望月衣塑子さん(東京新聞記者)が和歌山で講演されます~2019年4月26日@和歌山県民文化会館小ホール(青法協・憲法を考える夕べ)
2019年4月6日配信(予定)のメルマガ金原.No.3413を転載します。
その35回目となった昨年(2018年)4月28日、前川喜平さんと寺脇研さんを和歌山県民文化会館大ホールにお招きしたところ、空前にしておそらく絶後の1,500人もの聴衆においでいただくことができました。
36回目となる今年は、いくら何でも去年のようなことはあるまいということで、「平常モード」に戻り、時期も例年通り連休直前の金曜日(4月26日)の夜、和歌山県民文化会館の小ホール(キャパ324席)を確保し、「憲法を考える夕べ」を開催することとなりました。
今年講師としてお招きすることになったのは、東京新聞社会部記者の望月衣塑子(もちづき・いそこ)さんです。
昨年、来場者に配布するために作った資料に、第1回~第34回までの憲法記念行事一覧表を掲載していますので、それを参考にしながら、最近10年間の企画を抜き出しておきます(括弧内の肩書きは講演当時のもの)。
2009年(第26回) 斎藤貴男氏(フリージャーナリスト)
2013年(第30回) 孫崎 享氏(元外交官、元防衛大学校教授)
2015年(第32回) 山本健慈氏(和歌山大学前学長)
寺脇 研氏(京都造形芸術大学教授、映画評論家)
ところで、先ほど「今年は、いくら何でも去年のようなことはあるまい」と書きましたし、実際、望月さんに講演をお願いしてご内諾いただいた昨年末にはそれほど心配もしていなかったのですが、ちょうどその頃(昨年12月28日)、上村秀紀・首相官邸報道室長名で内閣記者会に対し、菅義偉官房長官の定例記者会見で望月記者が行った質問に「事実誤認」があったとし、「記者の度重なる問題行為は深刻なものと捉えており、問題意識の共有をお願いしたい」という文書が送られていたことが後に発覚して大問題となりました。
この問題については、様々な報道もありましたが、以下には、東京新聞自身が2月20日に公表した【検証と見解】が、同紙ホームページで全文公開されていますのでリンクしておきます。是非お読みいただければと思います。
【検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ】
併せて、各種団体・有志からも多くの声明が発表されましたが、その内のいくつかにリンクしておきます。
実は、色々な事情から、本講演会のチラシの完成が遅れ、本格的な広報を始めたのは4月に入ってからという状況なのですが、チラシ配布に先立ち、3月28日に先行して私がFacebookにチラシ完成版の画像を添付して投稿したところ、またたく間に「シェア」が20件以上に!
講演会の概要を伝えたFacebookへの投稿をそのまま引用します。
金原徹雄 Facebookへの2019年3月28日13時41分の投稿
(引用開始)
まだチラシは完成していませんが、事務局長から「この内容でチラシを発注しました」という連絡がありましたので、勝手に広報を開始します(あと4週間しかない!)。
「今話題の」という表現が適切かどうかという問題はありますが、あの望月衣塑子(もちづき・いいそこ)さん(東京新聞社会部記者)が、青年法律家協会和歌山支部の招きにより、来る4月26日(金)(10連休突入の前夜)午後6時から、和歌山県民文化会館小ホールで講演されます。
昨年の「憲法を考える夕べ」には前川喜平さん&寺脇研さんのダブル講演に、同会館大ホールに1500人もの聴衆が詰めかけました。今年はいくら何でもそんなことはないはずですが、それでも望月さんから内諾をいただいた後、急に浮上した官邸による言論封殺の動きで一躍「時の人」に!小ホールのキャパは324席ですが、広報の出遅れでちょうど良いくらいかも・・・。
以下にチラシ記載情報を転記します。
2019年4月26日(金)開場 午後5時30分 開演 午後6時00分
和歌山県民文化会館小ホール
入場無料・予約不要(先着順)
民主主義とは何か 安倍政権とメディア
講師 望月衣塑子(もちづき・いそこ)氏
1975年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、(株)中日新聞に入社、東京本社に配属。東京地方裁判所・東京高等裁判所での裁判担当、経済部記者などを経て、現在東京新聞社会部記者。著書『武器輸出と日本企業』(2016年、角川書店)『新聞記者』(2017年、角川書店)
問い合わせ先
和歌山市南材木丁二丁目38 電話:073-488-3090
ふたば法律事務所(弁護士 太田達也)
(引用終わり)
望月さんの会社の先輩である半田滋さん(2014年)や、望月さんとご一緒に講演されてもいる中野晃一先生(2017年)でも、県文小ホールの半分ほどしか埋まらなかったというこれまでの実績から、「まあ溢れることはないのでは」「幸か不幸か広報も出遅れているし」と思う一方、前川さん並みとはいかないけれど、かなり反応が良いことは事実であり、正直、どれだけの方が会場に来てくださるのか、ふたを開けてみるまで分かりません。ということで、チラシに「先着順」とわざわざ断っている趣旨をご了解の上、ふるってご参加いただければと思います。
なお、望月さんが2017年に角川新書で刊行された『新聞記者』を原案として、同題の映画が制作され、今年の6月28日に公開されるということを知りましたので、これもFacebookで紹介しました。話題作のようなので、おそらく和歌山のシネコンでも公開されるでしょう。是非観たいものです。
(引用開始)
来る4月26日(金)午後6時から、和歌山県民文化会館小ホールにおいて、「民主主義とは何か 安倍政権とメディア」と題した講演をされる東京新聞記者・望月衣塑子(もちづきいそこ)さんですが(主催:青年法律家協会和歌山支部/入場無料・予約不要・会場キャパ324・先着順)、その望月さんが2017年に角川新書から刊行した『新聞記者』を「原案」とする映画『新聞記者』(藤井道人監督)が6月28日に公開されます。シム・ウンギョン&松坂桃李のW主演!ということで話題を集めています。映画の公式サイトを探したのですが見つけられなかったので、とりあえず公式Twitterをご紹介します。
予告編も、2分間の本格的なものは見当たらず、まだ短い「特報」だけが公開されているようです。こちらの方も是非注目したいですね。
(引用終わり)
(参考動画)
【全編動画】「FIGHT FOR TRUTH 私たちの知る権利を守る3.14首相官邸前行動」(日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)主催) ※望月さんのスピーチは1時間22分~1時間32分
(弁護士・金原徹雄のブログから/望月衣塑子さん関連)
2017年6月18日
2018年1月21日
2018年1月31日
2018年2月10日
4番目のブログ「冬の陽中(ひなか)から」について~こんなに簡単にブログが出来てしまって良いのだろうか?
2019年4月3日配信(予定)のメルマガ金原.No.3412を転載します。
4番目のブログ「冬の陽中(ひなか)から」について~こんなに簡単にブログが出来てしまって良いのだろうか?
2013年1月24日から2019年1月25日までの6年と2日間、「毎日更新」を続けていた私のブログが実は2つありました。
弁護士・金原徹雄のブログ(Livedoor) Since 2013年1月24日
wakaben6888のブログ(Hatena) Since 2012年8月30日
いずれも、私が限られた友人・知人にBCCで送信していた「メルマガ金原」をそのまま転載していましたが、当初、「Hatenaブログ」で「wakaben6888のブログ」を始めた時には、試験運用というつもりで、「毎日配信」ではなく、それなりに選別した上でアップしていました。
一つには、「メルマガ金原」自体、2011年3月28日の創刊以来、はじめのうちは1日に複数発信することもたびたびで、その代わり、1つ1つの記事はごく短いものもたくさんあったという事情もありました。
それが、2012年のうちに、「メルマガ金原」も原則1日1本となり、本格的に「弁護士・金原徹雄のブログ」を「livedoorブログ」で立ち上げた2013年1月以降は、メルマガ毎日送信&ブログ毎日配信となったのでした。
その際、「wakaben6888のブログ」の更新を止めようかとも思ったのですが、既にこちらのブログにも固定読者がある程度付いてくれていたので、メルマガの記事をコピペするだけならそんなに更新の手間もかからないということで、こちらの方も更新を続けて(内容は基本的に「弁護士・金原徹雄のブログ」と一緒です)今に至っているという次第です。
その後、「livedoorブログ」では、1つのアカウントで10個までのブログを作れるということだったので、2013年2月にもう1つのブログを立ち上げました。
あしたの朝 目がさめたら(弁護士・金原徹雄のブログ 2) since 2013年2月24日
こちらの方は、「弁護士・金原徹雄のブログ」を補完するものという位置付けで、「メルマガ金原」からの転載ではない記事をアップしたい時に利用するつもりでスタートしたのでした。
さて、以上のような経過から、3つのブログの更新を続けてきたのですが(もっとも、「あしたの朝 目がさめたら」の更新ははなはだ不規則でした)、今年の1月26日以降、私の体調の問題から、更新が思うにまかせなくなったことは、何度かブログでもご報告してきたところです。例えば、以下の2つの記事などをご参照ください。
2019年1月31日
2019年3月23日
そのような状況にもかかわらず、私が3つ目のプロバイダ(ameba)で4つ目のブログを新たに始めた、と聞かれたらさぞ驚かれるでしょうね。
実際、私自身がいささか呆然としているところです。そのブログというのはこちらです。
冬の陽中(ひなか)から(ameblo) since 2019年4月2日
実際、新たなブログを作ろうなどというつもりは一切なく、ただ単に知人がアメブロで開設しているブログをフォローしようと思って作業をしていたところ、いつの間にか自分でアカウントを作成する手順となり(これがものすごく簡単)、あっという間に「アメブロ」に自分のブログが出来てしまったというのが実情です。
呆然とした後、すぐに削除してしまうことも出来たのですが、何だか勿体ないような気がして、つい1本目の記事を書いてしまいました。ここまで来ると、やはり「業」なのでしょうかね?
その記事「はじめに~ブログタイトルについて」は、私が高校時代に作った(その後は作っていないので唯一の)俳句(これを基にブログタイトルを決めました)からの連想で、高校時代に古本屋で購入した書籍の思い出を書いたごく短いものなので、以下に全文引用しておきます。
私のブログは原則として敬体(ですます調)で書くようにしていますが、この新たなブログでは、意図的に常体(である調)で書いてみました。文体を変えると、中身も少しは変化が見られるのではないか、という期待からです。
もっとも、他の3つのブログの更新も間遠になっている今、このひょんなことから誕生させてしまった「冬の陽中(ひなか)から」をそうそう更新できるとは思えませんが、従来から私のブログを読んでいただいている方には、とりあえず「お披露目」をしておかねばと思い、ご紹介したという次第です。
それにしても、メールを1本書くのと同じ程度の手間でブログが1つ立ち上がってしまうのですから、何と言ったら良いのか・・・。皆さんもやってみます?
