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白浜町議会が放射性物質の受け入れを拒否する「白浜町安心・安全なまちづくり推進条例」を可決(2019年12月18日)

 2019年12月19日配信(予定)のメルマガ金原No.3436を転載します。

白浜町議会が放射性物質の受け入れを拒否する「白浜町安心・安全なまちづくり推進条例」を可決(2019年12月18日)

 昨日(12月18日)、最終日を迎えた白浜町議会(和歌山県)は、放射性物質の受け入れを拒否することなどを内容とする「白浜町安心・安全なまちづくり推進条例」を全会一致で可決しました。
 多くのメディアがこの件を伝えましたが、以下に、地元紙・紀伊民報の報道(WEB版)を引用します。

2019年12月18日 紀伊民報(WEB版 AGARA)
核のごみ「拒否」条例可決 白浜町議会が全会一致

(引用開始)
 白浜町議会(和歌山県)は18日、「核のごみ」を含む放射性物質の受け入れを拒否する町の条例案を全会一致で可決した。同種の条例が県内の市町村で制定されたのは初めて。
 条例案の討論では、溝口耕太郎議員(無)が「住民が将来にわたって安心して暮らせるよう、また観光客が楽しく観光できる町として全国に発信するためにも条例は必要だ」、広畑敏雄議員(共産)は「町長の英断と考える。評価して賛成したい」と、いずれも賛成の立場で意見を述べた。反対討論はなかった。
 議会終了後、井澗誠町長は「町民や観光客の視点から考えて今回の条例制定を考えた。大きな一歩になったと考えている」と語った。
(略)
 「脱原発わかやま」代表の冷水喜久夫さん(68)=白浜町大古=は「条例が可決され、大変良かった」と評価。「核のゴミはいらん日置川の会」筆頭共同代表の前岩崇さん(73)=同町塩野=も「全会一致で可決されたことに、町や議会には感謝したい」とした上で「関西電力(や関連会社)が持つ土地については、再生可能エネルギーなどに使ってもらえるよう、町から要望してもらいたい」と語った。
 条例は「安心・安全なまちづくり推進条例」。その中では、まちづくりに影響を及ぼすと危惧される事項を認めないと規定。事項の一つに、原子力発電所の核燃料、使用済み燃料などを町内に持ち込むことや、それらを貯蔵、処分する施設を町内に建設することを挙げている。(後略)
(引用終わり)

 以上の記事から明らかなように、本条例案は町当局から提案されたものであり、12月議会開会前から、制定が有力視されていました。これについても、紀伊民報の記事を引用したいと思いますが、とりわけ【白浜町での中間貯蔵施設などを巡る主な発言や動き】が、今回の条例の提案・可決に至る経過を分かりやすくまとめてくれていますので、是非お読みください。

2019年12月4日 紀伊民報(WEB版 AGARA)
核のごみ拒否へ 白浜町が条例制定の方針

(引用開始)
 和歌山県白浜町は3日、原子力発電所から出る放射性廃棄物(核のごみ)の受け入れを拒否する条例を制定する方針を明らかにした。町議会12月定例会に条例案を提出する。議会で可決されれば、町内での原子力関連施設の立地は事実上、不可能になる。
 2017年に経済産業省が核のごみの最終処分場の適地を色分けした「科学的特性マップ」を公表後、全国で受け入れを拒否する条例が施行されている。
 町によると、同種の条例は県内の市町村では初めてになる。井澗誠町長は本紙取材に「(放射性物質を)受け入れないための条例を制定することは、将来に禍根を残さないためで、町の発展につながる。大地震による被害も想定されており、紀伊半島にそういう施設(原子力関連施設)は似合わない、というのが大方の意見だろう」などと語った。
 町議会の全員協議会が3日にあり、町が条例案を初めて示した。名称は「安心・安全なまちづくり推進条例」。
(略)
 白浜町では、旧日置川町で昭和50年代以降に原発誘致計画の問題が浮上。推進、反対それぞれの立場での住民活動が活発になり、町を二分する問題に発展した。
 最近では、関西電力が旧日置川町に土地を所有しているとして、一部住民の間から「使用済み核燃料の中間貯蔵施設ができるのではないか」との疑念が表面化。町議会では17年以降、町の姿勢をただす質問が続いたほか、市民団体からの要望提出などが相次いだ。井澗町長は当初、「(国や電力会社から)申し出があれば話は聞く」などと答えていたが、後に「受け入れる考えはない」と表明している。
白浜町での中間貯蔵施設などを巡る主な発言や動き】
17年12月
・町長が「何の情報もないが申し出があれば話を聞く」と町議会で答弁
18年2月
・町長が「(受け入れは)頭の中にない」と町議会で答弁
・市民団体が「受け入れ拒否」の表明を求め町に要望書を提出
(4月には別の市民団体も同様の要望)
18年6月
・町長が「受け入れは考えていない」と町議会で答弁
18年7月以降
・町内で施設受け入れ反対のための団体が設立
18年8月
・受け入れ拒否の議会議決を求め住民有志が町議会へ請願を提出
・市民団体が「受け入れない」表明を求め町に要望書を提出
18年9月
・町長が「申し入れがあっても協議する考えはない」と町議会で表明
18年12月
・町議会が8月に提出された請願を不採択に
・市民団体が「拒否」条例の制定を求め町に要望書を提出
19年9月
・町長が「受け入れないための条例や宣言の制定を検討」と町議会で答弁
・市民団体が条例の制定を求め町に要望書を提出
19年12月
・町が町議会に「拒否」条例を提案へ
(引用終わり)

 上記紀伊民報の報道にもあるとおり、現在は白浜町の一部となっている旧日置川町(ひきがわちょう)では、関西電力による原子力発電所立地計画のために町を二分する大問題に発展した歴史があります。
 しかしながら、私自身、和歌山県民でありながら、その歴史について知ったのは3.11以降という情けない状況であり、もっぱら脱原発わかやまが編集した以下の書籍から学ばせてもらいました。

原発を拒み続けた和歌山の記録』
 汐見文隆 監修
 「脱原発わかやま」編集委員会 編集
  寿郎社 2012年5月11日刊 

原発を拒み続けた和歌山の記録 [単行本]

寿郎社

2012-05-11

 


 ところで、日置川町での原発建設計画が頓挫した後も、関西電力は入手済みの土地を手放さず、現地事務所も閉鎖せずに職員を常駐させ続けていることから、「使用済核燃料の中間貯蔵施設建設を狙っているのでは?」ということが、長く取り沙汰されてきました。
 そして、その「噂」が具体的な「懸念」に転化したのは2017年11月のことでした。同月23日、関西電力の岩根社長は福井県知事に対し、使用済核燃料中間貯蔵施設の県外立地について「2018年には具体的な計画地点を示す」と表明したのです。これは、知事が大飯3・4号再稼働同意にあたり「できるだけ具体化してほしい。関電は再稼働にあたって答えを示す必要がある」と求めたことに応じたものでした。
 これにより、一気に日置川町と合併した白浜町に注目が集まることになり、関西電力の関連会社が新たな土地を買い入れていることなども広く知られる事態となりました。
 これ以降、パンダと温泉の町・白浜に核のゴミはいらない、という運動が盛り上がり、県内、県外の諸団体からの要請や地元住民による反対運動のための団体結成が相次ぎ、このため、当初腰が定まらないと見られていた井澗誠(いたに・まこと)町長も、昨年の9月定例会の冒頭で、「使用済み核燃料の中間貯蔵施設につきましては、(略)受け入れることは考えておりませんし、仮に将来的に事業者等から申し入れがあったとしても、受入の協議を行う考えはありません」と表明するに至りました。
 巻末リンクのとおり、当時まだ「ブログ毎日更新」を続けていた私も、2018年当初からこの問題をフォローし続けていたのですが、上記井澗町長による受け入れ拒否声明で安心(?)してしまい、その後のフォローを怠っていました(体調の問題からブログの更新がストップしたこと、「原発がこわい女たちの会」が休会となって情報が入ってきにくくなったのが大きいのですが)。
 けれどその間にも、地元では、中間貯蔵施設等の核施設の受け入れを拒否する条例の制定を要望し続けていたのですね。

 そのような条例が全国でどの程度制定されているかについては、末田一秀さんが運営するサイト「環境と原子力の話」の中に「核関連施設・廃棄物拒否条例」としてまとめられており、それぞれの条例について、「条例本文」と「背景と解説」を読むことができます。 

 上記サイトには、昨日可決された「白浜町安心・安全なまちづくり推進条例」が早くも掲載されていました。

条例本文
背景と解説
(引用開始)
和歌山県白浜町
白浜町安心・安全なまちづくり推進条例
 合併した旧日置川町はかつて原発建設が狙われた地であり、今も関西電力及び関連会社が3か所に9ha,16ha,37haの土地を所有している。駐在員が2017年に2名から4名に増員されたことから、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の立地場所にされるのではないかと反対運動が広がった。当初は町長も反対を明言せず、議会も2018年12月に受け入れ拒否の議会議決を求めた請願を不採択としていた。しかし、2020年春に改選を迎える町長が2019年9月議会で拒否条例制定を検討すると答弁し、12月議会で全会一致で成立した。
 安心・安全なまちづくりに影響を及ぼすと危惧される事項を認めないとし、対象となる事項は、廃棄物、土砂等の不適切な処分と放射性物質の持ち込み、貯蔵又は処分する施設の建設としている。「認めない」という条文は町の立場の表明で禁止ではないでしょうが、条文解釈が問題になる事態は条例制定によって阻止できたはずです。安心・安全のために関電の持つ土地への対応を町には求めたい。
(引用終わり)

 なお、白浜町のサイトに、昨日(12月18日)議会に提出された議案第88号「白浜町安心・安全なまちづくり推進条例の制定について」がPDFファイルとして掲載されていますので、条文全文と「制定の要旨」を読むことができます。
 以下に、この条例の制定に至った理念を表明した「前文」と、この条例のキモである「第7条」を引用します。

(引用開始)
白浜町安心・安全なまちづくり推進条例
前文
 白浜町は、紀伊山地の山々や吉野熊野国立公園に指定されている円月島、千畳敷、三段壁、志原海岸など変化に富んだ魅力ある海岸線の自然景観に加え、日本三古湯の一つに数えられる白浜温泉をはじめとする椿温泉や日置川温泉などの温泉資源、世界遺産「熊野参詣道大辺路」や紀南熊野ジオパークをはじめとした多くの観光資源に恵まれており、そこに訪れる多くの観光旅行者は、幅広い産業に経済効果をもたらし、多くの雇用を創出するとともに、交流人口の拡大による地域の活性化に大きな役割を果たしている。
 これらの環境は、未来永劫守り続けていかなければならない。そのためには、町民が安心して、安全に暮らし、そして本町を訪れる人々が「訪れてよかった。また行きたい」と思えるまちづくりを続けていく必要がある。
 よって、ここに、町及び町民等がそれぞれの役割を果たし、安心で安全な観光立町としてふさわしい環境を守り続けていくことを決意し、この条例を制定する。
第1条(目的) 略
第2条(基本理念) 略
第3条(町の役割) 略
第4条(町民の役割) 略
第5条(地域活動団体の役割) 略
第6条(推進体制の整備) 略
第7条(環境の整備等)
 町は、全ての町民、観光旅行者等が安心して、安全かつ快適に生活又は滞在することができる環境の整備に努め、安心・安全なまちづくりに影響を及ぼすと危惧される事項を認めないものとする。
2 前項に規定する安心・安全なまちづくりに影響を及ぼすと危惧される事項は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 廃棄物、土砂等の不適正な処分等を町内において行うこと。
(2) 放射性物質原子力発電所など原子力関連施設の核燃料並びにこれらから生ずる使用済燃料及び放射性廃棄物をいう。)の町内への持込み、及びこれらを貯蔵又は処分する施設を町内に建設すること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、この条例の目的達成を阻害すること。
第8条(財政上の措置) 略
第9条(広報啓発等) 略
第10条(委任) 略
附則
 この条例は、公布の日から施行する。
(引用終わり)

