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放送予告8/21『18歳・・・生徒手帳と私の一票』(NNNドキュメント)~高校生の政治活動と事前届出制

 今晩(2016年8月17日)配信した「メルマガ金原No.2541」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
放送予告8/21『18歳・・・生徒手帳と私の一票』(NNNドキュメント)~高校生の政治活動と事前届出制

 南海放送という地方局があります。四国に住んでいない人に「何県にある放送局だと思いますか?」と尋ねたら、一番多い答えは多分「高知県」ではないでしょうかね。実際、私自身がそう思っていましたから。
 私がその間違いに気付いたのは、南海放送が制作した映画『放射線を浴びたX年後』第1作、第2作と監督による講演を一気に行うという企画が和歌山市で開催されることを知り、その予告記事をメルマガ(ブログ)に書いた時でした(予告6/11映画『放射線を浴びたX年後』2部作一挙上映と伊東英朗監督講演会へのお誘い(核戦争防止和歌山県医師の会)/2016年4月26日)。
 そう、南海放送が「愛媛県」を放送エリアとする地方局であることを、この時初めて知ったのです。
 「南海」=「南の海」という連想で、瀬戸内海に面した香川県愛媛県は頭に浮かばなかったのでしょうね。しかし、そもそも「南海放送」の「南海」は、五畿七道の1つである「南海道」から来ているのでしょうし、行政区画としての「南海道」は、
 紀伊国(現在の和歌山県三重県南部)
 淡路国(現在の兵庫県淡路島、沼島)
 阿波国(現在の徳島県
 讃岐国(現在の香川県
 伊予国(現在の愛媛県
 土佐国(現在の高知県
という6つの「国」から成るのであり(そういえば私の住む「紀伊国」も「南海道」だった!)、当然「伊予国愛媛県)」に「南海放送」があっても少しも不思議ではなかった訳です。やはり、基礎的教養というのは重要ですね。
 
 以上は全くの余談ですが、その南海放送が制作するドキュメンタリー番組は、全国放送される場合には、NNNドキュメント枠での放送となります。最近では、伊東英朗ディレクターによる『放射線を浴びたX年後』シリーズの最新作が放映されました(放送予告6/26『汚名~放射線を浴びたX年後4~(仮)』(NNNドキュメント)/2016年6月11日)。
 
 そして、今日ご紹介する次週放送予定のNNNドキュメントが、やはり南海放送制作によるものです。以下に番組案内をご紹介します。
 なお、NNNドキュメントは、各地の放送局から同じ時間に放送されるようで、東京圏は日本放送、関西圏は読売テレビからの放送となります。
 
2016年8月22日(月)午前1時05分~(日曜25時05分~)
NNNドキュメント『18歳・・・生徒手帳と私の一票』

(引用開始)
18歳から選挙で投票できるようになった今年、愛媛のすべての県立学校が「選挙運動」や「政治活動」の届出を校則で義務化し生徒手帳などに記された。学者らは憲法違反と猛反発し教育現場も混乱。そこには60年前から県教育委員会に「モノ言えぬ」学校現場の体質が脈々と続いていることが取材から分かってきた。そんな中、届出制という"縛り"の中で動き出した高校生たち。愛媛独自の届出制から18歳の権利について考える。
ナレーター / 向井地美音 制作 / 南海放送 放送枠 / 30分
再放送
8月28日(日)11:00~ BS日テレ
8月28日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24
(引用終わり)
 
