊訓示を批判 「憲法尊重擁護義務を踏みにじる暴言」
(引用開始)
 共産党小池晃書記局長は3日の記者会見で、安倍晋三首相が自衛隊高級幹部会同で「全ての自衛隊員が強い誇りをもって任務を全うできる環境を整える」と訓示したことに関し「憲法9条自衛隊を明記する自らの主張を述べた。憲法尊重擁護義務を土足で踏みにじる暴言だ」と批判した。立憲民主党枝野幸男代表は同日の会見で「自衛隊員が誇りを持てるように環境を整えるのは全く同感だ。ことさら憲法につなげる方が不自然だ」と語った。
(引用終わり)
 
 実際、「しんぶん赤旗」は別として、マスメディアで、3日の安倍首相「訓示」が、日本国憲法99条の憲法尊重擁護義務に違反すると指摘したところは(私が探したところでは)見当たらず、わずかに小池晃共産党書記局長の記者会見における発言を紹介したのは、産経と東京新聞共同通信の記事を配信した地方紙くらいでしたかね。
 
 なお、産経が紹介した枝野幸男立憲民主党代表のコメント(これも記者会見での発言)は、要約の仕方がまずいのか、ほぼ意味が通じないと思いますので、会見動画をご紹介しておきます。
 この7分55秒~が産経が紹介した部分ですが、結論として「お答えを差し控えるべきだと思います。」と言っていますね。
 
9月3日 #枝野定例会見08(22分)
 
 それから、明確に安倍首相の憲法尊重擁護義務違反を批判した、9月3日の小池晃日本共産党書記局長の定例会見の動画もご紹介しておきます。記事で引用されているのは、冒頭から2分30秒ころまでの部分です。
 
大企業内部留保経済のゆがみ進行(18分)
 
 さて、数少ないながら、毎日や産経の記事を読み、小池書記局長や枝野代表の会見動画を確認したら、当然、安倍晋三首相による自衛隊高級幹部会同での「訓示」そのものを読んでみたくなりますよね。批判するにせよ、賞賛するにせよ(私が賞賛するはずがありませんが)、無視するにせよ、いずれにしても、報道が伝えるところを鵜呑みにせず、可能な限りの裏付けを取るべきは当然です。実際、枝野代表は、会見までの間に「訓示」を読んだ上で、「無視する」ことに決めた可能性があります。
 
 もっとも、その裏付けが困難を極めることもあるのですが、首相が公式の場で行った訓示ですから、首相官邸ホームページの「総理の演説・記者会見など」に掲載されているのではないか?というのが、まず真っ先に当たりをつけるべき先です。
 で、どうだったかと言うと、ありました。しかも、動画付きで。
 全文は引用先で読んでいただくとして、日本国憲法99条による公務員の憲法尊重擁護義務との関連で注目すべき部分のみ引用します。
 
平成30年9月3日
第52回自衛隊高級幹部会同 安倍内閣総理大臣訓示
(抜粋引用開始)
 本日、我が国の防衛の中枢を担う幹部諸君と一堂に会するに当たり、自衛隊の最高指揮官たる内閣総理大臣として、一言申し上げたいと思います。
(略)
 つねに国民の心を自己の心とし、一身の利害を越えて公につくす。50年以上受け継がれる自衛官の心構えの精神を実践し、国民の負託に全力で応える諸君を、私は大変頼もしく誇りに思います。
 国民のために命をかける。これは全国25万人の自衛隊員一人一人が自分の家族に胸を張るべき気高き仕事であり、自分の子や孫たちにも誇るべき崇高な任務であります。
 幹部諸君。それにもかかわらず、長きにわたる諸君の自衛隊員としての歩みを振り返るとき、時には心無い批判にさらされたこともあったと思います。悔しい思いをしたこともあったかもしれない。自衛隊の最高指揮官、そして同じ時代を生きた政治家として、忸怩(じくじ)たる思いです。
 全ての自衛隊隊員が、強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える。これは、今を生きる政治家の責任であります。私はその責任をしっかり果たしていく決意です。
(略)
 幹部諸君。国民の命と平和な暮らしを守るという重責をかみしめ、気骨を持ち、前例にとらわれることなく絶えず自らを変革し続けることで、この難局に立ち向かってください。私と日本国民は、常に、諸君を始め全国25万人の自衛隊と共にあります。その自信と誇りを胸に、日本と世界の平和と安定のため、ますます精励されることを切に望み、私の訓示といたします。
                          平成30年9月3日
                          自衛隊最高指揮官
                     内閣総理大臣 安倍 晋三 
(引用終わり)
 
 さて、小池晃書記局長が「憲法尊重擁護義務を土足で踏みにじる暴言である」と批判したその前提をおさらいすると、以下のとおりかと思います。
 
前提1 9月3日の自衛隊高級幹部会同における安倍首相の訓示の内、上記引用部分において、「私はその責任をしっかり果たしていく決意です。」とあるのは、安倍首相自身による昨年5月3日のいわゆる「安倍改憲メッセージ」をきっかけとして、自民党憲法改正推進本部がとりまとめた改憲4項目のうちのいわゆる9条1項、2項を存置して自衛隊を明記するという「憲法改正を実現する決意です。」という意味であることは、訓示を聴いていた高級幹部自衛官はもとより、誰にでもそうだと分かるものである(そうとしか解釈のしようがない)。
 
前提2 日本国憲法99条「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」という規定は、内閣総理大臣が、その立場において(その職務を行うにあたって)、憲法を改正すべきという意見を述べることを禁止している。
 
 小池晃氏は、以上の2つの前提は優に満たされており、許しがたい発言であると批判したのであり、枝野代表は、この首相発言にこだわって批判しても、得るものはないと見切ったということではないかと思います。
 
 それでは、私自身の考えはどうかといえば、もちろん、小池書記局長の意見に同意します。
 
 まず、前提1についてですが、ここで、昨年5月3日、「第19回公開憲法フォーラム」(主催:民間憲法臨調、美しい日本の憲法をつくる国民の会)に送った安倍晋三自民党総裁のビデオメッセージを振り返っておきましょう。
 
憲法9条に第三項を追加しては…?安倍晋三自民党総裁メッセージ(9分41秒)
3分12秒~「例えば、憲法9条です。今日、災害救助を含め、命懸けで、24時間、365日、領土、領海、領空、日本人の命を守り抜く、その任務を果たしている自衛隊の姿に対して、国民の信頼は9割を超えています。しかし、多くの憲法学者や政党の中には、自衛隊違憲とする議論が、今なお存在しています。「自衛隊は、違憲かもしれないけれども、何かあれば、命を張って守ってくれ」というのは、あまりにも無責任です。
 私は、少なくとも、私たちの世代の内に、自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置づけ、「自衛隊違憲かもしれない」などの議論が生まれる余地をなくすべきである、と考えます。
 もちろん、9条の平和主義の理念については、未来に向けて、しっかりと、堅持していかなければなりません。そこで、「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」という考え方、これは、国民的な議論に値するだろう、と思います。」
 
 これと、「訓示」を読み比べてみれば、これが「同一のことを言っている」という解釈のどこにも不自然、不合理な点はないと思いますけどね。
 
 あと、前提2について言えば、安倍内閣は、昨年の1月及び2月、民進党(当時)の逢坂誠二衆議院議員質問主意書に対し、「政府としては、憲法第九十九条は、日本国憲法最高法規であることに鑑み、国務大臣その他の公務員は、憲法の規定を遵守するとともに、その完全な実施に努力しなければならない趣旨を定めたものであって、憲法の定める改正手続による憲法改正について検討し、あるいは主張することを禁止する趣旨のものではないと考えている。」と明言していることは踏まえておくべきでしょう(安倍内閣は「憲法99条は内閣総理大臣憲法改正を主張することを禁止する趣旨のものではない」と断定した/2017年2月18日)。
 