 この条例制定が1つの区切り、大きな成果であることは間違いないでしょう。この運動の主眼は、そもそも核のゴミを受け入れる自治体などどこにもないのだから、そのような物を生み出してはならない、ということに帰結するのですから、自信を持って推進していけるはずです(既に生み出してしまった核のゴミを最終的にどうするのか?という悩ましい問題はありますが)。

(弁護士・金原徹雄のブログから/白浜町・中間貯蔵施設関連)
2018年1月8日
「和歌山に中間貯蔵施設はいらない!~脱原発わかやま原発学習会」(2018年1月20日)のご案内
2018年2月3日
「和歌山に中間貯蔵施設はいらない!」(講師:小山英之美浜の会代表)が和歌山市でも開催されます(2/18あいあいセンター)
2018年2月4日
吉原毅氏を招いて/「原発ゼロ法案」と「核のゴミ」を考える~白浜に核のゴミ(中間貯蔵施設)は来るのか!?~(2/23田辺ビッグ・ユー)のご案内
2018年2月25日
白浜町長に県内8団体が要望書を提出~使用済核燃料の中間貯蔵施設は受け入れないとの意思の表明を求める(2018年2月23日)
2018年2月26日
パンダの町・白浜町は関西電力の中間貯蔵施設を受け入れるのか?~白浜町議会2017年12月定例会会議録を読む
2018年4月17日
白浜町長への要望書「(略)白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう使用済核燃料の「中間貯蔵施設」は受け入れないとの意思をあらかじめはっきりと表明してください」を読む
2018年7月31日
「核のゴミはいらん日置川の会」が結成されました~松浦雅代さんからの報告
2018年9月8日
白浜町の井澗(いたに)誠町長が使用済み核燃料中間貯蔵施設を受け入れる意思のないことを議会で表明(2018年9月6日)
2018年10月15日
白浜町議会(2018年9月6日)で使用済み核燃料中間貯蔵施設を受け入れる意思のないことを表明した井澗(いたに)誠町長の発言全文(書き起こし)

和歌山弁護士会が「憲法改正問題シンポジウム」を開催しました(2019年12月7日)

2019年12月7日配信(予定)のメルマガ金原No.3435を転載します。

和歌山弁護士会が「憲法改正問題シンポジウム」を開催しました(2019年12月7日)

Facebookから転載します。

 本日(12月7日)午後2時から、和歌山県民文化会館小ホールにおいて、和歌山弁護士会主催(共催:日本弁護士連合会、近畿弁護士会連合会)による「憲法改正問題シンポジウム」が開かれ、私も会員の1人として参加してきました。ただ、自分で告知などしていながら、チラシをよく読んでいなかったからか、てっきり「開演:午後1時30分」と思い込んで1時過ぎに会場入りしたところ、1時半というのは「開場時刻」であることが判明してがっかりしてしまいました。

 それはさておき、年末慌ただしい土曜日の午後にもかかわらず、会場いっぱいとまではいきませんでしたが、概数200名近くの参加者があり、動員的にも成功だったと思いますが、それよりも何よりも、内容的に十分「やって良かった」「成功だった」と言っても、仲間褒めのそしりは免れるのではないかと思います。


 まず、和歌山弁護士会憲法委員会委員(昨年度の日本弁護士連合会・憲法問題対策本部担当副会長)の阪本康文弁護士から、憲法改正問題、とりわけ9条改憲問題の現状と弁護士会の意見について基調報告があり、それに引き続いて、県議会に議席を有する6政党から1人ずつの議員の皆さんをパネラーとするパネルディスカッションが行われました(コーディネーターは和歌山弁護士会憲法委員会委員長の由良登信弁護士)。
 基調報告の中で阪本弁護士からも紹介がありましたが、全国各地の弁護士会が行っているこの種のシンポジウムにおいて、6党もの主要政党の議員が登壇して意見を述べ合うという企画は、今回の和歌山がおそらく初めてであり、全国的にも注目されているということで、実は、今日のシンポには、他府県の弁護士も視察(?)のために参加しておられたよし。

 今回のシンポにパネラーとして登壇された県議会議員は以下の皆さんでした。
  自由民主党 尾﨑太郎さん
  国民民主党 浦口高典さん
  立憲民主党 谷口和樹さん
  日本共産党 楠本文郎さん
  公明党 中 拓哉さん
  日本維新の会 林 隆一さん
 皆さん、所属政党の公式見解を踏まえつつ、基本的にはそれぞれ1人の政治家としての個人的見解を述べるというスタンスであったと思います。
 例えば、尾﨑太郎議員は、2012年の党大会で採択された「日本国憲法改正草案」による「自衛隊国防軍」という改正案があるにもかかわらず、「改正しても何も変わらない」と言いつつ「9条1項、2項を残しながら9条の2で自衛隊を明記する」という改憲案に個人としては納得していないことを隠そうとしておらず、その率直な発言に好感を持ちました。もちろん、9条や憲法に関する意見が尾﨑議員と一致するということでは全然ありませんが、「立場が違うことを前提に、意見を闘わせることができる人(だろう)」だという意味での「好感」です。
 他の5人の議員の皆さんも、それぞれが置かれた立場の中でせいいっぱい率直かつ誠実に発言していただいたと思います。登壇された6人の議員の皆様に心から感謝したいと思います。
 特に、私個人としては、普段なかなか機会のない自民党公明党、維新の会の皆さんの意見を伺えて非常に良かったと思います。もっとも、それも人選が当を得ていたからかもしれず、他の議員ではこうはいかなかったかもしれませんが。

 なお、パネルディスカッションの主要なテーマは、私の理解したところでは、①立憲主義、②9条の役割、③自民党9条改憲案(自衛隊明記)について、であったと思います(由良弁護士の話の振り方から推測)。その一々についての6人のパネラーのご意見をご紹介することは私の手に余りますし、そもそも細かなメモも取っていません。
 こういう時に動画サイトに講演の模様がアップされると便利なのですが、この種の企画の動画撮影について和歌山の第一人者と思われるKさんから撮影並びに動画サイトアップについての許可申請がなされたところ、パネラーの意見も踏まえ、撮影は許可されたものの動画サイトへのアップは許可されなかったそうです。

 ところで、画像で表紙だけご紹介していますが、今日の参加者には以下の2つの冊子が配布されました(他にオマケとして日弁連特製ポケットティッシュ)。
 1つは「弁護士と一緒に考えてみませんか 自衛隊や自衛の措置を憲法に書き加えても何も変わらないの?」というB5版オールカラー全8頁のリーフレットで、2018年5月25日・日本弁護士連合会定期総会決議の内容を分かりやすく説明するものです。

 もう1つは、今日のシンポのために和歌山弁護士会がコピーして配布した「憲法改正問題資料集」(表紙を含めて48頁)で、これがなかなか貴重なものですよ(今日来場された方は得しましたね)。その内容は以下のとおり。

1 自由民主党 憲法改正推進本部「日本国憲法改正の考え方~「条文イメージ・たたき台素案」Q&A~」
 自民党が2018年3月に発表した改憲4項目の「条文イメージ(たたき台素案)」自体は、当初から自民党憲法改正推進本部のホームページに掲載されています。
 しかし、同本部が今年の2月に党所属国会議員に配布した「ビラ」と「条文イメージ(たたき台素案)Q&A」は、いつまで待ってもホームページに掲載されず、かえって、改憲問題対策法律家6団体連絡会による「自民党憲法改正推進本部作成改憲案『Q&A』に対する徹底批判」の方が先に公表されるという事態になっています。
 ということで、このQ&Aを読んだ人はそう多くはないと思いますので、貴重な資料です。

2 国民民主党「基本政策」

3 立憲民主党「憲法に関する考え方~立憲的憲法論議」

4 日本共産党
「2019参院選・各分野の政策・54憲法」
「安倍首相の改憲発言で志位委員長が会見」

5 公明党
「平和の党」が金看板
「北側一雄公明党憲法調査会長-改憲論議を問う」(時事ドットコム)

6 日本維新の会
・「憲法改正問題に関する回答」※ネット上で公表されたものではなく、「2019年11月」という日付からも、和歌山弁護士会憲法委員会からの照会への「回答」なのかもしれません(特に説明はありませんでしたから断言はできませんが)。
「馬場伸幸日本維新の会幹事長-改憲論議を問う」(時事ドットコム)

 今日のシンポの「速報」はこんなところです。「詳報」は?多分、来年5月発行予定の和歌山弁護士会「会報」に由良委員長が長文の(広報委員会指定の字数をいつもオーバーして編集者を困らせている)レポートを書くでしょう(運が良ければ和歌山弁護士会ホームページに転載されるかもしれません/もっとも、広報委員会は最近あまりホームページへの転載に熱心ではないようだけれど)。

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長岡徹氏(関西学院大学教授)の講演「戦場へ行く自衛隊~改めて安保法制の違憲性を考える~」レジュメを読む(第16回 守ろう9条紀の川市民の会 憲法フェスタ)

2019年11月4日配信(予定)のメルマガ金原No.3432を転載します。

長岡徹氏(関西学院大学教授)の講演「戦場へ行く自衛隊~改めて安保法制の違憲性を考える~」レジュメを読む(第16回 守ろう9条紀の川市民の会 憲法フェスタ)

 昨日(11月3日)、和歌山市河北コミュニティセンターにおいて、紀の川北岸に居住する和歌山市民によって結成された「守ろう9条 紀の川市 民の会」による16回目の憲法フェスタが開かれました。
 2005年1月に結成総会を開いた同会は、毎年欠かすことなく、総会(概ね春)と憲法フェスタ(概ね秋)を開催してきました。憲法フェスタについては、創立当初、年に2回開催した年があったため、今回が第16回となります。
  私も、結成時から運営委員に名前を連ね、微力ながら運営に力を尽くしてきました。

 地域9条の会としては、休止状態に陥ることなく、継続して15年間活動を続けてきたこと自体が重要な成果だと思います。
 もちろん、会員・役員の高齢化、新規入会者、とりわけ壮年・若年層の著しい不足は、いずれの9条の会にとっても悩みの種であり、もちろん当会も例外ではありません。
 しかし、特効薬がある訳でもなく、とにかく体力・気力の続く限り頑張るしかないだろうと、やや開き直り気味に考えている昨今であり、若い人が中心になって動き出す時には、今の9条の会とは違う、それなりの組織が構築されるのだろうと思います。

 なお、「守ろう9条 紀の川市 民の会」の著しい特色として、地方の小さな9条の会としては、大胆にも、多くの憲法研究者の皆さんを記念講演の講師としてお招きしてきたことが挙げられます。
 2012年の第9回憲法フェスタの吉田栄司先生(関西大学教授)以降、今回の長岡徹先生(関西学院大学教授)まで、全部で11人の憲法研究者の皆さんにご講演いただいてきました。その皆さんというのは以下の方々です。