冬の陽中(ひなか)から 2019年4月2日
はじめに~ブログタイトルについて
(引用開始)
ひょんなことから、また一つブログを作ってしまった(これが3社目のプロバイダーで、ブログとしては4つ目)。はたしてこれから更新していけるのか、また、実名を公表する気になるのかすら定かではないが、そういういい加減なブログがあってもよいか。
ということで、最初はブログタイトルについて。
もう何十年前になるだろうか、私が生まれて初めて作った俳句(高校時代だったのは間違いない)、
古本屋 冬の陽中の 店の前
が思い浮かんだので(というか、私はこれ以降俳句など作っていないので、それで憶えていた)、とっさにタイトルにしてしまったに過ぎないのだが、しばらくはこれでいこうと思う。
ちなみに、陽中は「ひなか」と読んで欲しいと思っているが、そんな用法・読み方があるのかどうかも知らずに作ったものだ(今でも知らないが)。
自転車通学していた高校時代、私が学校帰りによく立ち寄っていた古本屋が2軒あった。私の住む町は地方の県庁所在地であるが、当時(昭和40年代後半)でも既に古本屋は数少なくなっており、市内に数軒もあったかどうか。
私が上記の俳句を詠んだ際に頭に浮かんでいたのは、行きつけの2軒のうちの1軒で、狭い裏路地に面し、西向きの店の表には客寄せのために格安の古本が平台の中にぎっしり並べられており、学校帰りに自転車で立ち寄った午後4時頃、冬の暖かい陽光に包まれながら、平台内の本を手に取っている情景が頭に浮かび、それをそのまま十七文字にしたものだった。
この店では、高校生でも気軽に買える格安本も購入したはずだが、どんな本を買ったかは憶えていない。憶えているのは、戦前、坪内逍遙訳により、中央公論社が文庫サイズのハードカバーで出版した「シェイクスピヤ全集」全40巻を、親戚から貰ったお年玉をはたいて(5,500円だったと思う)購入したことであり、この全集は、今でも私の書庫に収められている。
戦前の本といえば、北畠親房の『神皇正統記』(和綴じだった)を購入し、ぱらぱらと読める部分だけ流し読みしたことがあったが、これも同じ店で買ったのか、あるいはもう1軒の方で買ったのかは記憶にない。この本も、購入から既に40数年経つが、いまだに私の書庫の隅にひっそりと収まっている。
ブログタイトルからの連想で、若い頃に購入した本のことを思い出して書いてみた。他の3つのブログ(今年に入ってからあまり更新できていないが)では、自分の職業や身元なども公開した上で、社会的な発言をすることを主な目的としてきたので、このような極めて個人的な思い出話を語るブログがあっても良いかという気がする。もちろん、「読者」などは全く期待できないけれど。
(引用終わり)
初めて大学の卒業式(学位記授与式)に出席しました
2019年4月2日配信(予定)のメルマガ金原.No.3411を転載します。
初めて大学の卒業式(学位記授与式)に出席しました
※昨日(2019年4月1日)、Facebookに投稿した記事を、一部改訂増補の上転載するものです。
一昨日(2019年3月31日)、和歌山市西高松(和歌山大学松下会館内)の放送大学和歌山学習センターで行われた2018年度第2学期・学位記授与式に出席し、「卒業証書・学位記」(教養学部・社会と産業コース)の交付を受けてきました。私にとっては、40年前の大阪市立大学法学部に続く2回目の大学卒業ではありますが、何しろ大阪市大の卒業式に私は出席しておらず、両親も、てっきり「また留年するのだろう(司法試験受験のために)」と思っていたという位ですから、そもそも大阪市大の卒業証書が家にあるのかも判然としません。
しかし、今回の放送大学については、純粋に自分が勉強したい科目だけを少しずつ受講(もちろん授業料は自分が支払い)して積み上げてきた単位が、計算通り、全科履修生としての在籍年限ぎりぎりの10年で、ぴったり卒業要件を充足したのですから、それなりの達成感もあり、学位記授与式の案内が和歌山学習センターからあった際、ためらうことなく出席の返事をしたのでした。
放送大学は4月と10月の年2回、学生を受け入れていますので、卒業も年に2回認定されます。2018年度第2学期の場合、和歌山学習センター所属の学生は、教養学部卒業が25名、大学院修士課程の修了が4名、そのうち、学部卒業生16名、大学院修了生2名が参加したのですから、大半の者が仕事を持ちながらであることを考えれば、なかなかの出席率だと思います。
生涯で初めての大学卒業式への参加ですから、それなりの感慨もありましたが、一緒に学位記授与式に出席した方も、まさに放送大学ならではの多彩な人たちでした(まあ、現役の弁護士というのも「多彩」の一例ですが)。
出席した卒業生・修了生は全員一言ずつコメントしたのですが、私のすぐ前のKさん(紀美野町在住の女性作家)は、「最初の大学では卒業まであとわずかというところで引きこもりになって退学してしまったので、是非出席したかった」と発言され、退学こそしなかったものの、似たような境遇(多分)だった私は、思わずそれにつられ、大阪市大の卒業式に出席しなかったという過去を告白してしまいました(最初は全然別の話をするつもりだったのに)。
午前11時からの学位記授与式の後、午後1時から行われた「入学者の集い」にも、卒業生としての参加要請があったため、他の数名の卒業生と共に私も午後まで残り、「集い」の後の交流会も含めて参加し、楽しい一時を過ごすことができました。
午後2時20分から3時まで行われた交流会では、4つのテーブルに入学者や卒業生、在学生が分かれ、限られた時間ながら、活発に交流できたのは良かったですね。
私と同じテーブル(人文・社会系)には、在校生で公認サークル「俳句会」代表のKさん(80歳)が座られたのですが、このKさんは、毎週金曜日の18時から19時まで、雨の日も風の日も、関西電力和歌山支店前で原発反対を訴えるスタンディング(サイレント・アピール)を続けておられる方なのです。
また、田辺市本宮町から来られた新入生のYさんも、有機農産物の流通から、現在は自然エネルギーを推進する活動に従事しておられ、これまでも田辺で行われた企画などに出かけた際何度かお目にかかっていたので、お互いに驚いたことでした。
ところで、私のブログを熱心に読んでくださってきた読者(いるかな?)の中には、私が放送大学で開講されている講義(BSで視聴できる)のいくつか(例えば、高橋和夫先生の「パレスチナ問題」や、西澤晃彦先生の「貧困と社会」など)を推奨したり、面接授業をきっかけに万葉集所収の有名作の解釈を試みたり(山部赤人はどこから富士を眺めたのか?~「名歌「田子の浦ゆ・・・」を解釈する)する一方、2015年に発生した「日本美術史('14)」(主任講師は佐藤康宏東大教授)試験問題無断削除事件について、大学執行部を厳しく批判する記事を書いたりしたことを記憶されているかもしれません。そういえば、その批判記事の中で、当時副学長であった来生新先生のコメントについても批判していましたが、今回私が貰った卒業証書・学位記が、その後学長に就任した来生先生名義のものだったというのも、何やら因縁めきますね。
その他、昨年4月から、それまで放送大学の授業を視聴できていたケーブルテレビ(私はJ-COM)の多くで視聴が出来なくなり、BS受信機を持っていない者はインターネット配信でしか視聴できなくなるなど、明らかに学生の受講環境が悪化していること。また、テレビ授業、ラジオ授業の他に、徐々に増えているオンライン授業にテキスト(印刷教材)がないのは、単なる省力化としか思えず、学生にとってのメリットはないのでは?など、放送大学に対して言いたいことは色々あります。
さはさりながら、そのような問題はありつつも、生涯学習の拠点としての放送大学を評価することに変わりはなく、4月からは、新たに「生活と福祉コース」に継続入学しました。今回は最長6年在籍できるそうなので、今度もきっちり6年で卒業しようかと思っています。
(弁護士・金原徹雄のブログから/放送大学関連)
2015年1月30日
2015年10月22日
2015年10月24日
2016年1月30日
2016年8月6日
2017年1月26日
2017年5月1日
2017年5月23日
2017年8月17日
2018年1月19日
『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』(小林武・石埼学編)を読む~入院読書日記(1)
2019年3月23日配信(予定)のメルマガ金原.No.3410を転載します。
『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』(小林武・石埼学編)を読む~入院読書日記(1)
2019年1月25日をもって、6年と2日間(2,193日間)「毎日更新」を続けてきた「弁護士・金原徹雄のブログ」の更新をいったん中断するのやむなきに至った事情については、1月31日に配信した「近況報告~今後のメルマガとブログについて」でご説明したとおりです。
そこに記載したとおり、1月26日から同月30日まで、左自然気胸による入院を余儀なくされたものの、ドレナージ法によって回復し、何とか手術は免れて退院したのでした。 その後、このブログは、2月中に4回更新したものの、3月に入ってからは長らく「お休み」が続き、ようやく3月17日になって、「伊藤宏さん(和歌山信愛女子短期大学教授)の論文「ゴジラ映画における原子力描写-核兵器と原発はどのように捉えられてきたか-」を読む」前編と後編を一挙掲載したという状況です。
ブログ「毎日更新」が途絶えた時、私が一番気にしていたのは、まさにこのような状況に陥るのではないか?ということでした。
「毎日更新」を続けていた6年の間に書いた2,000編以上のブログの中には、「とにかく何か書かねば」という強迫観念(?)から、苦し紛れに書いたものも数多くあった反面、中には、あとで読み返してみても、「今でも皆さんに読んでいただく価値があるのでは?」という自信作も、たまには書けていたと(自分では)思います。
これは、一種の「量が質を担保する」ということに他なりません。私のブログと比較するのもどうかとは思いますが、日本映画の黄金時代と言われる昭和20年代に、小津、溝口、成瀬、黒澤などの名匠・巨匠による傑作があいついで生み出された背景には、毎週のように新作が封切られるという大手映画会社による量産体制があったことは間違いありません。
正直、今の体調を考えると、ブログ「毎日更新」などという無謀な(?)試みを再開することは不可能と思わざるを得ません。とはいえ、いったんブログを書かない日常生活に慣れ親しんでしまうと、書きたい素材があっても、なかなか再開するきっかけがつかめず悩んでいたところに、伊藤宏先生が、昨秋来の私との約束を忘れず、新たな紀要論文をお送りくださったことをきっかけとして、ブログ再開の意欲が湧いてきました。
ということで、「これは書かねば」と思っていた素材(しかも構想では3回連載になる予定)にとりかかることにしました。シリーズタイトルは「入院読書日記」というもので、以下の3冊の読後感をシリーズで書いてみたいと思っています。
入院読書日記(1)
『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』(小林武・石埼学編)
入院読書日記(2)
『「表現の自由」の明日へ 一人ひとりのために、共存社会のために』(志田陽子著)
入院読書日記(3)
ただ、ここで言う「入院」というのは、先のブログでご報告した1月26日~同月30日の入院のことではありません。実は、私は、1月下旬から3月上旬にかけて、3回にわたって入退院を繰り返しています(いずれも左自然気胸による)。
1回目 2019年1月26日~1月30日
2回目 2019年2月15日~2月19日(再発)
3回目 2019年2月28日~3月5日(手術)
1回目の入院の際は緊急入院であったため、病室で読む本など用意しておらず、家人に家から持ってきてもらうほどのこともないと考え、これといった読書もしていません。
これに対し、2回目は、前夜来の不調から「おそらく再発している」と覚悟しながら主治医の外来を受診しましたので、持参したカバンの中に、かねて読みたいと考えていた『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』をしのばせておくことを忘れませんでした。
そして、2回目の退院時に、手術を受けるための入院日として予約した2月28日に病院に向かう際に持参したのが『「表現の自由」の明日へ 一人ひとりのために、共存社会のために』と『日本国憲法』(長谷部恭男解説/岩波文庫)だったのです。
従って、私が構想している「入院読書日記」で取り上げる書籍は、2回目と3回目の入院時に読んだものです。