 しかし、今回の発言は自衛隊高級幹部会同での「訓示」ですからね。国会で改憲議論を促す、というシチュエーションとは相当に異なっています。
 第一、この「訓示」を聞かされた高級幹部自衛官は、みんなあの「服務の宣誓」を行って自衛隊員になったはずなのですから。安倍首相がそのことに思いを致していたとは到底思えませんけど。
 
自衛隊法施行規則(昭和二十九年総理府令第四十号)
 (一般の服務の宣誓)
第三十九条 隊員(自衛官候補生、学生、生徒、予備自衛官等及び非常勤の隊員(法第四十四条の五第一項に規定する短時間勤務の官職を占める隊員を除く。第四十六条において同じ。)を除く。以下この条において同じ。)となつた者は、次の宣誓文を記載した宣誓書に署名押印して服務の宣誓を行わなければならない。自衛官候補生、学生、生徒、予備自衛官等又は非常勤の隊員が隊員となつたとき(法第七十条第三項又は第七十五条の四第三項の規定により予備自衛官又は即応予備自衛官自衛官になつたときを除く。)も同様とする。
  宣 誓
 私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行に当たり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。
 
 以上、いずれの観点からしても、今回の安倍晋三首相による「訓示」は、憲法99条違反でしょう。
 もっとも、安倍首相やスピーチライターが、ついうっかりしていた、というはずはないでしょうから、これは確信犯と思わざるを得ません。
 憲法53条に基づく臨時会召集決定を請求されながら、任期中、2度にわたって無視し続けた内閣総理大臣ですから、99条など眼中にないのでしょう。枝野幸男立憲民主党代表が「お答えを差し控えるべきだと思います。」として、事実上スルーした気持ちも分からないではありません。
 けれども、私としては、この問題については、小池晃日本共産党書記局長の態度の方を支持すべきだと思います。
 「憲法を守る気のない者に憲法改正を語る資格はない」という当たり前のことは、たとえ相手が聞く耳を持たないとしても、言い続けるしかないでしょう。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/自衛隊員の服務宣誓関連)
2013年8月29日
自衛隊員等の「服務宣誓」と日本国憲法
2014年7月3日
今あらためて考える 自衛隊員の「服務宣誓」
2015年5月31日
もう一度問う 自衛隊員の「服務の宣誓」~宣誓をやり直さねばおかしい
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/立憲主義憲法尊重擁護義務)
2012年5月3日(2013年1月26日に再配信)
憲法記念日に考える(立憲主義ということ) 前編
2012年5月3日(2013年1月26日に再配信)
憲法記念日に考える(立憲主義ということ) 前編
2013年4月3日
日本国憲法「第10章 最高法規」を読む 前編
2013年4月3日
日本国憲法「第10章 最高法規」を読む 後編
2014年9月27日
地方議会の「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」は憲法尊重擁護義務に違反する
2017年2月18日
安倍内閣は「憲法99条は内閣総理大臣憲法改正を主張することを禁止する趣旨のものではない」と断定した

アーサー・ビナードさん講演「知らなかった、僕らの沖縄」(2018年8月31日)を視聴する

 2018年9月4日配信(予定)のメルマガ金原No.3260を転載します。
 
アーサー・ビナードさん講演「知らなかった、僕らの沖縄」(2018年8月31日)を視聴する
 
 巻末のリンク一覧をお読みいただければ分かるとおり、過去数年、少なくとも年に1度は、アーサー・ビナードさんの講演動画をご紹介してきました。
 私が、直接ビナードさんのお話を伺ったのは、2011年7月9日、和歌山地域地場産業振興センター(当時)5階ホールで開催された核戦争防止和歌山県医師の会主催による講演会「夏の線引き─アメリカからピカドンを見つめて─」だけですが、新鮮な視点、深い含蓄、的確な言葉の選択に感銘を受け、年に一度はビナードさんの講演がどうしても聴きたくなってきて、ネット検索をするのが癖になってしまいました。
 
 今日ご紹介するのは、8月31日に、日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)池袋本部8階において開催されたビナードさんの講演の模様であり、UPLAN(三輪祐児さん)に動画がアップされていました。
 これは、一般社団法人日本社会連帯機構が主催する「第2回 ふくろう社会連帯カレッジ 地域の底から、社会をかえる」の第2回という位置付けです。
 ちなみに、第1回から第6回までの内容は以下のとおりです。
 
第1回 2018年7月25日
 「人口減少時代の社会デザイン」 平川克美さん
第2回 2018年8月31日
 「知らなかった、ぼくらの沖縄」 アーサー・ビナードさん
第3回 2018年9月25日
 「平成の終わりと《国体》の運命」 白井 聡さん
第4回 2018年10月24日
 「グローバルからローカルへ “幸せの経済”の時代が来た」 辻 信一さん
第5回 2018年11月28日
 「雇用なしで生きる-スペイン発「もうひとつの生き方」への挑戦」 工藤律子さん
第6回 2018年12月18日
 「「共に生きる」社会を-川崎ヘイトスピーチ根絶をともに」 崔江衣子さん  
 
 このような連続講座の企画が、1月前や2月前に決まるとは思えませんから、沖縄県をめぐる最近の情勢、翁長知事による辺野古沖埋立承認の撤回方針の発表、それから2週間足らずでの翁長知事の急逝、玉城デニー衆議院議員の立候補表明、副知事による埋立承認の撤回などのかなり前に、主催者からビナードさんに依頼がなされ、ビナードさんも講演の内容についての構成を考えてこられたことと思います。
 実際、講演の中では、来る9月30日に行われる沖縄県知事選挙についての直接の言及は(多分)なく、間接的に、本土では不可能になっている「争点の設定」がかろうじて沖縄の選挙では機能しているという文脈で語られただけです。そして、その言及の中で、名護市長選挙における現職の敗北についての意見は、発言するビナードさんご自身も含め、心が痛みます。
 
 それでは、是非じっくりとアーサー・ビナードさんの講演に耳を傾けてください。
 
20180831 UPLAN アーサー・ビナード「知らなかった、僕らの沖縄」(2時間00分)
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/アーサー・ビナードさん関連)
2011年7月9日(2013年7月6日に再配信)
アーサー・ビナード氏講演会(in和歌山市)レポート/2011年7月9日
2013年7月7日
7/2アーサー・ビナード氏講演会「ヒロシマとフクシマとどっちが遠い?」(in岡山市
2013年8月16日
スナメリチャンネルが伝えた8月の広島(アーサー・ビナードさん講演会&中国電力前アピール)
2013年9月5日
アーサー・ビナードさん 祝島への旅(スナメリチャンネル)
2014年9月5日
アーサー・ビナードさんの講演は面白くて為になる~9月2日・岡山から(付記・足立力也さんによる「消極的平和と積極的平和」)
2015年1月8日
殺すな!殺されるな!~福島菊次郎さんとアーサー・ビナードさんの対話(in多摩市)
2016年5月16日
早稲田の杜から「Democracy Strikes Back!! 民主主義の逆襲」(5/15)
高畑勲さんとアーサー・ビナードさんの対談が聴けます。
2017年1月30日
アーサー・ビナードさんの講演動画「ことばと政治、そして日本の未来」(2017年1月28日@堺市)のご紹介

ゆいま~る和歌山「ハイサイちゅらフェスタ」(2018年9月24日@和歌山ビッグ愛1F展示ホール)のご案内

 2018年9月3日配信(予定)のメルマガ金原No.3259を転載します。
 
ゆいま~る和歌山「ハイサイちゅらフェスタ」(2018年9月24日@和歌山ビッグ愛1F展示ホール)のご案内
 
 昨日(9月2日)、和歌山ビッグ愛1階展示ホールで開催された「こどもピースフェスタ2018」には、最初のうち50分ほどしかいられなかったのですが、とても素晴らしい内容に感激しましたので、次の用事に出かけるまでの短い時間を利用し、事務所で「速報」をFacebook(とそれを転載した第2ブログ)にアップしました。
 