吉田栄司関西大学教授(2012年憲法フェスタ)
森英樹名古屋大学名誉教授(2014年総会)
清水雅彦日本体育大学教授(2014年憲法フェスタ)
高作正博関西大学教授(2015年憲法フェスタ)
石埼 学龍谷大学教授(2016年総会)
植松健一立命館大学教授(2017年総会)
本 秀紀名古屋大学大学院教授(2017年憲法フェスタ)
三宅裕一郎三重短期大学教授(2018年総会) ※現・日本福祉大学教授
飯島滋明名古屋学院大学教授(2018年憲法フェスタ)
長峯信彦愛知大学教授(2019年総会)
長岡徹関西学院大学教授(2019年憲法フェスタ)

 近年、記念講演のために用意していただいたレジュメを私のブログに転載させていただくことが多く、長岡先生からも快くご許可をいただくことができましたので以下に掲載させていただきます。

 昨日の閉会挨拶でもお話しましたが、私自身、今月末に和歌山市内の某地域9条の会かっら学習会の講師を頼まれており、その準備のためということもあって、我ながら気合いを入れて(?)聴講させていただきました。
 長岡先生のお話は明快で分かりやすく、聴衆の理解も進んだのではないかと思いますが、私にとっても、自分がこれから作るレジュメに取り入れたい部分が随所にあり、非常に参考になりました。
 とりわけ、私が思わず「目からウロコ」状態になったのは、三、3)「憲法に「自衛隊」を書きこむと、自衛隊は「軍」になる」という部分です。
 現在は、自衛隊は「行政」の一組織として「内閣」の下にあるけれど、「9条の2」で「内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊」と規定することにより、首相の「統帥権」が確立し、自衛隊は「内閣」の下で「行政」を担う組織ではなく、首相を最高司令官とする「軍」となる、というロジックがすとんと胸に落ちました。
 ちなみに、現行の自衛隊法7条「内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する。」から、自民党改憲案9条の2「内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。」への移行には、とんでもなく大きな深淵を跳躍する覚悟が必要なのですね。

 ところで、長岡先生のお話によると、演題との関連でレジュメの記載が手薄な部分は、パワーポイントで補充されたそうですが、以下にご紹介するのはもともとのレジュメのみであることをお断りします。

 また、第16回 憲法フェスタの長岡先生の講演以外の内容については、Facebookに簡単な写真レポートを掲載していますので、リンク先をご参照いただければと思います。

写真レポート①~9条をかみしめる
写真レポート②~展示の部屋
写真レポート③~映像の部屋
写真レポート④~リサイクルひろば
写真レポート⑤~写真展示「ヒロシマ・ナガサキ原爆と人間」
写真レポート⑥~「MAYAHUACA(マヤウァカ~)による演奏
写真レポート⑦~江川治邦さんによる報告
写真レポート⑧~長岡徹氏(関西学院大学教授)による講演「戦場へ行く自衛隊~改めて安保法制の違憲性を考える~」

 それでは、以下に昨日の長岡先生の講演用レジュメ全文を転載します(掲載の便宜のため、体裁は金原の責任で手直しした部分があります)。

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(長岡徹先生レジュメから引用開始)
戦場へ行く自衛隊~改めて安保法制の違憲性を考える~

                       2019.11.3 
                       第16回憲法フェスタ(和歌山)
                       関西学院大学 長岡 徹

一 はじめに
  参院選後の憲法をめぐる情勢
  安倍改憲の危険性
  自衛隊への歯止めを失わせる戦争法(安保法制)

二 19年参院選の結果と安倍改憲阻止の課題
1)参院選の結果をどう見るか
ポイント 安倍改憲策動を勢いづかせるか、それとも安倍改憲の息の根を止めるか
 改憲勢力の3分の2を覆し、改憲策動の加速化は防いだ。
 しかし、安倍改憲を断念させるほどの結果でもなかった。対決は新たな局面に入った。

2)安倍首相 改憲を争点に設定
2016年7月参院選 改憲勢力、衆参両院で3分の2を確保
 衆議院では12年以来確保してきた
2017年5月 安倍首相ビデオレター 9条1・2項はそのままで自衛隊を書き込む
 「自衛隊を合憲化することがわれわれ世代の使命」「2020年を新しい憲法で」
2017年10月 衆議院総選挙
 自民党は結党以来初めて、重点公約6項目の6番目に改憲問題を据える
2018年3月 自民党 改憲4項目を提示
2018年10月 安倍自民党総裁3選 自民党改憲推進本部の幹部人事
 「憲法族」を退け、安倍側近を据える
 下村博文 推進本部長 11月「議論すらしないのは職場放棄だ」
 新藤義孝衆議院憲法審査会自民党筆頭幹事
 萩生田幹事長代行 4月「少しワイルドな憲法審を見せないといけない」
安倍首相 3分の2を頼りに憲法審査会でごり押ししようとしても改憲審議は進まない
 国民世論が改憲に消極的 国民世論を大きく変えなければならない
 参院選では、憲法改正の必要性と憲法の議論の必要性を訴える
 そして3分の2を確保する

3)19年参院選で、憲法改正は争点になったのか
 テレビ等の党首討論では必ず触れられていたが・・・・・・
 党首の街頭演説で、憲法改正に触れていたのは、自民、共産、社民のみ
   安倍 14.5%→8.3%
   志位 14.8%→21%
 投票で憲法を重視したのは、改憲反対派
 共同通信 出口調査    安倍首相の下での憲法改正
   全体  賛成 40.8%  反対 47.5%
   女性  賛成 34.9%  反対 50.6%
   無党派 賛成 25.6%  反対 63.6%

安倍政権で改憲「反対」41%=慎重論が顕在化-時事世論調査
               2019年08月17日08時05分(Jiji.com)
 時事通信の8月の世論調査で、安倍政権下での憲法改正について聞いたところ、「反対」が41.3%で、「賛成」の32.1%を上回った。「どちらとも言えない・分からない」は26.7%だった。参院選前の7月調査では、選挙後に議論を進めることに「賛成」が多かったが、性急な改憲には慎重な世論が根強いことがうかがえる結果となった。
 安倍晋三首相は目標に掲げる2020年の改正憲法施行に向け、与野党に衆参両院の憲法審査会での議論を呼び掛けている。7月調査では参院選後に改憲議論を進めることに「賛成」は41.2%で、「反対」は26.3%だった。
 今回調査では、自民党改憲案にある憲法9条への自衛隊明記について、「賛成」35.3%で、「反対」36.1%と拮抗(きっこう)した。
 自衛隊明記に「賛成」と回答した人に対し、国会が初めて発議する改憲案に9条改正を盛り込むべきかどうかを尋ねたところ、「盛り込むべきだ」が57.5%、「こだわる必要はない」が37.3%となった。
 調査は9~12日に全国の18歳以上の男女2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は62.4%。

  安倍首相は、改憲の加速化には失敗した
  とはいえ、安倍改憲の危険性が十分に理解されているわけでもない

4)選挙を終えて……改憲の新局面
 安倍首相 「憲法改正の議論をすべきだという国民の審判」
 8月 父・祖父の墓前で「国会においていよいよ本格的に議論を進めていくべき時を迎えている」
 ①自民党全党を挙げて憲法改正に取り組む体制をつくる
  二階幹事長、岸田政調会長の言質を取る
 ②野党を分断し、改憲論議に誘いこむ
  まずは改憲手続法の改正から
  萩生田幹事長代行 衆議院議長交代に言及 「改憲シフトを国会が行うことが極めて大事」
  大島衆議院議長 国民投票法改正「結論を出してほしい」
 ③草の根からの世論形成
  これまでも日本会議を中心とした運動があったが、これからは党を挙げて
  10.18 和歌山「憲法を考える県民集会」から始まった
ただ、弱点もありそう
  二階「憲法の重大性を国民に訴えてゆく」「焦っては駄目」
  岸田「党を挙げて憲法改正を動かしてゆく」「憲法は国民のもの」
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5)安倍改憲阻止の課題
 ①草の根からの世論形成
 ②安倍改憲の危険性を知らせる
 ③実質改憲阻止のたたかい

三 安倍改憲の危険性
1)自民党改憲4項目
〈教育〉本気なら、法律を制定すればよい
〈合区解消〉参議院改革の思考を放棄している
 参議院に「地方代表」的性格を持たせるなら、「全国民の代表」である衆議院とほぼ同等の権限を持たせるべきではない
 参議院の権限の見直しを伴う必要がある
〈緊急事態条項〉(時間があれば、詳しく述べますが)
 自然災害対策は法律を柔軟に解釈適用して対応している
 議員の任期については、参議院の緊急集会で対応可能
 すべては「法律の定めるところ」による「なんちゃって改憲
〈9条の2〉「自衛隊を書き込むだけで、現状は変わらない」というのはフェイク
 「我が国」の異様……「わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し」(前文)

2)9条の2「自衛隊を書き込むだけ」はフェイク
 ①安保法後の自衛隊を書き込む
  集団的自衛権を行使する自衛隊
  「存立危機事態」「重要影響事態」という名の他国防衛
  つまり、ねらいは、戦争法の合憲化
  ただし、2項の制約があるので論争は続く?
  9条2項「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。  国の交戦権は、これを認めない。」
  自衛隊は、「国際紛争を解決する手段としての戦力」ではない
  ⇒自衛隊は、日本国が武力攻撃を受けた時に対処するための実力
  ⇒自衛隊は、日本国が武力攻撃を受けていないのに実力を行使することはできない(旧政府見解)
 ②「必要な自衛の措置」のための実力組織
  この「自衛」には当然、集団的自衛が含まれる
  これは、2項の解釈と矛盾する
  しかし、「国の安全を保つために必要」との論理が優先されることになろう
  かくして、2項は死文化する
 ③「必要最小限度の実力」の文言がない
  2項の死文化が予定されているから「必要最小限度実力」である必要はない
  「自衛」のために必要な「実力」を持つ自衛隊
  かくして、自衛隊普通の国の軍隊になる
 ④つまり、
  「多数の国民が支持している自衛隊」ではなく
  「戦争法後の自衛隊」でもなく
  「ふつうの国の軍隊」ができ上る
  「現状と何も変わりません」というのは全くのフェイク(ウソ)
  そもそも変わらないのであれば850億円もかけて変える必要はない

3)憲法に「自衛隊」を書きこむと、自衛隊は「軍」になる
 憲法に書かれている国家の組織 国会、内閣、裁判所、会計検査院
 自衛隊はそれらに並ぶ国家組織となる
  今は、自衛隊は「行政」の一組織として、「内閣」の下にある
  自衛隊を書き込むと、「行政」からは独立した組織となる
  「軍隊」の組織法上の特徴:統帥権の所在の明確性、軍法会議の存在
  「9条の2」は、首相の統帥権を規定している
  かくて、組織法上、自衛隊は、内閣の下にある「行政」各部ではなく、
  首相を最高司令官とする「軍」となる
  あとは軍法会議だが、最高裁への上訴の道を開いておけば、法律で設置可能