正直、ブログ「毎日更新」などを続けていると、まとまった読書の時間などなかなかとれないもので、『いま 日本国憲法は』も、『「表現の自由」の明日へ』も、刊行前からAMAZONで予約して入手していたものの、気になりながら読めていなかった本でした。
それが、度重なる入院のおかげで(ブログの更新が止まった一方)一気に読めたのですから、皮肉なものですね。
なお、以下の読後感については、敬体ではなく常体で書いています(この方が書きやすいような気がしただけで、他意はありません)。
入院読書日記(1)
『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』
小林武・石埼学 編
2018年11月3日 第1刷発行
定価 3,000円+税
1992年5月30日に初版第1刷が発行されて以来、定期的に内容を刷新してきた憲法教科書の第6版。編者は、初版から第5版までが小林武氏(沖縄大学客員教授)と三並敏克氏、そして、今回の第6版から小林武氏と石埼学氏(龍谷大学教授)となった。
本書のそもそもの成り立ちは、「私たち執筆者一同に共通するものは、歴史の進歩につねに貢献している日本国憲法を愛する心であるが、そうであるのも、1991年に還暦を迎えられた立命館大学教授山下健次先生に学部および/または大学院において薫陶を受けたことによるといえる。」(初版のはしがき)とあるとおり、当初は同門の研究者が協力して作り上げた憲法教科書であったことが分かる。「(山下)先生は、2003年、本書の3版と4版の間に、病を得て73歳で帰らぬ人となられた。」(第6版はしがき)とのことなので、この第6版の執筆者全員が立命館の山下教授門下かどうかは不明ながら、初版以来の基本的な理念を尊重しながら内容をアップツーデートするという編集の方向性を理解した上で適切な原稿を分担執筆するという、共著教科書を充実した内容とするために必須の基盤を確保する上で、基本的に同門の研究者が執筆するという伝統は、有効に機能しているのではないかと思える。
初版以来の本書の特色は(各版の「はしがき」を通読したところ)、つまるところ、以下に引用する「初版のはしがき」に書かれた理念に集約されていると思われる。
「本書では、今日の現実の問題-憲法政治の「現点」-を、憲法がその出発においてかかげ、その後も変わることなく脈打っている精神-憲法の「原点」-から照らし出し、それを検証することを試みた。そのため、第一部では、序論として、日本国憲法の全体について、現在の憲法学上の主要な論点のすべてを一応は網羅する形で、小林(武)が叙述し、それを前提にして、第二部の本論において、7名の執筆者が、各々今日的テーマを、たんなる解説の域を超えて自由に論じることにした。」(初版のはしがき)
今回の第6版においても、「第1部 日本国憲法をデッサンする」(1~101頁)は小林武氏の単独執筆であり、「憲法の歴史や基本原理を概説したうえで、近代憲法の2大領域である人権保障と統治機構について、主要な論点をほぼカバーする形で叙述している」(第6版1頁)。
これに対し、第6版では、第2部以降に大きな変革が加えられている。「第2部 日本国憲法の眼で政治を検証する」(103~209頁)を、従来の「論文調」から、事案とその解説からなるケーススタディ形式に変更した他、「第3部 権利実現の現場と日本国憲法-実務家との対話」(211~286頁)が新設されている。とりわけ第3部を設けた意図について、編者は以下のように説明している。
「第3部は、憲法の教科書としては大変にユニークなものであるが、日々の仕事の中で憲法の趣旨を具体的に実現させようとしている実務家と憲法研究者の対話である。第3部のねらいは、とくに憲法の初学者に、だれもが尊重されるべき個人(憲法13条)としてその生を全うできるように日々尽力している専門職(養護学校教員、精神保健福祉士、弁護士)にそれぞれの現場の実情や苦労やそこで働く意義等を示してもらい、憲法研究者がそれに若干の解説を付することにした。とくに憲法の初学者には、いきなり抽象度の高い憲法論に接するまえに、この第3部の憲法の諸条文の趣旨が具体的に活用されている現場の描写を一読していただくことを薦める。」(第6版はしがき)
さて、以下に私の読後感を述べたいと思うが、何を言うにも、本書は憲法の教科書である。悪戦苦闘の末にようやく司法試験に合格した1986年から既に33年近くが経過しようとしているが、2年間の司法修習中にも、また弁護士としての実務に就いた後も、ついぞ憲法の教科書を「通読」したことはなかったので、病院のベッドに横になりながら本書を読み通したことは、実に「新鮮」な体験であった。
もっとも、司法試験合格後も、憲法の教科書・基本書を「参照」したことならもちろん何度もあるし、「通読」に近い経験としては、昨年、「ファクトチェック:芦部信喜教授は東京大学で「立憲主義」を教えなかったのか?~『国家と法Ⅰ 憲法』(放送大学印刷教材)から検証する」というブログを書くために、芦部教授が東京大学を定年退職した後の1985年に、放送大学での講義のためのテキストとして書いた(東大での講義録を基に弟子に書いてもらった草稿に手を入れて完成した)教科書を入手し、ざっと斜め読みしたことならある。
しかし、まさに現役の学部の学生を主たる対象として書かれた最新の憲法教科書を熟読するという、おそらく今後もう二度とないかもしれない経験ができたのは有意義だったと思う。
第1部 日本国憲法をデッサンする
第Ⅱ章 基本的人権の保障[小林 武]
第Ⅲ章 統治機構―人権確保のための政治のしくみ[小林 武]
第2部 日本国憲法の眼で政治を検証する
第Ⅰ章 平和憲法の「いま」
2 安全保障関連法と9条3項加憲論[近藤 真]
3 沖縄:基地のまちの学校-安保条約のいま[小林 武]
第Ⅱ章 人権のすがた
1 公共空間[成澤孝人]
2 アーキテクチャ,人,プライバシー[上出 浩]
3 障害者に対する合理的配慮[石埼 学]
4 堀の中の選挙権―成年者による普通選挙の番外地[倉田 玲]
5 日の丸君が代[成澤孝人]
6 学問の自由と軍事研究[近藤 真]
7 規制緩和―財産権,営業の自由[坂田隆介]
8 健康で文化的な最低限度の生活とは―生活保護基準の切り下げ[坂田隆介]
9 「貧困の連鎖」の解消のために―教育の機会均等[彼谷 環]
10 広がる同性パートナーシップ―家庭生活における両性の平等[彼谷 環]
第Ⅲ章 統治のかたち
1 天皇制[成澤孝人]
2 「女性議員を増やす」という政策―「全国民の代表」と「男女平等」[彼谷 環]
3 2つの県でも1つの選挙区―全国民を代表する参議院議員[倉田 玲]
4 53条要求の無視―国会と内閣[成澤孝人]
5 「強行採決」―司法審査の限界?[坂田隆介]
6 森友公文書改ざん事件―内閣の対国会説明責任[石埼 学]
8 憲法改正[石埼 学]
第3部 権利実現の現場と日本国憲法―実務家との対話
[現場:竹村直人][憲法:上出 浩]
2 自分を大切にすること―精神保健福祉と憲法
[現場:塩満 卓][憲法:石埼 学]
3 労働者の権利を大切にすること―司法による労働者救済と憲法
[現場:大河原壽貴][憲法:坂田 隆介]
私は、はしがき、目次、索引などを含めれば300頁余りのこの教科書を、「はしがき」の助言(先に引用した部分)に従い、第3部⇒第2部⇒第1部⇒目次⇒初版から第6版までの全ての「はしがき」の順序で通読した。
読み終わった時点でもまだ退院できなかったため、さらに第3部をもう一度読み、さらに第1部も2回読んだところで退院となった(従って、第2部は一度しか読んでいない)。
以下は、その上での感想をアトランダムに書き留めたものである。
本書が第6版で初めて試みた「実務家と憲法研究者の対話(といっても、対談形式で書かれている訳ではない)」(第3部)は、実務家のはしくれである私にとっても、非常に興味深く読み進めることが出来たし、教えられることの多い3編であった。
特別支援教育、精神保健福祉、労働者救済という3つの「現場」で、憲法の条文や理念がどのように活かされているのか、また逆に、日々の「現場」での実践から、憲法を照らし出し、関連条文をどのように解釈し、「現場」にフィードバックしていくべきかという循環過程を、自ずから読者に考えさせてくれる絶好の教材であると思う。
編者は、「憲法の初学者」(その多くは学部の学生であろう)に、まず第3部から読むことを推奨しており、それに異を唱えるつもりは毛頭ないが、私としては、「憲法の初学者」ではない社会人読者にこそ、第3部から読み始めることをお薦めしたい。
「憲法の初学者」にとっても、自分なりの社会体験はあるだろうし、それを踏まえて、第3部で取り上げられた3つの「現場」についての想像力も働くとは思うが、やはりより多くの経験を積み重ねてきた社会人読者にこそ、各「現場」の問題点が端的に伝わり、それとの関連で憲法をどう捉えるかについての高い問題意識も期待できるのではないか。もっとも、こう考えるのも、私が50代になってから放送大学(教養学部)の現役学生となり、生涯学習について興味を持ち続けているという特殊事情によるものかもしれないが。
もちろん、初学者にとっても非常に刺激的で、憲法を学ぶ導入部としての役割を十分に果たしてくれることは間違いないと思う。
なお、具体的な事例から憲法を考えるためには、判例を通して学ぶというメソッドもあり、そのための教材も豊富に出版されているようである。しかし、判例として残る事件はそれぞれに特殊個別性を有しており、必ずしも日本国憲法の「いま」を検証するのにふさわしいとは限らないことから考えると、本書第3部のような「実務家と憲法研究者の対話」は、本書のタイトル『いま 日本国憲法は 原点からの検証』を実現するための最も適切なスタイルなのかもしれない。
私には、現在、日本の大学でどのようなタイプの憲法教科書が使われているのかについて知識の持ち合わせが全くないため、本書の第3部と類似した試みを行っている類書があるのか否かは不明であるが、第6版に至って、「実務家と憲法研究者の対話」(第3部)を新たに設定したことは、「今日の現実の問題-憲法政治の「現点」-を、憲法がその出発においてかかげ、その後も変わることなく脈打っている精神-憲法の「原点」-から照らし出し、それを検証する」という初版が掲げた編集理念をより良く実現する、素晴らしい企画であったと賞賛したい。
ただ、そうすると、第2部と第3部の棲み分けというか役割分担をどう考えるのか?という問題がありそうに思う。
「第2部 日本国憲法の眼で政治を検証する」(とりとりわけ「第1章 平和憲法の「いま」」と「第2章 人権のすがた」)で取り上げられた各テーマについては、「権利実現の現場と日本国憲法―実務家との対話」でも取り上げることが十分可能なテーマではないかという気がする。
しかし、何をいうにも、教科書として許容される頁数に限りもあり、全て「実務家との対話」にするという訳にもいかないし、また、その必要もないだろう。もっとも、第2部、第3部で取り上げた各テーマを全て「実務家と憲法研究者の対話」でまとめた本があっても興味深いとは思うが、それは本書とは別企画だろう。
その第2部では、平和、人権、統治の3セクション、合わせて22のテーマが取り上げられている(内容は先に引用した目次を参照されたい)。選択されたテーマは、まさに日本国憲法の「いま」の姿を浮かび上がらせるために不可欠なものばかりである。
社会人読者であれば、自らの関心に従って、気になるテーマから読み進めていけばよいのであるが、指定教科書として購入した学生は、はたしてこの第2部をどのように読むのだろうか、と思いながら、私は第2部を通読した。
高校時代にこれらのテーマについて何の関心も持っていなかった学生が、いきなりこの第2部を読んで、はたして何を思うだろうか?さらに詳しいことを知りたいと考え、インターネットや図書館で知識を深めようとするだろうか?自分の学生時代(40年以上前だが)を振り返ってみると、とてもそんな姿は思い浮かばないのだが。
とはいえ、22全てのテーマについて、さらに深めた学習を志す学生などいるはずがなく、とりあえず、問題の所在についてのざっとした知識を身に付けた上で、この内1つでも2つでも、継続して関心を持ち続けるテーマを見つけてもらえれば、編者の目的は十分に達成されるということかもしれず、そのように理解すれば、分担執筆された22の解説は、その目的に適った論考が集められているというべきだろう。
私は、第3部、第2部を読んだ後、最後に「第1部 日本国憲法をデッサンする」を読み進めた。実は、初版以来の編者である小林武氏が執筆された約100頁の憲法概説を読んだ印象は、1回目と2回目では相当に異なるものだった。
小林氏は、この短い「デッサン」の中で自説を明確に主張することをためらっておらず、それ自体は評価するし、同氏の学説の多くには共感できるものの、
〇明治憲法の評価が低すぎないか?