 今日お届けするのは、その「こどもピースフェスタ2018」に出展していた「ゆいま~る和歌山」のブースに「9月24日(月・祝)沖縄まつり!!チラシもらってね⇒」という紙ボードの横に、チラシが積み上げられていましたので、貰ってきたものをご紹介しようとするものです。
 そういえば、Crowfield(クロウフィールド)のえなさんが、5月3日の“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2018”に友人2人とのユニットKYKとして出演した際に告知していたような記憶がうっすらとあり、ついで、7月29日の「第二回 LOVE&PEACE LIVE 和歌山~平和を祈るコンサート」でも、お父さんの烏野政樹さんから「Crowfieldが出演します」と聞いたそのイベントがこれです。その名も「ハイサイちゅらフェスタ」、会場は「こどもピースフェスタ2018」と同じ、和歌山ビッグ愛1階展示ホールです。
 
 「ゆいま~る和歌山」が主催するイベントをこのブログでご紹介するのは、たしかこれが2回目になると思います。
 前回は、昨年10月14日(土)に和歌山市中央コミセンで開かれた「沖縄とともに生きるやんばるの生命の話」(講師:宮城秋乃さん)をご紹介したのでした。
 
2017年9月22日
「沖縄とともに生きる やんばるの生命の話」(10/14宮城秋乃さん講演と10/15親子自然観察会)のご案内(主催:ゆいま~る和歌山)
 
 前回の記事は、松永久視子さんからお知らせいただいてブログに取り上げたのですが、そこで、私は以下のように書いていました。
 
(引用開始)
 松永さんから、今回の講演会開催に至った経緯を説明するメールを送っていただいたのですが、最初の構想では、3月11日前後に開催している「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション」や5月3日開催の「HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama」の「沖縄版」を企画できないか?というところから検討が始まったらしいのですが、さすがにいきなり大規模なフェスタは難しいということで、第1回企画は講演会ということになったようです。
 その第1回の講師として、チョウ類研究者の宮城秋乃さんを招き、さらに講演会の翌日には、海南市のわんぱく公園で「親子自然観察会」も開くというところに、松永さんをはじめとする企画運営委員(と言うのでしょうか?伝え聞くお名前は、以前からよく存じ上げており、とても信頼できる方々ばかりです)の皆さんの、かねてから沖縄の基地問題について関心が高い層の人たちだけではなく、自然が好き、生き物が好き、という多様な人に関心をもって参加してもらいたいという熱い思いが感じられます。 
(引用終わり)
 
 昨年の宮城秋乃さんによる講演会も充実した内容でしたが、いよいよ当初の目標であった、様々な人たちが沖縄への思いを持ち寄るフェスタ開催に至ったということのようです。 以下に、チラシの記載情報を転記してご紹介します。
 
(チラシから文字情報を引用開始)
沖縄に心を寄せて―ゆいま~る和歌山
 
とっぷり沖縄
ハイサイちゅらフェスタ
 
2018年9月24日(月・祝)午前11時~午後4時
県民交流プラザ 和歌山ビッグ愛 1階展示ホール
 
入場無料
 
記念講演(午後1時~2時)
映像とお話し 写真家が伝えたい沖縄
  講師 森住 卓 氏(もりずみ・たかし/写真家)
【プロフィール】
■フォトジャーナリスト ■1999年 週刊現代「ドキュメント写真大賞」 第5回平和協同ジャーナリスト基金奨励賞 ■2000年 日本ジャーナリスト会議特別賞受賞等を受賞 著書多数 ■米軍基地や環境問題をテーマに取材活動を行っている
 
ブース出店
●沖縄の美味しい飲み物、食べもの 沖縄物産の販売
◎サーターアンダギー ◎ラフティー ◎アンダンスー ◎ちんすこう ◎シークァーサー ◎カステラかまぼこ ◎泡盛 他いろいろ
 
ステージ
●沖縄エイサー  琉風会
●唄三線  ぐりことゆうこ
琉球舞踊  和歌山かりゆし会
●うたごえオールスターズ
●森本商店
●クロウフィールド
●唄三線 沖縄民謡三線サークル
●最後はカチャーシーで!!
 
主催/ゆいま~る和歌山
連絡先/和歌山市松原通3-20 県教育会館内
電話/090-8481-0553(松永) メール/kokekumi86@yahoo.co.jp(松永)
(引用終わり)
 
 記念講演の講師である写真家の森住卓(もりずみ・たかし)さんは、写真家、というよりはフォトジャーナリストとお呼びすべきかもしれませんが、これまでも、イラクチェルノブイリ、福島などを通して、核被害を訴える様々な著作を刊行されている一方、沖縄に取材した作品も多数刊行されています。
 
 その森住さんが、今年の7月15日に京都市で行われた講演の模様が、IWJで全編視聴できます。そういえば、ゆいま~る和歌山の花田惠子さんがこの講演を聴きに行かれたと、花田さんのFacebookで読んだような記憶が。
 
IWJ 森住卓講演会「沖縄 抗う人々」(京都市) 2018.7.15
 
 是非、多くの方に参加していただきたいと思い、ご紹介しました。
 
 最後に、どうでもよいことですが、なぜ「ゆいまーる和歌山」ではなく「ゆいま~る和歌山」なのか?疑問に思いませんか?
 おそらく、和歌山市に「ゆいまーる」という沖縄料理店が既にある(ネット検索では和歌山市中島383-33とか)ので、遠慮した(?)ということではないかと思います(あてにはなりませんが)。 

テレメンタリーとNNNドキュメントが9月に取り上げる西日本豪雨災害

 2018年9月2日配信(予定)のメルマガ金原No.3258を転載します。
 
テレメンタリーとNNNドキュメントが9月に取り上げる西日本豪雨災害
 
 各放送局のドキュメンタリー番組枠では、例年8月になると、「平和と戦争を考える」番組が増える傾向があります。
 実際、そのような番組を紹介しただけの私の以下のブログに結構なアクセスが集まったのも、一種「風物詩」的な習慣のなせるわざかもしれません。
 
2018年7月16日
平和と戦争を考えるテレビ番組(NHKスペシャル+ETV特集) 2018年夏
2018年8月3日
平和と戦争を考えるテレビ番組 2018年夏(統合版)
 
 そして、酷暑の8月も終わり、昨日から9月に入りました。
 その昨日、9月1日が「防災の日」だからでしょうか、何だか「災害」関連の番組が増えてくるような気がするのは気のせいでしょうか?
 例えば、昨日放送された以下の番組などは、一連のシリーズの1本ではあるものの、明らかに「防災の日」に合わせての編成でしょう。
 
NHK総合TV 2018年9月1日(土)午後9時00分~9時49分 
NHKスペシャル「MEGAQUAKE  南海トラフ巨大地震  迫りくる“Xデー”に備えろ」
 
 ただ、今日ご紹介するテレメンタリーテレビ朝日系列)2本とNNNドキュメント(日本テレビ系列)1本が、いずれも「西日本豪雨」(政府は「平成30年7月豪雨」と呼称することにしているようですが)を取り上げているのは、取材の成果を番組として作り上げるのに必要な時間をかけると、自然に9月になったということなのでしょう。
 以下に、その3本の番組案内をご紹介しますが、まことに申し訳なにのは、テレメンタリーの1本目「「検証・西日本豪雨[1] 道は濁流になった~カメラが捉えた広島豪雨災害~」が、テレビ朝日朝日放送テレビ(大阪)などでは、今日の早朝に放送が終わってしまっているということです。実は、番組ホームページを閲覧して気がついたのが昨夜のことで、ブログのアップが間に合いませんでした(私自身は録画しましたけど)。
 ただ、テレメンタリーについては、系列局によって放送時間がばらばらで、まだこれから放送される局もあるようなので、あえてこのブログでもご紹介しました。
 いつ何時、我が身に降りかかるかもしれない豪雨災害について、真剣に考えるきっかけとしたいものです。
 