四 実質改憲阻止のたたかい
1)自衛隊の海外派兵の常態化
 自衛鑑の中東派兵:有志連合には不参加、というが緊密に連携
 防衛庁設置法にいう「調査・研究」目的で
  元々自衛隊の海外派兵を想定していない規定を拡大解釈
  船舶の警護はできない、武器の使用も正当防衛や緊急避難に限定される
  ジブチ自衛隊基地を活用
  何かあれば「海上警備行動」に転換
  攻撃を受ければ、「自衛隊の武器防護のための武器使用」
  「調査」の過程で情報を交換している米軍等が攻撃を受ければ、「米軍等の武器防護のための武器使用」

2)財政の軍事化
 アメリカの武器の爆買い
 防衛予算対GDP比1%枠は、どうなっている
 「しかし我々は、これについて[防衛費が無制限に膨張すること]は厳重な歯止めをつくっております。かぎはちゃんとかかっておるのであります。それは何であるかといえば、憲法憲法に基づいて我々がここで国民の皆さんにお誓いしてきたことです。専守防衛あるは軍事大国にはならない。非核三原則を守る、そして節度ある防衛力を我々は心がける、そのことをはっきり申し上げておるのであります。」(中曽根康弘首相。1987 年2 月2 日衆院本会議)
 専守防衛のたがが外れ、さらに憲法自衛隊が明記されると、どうなるか

3)産業の軍事化
 MAST Asia:海上・航空関係の国際的兵器見本市
  2015年から隔年で国内開催 今年は6月に幕張メッセで開催
 DSEI Japan:本年11月18日から20 幕張メッセで開催
  ロンドンで隔年開催されている国際的兵器見本市の初の海外出張版
  国内外150社が出展予定
 2014年4月 安倍政権が「武器輸出3原則」」を撤廃、「防衛装備移転3原則」に実質的な武器輸出全面解禁

4)科学の軍事化
 防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」 軍事に結びつく研究の公募
 2015 年度総額3億円でスタートし、17年度には110億円に

五 まとめ

(資料)
自民の改憲4項目、条文案 (2018/03/23 朝日新聞 朝刊 4ページ)
引用省略

※金原注
 レジュメの末尾に、2018年3月23日付「朝日新聞」朝刊に掲載された「自民の改憲4項目、条文案」が資料として紹介されていました。私も、自民党の4項目条文案をまとめて読むことができたのはこの記事が最初でしたが、朝日新聞デジタルでは「有料会員限定記事」となっていますので、ブログでの引用は差し控えることとします。
 その代わり(?)、2018年3月25日21時09分に産経ニュースが「【自民党大会】「改憲4項目」条文素案全文」をアップしており、今でも無料で読めます。
 実は、憲法フェスタ閉会後、長岡先生を囲んだ懇親会の席上でも話題となったのですが、今の学生(学生に限らないでしょうが)は新聞を読んでおらず、情報源はもっぱらネットだということで、それ自体は「多分そうだろうなあ」というところなのですが、問題なのは、朝日や毎日のネット版の記事は多くが有料会員限定記事であるのに対し、産経は原則無料なので、実売部数では劣勢の産経が、ネットの世界での占有率は非常に侮りがたい存在だということです。
 これなどもその一例でしょうか。
 なお、現在、自民党改憲4項目そのものについては、2018年3月26日に自民党憲法改正推進本部ホームページに掲載された「憲法改正に関する議論の状況について」に4項目の「条文イメージ(たたき台素案)」とその提案理由などがまとめられていますので、ご参照ください。

 

【付録・10人の憲法研究者の講演録を読む~「守ろう9条 紀の川 市民の会」で語られたこと(吉田栄司氏、森英樹氏、清水雅彦氏、高作正博氏、石埼学氏、植松健一氏、本秀紀氏、三宅裕一郎氏、飯島滋明氏、長峯信彦氏)】

2019年6月2日(日) 第15回総会
長峯信彦氏(愛知大学教授)
安倍改憲のトリックを斬る~憲法制定過程の真実と平和憲法を守る歴史的責任~
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」376号
講演録② 会紙「九条の会・わかやま」377号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」378号
金原ブログ①「長峯信彦氏(愛知大学教授)「安倍改憲のトリックを斬る~憲法制定過程の真実と平和憲法を守る歴史的責任~」講演レジュメを読む(守ろう9条紀の川 市民の会 第15回総会)」前編
金原ブログ② 同 中編
金原ブログ③ 同 後編

2018年11月11日(日) 第15回憲法フェスタ
飯島滋明氏(名古屋学院大学教授)
自民党改憲案にどう向かい合うか~私たちの具体的な対抗策は~
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」363号
講演録② 会紙「九条の会・わかやま」364号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」365号
金原ブログ「飯島滋明さんの講演「自民党改憲案にどう向かい合うか~私たちの具体的な対抗策は~」レジュメ紹介~第15回守ろう9条紀の川市民の会 憲法フェスタにて」

2018年3月24日(土) 第14回総会
三宅裕一郎氏(三重短期大学教授 ※現・日本福祉大学教授)
憲法9条が果たしてきた役割~「自衛隊」の明記によって何が変わるのか?~
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」346号
講演録② 会紙「九条の会・わかやま」347号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」348号
金原ブログ「三宅裕一郎氏(三重短期大学教授)「憲法9条が果たしてきた役割-「自衛隊」の明記によって何が変わるのか?-」講演レジュメを読む(守ろう9条紀の川 市民の会 第14回総会)」

2017年11月3日(金・祝) 第14回憲法フェスタ
本 秀紀氏(名古屋大学大学院教授)
安倍政権の9条破壊を許さない~海外で戦争する『自衛隊』は認められない~
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」336号
講演録② 会紙「九条の会・わかやま」337号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」338号
金原ブログ「2日連続 名古屋大学大学院教授(本秀紀氏&愛敬浩二氏)から学ぶ憲法をめぐる動向」

2017年4月1日(土) 第13回総会
植松健一氏(立命館大学教授)
安倍首相はなぜ憲法(constitution)を変えたいのか
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」321号
講演録②  会紙「九条の会・わかやま」322号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」323号
金原ブログ「植松健一氏(立命館大学教授)「安倍首相はなぜ憲法(constitution)を変えたいのか」講演レジュメを読む(守ろう9条 紀の川 市民の会 第13回総会)」

2016年4月2日(土) 第12回総会
石埼 学氏(龍谷大学法科大学院教授)
戦争法は廃止、憲法9条が輝く日本を取り戻そう~今、私たちにできること~
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」296号
講演録②  会紙「九条の会・わかやま」297号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」298号
金原ブログ①「石埼学龍谷大学法科大学院教授の講演をレジュメから振り返る~4/2「守ろう9条 紀の川 市民の会」第12回総会から」
金原ブログ②「石埼学龍谷大学法科大学院教授の【設問】に答える~「安保法制」講師養成講座2」

2015年11月3日(火・祝) 第12回憲法フェスタ
高作正博氏(関西大学教授)
「戦争法制」で日本はどんな国になるのか~私たちはどう対抗すべきか~
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」285号
講演録②  会紙「九条の会・わかやま」286号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」287号
講演録④ 会紙「九条の会・わかやま」288号
金原ブログ「「第12回 憲法フェスタ」(11/3 守ろう9条 紀の川 市民の会)レポートと11月中の和歌山での取組予定のお知らせ」

2014年11月8日(土) 第11回憲法フェスタ
清水雅彦氏(日本体育大学教授)
ちょっと待った!集団的自衛権~日本を戦争する国にさせない~
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」260号
講演録②  会紙「九条の会・わかやま」261号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」262号
金原ブログ「『脱走兵』が日本の現実とならないように~11/8守ろう9条紀の川市民の会「第11回 憲法フェスタ」」

2014年3月30日(日) 第10回総会
森英樹氏(名古屋大学名誉教授)
「国家安全保障基本法」は戦争体制を作りあげるもの
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」243号
講演録②  会紙「九条の会・わかやま」244号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」245号
金原ブログ「森英樹氏講演会を開催しました(守ろう9条紀の川 市民の会・第10回総会)」

2012年11月3日(土・祝) 第9回憲法フェスタ
吉田栄司氏(関西大学教授)
改憲派憲法を変えて日本をどんな国にしようとしているのか
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」205号
講演録②  会紙「九条の会・わかやま」206号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」207号

12/7(土)和歌山弁護士会が「憲法改正問題シンポジウム」を開催~各党から県議会議員が登壇~

【12/7(土)和歌山弁護士会が「憲法改正問題シンポジウム」を開催~各党から県議会議員が登壇~】

 来る12月7日(土)午後、和歌山県民文化会館小ホールにおいて、和歌山弁護士会が「憲法改正問題シンポジウム」を開催します。和歌山弁護士会憲法委員会委員の阪本康文委員(昨年度は日本弁護士連合会の憲法問題担当副会長でした)からの基調報告の後、6つの政党から各1名の県議会議員の皆さんが登壇され、意見を述べられるということです。
 私は和歌山弁護士会の会員ではありますが、憲法委員会の委員ではないので、これ以上立ち入った内容には不分明ですが、6党足並み揃って議員の皆さんが出席してくださることになって良かったと思います。

以下、チラシ記載情報を転記します。1人でも多くの方にご参加いただきたくご案内します。

(チラシ記載情報から)
憲法改正問題に取り組む全国アクションプログラム
憲法改正問題シンポジウム
日時 2019年12月7日(土)
 13時30分開場 14時00分開会(16時30分終了予定)
和歌山県民文化会館小ホール
入場無料 予約不要

基調報告 阪本康文弁護士(和歌山弁護士会憲法委員会委員)
パネルディスカッション「憲法改正について考える」
《パネラー》
自由民主党和歌山県議団会長 尾﨑太郎県議会議員
国民民主党和歌山県支部連合会幹事長 浦口高典県議会議員
立憲民主党和歌山県支部長 谷口和樹県議会議員
日本共産党和歌山県委員会委員 楠本文郎県議会議員
公明党和歌山県本部副代表 中拓哉県議会議員
日本維新の会和歌山県支部幹事長 林隆一県議会議員
《コーディネーター》
由良登信弁護士(和歌山弁護士会憲法委員会委員長)

 政権与党の自由民主党は、憲法改正に向けた「条文イメージ(たたき台素案)」を発表し、今後憲法審査会に提出して、審査会で改憲案を作成することを目指しています。そこで、各政党所属の和歌山県議会議員の皆様にご参加いただき、憲法改正についての意見をお聞きしたいと思います。様々な意見を聞くことで、憲法改正についての判断の一助となればと考え、本シンポジウムを開催します。

主催 和歌山弁護士会
共催 日本弁護士連合会 近畿弁護士会連合会
お問い合わせ 和歌山弁護士会
〒640-8144 和歌山市四番丁5番地
TEL:073-422-4580 FAX:073-436-5322

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和歌山県議会9月定例会で「統合型リゾート(IR)の誘致に関する決議」に反対した6人の議員の皆さん

 2019年10月9日配信(予定)のメルマガ金原No.3430を転載します。

和歌山県議会9月定例会で「統合型リゾート(IR)の誘致に関する決議」に反対した6人の議員の皆さん

[この記事は、昨日、Facebook第2ブログ(あしたの朝 目がさめたら)に掲載した文章に大幅な補訂を加えて再掲するものです。]

 去る9月27日に閉会した和歌山県議会9月定例会は、最終日に「統合型リゾート(IR)の誘致に関する決議」を賛成多数で採択しました。
 決議は、以下のような内容でした。