〇象徴天皇制の評価についても全面的には賛同できない。
などということにひっかかっていたのであるが、(退院まで時間があったので)2回目に読んだ際には相当に印象が変わっていた。
といっても、個々の学説についてのことではなく、わずか100頁の中に、憲法全体のエッセンスを一貫した基準点に立ちながら叙述するという、一種の「力業」が見事に達成されているというもので、これは誰にでも書けるものではない、と言っては失礼極まりないかもしれないが、そのような感想を持った。
なお、本書1冊を精読しただけで司法試験に挑む人はいないと思うし、司法試験のためには、深めるべき知識がもっと必要である(平成30年度の司法試験問題)。
しかし、合格のために必要な知識は知識として、基本的な憲法の理念は、本書を熟読することによって十分身に付けることができるのではないかと思われる。
しかし、合格のために必要な知識は知識として、基本的な憲法の理念は、本書を熟読することによって十分身に付けることができるのではないかと思われる。
ただ、本書をスタート台として、さらに発展的な学習に結びつけるのに有益な参考(推奨)文献の、しかも編者による簡単なコメント付きのリストがあればなお良かったとは思うが、頁数に限りがある中では難しかったかもしれない。それに、読むべき文献を探索すること自体「学び」の重要な手段であることを思えば、そこは読者の自主性に委ねることにも理由があるとも考えられる。
以上、雑駁な感想を書き連ねたが、入院という偶然の機会があったからではあるが、新鮮な気持ちで憲法の教科書を通読できたのはまことに幸いであった。
(弁護士・金原徹雄のブログから/小林武氏関連)
2014年10月5日
2014年10月18日
(弁護士・金原徹雄のブログから/石埼学氏関連)
2015年5月29日
龍谷大学・石埼学教授による日本国憲法講義「平和主義と安保法制」を受講しよう
2016年2月10日
石埼学(いしざきまなぶ)龍谷大学法科大学院教授(憲法学)講演会へのお誘い~4/2「守ろう9条 紀の川 市民の会」@和歌山市
2016年4月2日
石埼学龍谷大学法科大学院教授の講演をレジュメから振り返る~4/2「守ろう9条 紀の川 市民の会」第12回総会から
2016年4月5日
2016年9月11日
2018年8月4日
「原発がこわい女たちの会ニュース」第105号が届きました~とりあえずこれで休刊
2019年2月17日配信(予定)のメルマガ金原.No.3407を転載します。
「原発がこわい女たちの会ニュース」第105号が届きました~とりあえずこれで休刊
なお、「原発がこわい女たちの会」の公式ブログには、既にNO.105号がアップされています。
松浦さんが書かれた今号の編集後記に、「私個人としましては今回で会の活動・ニュース発行は終わりにさせて頂きます。」と書かれていて、最初にそれを読んだ時には少なからぬ驚きを感じましたが、「毎日更新」していた私のブログも、先ごろ(1月25日)いったん更新が途絶え、その後も4本ほど、簡単な記事を書いただけという状況の中に届いた知らせであっただけに、「なにごとにもいつか終わりは訪れる」という、ある種の達観から納得してしまう部分もあります。
私のブログ「毎日更新」の中断は、主として私の体調問題が原因でしたが、松浦さんの場合、「原発がこわい女たちの会」の創立時(1987年)の共同代表であった汐見恵さんがお亡くなりになったことも、決断のきっかけの1つになったのかもしれません。
ブログを続けるかどうかなど、私1人だけの決断で何とでもなりますが、30年以上の歴史と伝統を有し、大きな成果をあげてきた「原発がこわい女たちの会」のような組織の「仕舞い方」というのは難しいものでしょうね。
松浦さんも、「有志の方で後のことは考えて頂ければ幸いです。」と書かれているとおり、「自分たちが引き継ぐ」という「有志」が現れれば、会としての存続はあり得るという含みは残しつつ、とりあえずの休会宣言と私は受け取りました。
もちろん、これで松浦さんが反原発の活動から身を引くということではなく、「残された時間を考えるとやり残したことが沢山あります。何もできないかもしれないけど、一つでもいいから自分に納得できる努力をしたいと思います。」(松浦さんから金原宛メールより)というお言葉に、私自身、残された時間を考えざるを得ない年齢・健康状態にあるということもあって、心から共感しました。
松浦さん、まことにお疲れ様でした。今後ともよろしくお願いします。
原発がこわい女たちの会ニュース NO.105号・2019年2月11日発行
原発がこわい女たちの会ブログ http://g-kowai-wakayama.seesaa.net/
2019年2月5日汐見恵さんが87歳でお亡くなりになりました。
ご冥福をお祈り致します。
汐見恵さんには「原発がこわい女たちの会」結成時(1987年)に共同代表を引き受けて頂き、「何としても原発を止めたい女たち」が、慣れない反対運動を汐見宅の応接間から手探りではじめたのでした。その2か月後に和歌山県のネットワーク「紀伊半島に原発はいらない女たちの会」結成が田辺市であり、各会の代表がそれぞれ共同代表で活動されました。和歌山の原発闘争の一番の山場を会の代表として活動されました。一緒に行動できた上に止める事ができた私たちは幸運でした。チエルノブイリの子どもたちを迎えた時も、LNGを考える関電株主の会の時も世話人会は汐見さん宅の応接間でした。恵さん本当にありがとうございました。
この写真は2009年10月16~17日の2日間栃木県の足利工業大学で開催された「第10回風力エネルギー利用セミナー」に参加された汐見文隆・恵夫妻です。(文隆氏は2016年3月20日に92歳で亡くなられています。)これがご夫婦御一緒の最後の旅行になりました。この写真は一緒に参加した松浦が撮影したものです。(写真は2009年10月28日発行の女の会ニュースNO.70号より)
中間貯蔵施設の問題
豊かな海・山・川を子どもたちや孫たちに残そう
それが今を生きる私たちの使命だとして
2018年7月29日「核のゴミはいらん日置川の会」
2018年9月9日「核のゴミはいらん白浜の会」
が結成されました。
今までの経過
2018年2月20日 「和歌山に中間貯蔵施設はいらない」として小山英之氏の講演会を和歌山市でも開催。市民連合わかやまと子どもたちの未来と被ばくを考える会が共催、上岩出診療所・原発がこわい女たちの会協賛。
2018年4月16日 避難計画を案ずる関西連絡会(199団体)が「温泉観光とパンダの町・白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう使用済核燃料の「中間貯蔵施設」は受け入れないとの意思をあらかじめはっきりと表明してください」と白浜町長に要望書を提出する。京都、兵庫、大阪から9名参加。和歌山の5人も立ち合う。
※写真は白浜町庁舎前での参加者一同
2018年7月29日 「核のゴミはいらん日置川の会」結成総会を日置川拠点公民館で開く。100名参加
※写真は日置川拠点公民館で開催された「核のゴミはいらん日置川の会」結成総会
日置川の海岸沿いに関西電力及び関連会社所有の土地 合計約62ha。
⇒この土地について今後も注視
2018年8月23日 生活協同組合コープ自然派脱原発ネットワーク(京都)「和歌山の農業や漁業を守るため、また、安心して、白浜に旅行できるよう、使用済み核燃料の中間貯蔵施設を絶対に受け入れないと表明をして下さい。」という要望書を白浜町に提出した。
大阪、京都、奈良、兵庫の各府県から18人が参加林副町長に手渡した。
※紀伊民報の報道
2018年9月6日 請願呼びかけ人20名による、白浜町議会へ「使用済み核燃料の中間貯蔵施設を受け入れないことを求める請願書」(853名署名)提出。
「核燃施設「協議する考えない」 白浜町長が表明
和歌山県白浜町の井澗誠町長は6日、原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設の受け入れについて「将来的に(電力)事業者などから申し入れがあったとしても協議をする考えはない」と述べた。これまでの議会で「申し入れがない中で受け入れは考えていない」などと述べていたが、拒否する姿勢を明確にした。
施設を巡っては、県外を含む複数の住民団体から「受け入れないことの表明」を求める要望書が町に出ていた。
井澗町長は、町議会9月定例会で、提出した案件を説明する前に「これまでも受け入れる考えはないと申し上げてきたが、不安を感じている方もいらっしゃると聞く。この際、真意を伝えるのが責務と考え、改めて私の考えを申し上げる」と切り出した。」(紀伊民報2018年9月7日)
※弁護士・金原徹雄のブログ「白浜町議会(2018年9月6日)で使用済み核燃料中間貯蔵施設を受け入れる意思のないことを表明した井澗(いたに)誠町長の発言全文(書き起こし)」
2018年9月9日 「核のゴミはいらん白浜の会」設立総会を富田農業研修会館で開く。110名参加
2018年11月8日 白浜町立白浜会館で小泉純一郎元首相の「原発ゼロ・核のゴミいらん」~日本の歩むべき道~をテーマに講演会が開催された。「原発ゼロ」と「核のゴミ」を考える会、「核のゴミはいらん白浜の会」、「核のゴミはいらん日置川の会」の3団体の共催。小泉さんは無料で来てくれたそうです。主催者が途中で1500人参加と報告。
福井県は2020年を念頭に県外候補地を示すよう求めている、と繰り返すばかり。
東電刑事裁判いよいよ結審
【東電刑事裁判(東電福島原発刑事訴訟)とは?】
2011年6月に福島県民1,324人、11月に全国の13,262人が、東電幹部や経産省保安院幹部などを、原発事故を予測できたのに対策を怠って事故を発生させたとして、検察庁に刑事告訴しました。検察庁は2度にわたり全員不起訴の処分を出しましたが、市民からなる検査審査会が2度、起訴をするべきという議決を出し、勝俣恒久東電元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の3人が強制起訴されました。2017年6月30日の初公判以来36回開かれ、2018年12月26日に論告・求刑、27日に被害者代理人の意見陳述が行われました。今年の3月12日・13日には元経営陣の弁護士による最終弁論が行われ、結審となる予定です。
禁錮5年を求刑
検察官役の指定弁護士
東京電力・旧経営陣の刑事責任を認める判決を!!