テレビ朝日 2018年9月2日(日)午前4時30分~5時00分
朝日放送テレビ 2018年9月2日(日)午前4時55分~5時25分
メ~テレ 2018年9月6日(木)午前4時29分~4時55分
テレメンタリー2018「「検証・西日本豪雨[1] 道は濁流になった~カメラが捉えた広島豪雨災害~」
(番組案内から引用開始)
7月、西日本を襲った豪雨災害。
広島県では死者が100人を超えている。
広島市・矢野地区にある防犯カメラはいつもの道が濁流に覆われ、車がなす術なく流れていく様子を捉え続けていた。
その上流で発生していた土石流。
どのように発生し、流れ出したのか。防ぐことはできなかったのか。
専門家のシミュレーションで当時何が起きていたかを検証する。
濁流に巻き込まれながら助かった運転手の証言やドライブレコーダーの映像も確認し、想定外の災害に私たちがどう向き合うべきかを考える。
ナレーター:風見しんご
(引用終わり)
 
テレビ朝日 2018年9月9日(日)午前4時30分~5時00分
朝日放送テレビ 2018年9月9日(日)午前4時55分~5時25分
メ~テレ 2018年9月13日(木)午前4時29分~4時55分
テレメンタリー2018「検証・西日本豪雨[2] ダムに沈められた町」
(番組案内から引用開始)
死者5人を出した愛媛県西予市野村町。甚大な被害の理由は清流・肱川の氾濫だ。町の広範囲を津波のような水が襲った。
被災者の1人は「殺人だ!」と訴える。
氾濫は町の上流にある「野村ダム」の“緊急放流”直後に起きた。町が避難指示を出したわずか1時間後、ダムは避難の状況を確認せず緊急放流を始め、瞬く間に町の広範囲が水没した。
避けることが出来なかった被害なのか?それとも“人災”か?
水没した町で見えたもの…ダムによる治水の限界とは。
ナレーター:奥田民義
(引用終わり)
 
日本テレビ系列 2018年9月10日(月)午前0時55分~1時25分(9日深夜)
NNNドキュメント’18「すべて土砂に埋まった...西日本豪雨 奪われた暮らし」
(番組案内から引用開始)
西日本豪雨から2カ月。広島県の被災地ではいまだ土砂、巨大な岩が目立つ。自宅裏の山が崩れ、自宅が全壊した老夫婦。自宅の片づけをしながら住み続けるかどうか悩む日が続く。1歳の娘を抱え避難所生活を送る夫婦。妻は妊娠9カ月。慣れない環境の中、育児、出産の準備にあたる。2次災害も懸念される中、元の場所に住み続けるのか。それとも新たな生活を始めるのか。被災者の苦悩に迫る。【制作:広島テレビ
(引用終わり)

玉城デニー氏による沖縄県知事選挙への出馬表明(2018年8月29日)を視聴する(冒頭発言部分文字起こし)

 2018年9月1日配信(予定)のメルマガ金原No.3257を転載します。
 
玉城デニー氏による沖縄県知事選挙への出馬表明(2018年8月29日)を視聴する(冒頭発言部分文字起こし)
 
 8月8日に急逝された翁長雄志(おなが・たけし)知事の後任を選ぶ沖縄県知事選挙は、9月13日告示、同月30日投開票に向けて、自民党公明党日本維新の会が推薦する佐喜真淳(さきま・あつし)前宜野湾市長と、自由党幹事長の玉城デニー(たまき・でにー)衆議院議員による事実上の一騎打ちの構図となりました。
 
 今回の選挙は、多くの人がそのように感じていることでしょうが、単に沖縄だけにとどまらない、日本という国にとっての大きな分岐点となる選挙だと思います。
 間近くは、沖縄県知事選の10日前に行われる自民党総裁選挙の結果、下馬評通り安倍晋三氏の三選が決まれば、かねての公言に従い、秋の臨時国会における改憲発議に向けてアクセルが踏み込まれることでしょう。
 そして、自民・公明・日本維新の会という沖縄知事選挙の共闘枠組によって佐喜真候補の当選という結果が生じれば、この3党共闘がそのまま臨時国会改憲発議を目指す政治勢力の枠組として機能することが容易に想定されます。
 
 さらに、今度の選挙は、実際に立候補するのは玉城デニー氏と佐喜真淳氏ですが、実態としては、「翁長雄志知事」対「安倍晋三首相」の闘いではないのか、という気がしています。
 沖縄の自民党を代表する政治家であった翁長知事が、早過ぎる晩年に到達した政治家としての境地と、6年近くにわたって日本の中央政界に君臨する安倍首相という、ある意味希有な政治家の在り様が比較され、評価される選挙ではないかと思っているのです。
 もちろん、これは選挙権を持たない県外の人間だからこそ述べられる無責任な感慨でしょうが、ここ数年、「安倍晋三」的なるものに真に対峙し得た日本の政治家に誰がいたろうか?と振り返った時、私には、「志位和夫」でも「枝野幸男」でもなく、「翁長雄志」という名前が真っ先に浮かんでくるのです。
 その翁長知事が病に倒れたことは痛恨の極みですが、翁長知事の死が、沖縄の、そして日本の政治状況を大きくゆさぶる可能性はまだ残されていると思います。
 
 その翁長知事の事実上の後継指名を受けた玉城デニー氏は、去る8月29日、那覇市において沖縄県知事選挙への出馬を表明し、記者会見を行いました。
 その冒頭において、出馬に至った経緯や選挙戦に臨む基本方針について、かなり長い時間を費やしたスピーチを行いました。
 翁長知事の肉声による後継指名が伝えられてから、29日の出馬表明に至るまでの間に相当練り上げられており、翁長知事に対する深いリスペクトを基盤としつつ、自らのカラーも大仰にではなく盛り込んだ、素晴らしい出馬表明であったと思います。
 
 動画については、ネットでいくつか見つかりますが、お薦めはIWJです。幸い、全編無料で視聴できます。
 実は、画質・音質とも、最も優れていると思ったのは、EACI(東アジア共同体研究所/鳩山友紀夫理事長)琉球・沖縄センターによる動画なのですが、まことに残念ながら、これは(冒頭発言の部分も)編集短縮版なのですよね。質疑部分はともかく、せめて冒頭発言だけでも全編アップして欲しかった。
 
 ところで、この出馬表明(冒頭発言)については、IWJとしんぶん赤旗に「全文」が掲載されていました。ただ、動画と照らし合わせてみると、いずれも「完全再現」とはなっていませんでしたので、相当に手間がかかりましたが、両者のハイブリッド版にさらに私が修正を加えましたので、ほぼ完全再現に近い文字起こしになったのではないかと思います(まだ自信のない箇所もあることはあるのですが)。
 なお、このスピーチについては、著作権法40条1項「公開して行われた政治上の演説又は陳述及び裁判手続(行政庁の行う審判その他裁判に準ずる手続を含む。第四十二条第一項において同じ。)における公開の陳述は、同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。」により、著作権フリーとして取り扱っています。
 
 それでは、玉城デニー氏の沖縄県知事選挙への出馬表明を、見て、聴いて、読んで、味わってください。
 
IWJ「翁長知事の意志を引き継ぎ、辺野古新基地建設阻止を貫徹する」!故翁長知事からの「後継者」指名を受け、玉城デニー氏が沖縄県知事選へ出馬正式表明! 2018.8.29
記事公開日:2018.8.29 取材地:沖縄県 テキスト動画
 
玉城デニー氏、沖縄県知事立候補表明記者会見(8分23秒)
 