(引用開始)
                                          和議第10号
             統合型リゾート(IR)の誘致に関する決議(案)
 特定複合観光施設、いわゆる統合型リゾート(以下「IR」という。)は、成長戦略の一つとして、我が国の観光立国政策に貢献するとともに、和歌山県における新たな産業の創出や観光振興、地域振興、雇用の拡大、財政の改善、さらには人口減少の抑制など、将来の本県の発展に多大な貢献をもたらすことが期待できる。
 また、こうした経済的・社会的効果を発現させることにより、日本におけるIR導入の成功例として、本県の存在感を全国に示す絶好の機会となるものである。
 よって、和歌山県議会は、本県が目指すIR誘致の取組を支持するとともに、特定複合観光施設区域の一つに選ばれるよう、地元の合意形成に向けた誘致機運の醸成を図るなど、IRの誘致活動を積極的に推進する。
 以上、決議する。
   令和元年9月27日
                  和歌山県議会
                  (提 出 者)
                   総務委員会委員長 川畑 哲哉
(引用終わり)

 平成28年に成立した「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(いわゆる「IR推進法」「カジノ推進法」)で使われている「特定複合観光施設区域の整備の推進が、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものである」(同法1条)というような謳い文句をベースに、「人工減少の抑制」「本県の存在感を全国に示す」など、県民の心をくすぐる(?)と起案者が考えたご当地用フレーズをまぶせば、まあこんなものになるのでしょう。

 ところで、「賛成多数」での採択と書きましたが、和歌山県議会議員は全部で42人であり、その会派別構成は以下のとおりとなっています。

自由民主党県議団 27人
改新クラブ 5人
日本共産党県議団 4人
公明党県議団 3人
無所属の会 2人
日本維新の会 1人

 無所属の会のことはよく知りませんが、改新クラブは完全な寄り合い所帯で、対立が激しい決議、意見書の採決では、意見が割れることも珍しくありません。

 ところで、和歌山県議会では、個々の議員の議案に対する賛否は公開していませんが(これは早急に改善すべきでしょう~電子投票システムを導入する予算がないのだろうか?)、会派ごとの賛否の状況は公表しています。
 そこで、「令和元年9月定例会における議案等に対する各会派の賛否の状況」を調べてみました。
 それによると、「統合型リゾート(IR)の誘致に関する決議」についての会派別の賛否は以下のとおりでした。

(賛成)
自由民主党県議団
公明党県議団
無所属の会
改新クラブの一部
(反対)
日本共産党県議団(奥村規子、高田由一、楠本文郎、杉山俊雄各議員)
日本維新の会(林隆一議員)
改新クラブの一部

 案の定、改新クラブの意見は割れたのですが、同クラブの5人の賛否をどうすれば確認できるのか?
 知り合いの県議会議員に直接尋ねるという方法もあるでしょうが、誰でもできる方法をご紹介しましょう。
 まず、基本的に採決は、全会一致の場合には(事前に事務局が調査するらしい)「議長:ご異議ございませんか?」「議場:異議なし」で済まし、賛否が別れる場合には、賛成者に起立を求める方法で行うようですから、誰が立ったのか、誰が座ったままだったのかを映像で確認すれば良いのです。
 採決の模様は、県議会ホームページの「本会議中継・録画」というコーナーで視聴することができます。
 今回のIR誘致決議については、以下の方法で録画が視聴できます。

和歌山県議会 インターネット中継
  ↓
録画中継
  ↓
令和元年度
  ↓
9月定例会
  ↓
9月27日(金) ※52分12秒

 以上の最終日の録画のうち、「統合型リゾート(IR)の誘致に関する決議」については、43分~48分で、日本共産党県議団の奥村規子議員による反対討論が行われています。映像を注意深く視ていると、討論終了後の48分11秒あたりで、奥村議員に拍手する議員が5人確認できます(結局、その5人と奥村議員が反対することになるのですが)。

 その直後の48分55秒~49分09秒あたりで採決が行われ、賛成の議員は起立し、反対の議員は座ったままなのですが、反対した議員が誰かを調べるためには、県議会ホームページの中の「本会議場議席図」をご覧ください。
 私はこの議席図をプリントアウトした上で、中継録画の映像との照合を行いました。こう書くと面倒そうですが、何しろ反対者は少ないですからね。たった6人でした。
 結局、この議案の採決に際して座ったままだったのは、奥村規子議員の演説に拍手を送った5人に、奥村議員自身を加えた6人だけだったことが映像で確認できます。
 あらためて、その6人の議員を賞賛するために、以下にその氏名を掲載します。

日本共産党県議団
 奥村規子さん、高田由一さん、楠本文郎さん、杉山俊雄さん
日本維新の会
 林隆一さん
改新クラブの一部
 谷口和樹さん

 なお、「和歌山カジノに反対する海南の会」さんのFacebookに、ネット中継された採決の模様を静止画にしたものがアップされていましたので、議長席から見て右側の部分だけですが借用して掲載させていただきました。こちら側に、反対した議員6人全員が写っています。

 余談ながら、日本維新の会の林隆一議員がなぜ反対したのか?理由が知りたいと思い、同議員のTwitterFacebookを閲覧してみましたが、よく分かりませんでした。可能性としては、①カジノそのものに反対、②大坂維新の会が推進する大阪・夢洲へのカジノ誘致に対する援護射撃、③その他、などが考えられますが、はて?

 和歌山市議会議員当時、林さんの市民図書館問題について市当局を厳しく追及する姿勢には注目していたものですが。

 それにしても、と私が想起するのは、2014年9月定例会で和歌山県議会が採択した「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」の賛否状況です。この時は、意見書を発出して欲しいという請願を採択するかどうかと、意見書そのものの採択で賛否を使い分けた議員(公明党など)がいたりしてややこしかったのですが、少なくとも請願採択に反対した議員が7人いました(以下のとおり)。

(引用開始)
賛成 自民党公明党全員・改新クラブの一部(長坂隆司・片桐章浩)
反対 共産党全員(雑賀光夫・高田由一・松坂英樹・奥村規子)
     改新クラブの一部(藤本眞利子・浦口高典・谷口和樹)
(引用終わり)

 それがカジノについては、維新の会を含めても反対「6人」ですからね。やれやれ・・・。
 和歌山県民の中で、カジノ誘致に賛成という者が36/42(86%)もいるとは到底思えませんが、議会の現状はこのとおりです。
 それにしても、今回賛成した議員は、4月の統一地方選で、本当に「カジノは誘致すべき」と県民に訴えて当選したのだろうか?

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放送予告・ETV特集「昭和天皇は何を語ったのか~初公開“拝謁記”に迫る~」(89分拡大版/2019年9月7日)

 2019年9月1日配信(予定)のメルマガ金原No.3427を転載します。

放送予告・ETV特集昭和天皇は何を語ったのか~初公開“拝謁記”に迫る~」(89分拡大版/2019年9月7日)

 「今年の夏、NHKは頑張った」という話をよく聞きました。主に、テレビのドキュメンタリー制作部門についてのことですが。
 その中でも、最も注目を集めたのは(NHKも力を入れたのは)、8月17日(土)にNHKスペシャルで初回放送された「昭和天皇は何を語ったのか~初公開・秘録「拝謁(はいえつ)記」~」でしょう。
 初代宮内庁長官であった田島道治(たじま・みちじ)氏が克明に書き残した1949(昭和24)年から4年10か月の記録は、いずれ出版されることは間違いないでしょうし、本格的な研究はこれからですから、あまり早まった評価はすべきではなく、とりあえず、その概略だけでも念頭にとどめておきたいと思います。

 とはいえ、NHKスペシャルでは再放送も終わってしまったし、録画し損なってしまったという方にとって、うってつけの情報がありましたので、久しぶりにブログで放送予告をすることにしました。
 それは、NHKスペシャルで59分枠で放送されたものが、EテレのETV特集で89分拡大版として放送されることになったというものです。
 以下に、番組案内を引用します。

NHK・Eテレ 
本放送 2019年9月7日(土)午後11時00分~午前0時30分
再放送 2019年9月12日(木)午前0時00分~午前1時30分(11日深夜)
ETV特集「昭和天皇は何を語ったのか~初公開“拝謁記”に迫る~」

「占領の時代、昭和天皇のそばにあった田島道治の新資料「拝謁記」が公開された。1949(昭和24)年から、昭和天皇の言葉が克明に記されていた。注目されるのが戦争責任と退位の可能性だ。敗戦の道義的責任を感じていた昭和天皇は、当初退位も考えていた。さらに1952年の独立記念式典の「おことば」で戦争への反省を述べようとする。しかし、最終的に戦争の経緯は削除された。なぜか―。天皇と長官の対話を忠実に再現する。
【出演】片岡孝太郎橋爪功


 この「拝謁記」にNHKが力を入れていることは、「NHK NEWS WEB」に、「昭和天皇「拝謁記」―戦争への悔恨―」という特設ページを設けていることからでも分かります。
 しかもその特設ページ自体、相当気合いを入れて作っていることが、その見出しを読むだけでも伝わってきます。いちいち各ページにリンクはしませんが、「目次」代わりに、見出しだけ紹介しておきます。

昭和天皇「拝謁記」―戦争への悔恨―
 記述内容
   戦争への悔恨 
     昭和天皇 語れなかった戦争の悔恨
     繰り返し語る後悔の言葉
     強くこだわった「反省」
     削除された戦争への悔恨
        専門家「戦後も戦前・戦中を生きていたのではないか」
   退位への言及
     東京裁判後も退位に言及
     「国民が退位を希望するなら少しも躊躇せぬ」
   象徴への模索
     「象徴」への模索も明らかに
     象徴への決意
     政治的発言も
   再軍備改憲
     東西冷戦下 再軍備改憲にも言及
     「軍備の点だけ公明正大に…」
     「旧軍閥の再抬頭は絶対にいや」
      専門家「新たな発見だが旧軍には批判的」
     人間 昭和天皇
       歴代総理大臣の人物評繰り返す
       近衛文麿東條英機
       芦田均吉田茂
       「独自視点から人々を判断」
 「拝謁記」とは
      「生々しい肉声 超一級の資料」
         18冊の手帳とノート
     専門家「生々しい肉声 超一級の資料」
     拝謁の記録は600回 300時間超
     9割は「昭和天皇実録」に記載なし
     「空白期」埋める貴重な資料
     9か月かけ10人超える専門家と分析
    初代宮内庁長官 田島道治
      戦後初めて民間から長官に
     「焼却される寸前だった」
   終戦から独立回復 昭和天皇を取り巻く状況
     「人間宣言」から「象徴」へ
     西側陣営で国際社会復帰へ
     平和条約発効記念式典とは
     平和条約発効式典おことば
   分析に当たった専門家の評価
     「生々しい昭和天皇の本音」(古川隆久日本大学教授)
     「天皇の考えの揺らぎ伝わる」(吉田裕一橋大学特任教授)
     「一言一句の記録 見たことない」(茶谷誠一志學館大学准教授)
     「生身の昭和天皇 衝撃的な資料」(冨永望京都大学大学文書館特定助教
     「昭和天皇の本音がわかる貴重な資料」(瀬畑源成城大学非常勤講師)
 年表

 この「NHK NEWS WEB」特設ページから、特に興味を引かれた「拝謁記」の記載を2カ所引用します。

 1つは、番組告知でも強調されている、1952年(昭和27年)4月28日の「平和条約発効式典」での「おことば」に盛り込もうとして、吉田茂首相の反対によって削除されたという部分です(既に学界では知られたことであったようですが)。