勝俣元会長らは、「自分には権限が無い」「報告された記憶は無い」「事故の責任は無い」などと主張。事故の3年前に15m超と計算された津波への対策に奔走していた社員の証言や、数々の証拠と矛盾しています。
このような多くの被害を引き起こした原発事故の刑事責任を、誰も問われないことがあってはなりません。
東京地裁・永渕健一裁判長に、東電旧経営陣の刑事責任を認める判決を求めます!
福島原発刑事訴訟支援団
電話 080-5739-7279
Eメール:info@shien-dan.org
ウェブサイト:https://shien-dan.org/
厳正判決を求める全国集会
もう二度と悲惨な原発事故が起こらないように
責任のある者がきちんと裁かれなければなりません
厳正な判決が下されるよう求めていきましょう!
日程…2019年3月10日(日)
時間…14:00~16:30(開場13:30)
会場…専修大学神田キャンパス7号館(大学院棟)3階731教室
地下鉄神保町駅より徒歩3分
内容…刑事裁判の報告、原発事故被害の報告
2019年3月12日(火)第37回公判期日
東京地裁104号法廷 10:00開廷
並行院内集会(参議院議員会館講堂)
11:00~16:00頃(昼休憩をはさむ)
14:00~16:00 井戸謙一弁護士「司法と原発-刑事裁判の意義」
*裁判終了後、同じ会場で公判報告会を行います。
2019年3月13日(水)第38回公判期日
東京地裁104号法廷 10:00開廷
※裁判終了後、公判報告会を行います(参議院議員会館B103)。
海渡雄一著 支援団・告訴団監修の新刊が出ました!
『東電刑事裁判で明らかになったこと 予見可能だった原発事故はなぜ起きたか』
A5版/96ページ/並製
価格:1,000円+税
出版:彩流社
ISBN978-4-7791-2535-5 C0036
手術を受けて甲状腺がんと確定した人は166人となりました。
2018年12月27日
ここに書かれている数字はあくまで福島県「県民健康調査」検討員会の管轄下の数字であって、漏れているのもありますし、県外は入っていません。白石草さんの特定非営利活動法人[ourplanet-tv]のまとめの部分を転載します。
混迷する福島の甲状腺検査~専門家が2時間半議論
投稿者:ourplanet 投稿日時:水, 12/26/2018 - 01:26
福島第一原発事故後、福島県が実施している「県民健康調査」あり方を議論している検討委員会の第33回目会合が27日、福島市内で開催された。甲状腺検査について集中的に取り上げ、インフォームドコンセントのあり方や学校検診などのめぐり、約3時間にわたって議論した。検査により穿刺細胞診で悪性ないし悪性疑いと診断された患者は5人増えて207人(うち一人は良性結節)。手術を受けて、甲状腺がんと確定した患者は2人増えて166人となった。
一方、福島県は今月13日、県議会の公安福祉委員会で、「甲状腺検査サポート事業」により医療費の交付を受けた患者233人すべてが甲状腺がん(疑い)であるとの答弁したことについて、県民健康調査課の鈴木陽一課長は、答弁は誤りだったと述べ、甲状腺がんは77人だと修正した。
甲状腺検査サポート事業の要項によれば、同事業に「申請できるもの」は「甲状腺がん(疑い)」の医療費」に限定されている。また申請者向けの「Q&A」でも、甲状腺がん以外の甲状腺疾患は対象にならないと記載されており、今後、医療費の交付を求める患者に混乱が生じる恐れがある。
県民健康調査甲状腺検査サポート事業について
投稿者:ourplanet 投稿日時: 金, 10/26/2018 - 10:36
原発事故当時18歳以下だった子どもを対象に行われている福島県の甲状腺検査をめぐり、検査結果を評価している第11回目「甲状腺評価部会」が開かれ、次回以降、被曝と甲状腺がんとの関係を検討することが決まった。
解析を行うのは、国連科学委員会(UNSCEAR)が2013年に公表した市町村別の甲状腺被曝線量と福島の県民健康調査で見つかっている甲状腺がんの数との関係。UNSCEARが推計している市町村別データをもとに線量ごとのグループを作り、甲状腺がんの数との関係を検討する。次回にデータを公表し、来年11月までに報告書をまとめる。
2巡目の解析は実施せず~当初計画は断念へ?
チェルノブイリでは、事故後4年以降に甲状腺がんが増えたとして、福島県の甲状腺検査では、2011年から13年にかけて実施した1回目の検査を「先行検査」と位置づけ、2巡目以降のデータと比較する予定だった。しかし、2015年3月に1巡目のデータをもとに「中間とりまとめ」を公表したまま、2年以上の間、2巡目に関する解析も新たな分析も実施していない。
鈴木元部会長は、新たな解析が必要との姿勢を示す一方、1巡目と2巡目を比較する「輪切りの研究はしない」と明言。1巡目と2巡目の甲状腺がんの数を積算したうえで、UNSCEARが公表している市町村別の甲状腺被曝線量と照合し、「Dose-Respons(線量-効果)」関係に基づいて被曝影響を確認していくとの考えを示した。市町村の人口の差が大きいことから、線量ごとにグループなどを作って比較するという。
「同意書」や「学校検診」をめぐる激論
この日の部会では、ほかに学校検診や検査を受ける際のインフォームドコンセントをめぐり、委員同士で激しく意見が対立。甲状腺検査は「過剰診断を招いている」と指摘する大阪大学の高野徹委員や祖父江友孝委員が、検査の有害性をきちんと数字で示すべきとの考えに対し、神奈川予防医学協会の吉田明委員や、帝京大学ちば総合医療センターの南谷幹史委員など甲状腺の臨床医が反発し、「死亡率ではなく、QOLをあげることが大切」「そのまま放置すれば危険」といった意見が相次いだ。
また高野委員が海外の論文をもとに、米国では、超音波検査ではなく触診が推奨されていると主張すると、鈴木部会長が「文献の読み方にバイアスがかかっているのではないか」とチクリ。南谷委員は「触診は甲状腺を専門とする医師でないと難しい。超音波は侵襲性が低く、これほど適切なものはない」と述べると、伊藤病院の加藤良平委員は「この検査を一般のがん検査と比較するのが間違っている。チェルノブイリで甲状腺がんが多いことを背景にスタートした。将来の子どもたちをどうにかしたいと思ってやっている。子どもの甲状腺がんのフォローアップデータはほとんとない。大人の甲状腺がんとは分けて考えるべき」と指摘した。
配布資料
原発事故国民が払うツケ
福島の事故での賠償や廃炉、除染などの費用の総額は、国の試算で21.5兆円に膨れている。これからも国民負担は、なし崩し的に増えて行きます。
国は2015年から原賠法改正の議論を始めたが結局、責任明確化の結論が出ず、賠償準備の上限額が据え置きになった。
原子力損害賠償法が2011年の事故後初めて改正かと思いきや、被災者にすぐ賠償できるよう国が電力会社に融資する制度が出来た、と政府は言っているが、当初検討されていた電力会社が支払う賠償に上限を設けて国の責任を明確にする案や、電力会社に保険などで準備させる額の引き上げは見送られた。ゼロ改正に等しい。(2018年12月)
~福島第一原発事故から8年~
「原発のない社会をどう創る?今、私たちにできること」
日時:2019年2月17日(日)14:00~16:30
場所:県民交流プラザ和歌山ビック愛9階 会議室C
講師:末田一秀氏(はんげんぱつ新聞 編集委員)
主催:子どもたちの未来と被ばくを考える会
「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2019」
日時:2019年3月10日(日)10:00~16:00 参加無料
「3・21さようなら原発全国集会」
日時:2019年3月21日(木・祝)
場所:代々木公園B地区
11:00 出店ブース開店
12:30 開会 野外ステージ
13:30 発言
15:10 デモ出発
汐見恵さんが亡くなったと娘さんから電話を頂いたのは2月5日の夜でした。元気でお正月も3人の娘さんと過ごしたそうです。当日もお昼ご飯に好物のカレーを食べてその後休まれてそのまま亡くなられたそうです。原因が分からないそうです。
私は何度か面会に行ったのですが、今年は流感のシーズンが過ぎてからと思っていました。昨年はこの時期面会できませんでしたから。もう一度お会いしときたかった。公私ともに長いおつき合いをしていただきました。
お葬式は家族葬でした。私はお通夜、告別式に参列させて頂きました。恵さんのお顔がとてもきれいでした。
2001年5月に泉谷富子さんが亡くなられて、それまで代表2人で開会のあいさつは汐見恵さん。終わりの挨拶が泉谷富子さんということになっていました。女の会結成から14年間。裁判にも大阪まで2人で行って下さっていました。女の会のニュースの発送から始まって、ひじきの袋づめなど3人で作業したのを思い出しながら、汐見恵さんは泉谷富子さんが亡くなられた時、とても気落ちしているように私は思っていました。女たちの会ニュース47号には泉谷富子さんを偲ぶ恵さんの文章が残っていますがその後のニュースの中に恵さんの文章がありません。
その後も会の講演会(2011年2月まで)には汐見先生とお二人で参加していただいていました。
恵さん長い間本当にありがとうございました。
(記)福島第一原発事故から8年経ちました。9年目、まだまだ問題が山積しています。私個人としましては今回で会の活動・ニュース発行は終わりにさせて頂きます。昨年から会費も徴収しておりません。4人の方が会費を送って下さっていますが今回のニュース発行郵送代に使わせていただきたいと思います。有志の方で後のことは考えて頂ければ幸いです。
2019年2月11日 松浦雅代
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2019年2月12日配信(予定)のメルマガ金原(暫定版)番外編を転載します。
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1月26日から左気胸のために入院し、からくも手術を免れて同月30日に退院したことは、既にお知らせしたとおりです(近況報告~今後のメルマガとブログについて/2019年1月31日)。
その後は、2月7日と11日に2回更新しただけで、以前のような「毎日更新」はやはり当分無理なようです。
業務復帰後は、極力午後8時までには帰宅し、日付が変わらぬうちに就寝することを心掛けており、この「生活改善」を当分継続しようと思うと、自ずから、ブログに割ける時間も限られるという次第です。
それでも、色々と発信したい情報もありますし、過去に書いたブログの中で、今でも読んでいただく価値があるのではないか思える「アーカイブ」も紹介したいしということで、今は、Facebookを主要なツールにしています。ブログを書くのに比べれば、Facebookの方が圧倒的に短い時間で発信できますしね。
基本的に、私はFacebookは「公開」設定で書いています(つまり、「公開」をはばかるようなものは書かない、ということです)ので、事実上、ブログの簡略版のようなものです。
ただ、過去に書いた記事を探すのは、ブログの方が圧倒的に有利ですから、一長一短ですけどね。
ということで、私のFacebookを「お気に入り(ブックマーク)」に登録して、折々閲覧していただければ幸いです。
改憲4項目の危険性を知り 改憲阻止の闘いを展望する~和歌山障害者・患者九条の会学習会(2019年2月11日)レジュメ
2019年2月11日配信(予定)のメルマガ金原.No.3406を転載します。
本日(2月11日)午後1時から、和歌山市ふれ愛センター3階研修室1において開催された和歌山障害者・患者九条の会学習会で、「改憲4項目の危険性を知り 改憲阻止の闘いを展望する」というテーマでお話させていただきました。
同会からご依頼があったのが昨年12月半ば頃で、2か月近い準備期間があるので、お話する内容の構成も、一から考えられるのではないか、などと考えて安請け合いしたものの、それから1月19日の「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19和歌山県民のつどい」までの1か月間は、「つどい」の準備に明け暮れ、なかなか一からレジュメを書くどころではなくなっていきました。
それに、同会でお話する際には、視力障害者用にレジュメを点字訳する必要があるため、通常よりも主催者にレジュメの原稿をお送りする締切が早いという事情があったものですから、過去の学習会で使ったレジュメの増補改訂版でいくしかないなと、1月に入ってからは覚悟していたのですが、そこに降って湧いたような左気胸による緊急入院で、もしも手術というようなことになったら、学習会の講師を誰かに代わってもらうしかないだろうが、誰に頼もうか?Y先生なら手堅いけれど、日程が空いているかな?もっともY先生は、昨年も、和歌山障害者・患者九条の会で講師を務めているが・・・とか、いろいろ思い悩んだのですが、幸いにも手術をせずに退院できて、今日の学習会の講師を無事務めさせていただいたという次第です。