(出馬表明の文字起こし/冒頭のウチナーグチによる挨拶は省略)
 本日ここに、沖縄県知事選挙出馬への決意を表明致します、玉城デニーです。
 期せずして沖縄県知事選が早まることとなり、今、私自身がここに自らの意思を示すことの意味を重く、深く、考えております。
 沖縄が歩んできた、歩まされてきた道は厳しく険しいものでした。この島に生まれた一人のウチナンチューとして、先人たちの血と汗が滲む、この島の太陽と風を体一杯に受けて育った者として、今、たじろがずに前を向いて踏み出す時が来たことを、私、玉城デニーはしっかりと受けとめています。(拍手)
 何より、この決意が県民と共にあるものと確信しています。(拍手)
 ウチナンチューが心を一つにして闘う時には、想像するよりも遥かに大きな力になる。今月11日に奥武山陸上競技場で開かれた県民大会で、翁長雄治(おなが・たけはる)さんは、自らの父である翁長雄志(おなが・たけし)県知事が繰り返し語った言葉を紹介してくれました。
 県民が心を一つにすることを深く望み、県民が持つ力を誰よりも信じ、揺らぐことのない自らの決意がいつも県民と共にあることを、最後の瞬間まで命がけで、私たちに発し続けた知事の強さ、その思いは県民の胸の奥に確かに静かに刻まれています。その知事の強さ、優しさ、沖縄への愛情は、ここにいる私の背中を押し、決意と覚悟をもたらしてくれている、そう感じています。
 しかし一方で、知事が誰よりも望んでいた、心を一つにすることへの心ない攻撃があることを強く指摘しなければなりません。それは、民意を、地方自治を踏みにじる形で、辺野古新基地建設を強行する、この国の姿です。
 県の再三の指導にも従わず、既成事実を積み上げることで県民の諦めを狙い、一方では基地と沖縄振興を敢えて絡ませて揺さぶり、県民の中に対立と分断を持ち込もうとします。
 法令解釈を都合良く変えて、手続きを踏み倒すことに腐心する国のやり方は、法治国家といえるのでしょうか。故郷の海を守ろうと声を上げる人々を実力で排除するやり方は、はたして民主主義の姿なのでしょうか。
 しかし、これら政府が作り出す印象操作に私たちウチナンチューはひるむことなく団結し、一つ一つ乗り越えてきました。最新の世論調査において、辺野古建設を不支持とする人が全国で44%にのぼり、支持を上回りました。
 保守政治家であった翁長知事が、自ら先頭に立って、沖縄の過重な基地負担の在り様を国民に問い、全国知事会日米地位協定の不平等を知らせ、「この先、何十年もこれで良いのか」と、「主権国家としてこれで良いのか」と、「この国はこれで良いのか」と発信し続けてきたことで、やっと浸透し始めてきたのではないかと思います。
 政権の冷ややかな仕打ちに直面しようともたじろがず、ウチナンチューの誇りをもって臨んだ知事の勇気と行動が、少しずつ、少しずつ国民の関心を呼び覚ましているのです。
 数の力を頼みにした、そんな政権の手法が次第に綻びつつあることを、国民、有権者は気づき始めています。今回の世論調査に、その意識の現われを共感として私たちも感じ取ることが出来ます。その中において知事の最たる意志であり、手続きの中にある埋立承認の撤回を、私、玉城デニーは全面的に支持して参ります。(拍手)
 行政判断を待つ中ではありますが、来る県政において私は、しっかりと翁長知事の遺志を引き継ぎ、辺野古新基地建設阻止を貫徹する立場であることをここに表明いたします。(拍手)
 あわせて、やりたい放題に飛ぶヘリの下で、子どもたちは怯えながら授業をし、校庭に作ったシェルターに避難させられている。そんな日常の風景を放置することはもはや許されません。
 「いい正月を迎えられる」と言って埋立承認をした仲井眞弘多(なかいま・ひろかず)元知事に、政府が約束した普天間基地の運用停止は来年2月で5年の期限を迎えます。これまで、何らの実効性ある取り組みを示さず、挙句、返還が進まない責任を翁長知事になすりつける。世界一危険と認めながら、その危険を放置し続けているのは、一体誰なのでしょう。こんな政治の堕落を認めていいはずがありません。一日でも一秒でも速やかに普天間飛行場を閉鎖し、返還をなすよう国に強く要求します。(拍手)
 さて、次の知事は、その任期中に復帰50年を迎えることになります。新しい沖縄の姿をどうやって県知事選挙で県民の皆さんにしっかり示していけるのか。従来の、東京とのパイプを強調した時代から、沖縄の存在感と可能性は今や格段に上がっています。アジアをはじめ世界に開かれた沖縄へと力強く羽ばたいています。
 翁長知事は、「21世紀ビジョン」、「アジア経済戦略構想」を強力に推進しました。遠い目標と思われた観光客数はもう一千万人を目の前にしています。国税への沖縄の貢献は、3000億円を超えています。
 また、子供の貧困対策は翁長県政が柱として肝いりで進めた政策でした。全国初の実態調査を実施し、子どもたちを取り巻く困難さを具体的に把握できたことで、官民あげての取り組みが格段に拡がりました。
 「県民の生活が第一」、この言葉は、私の政治活動における最も大事な理念であり、「イデオロギーよりアイデンティティ」の言葉は、翁長知事から受け継いだ大切な理念です。私は、子どもや女性、若い人たちにうんと力を注いでいきたいと思います。人材育成にも力を入れたい。沖縄で育まれた文化を、芸能を、世界へ向けてもっともっと発信したい。地元の企業を大切にし、働く皆さんの笑顔を増やし、ユイマール(相互扶助)のチムグクル(精神)で自立と共生の沖縄を目指してまいります。(拍手)
 翁長カラーにデニーカラーをプラスしていきながら、全ての県民が自分の夢を持てるよう、その方向性を支えていけるよう、皆さんと協力して政策を練り上げて参ります。今、翁長知事の政策を点検している段階です。私の思いと県民が求めている政治への思いを、そこへ結んで、皆さんと共に歩いていければと思っています。
 このかけがえのない島の未来を、誰でもなく自分たちの手で作り出していく。生まれてくる子どもたち、明日を担う若者たちに平和で真に豊かな沖縄、誇りある沖縄、新時代沖縄を託せるよう、私、玉城デニーは全力疾走で頑張ります。ありがとうございました。(大きな拍手)
 
(付記1 8月31日 沖縄県辺野古埋め立て承認を撤回)
沖縄県記者会見での謝花喜一郎副知事のコメント
(引用開始)
記者会見 副知事読み上げ
(埋立承認取消し(撤回)について)
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認について、本日、当該埋立承認を取り消しました。
 県は、これまで、承認後に生じた事由として、埋立承認に附した留意事項や環境保全措置に関する問題点等について、法的な観点から慎重に検討を行ってきたところですが、こうした問題点等は、取消処分の原因となる事実に該当すると判断し、本年8月9日に、沖
縄防衛局に対し、聴聞を実施したところです。
 聴聞手続きにおいて、沖縄防衛局は、意見書と証拠書類を提出し、行政庁に対して質問を行った上で、意見書に沿って意見を陳述したところです。
 聴聞の結果については、8月20日に主宰者から、聴聞に係る調書と報告書が提出されましたので、調書の内容と報告書に記載された主宰者の意見について十分に参酌し、予定される取消処分について検討したところです。
 その結果、本件埋立承認については、留意事項に基づく事前協議を行わずに工事を開始したという違反行為があり行政指導を重ねても是正しないこと、軟弱地盤、活断層、高さ制限及び返還条件などの問題が承認後に判明したこと、承認後に策定したサンゴやジュゴ
ンなどの環境保全対策に問題があり環境保全上の支障が生じることは明らかと認められたことなどから、
公有水面埋立法4条1項1号で規定する「国土利用上適正且つ合理的なること」の承認要件を充足しないことが明らかになったこと
・留意事項1に違反していること
公有水面埋立法4条1項2号で規定する「環境保全及び災害防止に付き十分配慮せられたるものなること」の承認要件を充足しないことが明らかになったこと
が認められ、県としては、違法な状態を放置できないという法律による行政の原理の観点から、承認取消しが相当であると判断し、本日付けで、沖縄防衛局に対し、公有水面埋立承認取消通知書を発出したところです。
 8月8日に逝去された翁長知事は、平成26年12月の就任から、辺野古新基地建設阻止を県政運営の柱とし、県民のために自らを投げ打ち、まさに命を削り、その実現に向け取り組んできました。
 今回の承認取消しは、辺野古に新基地は造らせないという翁長知事の強く、熱い思いをしっかりと受け止めた上で、埋立承認の取消処分の権限を有する者として、公有水面埋立法に基づき適正に判断したものであります。
 辺野古新基地建設阻止の実現に向け、今後とも全力で対応していく考えでありますので、県民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い致します。
                   平成30年8月31日
                     沖縄県副知事 謝花 喜一郎
(引用終わり)
琉球新報動画「沖縄県が埋め立て承認を撤回」(29分)
〇公有水面埋立承認取消通知書
 