(引用開始)
 吉田総理大臣が削除を求めた一節は、「国民の康福(こうふく)を増進し、国交の親善を図ることは、もと我が国の国是であり、又摂政以来終始変わらざる念願であったにも拘(かか)わらず、勢の赴くところ、兵を列国と交へて敗れ、人命を失ひ、国土を縮め、遂にかつて無き不安と困苦とを招くに至ったことは、遺憾の極みであり、国史の成跡(せいせき)に顧みて、悔恨悲痛、寝食(しんしょく)為(ため)に、安からぬものがあります」という部分です。このうち、「勢の赴くところ」以下は、昭和天皇が国民に伝えたいと強く望んだ戦争への深い悔恨を表した部分でした。
(引用終わり)

 もう1つは「退位(譲位)」についての発言のうち、「それはそうだろうなあ」と思わず同感してしまった部分です。

(引用開始)
 サンフランシスコ平和条約の調印が翌月に迫った昭和26年8月には、「責任を色々とりやうがあるが地位を去るといふ責任のとり方は私の場合むしろ好む生活のみがやれるといふ事で安易である」と、退位した方がむしろ楽だと語ったと記されています。
(引用終わり)

 それから、NHKの委嘱により、「拝謁記」の分析にあたった学者の1人である古川隆久日本大学教授が毎日新聞に寄稿した文章は、この種の資料にどう向き合うべきかを考える上で示唆的であり、是非お読みいただければと思います。

毎日新聞WEB版 2019年8月27日 14時26分
昭和天皇「拝謁記」報道を巡って 注意深い読み解きが必要=古川隆久・日本大教授

(抜粋引用開始)
 裏付けの例としては、52年5月のサンフランシスコ講和条約発効記念式典における「おことば」について、検討の開始時期や、案文の推移はこれまでの研究でわかっていたが、悔恨の意を盛り込むことへの昭和天皇の思いの強さ、途中での修正や吉田茂が削除を要請した具体的理由は、この「拝謁記」で初めてわかったことである。
 新事実としては、日中戦争中の南京事件に関する昭和天皇の認識や、この時期に昭和天皇が防衛軍的な意味での再軍備やそのための憲法改正を強く望んでいたことなどがある。
(略)
 新発見の史料の解釈や評価は、部分的であれその史料を初めて実際に読み解いた歴史研究者の評価が最初の有力な手掛かりとなる。歴史的な文書は、それが書かれた時代、あるいはその中で話題になっている時代の状況は時代背景を踏まえなければ、先入観による全く的外れな解釈や評価が下される危険性が生じるからである。
 比較的近い時代に書かれた「拝謁記」もその例外ではない。特にこの「拝謁記」は、現代日本と共通するような政治問題が話題になっている部分が多いだけに、余計に注意深い読み解きが求められる。当然、研究者の評価や解釈の報道に問題があれば、話の出発点から的外れということになってしまうのである。

(引用終わり)

 最後に、「拝謁記」は1949年2月から53年12月までの記録ですから(田島道治氏が宮内庁の前身・宮内府の長官に就任したのが1948年6月)、あの沖縄・天皇メッセージが発せられた1947年9月の記録は当然ながらありません。
 私としては、それがいささか残念ではあります。

代替わり後はじめての全国戦没者追悼式に注目した~貫徹される「安倍三原則」と新天皇「おことば」

 2019年8月15日配信(予定)のメルマガ金原No.3426を転載します。
 
代替わり後はじめての全国戦没者追悼式に注目した~貫徹される「安倍三原則」と新天皇「おことば」
 
 2013年1月24日から今年(2019年)の1月25日まで、丸6年間にわたって「毎日更新」を続けてきた「弁護士・金原徹雄のブログ」ですが、体調の問題から中断を余儀なくされ、再開後の更新も思うにまかせず、今月に入ってからはまだ一度も更新していないというありさまです。
 ただし、今日(8月15日)という特別な日には、何としてもパソコンに向かってブログを書かざるを得ないと思っていました。そして、幸か不幸か、ちょうど台風10号の西日本襲来のため、予定されていた刑事事件の公判が延期となったため、思わぬ盆休みとなり、ブログを書くための時間的余裕が生まれました。
 
 巻末のリンク一覧をご覧いただければお分かりのとおり、私は、2014年以来過去5年間、毎年8月15日には、その日開催された全国戦没者追悼式での安倍晋三内閣総理大臣「式辞」と天皇陛下「おことば」に注目してきました。
 そして、皇室が代替わりして最初の全国戦没者追悼式での首相「式辞」と天皇陛下「おことば」がどのように変わったのか、あるいは変わらなかったのか、跡づけることが自分の義務であるかのような気持ちもあり、本稿を書いてみることにした次第です。
 
 まず、本日、日本武道館で行われた全国戦没者追悼式の中継動画(THE PAGE)をご紹介しておきます。
 
令和最初の「終戦の日」政府が全国戦没者追悼式(2019年8月15日)(1時間13分) https://www.youtube.com/watch?v=GUGSGFwTDV8
 
17分~ 安倍晋三内閣総理大臣「式辞」
24分~ 天皇陛下「おことば」
 
 以下に、首相官邸及び宮内庁ホームページに掲載された「式辞」と「おことば」を全文引用しますが、何の予備知識もなく読み流してしまえば、私の問題意識も全く通じることはないのではと危惧されます。
 安倍首相「式辞」については、村山富市首相以来(ホームページで確認できるのはその後の橋本龍太郎首相以降)歴代の内閣総理大臣が踏襲してきた「式辞」のどの部分を変更したのか、そして、そのどこが問題なのかを考えながら読まねば意味がありません。
 また、天皇陛下「おことば」については、前代(平成上皇)が30年の在位中、8月15日に何を語ってきたか、その変わったことと変わらなかったことを確認した上で、新天皇がそれをどのように継承したかが関心の焦点となります。
 そのためにも、巻末でリンクしている7本のブログに、ざっとでも良いので目を通した上で、今年の「式辞」と「おことば」を読んでいただければ、より理解が深まることは疑いありません。
 とはいえ、皆さんにそのような準備作業を期待するのは難しいだろうと思いますので、以下に、過去5年の間、私が全国戦没者追悼式での「式辞」と「おことば」を研究した成果(?)の一端をまとめておきますので、参考にしてください。
 
【全国戦没者追悼式「式辞」における安倍三原則】
 第2次安倍政権を発足させた後、初めての戦没者追悼式となった2013年(平成25年)8月15日の「式辞」以来、一貫して堅持している原則を私は「安倍三原則」と名付けています。
 
アジア諸国民に対する加害についての反省と哀悼の意は絶対に表明しない。
②「不戦の誓い」も述べない。
戦没者の犠牲の上に“平和と繁栄”があることを強調しながら、“平和と繁栄”をもたらしたものが「国民のたゆまぬ努力」であるとは言わない。
 
 ①、②はわかりやすいかもしれませんが、③は一読しただけでは何が問題なのかわかりにくい「原則」かもしれませんね。ただし、私はこの③が靖国派による「まやかしの論理」の肝だと思っていますので、私の書いたブログの中の特に2014年に書いた3本をお読みいただければと思います・・・と言っても、読んでくれる人はほとんどいないでしょうから、「“コピペ”でなければ良いというものではない~全国戦没者追悼式での安倍晋三首相の式辞を聴いて。」(2014年8月15日)の一部を引用しておきます。
 
(引用開始)
 このような表現(注:「戦没者の皆様の、貴い犠牲の上に、いま、私たちが享受する平和と、繁栄があります。」)に何の違和感も感じないという方も、もしかするとおられるかもしれません。
 確かに、歴代総理大臣の追悼式式辞のように、このようなフレーズが、加害責任の自覚と反省の言葉とセットで語られているのであれば、(私はもっと適切な表現があると思いますが)まだしも理解できないこともありません。
 しかし、安倍晋三という人間はそうではありません。彼は決して加害責任を認めようとはしません(多くの「靖国派」と同様に)。国会でも、「侵略の定義は定まっていない」と言い張っています。
 そのような人間が「戦没者の皆様の、貴い犠牲の上に、いま、私たちが享受する平和と、繁栄があります」という時、そこに「反省」という契機が抜け落ちている以上、戦没者の犠牲をもたらした「戦争」があったからこそ、今の「平和」があるという倒錯した論理の罠にからめとられることになります。
 安倍首相を盛り立てる「靖国派」や「ネトウヨ」の「まやかしの論理」のポイントはこの点にこそあると私は考えています。
(引用終わり)
 
 それでは、今年の「式辞」を読んでみましょう。
 
(引用開始)
 天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、戦没者の御遺族、各界代表、多数のご列席を得て、全国戦没者追悼式を、ここに挙行致します。
 先の大戦では三百万余の同胞の命が失われました。祖国の行末を案じ、戦陣に散った方々、終戦後、遠い異郷の地にあって亡くなられた方々。広島や長崎での原爆の投下、東京をはじめ各都市での爆撃、沖縄における地上戦などで無残にも犠牲になられた方々。今、全ての御霊(みたま)の御前(おんまえ)にあって、御霊安かれと、心より、お祈り申し上げます。
 今、私たちが享受している平和と繁栄は、戦没者の皆様の尊い犠牲の上に築かれたものであることを、私たちは決して忘れることはありません。改めて、衷心より、敬意と感謝の念を捧(ささ)げます。
 未(いま)だ帰還を果たされていない、多くの御遺骨のことも決して忘れません。御遺骨が一日も早く故郷に戻られるよう、私たちの使命として、全力を尽くして参ります。
 わが国は戦後一貫して、平和を重んじる国として、ただひたすらに歩んでまいりました。歴史の教訓を深く胸に刻み、世界の平和と繁栄に力を尽くしてまいりました。
 戦争の惨禍を二度と繰り返さない、この誓いは昭和、平成、そして令和の時代においても決して変わることはありません。平和で希望に満ち溢(あふ)れる新たな時代を作り上げて行くため、世界が直面している様々な課題の解決に向け、国際社会と力を合わせて全力で取り組んでまいります。今を生きる世代、明日を生きる世代のために、国の未来を切り開いてまいります。
 終わりに、いま一度、戦没者の御霊に平安を、ご遺族の皆様には、ご多幸を、心よりお祈りし、式辞といたします。

(引用終わり)

 基調は昨年までのの「式辞」と変わりませんし、もちろん、「安倍三原則」は貫徹されています。参考までに、昨年の「式辞」にリンクしておきます(引用はしませんので、興味のある方はリンク先をご参照ください)。

平成三十年 全国戦没者追悼式式辞

天皇陛下「おことば」の論理と倫理】
 それでは引き続き、天皇陛下「おことば」に注目します。


 資料がないので、昭和天皇がどのような「おことば」を述べていたのか確認できませんので、今上天皇の今回の「おことば」と比較する対象は前代(平成上皇)による30回の「おことば」ということになります。
 平成天皇による30回の「おことば」を通読してみれば、時期的に3期に区分できることが分かります。
 2017年8月15日に書いた「全国戦没者追悼式における「おことば」(平成元年~29年)を通読して見えてくること」のまとめの部分を(平成30年の最後の「おことば」を踏まえて一部改訂)再掲します。