もっとも、退院したのがレジュメ締切の前日であったため、いかに増補改訂版とはいえ、翌日に送るのは無理で、主催者のご理解を得て何日か遅れでお送りしたレジュメが、参加者のために用意されていました。
今回のレジュメのベースとしたのは、昨年(2018年)10月21日に和歌山県伊都郡かつらぎ町のかつらぎ体育センターで開かれた憲法9条を守る伊都・橋本連絡会が主催する第10回 伊都・橋本9条まつりにおいて、「これからの9条改憲NO!の闘い」と題してお話した際のレジュメです。
時間もなかったため、基本の骨格はそのままで、何箇所かに手を入れたというようなものなので、わざわざブログでご紹介するほどのものではないのですが、私自身の備忘録代わりにアップしておきます。
なお、基本的にはレジュメの記載に従ってお話させていただきましたが、最後の〆として、「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19和歌山県民のつどい」の最後に、9条ママnetキュッとの笠松美奈さんに朗読・提案していただいた「つどい」からのメッセージを私が朗読しましたので、以下にも該当箇所にメッセージを挿入しておきます(レジュメのPDFファイルにはメッセージはありません)。
日時:2019年2月11日(月・祝)
会場:和歌山市ふれ愛センター 3階 研修室1
主催:和歌山障害者・患者九条の会
弁護士 金 原 徹 雄
2017年5月3日
◎読売新聞朝刊インタビュー
①9条1項、2項を残しつつ自衛隊を明文で書き込む
②高等教育無償化
3月25日 自民党第85回党大会
⇒[自衛隊の明記について]
第九条の二 前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。
② 自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
(※第9条全体を維持した上で、その次に追加)
⇒[緊急事態対応について]
第七十三条の二 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときは、内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる。
② 内閣は、前項の政令を制定したときは、法律で定めるところにより、速やかに国会の承認を求めなければならない。
(※内閣の事務を定める第73条の次に追加)
第六十四条の二 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙の適正な実施が困難であると認めるときは、国会は、法律で定めるところにより、各議院の出席議員の三分の二以上の多数で、その任期の特例を定めることができる。
(※国会の章の末尾に特例規定として追加)
⇒[合区解消・地方公共団体について]
⇒[教育の充実]
3 本命は9条
憲法には、軍事組織を前提とした規定が全く存在しない。それは、日本国憲法制定時にそもそも軍事組織が存在しなかったからであるが、その後、日本が独立を回復し(1952年)、さらに自衛隊が発足(1954年)してからも、9条はそのまま維持され、自衛隊は「憲法外」の存在に置かれ続けた。言い換えれば、憲法は、自衛隊に憲法上の「正統性」を与えないということによっ て、その立憲主義的統制を及ぼしてきた。
その結果、自衛隊の存在や行動が「合憲」であることを、政府の側で常に立証(説明)しなければならないということになる。
伝統的な自民党政権下の論理は以下のとおり。
①我が国に対する急迫不正の侵害が生じ
②これを排除するために他に適当な手段がなく
③我が国に対する武力攻撃を排除するために必要最小限度にとどまる実力の行使は「武力の行使」にあたらない。(旧3要件)
自衛隊は、そのような必要最小限度の実力の範囲内にとどまるので、「陸海空軍その他の戦力」にあたらず合憲である。(2014年6月までの政府解釈)
(2)ところが、2014年7月「閣議決定」、15年9月「安保法制」制定
①我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において
②これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに
③必要最小限度の実力を行使することは合憲である。(新3要件)
⇒安保法制型自衛隊
(3)自衛隊明記の真の目的とは
①「後法は前法を破る」(ローマ法以来の法格言)
9条をそのまま残しても、それと矛盾する9条の2が新設されれば、9条は上書き消去されることになる。
(4)「必要最小限度」に惑わされてはならない
② 自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。」
同党憲法改正推進本部は、「「条文イメージ(たたき台素案)」をたたき台とし、衆参憲法審査会や各党・有識者の意見や議論を踏まえ、「憲法改正原案」を策定し国会に提出する。」と明言している。ここで言う「各党」が、主に公明党や日本維新の会を念頭に置いていることは疑いなく(今なら、国民民主党の一部もか)、上記別案が、「各党」とのネゴシエーションの末に(「落としどころ」として)、「憲法改正原案」として復活する可能性はあり得る。
ちなみに、「必要最小限度の」という文言が入ったとしても、「何のための」必要最小限度なのかが問題であって、「我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つため」では何の限定にもならない。
4 緊急事態条項は不要であるばかりか有害で危険
(1)濫用への歯止めがなく、全ては「法律で定めるところにより」
(2)自然災害に限定されていない
(3)国会議員の任期延長は無用かつ有害
(4)自然災害への備えは法律で十分
(5)世界中の憲法に「緊急事態条項」があるというけれど、「緊急事態条項」は戦争をするためのもの
5 合区解消と教育について
6 草の根「改憲に向けた動き」
(1)「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の1000万人「署名」
彼らの署名用紙には、住所だけでなく郵便番号や電話番号を書く欄がある。
(2)「憲法おしゃべりカフェ」
和歌山でも開催されている(実行委員会の所在場所は県神社庁内)。
(3)全国の神社が改憲派の拠点に
7 発議させないための闘い
(1)「改憲派」とは何か?
公明党は?日本維新の会は?国民民主党は?単純で一色の「改憲派」がある訳ではない。共闘できる可能性のある者を、「改憲派」だとレッテル貼りをして、わざわざ「あちら側」に押しやる(排除する)愚は避けねばならない。
(2)世論喚起のために
①3000万人署名の達成を
②今まで話しかけたことのない層への働きかけ
③SNS活用の抜本的強化
8 もしも改憲が発議されたら?
(1)国民投票運動は誰でもできる。
(2)公職選挙法は適用されず、「買収」以外はほとんど罰則もない。
(3)投票期日前14日間はテレビやラジオのCMは流せないが、それ以外の広告は金 さえあれば何でも出来る。
(5)仮に「自衛隊明記」が発議されたら、改憲派は「もしも改正案が否決されたら自衛隊が無くなってしまう。それでもいいのか?」と国民を脅しにかかると見なければならない。従って、我々も、否決した後の自衛隊についてのイメージをしっかりと持つべきである。
[第3案]国境警備隊並みに戦力を低下させ災害救助隊機能を強化する。
(6)改憲案は「内容において関連する事項ごとに区分」(国会法68条の3)されており、その改憲案に「賛成」か「反対」かが問われる。そして、1票でも「反対が「賛成」を上回れば改憲を阻止できる(無効票は棄権と同じ扱いとなる)。
選挙では野党共闘がうまくいかない地域であっても、結論として「安倍改憲に反対」であれば、その理由は問うところではない。立憲的改憲論者の国民民主党支持者であろうが、自衛隊違憲論者の共産党支持者であろうが、専守防衛型自衛隊に共鳴する立憲民主党支持者であろうが、投票所に足を運んで「反対」票を投じてくれれば良いのである。
「改憲阻止」の共闘が不要ということではなく、その共闘の仕方が、選挙などとは大きく異なるということである。
(8)「発議させないための運動」は、基本的に「発議された後の運動」にとっても有効である。
(9)それぞれが得意な分野・方法で訴える。従来型の護憲運動にも自信を持つべき。その上で、新たな工夫を積み上げる。例えば、大坂都構想にNOの審判をくだした住民投票や、中央からの金・人・物の大量投入に抗し、様々な立場の住民の意思を結集して勝利を勝ちとった沖縄県知事選などから学ぶことも多いだろう。
(参考として)
からのメッセージ
私たちは、この「つどい」で、子どもたちや会場の皆さんと一緒に歌うために、「あの青い空のように」という曲を選びました。この曲の歌詞の1行目は、歌う者が自由に替え歌にして、自分たちの思いを歌い上げることが広く行われています。今日私たちが選んだことばは、「力を合わせよう」と「心をつなげよう」でした。
今、私たちが大事にしてきた日本国憲法が、何だかよく分からない理由で変えられようとしています。私たちが、戦争のない平和な暮らしを子どもたちに手渡すことができるのか、その瀬戸際にあるということも学びました。
私たち1人1人の力はとても小さいけれど、力を合わせれば、きっとできる。必ず子どもたちに私たちの宝物をひきつぐことができる。そのために「力を合わせよう」というメッセージを送ります。
今は幼い子どもたちも、やがては自分で周りを見わたし、自分で考え、自分の足で歩き出します。
私たちがみんなで力を合わせるためにも、お互いを理解し合い、心を通わせること、世代を超えて心をつなぐことがとても大切です。
私たちの思いを子どもたちにつなぎ、成長した子どもたちが、平和を願い、そのために自ら行動する人となるように、「心をつなげよう」というメッセージを送ります。
この「つどい」に集まった私たちは、老いも若きも、女性も男性も、互いに1人1人の人格を尊重し、平和を願い、公正を尊ぶという日本国憲法の理念を守り、より良い世界の実現のために全力を尽くすことを誓います。
2019年1月19日
「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲
1・19和歌山県民のつどい」 参加者一同
[自衛隊の明記について]
第九条の二 前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。
② 自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
(※第9条全体を維持した上で、その次に追加)
[緊急事態対応について]
第七十三条の二 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときは、内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる。
② 内閣は、前項の政令を制定したときは、法律で定めるところにより、速やかに国会の承認を求めなければならない。
(※内閣の事務を定める第73条の次に追加)
第六十四条の二 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙の適正な実施が困難であると認めるときは、国会は、法律で定めるところにより、各議院の出席議員の三分の二以上の多数で、その任期の特例を定めることができる。
(※国会の章の末尾に特例規定として追加)
[合区解消・地方公共団体について]
第四十七条 両議院の議員の選挙について、選挙区を設けるときは、人口を基本とし、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案して、選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数を定めるものとする。参議院議員の全部又は一部の選挙について、広域の地方公共団体のそれぞれの区域を選挙区とする場合には、改選ごとに各選挙区において少なくとも1人を選挙すべきものとすることができる。
② 前項に定めるもののほか、選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。
[教育の充実]
第二十六条 ①・②(現行のまま)