(付記2 8月31日 玉城デニー予定候補者 事務所開き)
〇IWJ【沖縄県知事選】「翁長知事の遺志を継ぐ 玉城デニー 必勝事務所開き」 2018.8.31
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/最近の沖縄関連記事)
2018年7月27日
翁長雄志沖縄県知事が公有水面埋立承認の撤回に向けた意向を表明しました(2018年7月27日)
2018年8月9日
追悼・翁長雄志知事~(再配信)菅原文太さんからのメッセージ 沖縄へ、そして日本へ
2018年8月16日
「土砂投入を許さない!ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める8.11県民大会」と沖縄県民の意思

締切(9月7日)迫る!日弁連「憲法を詩おう♪コンテスト~あなたの思いをメロディに乗せて」

 2018年8月31日配信(予定)のメルマガ金原No.3256を転載します。
 
締切(9月7日)迫る!日弁連憲法を詩おう♪コンテスト~あなたの思いをメロディに乗せて」
 
 昨日に続き、2日連続で「憲法とアート」のお話です。
 6月のブログでご紹介したのをご記憶の方もおられるかもしれませんが、日本弁護士連合会が、日本国憲法企画として、「憲法を詩おう♪コンテスト~あなたの思いをメロディに乗せて」として、憲法詩(ポエム)を募集していたのですが、その締切が来週末(9月7日)に迫ってきました。
 
2018年6月11日
日弁連憲法を詩おう♪コンテスト~あなたの思いをメロディに乗せて~【憲法詩(ポエム)募集(5月14日~9月7日)】」のご案内
 
 企画の詳細は私の上記ブログをご参照いただきたいと思いますし、募集要項については、末尾に再掲しておきますが、簡単に言えば、湯川れい子さん、谷川賢作さん、アーサー・ビナードさん、青井未帆さんら7人の選者が、小学生以下の部、中学生・高校生の部、大学生・社会人の部のそれぞれで金賞、銀賞、銅賞各1名、入選5名をまず選び、その3部門の金賞からさらに大賞1作品が選ばれ、谷川賢作さんによって作曲されるという企画です。
 
 ところが、この【憲法詩(ポエム)募集】について、特に「小学生以下の部」と「中学生・高校生の部」の応募が伸び悩んでいるとの連絡が、日弁連の本企画(所管:憲法問題対策本部)の担当副会長(主任)である阪本康文弁護士(和歌山弁護士会所属)からありました。
 ということで、今日は、和歌山弁護士会事務局から会員宛連絡用メールで「会員の先生方で小中高校生にご案内いただける方がいらっしゃいましたら,是非とも添付ファイルをご活用いただきご案内いただきますようお願い申し上げます。もちろん,応募は小中高校生に限らず,大歓迎とのことです。」という要請があった位です。
※添付ファイルというのは「チラシ兼応募票」のことです。
 
 残念ながら、私には子どもがおらず(もちろん孫もなく)、高校生以下の知り合いも(最近は)とんといないので、Facebookやブログで告知・要請する位のことしかできません。
 是非、(ご自身も含めて)1人でも多くの方に応募いただきたく、最後の「拡散」にご協力をよろしくお願いします。
 
 なお、以下に、阪本康文副会長の同じ事務所の同僚である芝野友樹弁護士が、9条ネットわかやまMLに投稿した文章を転載させてもらいます。「憲法詩(ポエム)って、どんなものを書けばいいのか分からない」という人には、とても参考になると思いますので(転載の了解はとっていませんが、その趣旨から考えて、まあいいでしょう)。
 
(2018年8月30日/芝野友樹弁護士の9条ネットわかやまMLへの投稿から引用開始)
現在,日本弁護士連合会では,添付の憲法ポエムの募集をしています。
締切は9月7日です。
小学生以下の部と中・高生の部の応募数が伸び悩んでいるようです。
なお,日弁連副会長の阪本弁護士によれば,ポエムは難しく考える必要はなく,
たとえば,次の「ぞうさん」の歌も,憲法ポエムとして紹介されています。
直接的に憲法をうたう必要はないようです。
ただし,締め切りは厳守ですので,よろしくお願いします。
 
                  記
実例
ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね そうよ かあさんも ながいのよ」
作詞 まどみちお  作曲 團伊玖磨
 
まどみちおさん自身の解説
「ぞうの子は、鼻が長いねと悪口を言われた時に、しょげたり腹を立てたりする代わりに、
一番好きな母さんも長いのよと、誇りを持って答えた。それは、ぞうがぞうとして生かされていることが、すばらしいと思っているからです。」
 
差別に対して、敢然と、誇りを持って、個人(人ではないけど)の尊重を謳いあげる、と。
憲法14条と憲法13条として理解できませんか?
(引用終わり)
 
※金原注 まどみちおさんが「ぞうさん」について語ったという上記の言葉は、結構有名らしいのですが、出典は少し検索しただけでは分かりませんでした。もしかしたら、阪田寛夫さんが書かれた『まどさん』という本(1985年)あたりではないか?と推測したりもするのですが、未確認です。
 また、ざっとネット検索していたら、最初にできあがった「ぞうさん」は團伊玖磨作曲ではなかったとか、まどさんの知らないうちに、先輩の童謡作家が作品がNHKに持ち込み、團伊玖磨さんが作曲したとか、その際、先輩が「おはなが ながいね」を勝手に「おはなが ながいのね」に改作したとかいうことがあったなどというエピソードが紹介されているサイトがありました(近藤正高まど・みちお——「ぞうさん」の噓と真実」)。
ただし、裏取りはしていません。
 
 以下に、【憲法詩(ポエム)募集】要項を再掲しておきます。
 
日本国憲法企画 憲法を詩おう♪コンテスト 【憲法詩(ポエム)募集】募集期間 2018年5月14日(月)~9月7日(金)必着
(引用開始)
「古希」を超え、なお平和と人々の自由、人権を支え続けている日本国憲法
その理念・役割を評価し、大切さを謳う<憲法詩(ポエム)>を募集します。
大賞受賞作品には曲をつけて<憲法歌(ソング)>にします。広く末永く歌い継がれるものにしたいと思います。みなさんの「日本国憲法への思い・願い・望み」を詩(ポエム)に託して自由に創作してください。
たくさんの応募をお待ちしております!
 