(引用開始)
第1期 平成元年~平成6年
 昭和天皇が「全国戦没者追悼式」で読み上げていた「おことば」が見つからないかと思って探しているのですが、まだ見つけられていません。けれども、即位直後からいきなり内容を変えるとは思いにくいので、この第1期の文章は、前代を基本的に踏襲しているような気がします(確言できませんけど)。
第2期 平成7年~平成26年
 村山富市内閣が成立して1年以上が経過した平成7年の「全国戦没者追悼式」で、初めて第3節に、「歴史を顧み,戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い,全国民とともに」という言葉が挿入され、以後、これが踏襲されています。
第3期 平成27年~平成30年
 政権に復帰した安倍晋三内閣と皇室の対立が外信でも(だからこそ?)報道される中、いわゆる安保法制審議中の平成27年の「おことば」には、異例とも言える表現が盛り込まれました。
 とりわけ特徴的なのは第2節であり、「終戦以来既に70年,戦争による荒廃からの復興,発展に向け払われた国民のたゆみない努力と,平和の存続を切望する国民の意識に支えられ,我が国は今日の平和と繁栄を築いてきました。戦後という,この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき,感慨は誠に尽きることがありません。」に、今上天皇の平和への思いが凝縮していると見るべきでしょう。
 残念ながら、第2節におけるこの表現は、翌年からまた元に戻ってしまいましたが、同じく平成27年「おことば」から第3節に付加された「さきの大戦に対する深い反省と共に」という部分のうち、「深い反省とともに」は生き残り、平成28年、29年、そして最後となった30年の「おことば」に引き継がれています。
(引用終わり)

 その父平成上皇の蹟を襲った徳仁天皇の初の「おことば」として注目していました。動画を視聴したところでは、やや緊張の色が見えましたが、その内容は、前代による最後の(平成30年)の「おことば」を基本的に踏襲したものでした。

全国戦没者追悼式
令和元年8月15日(木)(日本武道館)

(引用開始)
 本日,「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり,全国戦没者追悼式に臨み,さきの大戦において,かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い,深い悲しみを新たにいたします。
 終戦以来74年,人々のたゆみない努力により,今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが,多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき,誠に感慨深いものがあります。
 戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ,ここに過去を顧み,深い反省の上に立って,再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い,戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し,全国民と共に,心から追悼の意を表し,世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

(引用終わり)

 昨年の平成天皇による最後の「おことば」と対照してみましょう。

全国戦没者追悼式
平成30年8月15日(水)(日本武道館)


第1節
(平成30年)
 本日,「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり,全国戦没者追悼式に臨み,さきの大戦において,かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い,深い悲しみを新たにいたします。
(令和元年)
 本日,「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり,全国戦没者追悼式に臨み,さきの大戦において,かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い,深い悲しみを新たにいたします。
※一字一句同じです。
第2節
(平成30年)
 終戦以来既に73年,国民のたゆみない努力により,今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが,苦難に満ちた往時をしのぶとき,感慨は今なお尽きることがありません。
(令和元年)
 終戦以来74年,人々のたゆみない努力により,今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが,多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき,誠に感慨深いものがあります。
※主旨同一でやや修文したといったところでしょう。
第3節
(平成30年)
 戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ,ここに過去を顧み,深い反省とともに,今後,戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い,全国民と共に,戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し,心から追悼の意を表し,世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。
(令和元年)
 戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ,ここに過去を顧み,深い反省の上に立って,再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い,戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し,全国民と共に,心から追悼の意を表し,世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。
※この結びの節も前代の「おことば」が踏襲されました。私は「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ」がそのまま残されたことにも注目しました。このフレーズは、実は平成30年の最後の「おことば」に至ってさりげなく付け加えられたものだったからです。この部分について、私は昨年こう書きました

(引用開始)
第3節の冒頭に「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ」を付加したのには、それなりの思いがあってのことだろうと思います。私は、平成27年8月15日(あの「安保法制」法案が国会で審議されているただ中でした)の異例の「おことば」で述べられ、翌年から繰り返されることのなかった「戦争による荒廃からの復興,発展に向け払われた国民のたゆみない努力と,平和の存続を切望する国民の意識に支えられ,我が国は今日の平和と繁栄を築いてきました。」を(分かる者は分かってくれるだろうと)凝縮した表現が「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ」なのではないか、と思います。
(引用終わり)

 果たして、今上天皇が平成上皇の意図をそのようにくみ取ったかどうかは知るよしもありませんが、私としては、まずはほっとしたというのが偽らざる気持ちです。

(弁護士・金原徹雄のブログから/全国戦没者追悼式関連)
2014年1月14日
「日本傷痍軍人会」最後の式典での天皇陛下「おことば」と安倍首相「祝辞」(付・ETV特集『解散・日本傷痍軍人会』2/1放送予告)

※「全国戦没者追悼式」ではありませんが、十分「関連」がありますので。
2014年8月15日
“コピペ”でなければ良いというものではない~全国戦没者追悼式での安倍晋三首相の式辞を聴いて
2014年8月18日
続 “コピペ”でなければ良いというものではない~“平和と繁栄”はいかにして築かれたのか
2015年8月15日
全国戦没者追悼式総理大臣「式辞」から安倍談話を読み返す(付・同追悼式での天皇陛下「おことば」について)
2016年8月15日
全国戦没者追悼式で今年も貫徹された“安倍3原則”(付・天皇陛下「おことば」を読む)
2017年8月15日
全国戦没者追悼式における「おことば」(平成元年~29年)を通読して見えてくること
2018年8月15日
平成最後の「全国戦没者追悼式」~安倍内閣総理大臣「式辞」と天皇陛下「おことば」を読む

平和と戦争を考えるテレビ番組 2019年夏

 2019年7月24日配信(予定)のメルマガ金原No.3425を転載します。

平和と戦争を考えるテレビ番組 2019年夏

 日本では、毎年7月の終わりから8月にかけて、NHKと民放とを問わず、「平和と戦争を考える番組」を、他の時季よりも数多く放送する傾向が明らかに認められます。
 この時季だからこそ企画が認められやすい番組もあるでしょうから、この現象を「夏の風物詩」などと揶揄するのは正しい態度ではなく、一つ一つの番組をそれ自体として真摯に受け止めるべきでしょう。
 ところで、例年、6月の終わりか7月はじめになると、どこからともなく「平和と戦争を考えるテレビ番組(NHK編)」という放送予定一覧表が流れてきて、大変重宝させていただくのですが、もともとどなたがまとめられたものか、私は知りません。
 今年の「平和と戦争を考えるテレビ番組 2019年夏(NHK編)」については、三多摩平和交流ネットワークというサイトに転載されていますので、そちらをご参照ください。
 なお、そこでも注記されているとおり、番組の題名が変わることもありますし、放送日程が変更されることもあり得ますので、視聴・録画等される場合には、放送局(この場合はNHK)のホームページ等でご確認ください。

 また、どこからともなく流れてきた情報ではなく、NHK広報局が6月19日付で発表したリリース「“戦争と平和”を考える番組」には、番組数は絞られていますが、より詳しい情報が掲載されていますので、こちらもご参照ください。
 特に、ドラマとドキュメンタリーの両方で取り上げる「マンゴーの樹の下で」にはNHKも相当力を入れているようです。岸惠子さんが主演されるドラマ版は、総合TVで放映されるヴァージョン(73分版)よりもBSで放送されるもの(89分版)の方が長くなっています。

 それから、(民放編)のまとめ情報が流れてこないかと期待しているのですが、なかなか入手できませんので、在阪キー局を通じて視聴できる、NNNドキュメント、テレメンタリー朝日放送テレビ)、映像(MBS)、ザ・ドキュメント(関テレ・不定期)に限定して自分で調べてみました。
 結局、見つかったのはNNNドキュメントの3本だけでしたが、他に、映像’19で放送予定(7/28)の「ある徴用工の手記より~日韓の間に何が起きているのか~」に注目しました。
 これは正しく現在の問題であるとともに戦争の問題でもある訳で、「“戦争と平和”を考える番組」として紹介するのにふさわしいと判断しました。
 ディレクターがどなたかまでは分かりませんが、今この時期にこの番組を放送するというのは、ジャーナリストとしての「気骨」を感じますね。
 以上、ご参考までに。

2019年7月28日(日)24時50分~25時50分
映像’19(毎日放送)
ある徴用工の手記より~日韓の間に何が起きているのか~

1991年に日本で出版された「朝鮮人徴用工の手記」という本がある。1944年11月に朝鮮で徴用された鄭忠海(チョン・チュンヘ)さんが、戦後書いた手記だ。鄭さんは広島の工場で小銃を作る仕事をさせられた。
労務環境はそれほど悪くはなかったが、日本が米軍の空襲で受けた惨状などを見る目は、怨恨に貫かれている。「罪のない市民たちが犠牲になったのだから哀しいことだけれど、彼ら自らが招いた災いであり、誰も恨むことはできないだろう」。
番組では、この本の内容を映像化して、当時の徴用工の暮らし・思いはどんなものだったかを伝える。また、鄭さんという一人の徴用工の後ろには、何十万という数の徴用工たちがいて、中には強制的な連行や危険な労働環境をとおして、命を落としたり、心身に傷を負ったりした人もいる。去年10月の韓国大法院の判決をきっかけに日韓両国の関係が悪化する中、日本での取材以外にも韓国でこの問題に関りのある人々にも直接話を聞く。一次資料に当たるなど、事実に基づいて番組を制作・放送することで、関係改善の一助としたい。

2019年7月28日(日)24時55分~25時25分
NNNドキュメント’19(日本放送系列)
色彩の記憶~よみがえるヒロシマ~

広島市平和公園はかつて、4400人が暮らす町でした。
理髪店や写真館で生まれ育った人たち...。
被爆前、今と変わらぬ日常がありました。
被爆者の平均年齢は82歳を超え、記憶の継承が課題となる中、
写真を使って継承しようと取り組む人たちがいます。
広島の高校生と東京大学大学院の教授です。
それは被爆前の白黒写真をカラー化するというもの。
人工知能「AI」を活用します。広島にはかつて普通の日常がありました。
カラー化写真を見た被爆者の思いとは...。
語り/戸田菜穂  制作/広島テレビ  放送枠/30分
再放送
8月4日(日)11:00~ BS日テレ
8月4日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24

2019年8月4日(日)24時55分~25時25分
NNNドキュメント’19(日本放送系列)
原爆の絵 高校生が描く“ヒロシマ

原爆投下から74年。被爆者の平均年齢は82歳を超えた。原爆で369人が亡くなった基町高校では12年前から被爆者の体験談を絵で残す取り組みを続けている。今年も5人の生徒が祖父母を探すため入市被爆した男性の話を絵で表現することになった。想像もつかない当時のヒロシマに苦悩する生徒たち。その中には祖父が被爆者という被爆3世の生徒も...。"原爆の絵"を通じて、被爆を継承する高校生の思いに迫る。【制作:広島テレビ
再放送
8月11日(日)11:00~ BS日テレ
8月11日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24

2019年8月11日(日)24時55分~25時25分
NNNドキュメント’19(日本放送系列)
海は知っている 詫間海軍航空隊(仮)

「こんな飛行機で本当に特攻出撃したのか?」その機体は、偵察機として使われた古い水上飛行機です。瀬戸内海をのぞむ小さな町に残された滑走路。太平洋戦争末期、訓練部隊だった詫間海軍航空隊は、水上特攻の一大拠点となり、訓練の浅い学生たちが、爆弾とともに次々と突入。特攻兵57人、誘導部隊も含め300人以上が戦死しました。彼らはなぜ死ななければならなかったのか。戦後、置き去りにされた基地の歴史をたどります。【制作:西日本放送
再放送
8月18日(日)11:00~ BS日テレ
8月18日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24

こどもピースフェスタ2019(8月10日@和歌山ビッグ愛1階展示ホール)のご案内~今年で3回目!