③ 国は、教育が国民一人一人の人格の完成を目指し、その幸福の追求に欠くことのできないものであり、かつ、国の未来を切り拓く上で極めて重要な役割を担うものであることに鑑み、各個人の経済的理由にかかわらず教育を受ける機会を確保することを含め、教育環境の整備に努めなければならない。
第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の監督が及ばない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
「憲法改正は、国民の幅広い支持が必要であることに鑑み、4テーマを含め、各党各会派から具体的な意見・提案があれば真剣に検討するなど、建設的な議論を行っていく。
「条文イメージ(たたき台素案)」をたたき台とし、衆参憲法審査会や各党・有識者の意見や議論を踏まえ、「憲法改正原案」を策定し国会に提出する。そのため、衆参憲法審査会では、これまでの丁寧な運営方針を継承し幅広い合意形成を図るとともに、国民各層への幅広い理解に努める。」
【資料2 現行憲法】
[9条]
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
[緊急事態条項]
現行規定なし
[参院選「合区」解消等]
第四十七条 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。
[教育の充実]
第二十六条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
[憲法改正]
第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の 国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
【資料3 国会法】
第六章の二 日本国憲法の改正の発議
第六十八条の二 議員が日本国憲法の改正案(以下「憲法改正案」という。)の原案(以 下「憲法改正原案」という。)を発議するには、第五十六条第一項の規定にかかわらず、衆議院においては議員百人以上、参議院においては議員五十人以上の賛成を要する。
第六十八条の三 前条の憲法改正原案の発議に当たつては、内容において関連する事項ごとに区分して行うものとする。
第六十八条の五 憲法改正原案について国会において最後の可決があつた場合には、その可決をもつて、国会が日本国憲法第九十六条第一項に定める日本国憲法の改正(以下「憲法改正」という。)の発議をし、国民に提案したものとする。この場合において、両議院の議長は、憲法改正の発議をした旨及び発議に係る憲法改正案を官報に公示する。
2 憲法改正原案について前項の最後の可決があつた場合には、第六十五条第一項の規定にかかわらず、その院の議長から、内閣に対し、その旨を通知するとともに、これを送付する。
第十一章の二 憲法審査会
第百二条の六 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査するため、各議院に憲法審査会を設ける。
3 前二項に定めるもののほか、第一項の合同審査会に関する事項は、両議院の議決によりこれを定める。
第百二条の九 第五十三条、第五十四条、第五十六条第二項本文、第六十条及び第八十条の規定は憲法審査会について、第四十七条(第三項を除く。)、第五十六条第三項から第五項まで、第五十七条の三及び第七章の規定は日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案に係る憲法審査会について準用する。
2 憲法審査会に付託された案件についての第六十八条の規定の適用については、同条ただし書中「第四十七条第二項の規定により閉会中審査した議案」とあるのは、「憲法改正原案、第四十七条第二項の規定により閉会中審査した議案」とする。
第百二条の十 第百二条の六から前条までに定めるもののほか、憲法審査会に関する事項は、各議院の議決によりこれを定める。
※102条の9の準用規定が重要
特に、56条2項本文「議案が発議又は提出されたときは、議長は、これを適当の委員会に付託し、その審査を経て会議に付する。」が準用されながら、同項ただし書「但し、特に緊急を要するものは、発議者又は提出者の要求に基き、議院の議決で委員会の審査を省略することができる。」を準用していないことは重要。これにより、憲法改正原案が提出された後、議長は必ず憲法審査会への付託を行わなければならず、憲法審査会での審査を省略することはできないことになっている。
また、102条の9第2項により、会期不継続の原則は、憲法改正原案の審査については適用されない。
【資料4 日本国憲法の改正手続に関する法律】
第二章 国民投票の実施
第一節 総則
(国民投票の期日)
第二条 国民投票は、国会が憲法改正を発議した日(国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第六十八条の五第一項の規定により国会が日本国憲法第九十六条第一項に定める日本国憲法の改正の発議をし、国民に提案したものとされる日をいう。第百条の二 において同じ。)から起算して六十日以後百八十日以内において、国会の議決した期日に行う。
(投票権)
第七節 国民投票運動
(公務員の政治的行為の制限に関する特例)
第百条の二 公務員(日本銀行の役員(日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第二十六条第一項に規定する役員をいう。)を含み、第百二条各号に掲げる者を除く。以下この条において同じ。)は、公務員の政治的目的をもって行われる政治的行為又は積極的な政治運動若しくは政治活動その他の行為(以下この条において単に「政治的行為」という。)を禁止する他の法令の規定(以下この条において「政治的行為禁止規定」という。)にかかわらず、国会が憲法改正を発議した日から国民投票の期日までの間、国民投票運動(憲法改正案に対し賛成又は反対の投票をし又はしないよう勧誘する行為をいう。以下同じ。)及び憲法改正に関する意見の表明をすることができる。ただし、政治的行為禁止規定により禁止されている他の政治的行為を伴う場合は、この限りでない。
(投票事務関係者の国民投票運動の禁止)
(特定公務員の国民投票運動の禁止)
第百二条 次に掲げる者は、在職中、国民投票運動をすることができない。
二 国民投票広報協議会事務局の職員
三 裁判官
四 検察官
六 警察官
(公務員等及び教育者の地位利用による国民投票運動の禁止)
第百三条 国若しくは地方公共団体の公務員若しくは行政執行法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第四項に規定する行政執行法人をいう。第百十一条において同じ。)若しくは特定地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第二項に規定する特定地方独立行政法人をいう。第百十一条において同じ。)の役員若しくは職員又は公職選挙法第百三十六条の二第一項第二号に規定する公庫の役職員は、その地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力又は便益を利用して、国民投票運動をすることができない。
2 教育者(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に規定する学校及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)に規定する幼保連携型認定こども園の長及び教員をいう。)は、学校の児童、生徒及び学生に対する教育上の地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力又は便益を利用して、国民投票運動をすることができない。
(投票日前の国民投票運動のための広告放送の制限)
第百五条 何人も、国民投票の期日前十四日に当たる日から国民投票の期日までの間においては、次条の規定による場合を除くほか、放送事業者の放送設備を使用して、国民投票運動のための広告放送をし、又はさせることができない。
第三章 国民投票の効果
第百二十六条 国民投票において、憲法改正案に対する賛成の投票の数が第九十八条第二項に規定する投票総数の二分の一を超えた場合は、当該憲法改正について日本国憲法第九十六条第一項の国民の承認があったものとする。
2 内閣総理大臣は、第九十八条第二項の規定により、憲法改正案に対する賛成の投票の数が同項に規定する投票総数の二分の一を超える旨の通知を受けたときは、直ちに当該憲法改正の公布のための手続を執らなければならない。
※投票総数=憲法改正案に対する賛成の投票の数及び反対の投票の数を合計した数
【資料5 衆参両院の会派状況】
[衆議院(2019年2月5日現在)]
定数 465人
欠員 2人
自由民主党 282人
立憲民主党・無所属フォーラム 68人
国民民主党・無所属クラブ 38人
公明党 29人
日本共産党 12人
日本維新の会 11人
希望の党 2人
未来日本 2人
無所属 10人
※現在の総議員463人の2/3は309人
[参議院(2019年2月10日現在)]
定数 242人
欠員 1人
自由民主党・国民の声 125人
国民民主党・新緑風会 27人
公明党 25人
日本共産党 14人
無所属クラブ 2人
沖縄の風 2人
各派に属しない議員 4人
※現在の総議員241人の2/3は161人
「子どもたちの未来と被ばくを考える会」からのお知らせ~2/17末田一秀氏講演会、3/10フクシマを忘れない!和歌山アクション2019、2/24森松明希子さんと「映像'19」
2019年2月7日配信(予定)のメルマガ金原.No.3405を転載します。
「子どもたちの未来と被ばくを考える会」からのお知らせ~2/17末田一秀氏講演会、3/10フクシマを忘れない!和歌山アクション2019、2/24森松明希子さんと「映像'19」
1月31日にお届けした「近況報告~今後のメルマガとブログについて」で、「しばらく休載とさせていただきます。」と書いた「メルマガ金原(暫定版)」と「弁護士・金原徹雄のブログ」を復活させます。
とはいえ、当分「毎日更新」は無理なので、ぼちぼち様子を見ながらということになります。
2月に入ってからも、メルマガとブログは休んでいたものの、その代わりに、Facebookで元気に(?)発信を続けていました(圧倒的に短い時間で発信できますからね)。
とりわけ、【弁護士・金原徹雄のブログ~アーカイブから】シリーズで旧作をご紹介するのはなかなか楽しい作業です。昨日まで、以下のような旧作を紹介しました。
「再掲:「5党合意」「附帯決議」「閣議決定」をどう読むか~安保法制の「しばり」とするために」(2018年8月25日)
以上の旧作シリーズと併せ、本来なら個別にブログで取り上げても良い材料を、とりあえずFacebookで速報することもしていましたが、その中に、私も世話人に名前を連ねる「子どもたちの未来と被ばくを考える会」関連の企画2つのご紹介と、昨年8月26日に同会が講演会の講師にお招きした森松明希子さんが毎日放送の「ドキュメンタリー映像」で三度取り上げられるという番組告知をFacebookで発信しましたので、今日はその3つをまとめてご紹介することにしました。
ただ、ブログを休んでいることにより、「帰宅時間が早くなった」「睡眠時間が増えた」という明らかな生活改善が見られましたので、【弁護士・金原徹雄のブログ~アーカイブから】で取り上げているような「大作」は当分無理で、今日のところも、Facebookに掲載した内容をそのまま転載するだけでご勘弁いただこうと思っています。
それでは、早速以上の3つの情報を順次ご紹介します。
【講演会のお知らせ~子どもたちの未来と被ばくを考える会】
※チラシ記載情報を転記します。
~福島第一原発事故から8年~
『原発のない社会をどう創る?今、私たちにできること』
末田一秀さん 講演会
推し進められる再稼働、福島事故の引き続く被害、行き場のない核のごみ…。
原発をとりまく問題はどれも深刻です。けれど、悲観していても始まりません。
末田さんのお話を聞き、原発のない、安心して暮らせる社会を創るために、私たちにできることを一緒に考え、明るく行動していきましょう♪
≪日時≫ 2019年2月17日(日)14:00~16:30
≪会場≫ 県民交流プラザ ビッグ愛9階 会議室C
(和歌山市手平2丁目1-2 ☎073-435-5200)
≪講師≫ 末田一秀氏 (はんげんぱつ新聞 編集委員)
(profile)1957年、大阪府生まれ。核のごみや原子力防災等の問題に長年取り組み、HP「環境と原子力の話」で情報発信中。「地方自治のあり方と原子力」(七つ森書館)編集、共著。他に、「検証福島第一原発事故」「原発を再稼働させてはいけない4つの理由」「原発ゴミは負の遺産―最終処分場のゆくえ」など共著。