日本国憲法企画 憲法を詩おう♪コンテスト~あなたの思いをメロディに乗せて~ 募集要項
1 応募規定
テーマ 
自由や人権、平和を支え続ける日本国憲法の理念や役割をテーマに、日本国憲法の大切さをうたう詩(ポエム)を創作してください。
応募資格
どなたでも応募できます
部門   
小学生以下の部、中学生・高校生の部、大学生・社会人の部の3部門
タイトル   
タイトルをつけてください。
文字数   
タイトルを除き300字以内。
作成方法・用紙   
手書き又はワープロ書き、用紙は自由
応募方法   
応募の際は、応募票に住所・電話番号・年齢・氏名・部門を明記し、原稿1枚目の裏面に糊でしっかりと張り付けてください。応募点数に制限はありません。
日本弁護士連合会又は最寄りの弁護士会に提出してください。
※お住まいの地域の弁護士会はこちらをご参照ください。
※応募票は添付をご使用ください。→チラシ兼応募票(PDFファイル;630KB)
募集期間   
2018年5月14日(月)~2018年9月7日(金)必着
応募上のご注意   
・作品は、自己の作品で未発表のものに限ります(他人の作品を一部利用するのも不可)。
・本名による応募としてください。
・応募にかかる費用は応募者の負担とし、応募作品は原則として返却しません。
・応募作品の著作権は日本弁護士連合会に帰属するものとし、本企画および派生企画での各種利用、弁護士会作成の冊子等への掲載、ホームページ・雑誌・広報誌への掲載、歌唱曲としてCD化、DVD化、その他インターネット等での配信など、日本弁護士連合会が利用させていただきます。
・応募作品に第三者の権利侵害が認められた場合、応募者本人がその責任を負うこととし、主催者側は対応しません。
・応募作品に作曲をする場合、作曲者および関係者による作品内容の編集・補正・変更を承諾いただきます。
・作品内容が公序良俗に反するなど主催者が不適切と判断した作品は、応募者に通知することなく審査対象から除外します。
 
2 入賞
入賞   
*部門毎に、金賞1名、銀賞1名、銅賞1名、入選5名(8名×3部門)
*入賞者には、図書カード(下記参照)と表彰状と副賞を贈呈します。
(1) 小学生以下の部 金賞:2万円、銀賞:1万円、銅賞:5千円、入選:3千円
(2) 中学生・高校生の部 金賞:5万円、銀賞:3万円、銅賞:1万円、入選:3千円
(3) 大学生・社会人の部 金賞:10万円、銀賞:5万円、銅賞:3万円、入選:3千円
(4) 大賞:作品を作曲して歌唱曲とする特典。
※上記3部門の金賞作品から大賞作品を選出し、谷川賢作氏が作曲をし、歌唱曲になります。
発表・表彰   
憲法詩・入賞者の発表:2018年11月(予定)
*入賞者の表彰および大賞・歌唱曲の発表:2018年12月1日(予定)
*日本弁護士連合会のホームページ・出版物等関連媒体などでお知らせするほか、入賞者には直接ご連絡します(ホームページ・出版物等関連媒体などでは、都道府県、氏名、年齢のみ公表します。)。
*入賞作品は、表彰式の前後に、日本弁護士連合会(弁護士会館1階ホール)にて展示する予定です。
 
3 審査
審査員について   
7名の審査員によって審査します。
<審査員>
湯川れい子さん(音楽評論家・作詞家)
谷川賢作さん(作/編曲家 ピアニスト)
・覚 和歌子さん(作詞家、詩人、シンガーソングライター)
アーサー・ビナードさん(詩人)
・青井未帆さん(憲法学者
・日本弁護士連合会会長
・同憲法問題対策本部本部長代行
 
4 応募票
応募票   
添付の応募票に、必要事項を記入の上、切り取って作品裏面に糊でしっかり貼り付けてご提出ください。
チラシ兼応募票(PDFファイル;630KB)
 
5 お問い合わせ等
主催 
日本弁護士連合会
お問い合わせ先 
日本弁護士連合会 人権部人権第二課
(〒100-0013 東京都千代田区霞が関1-1-3)
TEL 03-3580-9507
 
いただいた個人情報は、この「憲法を詩おう♪コンテスト」に関連する企画のために用いるほかは使用しません。また、許可無く第三者に開示・提供しません。
ただし、入賞者の氏名、都道府県、年齢は、本企画および関連企画に際して、ホームページや作成物・各種媒体において公表します。
(引用終わり)
 
(付録)
ぞうさん まどみちお作詞・團伊玖磨作曲 Baby Elephant
所沢市民文化センター・ミューズキューブホール  2013年10月13日
椰子の実 美しい日本の歌コンサート ライブ録音
ソプラノ・間庭小枝 伴奏・琴田恵理

憲法と「アート」が交わるところ~法学館憲法研究所「アートな憲法ルーム」に注目を!

 2018年8月30日配信(予定)のメルマガ金原No.3255を転載します。
 
憲法と「アート」が交わるところ~法学館憲法研究所「アートな憲法ルーム」に注目を!
 
 昨日、Facebookホームに流れる投稿を何気なく流し読みしていたところ、中川五郎さんの以下の投稿にふと気がつきました。
 
「今から13年前に頭脳警察PANTAさんと一緒に作り、PANTAさんと制服向上委員会とぼくとでレコーディングした憲法9条に関する2曲、「理想と現実」と「西暦20XX年」を『アートな憲法ルーム』のページで聞くことができます。ぼくの短い文章も載っています。」
 
 以上の文章とともに、以下のページにリンクがはられていましたので、すぐに読んでみました。
 
法学館憲法研究所 アートな憲法ルーム 2018年8月27日
憲法9条「理想と現実」 中川五郎さん(フォーク・シンガー、翻訳家)
(抜粋引用開始)
 もう13年も前のこと、憲法9条についての歌を作ろうという話があり、ぼくが歌詞を書き、その歌詞に頭脳警察PANTAさんが曲をつけて生まれたのが「理想と現実」という歌です。
 それまでも憲法9条についての歌が作られたり、憲法9条に曲をつけて歌う試みがいろいろとあったと思いますが、ぼくは日本の憲法の前文や9条で謳われている言葉を取り入れながら、そこに日本の憲法、とりわけ9条に対する自分の思いや考えを重ねて歌詞を作っていきました。そしてできあがったのが、以下のような歌詞です。
(略)
 憲法を、とりわけ9条を変えようと主張する人たちの多くは、憲法が現実にそぐわなくなっているから、そして憲法アメリカに押しつけられたものだからと主張しています。しかしぼくは憲法がもしも現実と乖離しつつあるのだとしたら、憲法を現実に合わせるのではなく、現実を憲法に、憲法の理想に合わせるべきなのではないかと考えています。
 それに今の日本の憲法を作り上げる上でアメリカの力が大きく働いているとしても、それは押しつけなどでは決してなく、人類の理想のため、戦争のない世界のために、国家や民族を超えて共に手をつなぎ前に進もうという強い働きかけ、大きなメッセージだったとぼくは思っています。
 そんな全世界の、人類全体の大切な宝物と言える日本の憲法をぼくらは「守ろう」と叫ぶ以上に、もっともっと逞しく「育て」ていくべきだとぼくは考えています。
 しかも憲法とは権力や為政者が道を踏み外さないようにと、その国の民衆が作り上げているものです。もし憲法を変えなければならない状況になったとしても、その声は民衆の中から上がるべきで、今の日本のように政府や与党、権力を握っている党やそこの党首、その背後にある団体が率先して声を上げているのは、とんでもない本末転倒で、ぼくには滑稽に思えてなりません。
(略)
 その時1曲だけではシングルCDを作れないということで、カップリング曲として急遽生まれたのが「西暦20XX年」という曲です。「理想と現実」をスタジオでレコーディングしている時、ぼくがその場で歌詞を書き、PANTAさんがやはりその場で作曲して誕生した曲です。
(略)
 「理想と現実」と「西暦20XX年」の2曲を収めたPANTA & 中川五郎 with SKiのCDシングルは2005年の憲法記念日の直前にアイドル・ジャパン・レコードから発売されました。
 それから13年、この国で現実を理想に近づけようとする動きは遅々として進んでいないどころか、どこまでも理想を現実に引き下げようとする力ばかりが猛威をふるっていますし、いつまでもフィクションの世界であってほしいと強く願って作った「西暦20XX年」が、どんどん現実のものとなってきています。 
 いくら歌ったって理想は実現しないし、現実はますます恐ろしいものになっていくばかり。それでもぼくは「理想と現実」と「西暦20XX年」の2曲はしつこく繰り返し歌い続けて行きます。理想の力を信じながら。
(引用終わり)
 