 2019年7月19日配信(予定)のメルマガ金原No.3424を転載します。

こどもピースフェスタ2019(8月10日@和歌山ビッグ愛1階展示ホール)のご案内~今年で3回目!

 回を重ねて3回目のとなる「こどもピースフェスタ2019」、今年も和歌山ビッグ愛1階展示ホールで開催されます。
 一昨年が7月30日、昨年が9月2日、今年が8月10日ということで、「夏にやる」というだけ決めているということで、開催時期については割合フリーな感じです。

 普通の参加者で、5時間びっしり詰め切る人はいないと思いますが、ご都合のつく時間だけでも、とても楽しく豊かな時間が過ごせること請け合いです。

 今年、私がチラシに記載されたプログラムを眺めながら注目した点をいくつか挙げてみましょう。

〇紙芝居「せんそうのおはなし『わかやまのくうしゅう』」が、昨年は作者の山本喜美子さんが上演されましたが、今年は、山本さんご自身から後継指名を受けた池田香弥さんに引き継がれて上演されます。今年の憲法記念日、山本さんの代理として「第5回 わかやま平和賞」受賞式に出席された後、西の丸広場のブースで『わかやまのくうあしゅう』を演じてくださった池田さんですが、いささか周辺の音に妨げられたりして、万全の状態ではありませんでしたので、「こどもピースフェスタ」での上演が楽しみです。

〇去年もブースを出展されていた国際協力機構(JICA)関西ですが、今年のテーマは「ファッションショー、私たちのSDGs宣言」。SDGs(エスディージーズ)の推進に力を入れるJICAならではの企画で、これも興味深いですね。ところで、ファッションショーのモデルはこどもたちが務めるんだろうか?

〇合唱構成「ぞうれっしゃがやってきた」の公演が7月27日(土)に行われますが、そのために結成された「2019ぞうれっしゃ合唱団和歌山」の有志が、その抜粋をステージで披露してくれるそうです。公演を聴いた人も行きそびれた人も、是非ご期待ください。

〇チラシに「あの有名なパン屋さんのパンも♪」とあるのが気になりますね。去年会場で買って昼食にしたパンはたしかにとっても美味しかったけど。

 それでは、以下にチラシ記載情報を完全転記します。
 是非お誘いあわせの上足をお運びください。
 ※写真は、昨年の会場内スナップです。

(チラシ記載情報から引用開始)
-チラシ表面-
こどもピースフェスタ 2019

2019年8月10日(土)10:00⇒15:00
県民交流プラザ和歌山ビッグ愛 1階 展示ホール
 (和歌山市手平2丁目1-2)

入場無料

こどもピースフェスタ ってなぁに?
こどもたち一人ひとりが大切にされ、それぞれが自分らしく歩んでいってほしい・・・そんな願いを持った人々が集まり、企画しました。毎年大盛況で、今回で3回目の開催となります。ステージあり、体験ブースあり、ワークショップあり、飲食ブースあり。見て、遊んで、学んで、食べて・・・
こどもが主役のとっても楽しいイベントです!
皆さまのご来場をお待ちしております!

主催:こどもピースフェスタ実行委員会
後援:和歌山県和歌山市和歌山市教育委員会
協賛:家庭的保育園なないろ

-チラシ裏面-
Stage
◇こどもたちの学習発表会
◇けん玉パフォーマンス(日本けん玉協会 和歌山県支部
◇民舞:演目『大森みかぐら』(わかやま民舞クラブ「鼓と羽」)
◇朝鮮の歌、民族楽器(和歌山朝鮮初中級学校)
◇沖縄ってどんなところ?(和歌山大学 社会科学研究会)
◇ファッションショー、私たちのSDGs宣言(国際協力機構(JICA)関西)
◇せんそうのおはなし『わかやまのくうしゅう』(語り 池田香弥、作 山本喜美子)
◇韓国語すがたり・英語で狂言・英語の歌(ラボ小倉パーティ)
◇こども落語(わかやま楽落会)
◇合唱『ぞうれっしゃがやってきた』より(ぞうれっしゃ合唱団 有志)
◇みんなで一緒に歌おう\(^o^)/♪(Vo.たかいあい、Pf.森本麻子)
 ★出演団体・内容は一部変更になる場合があります。

Floor
・アフリカ布で遊ぶ、「SDGs」ってなあに?(国際協力機構(JICA)関西)
・沖縄クイズ(和歌山大学 社会科学研究会)
ナチュラルクラフトの素材(NCEG自然・子ども・教育の会)
・エコ遊び:身近なもので楽しく遊ぼう☆(サスティナブルフォーラムわかやま)
・ドミノあそび、雑貨販売(和歌山みなみ子ども劇場)
・てづくりおもちゃ(NPO法人 和歌山こどもの広場 わかば♪)
・ポズック雑貨店(社会福祉法人一麦会 Po-zkk)
・「戦中・戦後のくらし」の展示と解説(昭和館和歌山市立博物館 協力)
・“りぃぶる”おすすめ絵本(和歌山県男女共同参画センター“りぃぶる”)
・マフィン・ポップコーン・ジュース(NPO法人 花咲か)
・キンパ販売 など(和歌山朝鮮初中級学校)
・学習発表展示(こども塾、他)
こども店長のお店(ミャンマー民族衣装体験、絵本の販売など)

飲食ブースあります!
あの有名なパン屋さんのパンも♪
会場内のクイズ&シールラリーにチャレンジするとプレゼントがもらえるよ!

お問合せ先:こどもピースフェスタ実行委員会
 https://www.facebook.com/kodomopeacefesta/
連絡先:TEL&FAX 073-419-0450 090-9166-1633
(引用終わり)

(弁護士・金原徹雄のブログから)
2017年6月4日
開催予告7/30こどもピースフェスタ2017@和歌山ビッグ愛1階展示ホール~チラシ記載情報から
2018年7月8日
こどもピースフェスタ2018(9月2日@和歌山ビッグ愛1階展示ホール)のご案内~今年も楽しそう!
2018年9月2日
こどもピースフェスタ2018@和歌山ビッグ愛1F展示ホール 大盛況!

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「2019 平和のための戦争展わかやま」のご案内(2019年7月27日・28日@プラザホープ)

 2019年7月17日配信(予定)のメルマガ金原No.3422を転載します。

「2019 平和のための戦争展わかやま」のご案内(2019年7月27日・28日@プラザホープ

 毎年恒例となっている「平和のための戦争展わかやま」ですが、今年も7月27日(土)・28日(日)の両日、和歌山県勤労福祉会館プラザホープを会場として開催されます。和歌山県平和委員会の里﨑正さんからチラシが届き、Facebook第2部ブログ(あしたの朝 目がさめたら)では簡単にチラシ記載内容を紹介しましたが、こちらのブログでもご案内しておこうと思います。

 実は、そのチラシを見て驚いたのですが、今年の戦争展は、「ビキニ事件」にフォーカスするという思い切った企画になっており、「ゴジラ」展示や伊藤宏先生(和歌山信愛女子短期大学教授)がパネルディスカッションのコーディネーターを務められるというのも、その文脈からのことと思われます。
 時あたかも、戦争展の4週間後の8月25日(日)には『ゴジラ』第1作(1954年)デジタルリマスター版上映と同作主演俳優・宝田明さんの講演が行われることになっており(和歌山市民会館小ホール)、まるで今年の戦争展がそのプレ企画のようにも見える・・・などと言っては、老舗の戦争展に失礼なので言いませんが。

 8月25日に「市民会館に絶対行こう」と決めておられる方には、「是非戦争展(出来れば27日の午後)にも参加して欲しい」とお薦めしたいと思います。
 もっとも、27日(土)の午後といえば、ぞう列車合唱団の公演ともろにバッティングしているのですよね(市民会館小ホール)。困ったものです。

 それでは、以下にチラシ記載情報を転記します。

(チラシから引用開始)

2019 平和のための戦争展わかやま

日時=2019年7月27日(土)⇒28日(日)
     10時~17時(28日は13時まで)

入場無料

[展示 2階ギャラリー]
27日〈土)10:00~17:00、28日(日)10:00~13:00
ビキニ水爆実験で誕生した「ゴジラ」展示
その他のパネル展示
「広島高校生が描いた原爆の絵」・「第五福竜丸」・「和歌山大空襲」など

[講演会 4階ホール]
27日(土)13:30~16:00
(オープニング 13:00~ TOY・BOX)
「ビキニ事件」と日本の戦後~消されたマグロ漁船員たち~
講師:岡村啓佐(おかむら・けいすけ)氏(高知平和資料館・草の家 副館長)
パネルディスカッション
コーディネーター
伊藤宏氏(和歌山信愛女子短期大学教授)
パネリスト
伊藤宏氏⇒ビキニ水爆実験とゴジラ誕生
岡村啓佐氏⇒「ビキニ事件」隠ぺいに抗う元漁船員たち
仲江高丸氏(紀州語り部の会)⇒第五福竜丸串本町
※岡村啓佐氏プロフィール 1951年生まれ、高知市在住。1999年に写真集『高知の被爆ヒロシマナガサキそしてビキニ』を発刊し、同名の写真展を高知県立美術館で開催。2001年には広島平和祈念資料館で開催。2007年『高知の被爆者 未来への伝言』(高知新聞社)を発刊。2008年『731部隊と高知』を発表。2015年、写真展反戦三部作『731部隊と高知』『沖縄戦と高知』『高知の被爆者』と『フクシマの今』を同時開催。2013年からは平和資料館・草の家副館長を務め、小・中学校での平和学習や、沖縄問題、731部隊、ビキニ事件、フクシマと原発問題などをテーマに、各地で講演を行っている。

[和大・社研の報告 4階ホール]
27日(土)11:00~12:00

[市民参加企画 3階会議室1・2]
28日(日)10:00~12:30
紀州昔話・・・アラオの会
紙芝居・・・つくしんぼ
語り部・・・「私の戦争体験」
  小田哲郎さん(和歌山市在住)
  光吉敏郎さん(田辺市在住)

・・・みなさんへのお願い・・・
戦争中の資料をご提供ください。
賛同募金にご協力ください。
  1口500円から 団体6口3000円から

[主催]2019 平和のための戦争展わかやま実行委員会
[お問い合わせ先]
 和歌山市松原通3-20 教育会館 和歌山県平和委員会内
 TEL 073-488-3095 FAX 073-488-3096
[後援]朝日新聞和歌山総局/毎日新聞和歌山支局/読売新聞和歌山支局/(株)和歌山放送/(株)テレビ和歌山/わかやま新報/ニュース和歌山(株)/(株)和歌山リビング新聞

(弁護士・金原徹雄のブログから/「平和のための戦争展わかやま」関連)
2015年8月7日
「2015平和のための戦争展わかやま」(8/1)でピースライブを堪能する
2016年7月12日
予告7/30&31「2016平和のための戦争展わかやま」~半田滋さんの講演(7/30)もあります
2016年7月30日
戦地からの“最愛の妻”への手紙~「2016平和のための戦争展わかやま」から
2017年7月16日
「平和のための戦争展わかやま2017」(7/29・30プラザホープ)のご案内
2018年6月28日
「平和のための戦争展わかやま2018」のご案内(2018年7月28日・29日@プラザホープ)