入場無料・キッズスペースあり
主催:子どもたちの未来と被ばくを考える会
問合せ:073-451-5960(松浦)
【フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2019】
※チラシ記載情報を転記します(なお、チラシには明記されていませんが、午後の講演会場は5F多目的ホールだと思います)。
▼[午後の部]13:40~15:25(受付13:00 開会13:30)
【講演】故郷、フクシマに想いを寄せて
講師:青田勝彦・青田惠子夫妻
【青田勝彦氏】
【青田惠子氏】
避難後、古着や裁ち屑を用いた布絵で故郷の原風景を描き、各地で展覧会・講演会・詩の朗読会等を開催
※保育(13:30~15:25)あります。ご希望の方は3/5までに下記事務局までお申込みください。
2019年3月10日(日)
10:00~16:00 入場無料 申込不要
於 和歌山市南コミュニティセンター
▼[午前の部]10:00~12:00
4F和室 おしゃべり交流会~フクシマの原発事故について考えよう~
です。コーヒー・紅茶etc お飲物も準備★絵手紙に思いをしたためるコーナーも♡
お子様連れも大歓迎♪ぜひ、お気軽にご参加ください。
主催:子どもたちの未来と被ばくを考える会 問合せ:090-8481-0553(松永)
3F活動室(中1) 「被災地の今」報告会
福島の被災地視察に行った和歌山大学の学生からの報告
主催:政治をなおそうデモ実行委員会
主催:フクシマを忘れない! 原発ゼロへ 和歌山アクション2019 実行委員会
【森松明希子さんが取り上げられる番組「原発事故から8年~避難家族の記録~(仮)」】
(森松さんのFacebookから引用します)
映像’14,映像16とお世話になった毎日放送さんに
映像’19でも取り上げていただくことになりました。
本来なら、私生活をさらすことは本意ではありませんが、
それでも、原発事故被害が無かった事にされ続けている現状、
事実を伝え続けていくださるメディアの存在は
私にとっては希望です。
どんなふうに編集放送されるのかは私にもわかりませんが、
できるだけ多くの皆さまにご覧になって頂きたいですm(_ _)m
【TV放送】2019年2月24日(日)深夜24時50分~
※見られない地域の皆さまは、テレビ局にガンガンお電話してくださって、見られるようにして〜て言っていただいて大丈夫です(^^)
私は避難していてもこの8年間、ずっと福島県民ですので。
でも避難先の関西ローカル番組なのですよね。。。
この国のリーダーたちは、本気で「自己責任」と言い放ち続けるのでしょうか。放置し、無視し続けること自体が間断なく人権を侵害しているということに、いい加減気づいてほしいと思うのです。
そして、裁判官の皆さまにもぜひご覧になっていただきたいと思うのですが・・・裁判官ってTV観るのかしら。。。
近況報告~今後のメルマガとブログについて
2019年1月31日配信(予定)のメルマガ金原.No.3404を転載します。
近況報告~今後のメルマガとブログについて
私のブログを毎日閲覧してくださる方がいるのかいないのか、確認のしようがありませんが、ブログのベースとなっている「メルマガ金原(暫定版)」をお送りしている数十人の方々の中には、「毎日送られてきていた『メルマガ金原』が、ここ数日届かないのは何故だろう?」と思ってくださっている方がもしかしたら何人かおられるかもしれませんのでご報告しておきます。
先週の土曜日(1月26日)に左肺から空気が漏れて肺が収縮してしまう気胸(ききょう)との診断を受け緊急入院しました。幸い、胸の外からチューブを入れて胸膜腔内の空気を抜く処置によって空気の漏れが止まり、手術までせずに済み、昨日退院しました。
今回は左肺でしたが、実は2008年10月には右肺が気胸を起こし、やはり同じような期間入院したことがあり、主治医からは、再発の危険性も十分にあると警告されて退院しました。
気胸となる直接のきっかけは様々にあるようで、論証などできぬものの、私が勝手に想像するところでは、
〇10年前の右気胸の際には、発症の前夜、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が主催するシンガーソングライター横井久美子さんのコンサート準備の際、滅茶苦茶重い音響機器の運搬を手伝った(素晴らしい音響で横井さんには喜んでいただけたものの、費用を値切ったので人手が足りなかった)が身体に応えた。
〇今回の左気胸は、10年前ほどはっきりした理由は分からぬながら、発症(1月24日夕方)の前週(1月19日)に開催した「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19和歌山県民のつどい」開催準備のため、徹夜まではしなかったものの、日付が変わってから帰宅することが何日か続き、「つどい」が終わった後も、「つどい」準備のために後回しにしていた本来業務に追われ、睡眠不足が続いて疲労が累積していた。
といったようなことではないかと思っています。
以上は、気胸が発症する最後のトリガーを引いたのが何であったかについての私自身の分析(想像)ですが、そもそも肺の病変の主原因は長年にわたる喫煙であると、医師を含め、多くの人は疑っていないようです。
確かに、私が長い間煙草を吸っていたことは事実ですが、2008年の右気胸を機にきっぱりと禁煙し、今や煙草と縁を切って10年以上が経過したのですけどね。
既に禁煙しているので、今さら二重に禁煙する訳にもいかないし、少しでも再発のリスクを低減するためには、上記2回を教訓として、身体や神経に過大なストレスをかけぬように心掛けることくらいしか思いつきません。
身体へのストレスを避けるというのはともかく、神経にストレスがかかるのは、弁護士という仕事を続ける以上、避けがたい面がありますが、それでも、極力睡眠不足に陥らぬように、ということには気をつけねばと思っています。
ということで、2013年1月24日からスタートした「弁護士・金原徹雄のブログ」の「毎日更新」記録は、ちょうど6年と2日が経過した2019年1月25日でストップしましたが(ざっと計算したら2,193日連続更新と出ましたが、合ってますかね?)、ブログのベースとなっている「メルマガ金原(暫定版)」(暫定版というのは、いったん技術的な理由で休止したものを、仮に復旧させたという趣旨ですが、休止中もブログは更新していました)を含め、しばらく休載とさせていただきます。
さらに、更新再開となっても、当面「毎日更新」は無理だと思います。
2011年3月28日に「メルマガ金原」を25人の知人に配信し始めた時、自らに課した責任を投げ捨てるつもりはありませんが、状況の変化に応じたアジャストが必要な時期になったということなのだろうと思います。
「弁護士・金原徹雄のブログ」の復活をご期待ください(何だかすぐに復活するような気もしますが)。
(弁護士・金原徹雄のブログから/メルマガ金原関連)
2013年3月2日
メルマガ、ブログ、そして Facebook 再説 前編
2013年3月2日
メルマガ、ブログ、そして Facebook 再説 後編
2013年10月2日
メルマガ配信1500号到達!ありがとうございました(付・米国政府と安倍政権の微妙な関係)
2015年2月13日
メルマガ2000号到達!ありがとうございます~この500日で振り返る日米関係
2016年7月2日
普通の国民に見て貰いたい~柳澤協二さん講演動画のご紹介(付・「メルマガ金原」2500号到達ありがとうございます)
「日本アニメーション映画クラシックス」(since1917)のご紹介
2019年1月25日配信(予定)のメルマガ金原.No.3403を転載します。
2013年1月24日にスタートした「弁護士・金原徹雄のブログ」のカテゴリーに、「映画」はありますが、「アニメーション」はありません。そもそも、設定するカテゴリーには「漢字2字」の名称を与えるという決まり(?)を何とはなしに作ってしまったため、いまさら「アニメ」というカテゴリーも作りにくい。
とはいえ、今まで全くアニメーションを取り上げなかった訳ではありません。ということで、思い出したものを巻末に掲げてみましたが、結局、宮崎駿さんと『戦争のつくり方』だけでした。しかも、ブログの中で具体的に取り上げた宮崎作品は、CHAGE&ASKAの楽曲『On Your Mark』のプロモーション・フィルムとして作った7分弱のショートクリップだけでした(宮崎駿監督の引退会見と“技術が支える思想性”について)。
宮崎駿さんの引退宣言以降、映画館で観たアニメーションは、ディズニー/ピクサーの『インサイド・ヘッド』(2015年)が最後であり、ましてやアニメに限らず、テレビで視るのはドキュメンタリー番組だけなので、そもそも今どんな作品が作られているかも知りません。
そんな私がブログでアニメーションを取り上げるとすれば昔の作品に決まっています。もちろん、『風の谷のナウシカ』や『となりのトトロ』や『千と千尋の神隠し』のあのシーン、この台詞について蘊蓄を傾けるのも楽しいとは思いますが、少しはいる私のブログの読者にとって、あまりお役に立つとも思えません。
今日ご紹介しようとするのは、とっても古い日本のアニメーションです。
私自身、行きたいと思いながらその機会のなかった東京国立近代美術館フィルムセンターが、昨年4月1日に東京国立近代美術館から独立し、新組織「国立映画アーカイブ」となったということはニュースで知ってはいましたが、そのホームページを閲覧したのは今日が初めてでした。
そのホームページから外部リンクになるのですが、「日本アニメーション映画クラシックス」公式ホームページに飛ぶことができます。このサイトの成り立ちなどを、国立映画アーカイブのページでの説明から引用しましょう。
(引用開始)
日本でアニメーションが誕生したとされる1917年から100年目に当たる2017年を記念して開設されたwebサイト。
平成28年度「文化芸術振興費補助金(美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業)」の「映画におけるデジタル保存・活用に関する調査研究(BDCプロジェクト)」のもと、デジタル化や保存技術に関わる実践的な調査研究ならびにコレクション公開の新たな方法を試みるための調査研究の成果として、東京国立近代美術館フィルムセンター(現 国立映画アーカイブ)と国立情報学研究所(NII)が共同で構築しました。
フィルムセンター所蔵のフィルムからデジタル化された、1917年から1942年までの日本アニメーション映画64本を公開。また「大藤信郎記念館」ではフィルムセンターが所蔵する「大藤信郎コレクション」の一部が閲覧可能。さらに、現存する日本最古のアニメーション映画『なまくら刀』(1917年幸内純一/別名:塙凹内名刀之巻[はなわへこないめいとうのまき])も閲覧できます。
※本サイトは2018年4月1日に設置された国立映画アーカイブが、引き続き運営しております。サイトの内容や記述情報は原則的に、2017年12月末日時点のものです。
(引用終わり)
何しろ64作品も公開されていますので、じっくり観るには時間がかかりますが、幸い、短い作品が大半なので、少しずつでも観ていけば、日本アニメ史草創期の作品の一端に触れることができます。
「作品一覧」のページを開けてみると、「作品なんでもランキング」、「キャラクターセレクション」、「私の選ぶこの作品」など、様々な切り口から鑑賞する作品が選べるようになっています。
とりあえず、私は、「国産アニメーション映画が誕生した1917年に公開された現存する最古の作品」である「なまくら刀(別名:塙凹内名刀之巻[はなわへこないめいとうのまき])の[デジタル復元・最長版][白黒ポジ染色版]を観てみました。もちろん、サイレントです(64作品の内トーキーは4本だけ)。
なまくら刀[デジタル復元・最長版][白黒ポジ染色版](寺内純一/1917年/4分/サイレント/白黒(染色))
これが現存最古の日本アニメーションかと思うと、なかなか感慨深いものがありますね。
ただ、字幕による説明が少なく、最初のうちはストーリーの展開がよく分かりませんでしたが、要は、研ぎ屋に刀を研ぎに出し、大枚4両(かな)も払った侍が、試し切りがしたいという悪い考えにとりつかれて試みるが、みじめに失敗するという物語のようです。
(弁護士・金原徹雄のブログから/アニメーション関連)
2013年9月9日
2014年12月8日
2015年7月26日
2015年12月10日
アニメーション『戦争のつくりかた』一般公開はもう少し先ですが
2016年2月11日
アニメーション『戦争のつくりかた(what happens before war?)』が公開されました