 2005年に発表された『理想と現実』と『西暦20XX年』(いずれも作詞:中川五郎、作曲:PANTA)がカップリングされたCDシングルは、私の手許にもあります。発売当初に購入したのではなく、今から5年前の2013年1月、法学館憲法研究所に注文して入手したものです。
 なぜ、伊藤真弁護士が主宰する法学館憲法研究所がCDシングル販売(の斡旋)をしていたのか、詳しい事情はよく分かりませんが、制服向上委員会会長の橋本美香さんへのインタビューが、同研究所サイトの「今週の一言」コーナーに掲載された際(2013年1月21日)、その記事の末尾に<法学館憲法研究所事務局より>として、購入希望者は法学館憲法研究所まで申し込んで欲しいということでしたので、早速私も注文したのでした。 http://www.jicl.jp/hitokoto/backnumber/20130121.html
 ちなみに、届いたCDのライナーノートは、どう考えてもどこかの(法学館憲法研究所の?)コピー機でカラーコピーしたとしか思えないもので、2005年にプレスしたCDシングルは、とっくに在庫切れになっていたことが推測されました。もちろん、録音自体には何の問題もありませんでしたけど。
 
 さらに言うと、上記インタビュー記事を含め、橋本さんや制服向上委員会のことも紹介したくて書いたのが「橋本美香さん「原発憲法…理想を現実に」」という文章で、これが「弁護士・金原徹雄のブログ」の記念すべき(?)最初の配信記事だったのです。
 
2013年1月24日
橋本美香さん「原発憲法…理想を現実に」
 
 そういう個人的な思い出はさておき、8月27日にアップされた中川五郎さんの「憲法9条「理想と現実」」という記事は、そのタイムリーな内容に感銘を受けるとともに、『理想と現実』と『西暦20XX年』の両曲とも、中川さんが書いた歌詞の全てが掲載され、その上、音源自体が全曲ヴァージョンで聴けるようになっており(もちろん、著作権者の了解の下)、素晴らしい試みだと思いました。
 
 そもそも、私は、法学館憲法研究所サイトに「アートな憲法ルーム」というコーナーが設けられていたことに全然気がついておらず、中川さんの「憲法9条「理想と現実」」を読んだ後、すぐにバックナンバーを調べてみました。
 その結果、このコーナーは、今年の7月2日からスタートしており、その後、1週も欠かさず毎週連載が続いており、中川さんが9人目であるということが分かりました、
 
 法学館憲法研究所サイトには、2011年1月から始まった「今週の一言」というコーナーがあり、私も2回登場させてもらっていますが(内1回はブログからの転載で、もう1回は新規原稿の執筆でした)、その経験からいうと、毎週穴を開けずに連載を続けるためには、相当前から執筆者を人選し、交渉し、記事をストックしておく必要があるはずです。
 それだけに、法学館憲法研究所のこの新コーナーにかける意気込みの大きさがしのばれます。
 以下に、中川五郎さんまでにアップされた8回分にリンクしておきます。
 
2018年7月2日
デザインが平和とつながっていく 菊地雅志さん(グラフィックデザイナー)
2018年7月9日
私たちの憲法は、生きる私を守るたいまつのあかり 堤 江実さん(詩人)
2018年7月16日
歌で伝わること、歌で伝えたいこと 館野公一さん(シンガー・ソングライター
※音源付き(「見えない光の矢」「おなじみの短いメール」)
2018年7月23日
語り歌を歌って「世界に誇る日本国憲法」を守りましょうと、平和的に叫びたいわたしなので~~す!! 結城翠唱 (すいしょう)さん・結城孝一さん(歌手)
※音源付き(「愛がめざめる時」「風にゆられて」「この風を覚えているかい」) 
2018年7月30日
☆地域に根差し、「愛と平和」を歌う合唱団「いちばん星」☆ 吉田治夫さん(合唱団いちばん星代表)
※音源付き(組曲ヒロシマ」)
2018年8月6日
丁寧に伝えること、僕にできることを、ずっと続けていきたい 玉城まさゆきさん(シンガーソングライター)
※演奏は公式サイトにリンクがはられています。 http://rbcsrecords.a.la9.jp/koza.html
2018年8月13日
憲法の希(ねが)いと祭りに込められた願いは繋がっている 金子満里さん(民族歌舞団 荒馬座)
※音源付き(「ぴーひゃらどん」)
2018年8月20日
言葉で表せない気持ちをケーナで表現したい 西山健二さん(ケーナ奏者) 
※音源付き(「歩く」)
 
 これまでに登場された9組(10人)の皆さんの、それぞれの憲法との関わりはまさに「十人十色」ですが、それをアートによって表現するというところに共通点を見出し、「アートな憲法ルーム」という連載を企画した法学館憲法研究所に敬意を表したいと思います。
 
 最初にご紹介した中川五郎さん作詞による『西暦20XX年』(2005年)は次のように歌われています。
 
(歌詞から抜粋引用開始)
西暦20XX年 憲法は変えられ 自衛隊は軍隊に
隣の国が攻めてくれば 銃を手に取り戦えるし
遠い異国の戦いにも 戦車で乗り込んで行けるようになった
(略)
国のために用意はいいか? 
国のために用意はいいか?
この国のため命を捧げられるか?
(引用終わり)
 
 それから13年、「用意はいいか?」と1人1人の若者に問いかけねばならない時代となってしまいました。
 本当に、彼らは用意ができているのでしょうか?
 
 そのような問いかけの手段として、「アート」という切り口が有効だ(有効であり得るかもしれない)というのが「アートな憲法ルーム」の企画の趣旨なのではないかと推測したりします。
 私にして(?)、昨日(8月29日)ようやくこの連載に気がつきました。
 是非多くの方に「アートな憲法ルーム」の存在を知っていただきたいと思い、ブログで取り上げることとしました。
 是非みんなで「拡散」しましょう。
 私は、とりあえず中川五郎さんの回をFacebookでシァアしました。皆さんも、ご自分が共感できる「アート」に出会ったら、是非周囲に広めてください。よろしくお願いします。
 
(付録)
 2014年10月24日に日比谷野外音楽堂で開催された「ANTI WAR LIVE in  HIBIYA~戦争をさせない1000人委員会プレゼンツ~」で演奏された『理想と現実』が、アイドルジャパンレコードの公式YouTubeチャンネルにアップされていましたので、ご紹介します。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/中川五郎さん関連)
2012年8月22日(2013年2月11日に再配信)
中川五郎さんの新しい“We Sall Oercome”=『大きな壁が崩れる』
2012年9月25日(2013年2月3日に再配信)
『一台のリヤカーが立ち向かう』~彼は3.11前から3.11後を歌っていた~
2015年1月2日
中川五郎さんは問いかける~“ああ どうすれば男の耳を傾けさせられるのか”
2016年5月7日
小林節さんGWも駆け回る~5/14は和歌山市民会館大ホール(付・5/7岡山弁護士会のイベントは凄かった~中川五郎さんの“新曲”にも注目!)
2016年5月8日
中川五郎さんの新曲“Sports for tomorrow”をじっくりと聴く
2017年6月12日
4年目に入った「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」&予告「第4回 くまの平和の風コンサート(中川五郎ライブ!)」(7/30)
2017年9月6日
中川五郎さんの『トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース』を聴き、変わろうとしないこの国の人たちを思う