 「高校生の政治活動と事前届出制」については様々な報道がなされましたが、一例として毎日新聞の記事を引用しておきます。
 
毎日新聞 2016年5月17日 07時00分(最終更新 5月17日 07時00分)
高校生の政治活動 事前届け出、都道府県で対応分かれる

(抜粋引用開始)
 高校生の校外での政治活動について、学校への事前届け出を認めた文部科学省の対応が「思想、信条に関する個人情報」の収集を禁じた個人情報保護条例に抵触する可能性が浮上している。専門家は「集会に出る生徒の氏名を聞くだけで条例が禁じる個人情報の収集になる」と指摘している。福岡県教委は届け出が個人情報保護条例の趣旨に反するとして、届け出を不要と判断している。
 届け出制を巡っては愛媛県立高の全59校が採用。愛媛県教委は「生徒の所在確認など安全管理に必要」などと説明した。徳島県でも3月中旬の県教委の調査で県立高15校が届け出制を導入する方針を示した。
 愛媛、徳島両県の個人情報保護条例はいずれも、思想、信条に関する個人情報の収集を禁じている。愛媛県教委は「行き先まで問わなければ条例が定める個人情報には該当しない」として、学校側に政治的信条を問わないよう要請した。多くの学校が口頭での届け出で、県教委はこれまでの実績は把握していないという。徳島県教委も「政治的信条を問うのが目的ではない」と話し、条例に違反しないとの姿勢だ。
 愛媛県松山東高校松山市)は(1)参加日(2)満年齢(3)場所が県内か県外か??を生徒が担任に口頭で伝える。北須賀逸雄校長は「18歳未満が選挙運動に参加すると公職選挙法違反になる。違反に巻き込まれないように生徒自身に確認させ、注意喚起するのが目的」と説明。条例との関係について「専門家でないので分からないが、文科省から認められた範囲内で対応している」と話した。
 文科省児童生徒課は「教育に必要な個人情報を学校が収集することは一般論として可能。条例内容は各都道府県で違うので届け出制が条例違反かどうかは判断できない」としたうえで「愛媛県は政治的信条を問うような届け出ではなく、条例違反にならないと考える」としている。
 これに対し、新潟大の鈴木正朝教授(情報法)は「行き先を問わなくても政治活動に参加することを届け出るのだから明らかに条例が禁じる情報収集に該当する」と指摘。その上で「行き先を問わないのであれば『安全を守る』という大義名分も成り立たないのではないか」と話した。
 内閣府情報公開・個人情報保護審査会の委員を務めた森田明弁護士は「政治活動の参加自体が政治的信条の一定の傾向を示すわけだから、届け出を求めること自体が問題ではないか。少なくとも(届け出の是非を)個人情報保護審査会などの第三者機関に諮るべきだ」と指摘している。
 毎日新聞が4月下旬、47都道府県と20政令市の教委に取材したところ、15府県と8政令市の教委が届け出を不要と判断。福岡県教委は「『何かあった時のため』という理由で届け出させることは必要のない個人情報を集めることになり、県条例の趣旨に反する」としている。
(引用終わり)
 
 上記記事の冒頭にある「高校生の校外での政治活動について、学校への事前届け出を認めた文部科学省の対応」については、文科省が作成した「Q&A」を参照願います。
 
「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について(通知)」に関するQ&A(生徒指導関係)
(抜粋引用開始)
Q9.放課後、休日等に学校の構外で行われる政治的活動等について、届出制とすることはできますか。
A.
放課後、休日等に学校の構外で行われる、高等学校等の生徒による政治的活動等は、家庭の理解の下、当該生徒が判断し行うものですが、このような活動も、高等学校の教育目的の達成等の観点から必要かつ合理的な範囲内で制約を受けるものと解されます。
 したがって、高校生の政治的活動等に係る指導の在り方については、このような観点からの必要かつ合理的な範囲内の制約となるよう、各学校等において適切に判断することが必要であり、例えば、届出をした者の個人的な政治的信条の是非を問うようなものにならないようにすることなどの適切な配慮が必要になります。
(引用終わり)
 
 18歳以上に選挙権年齢が引き下げられた後初めての国政選挙(第24回参院選)が終わったばかりですが、これは、民主主義の「将来の担い手」が「実際の担い手」となる境目が20歳から18歳に変更されたということであり、これから長い目で見た場合、日本の将来に大きな影響を与える可能性のある改革であったはずです。
 その出鼻を挫くように、と私には受け取れた「高校生の政治活動の事前届出制」ですが、その実体がどのようなものであったのか、全国的な注目を浴びた愛媛県からの報告です。大いに関心をもって視聴したいと思います。
 

(付録)
『君こそは友』 作詞:藤村直樹 補作:長野たかし 演奏:長野たかし&森川あやこ
  

クラウドファンディング「福島の子どもたちを沖縄・久米島の保養プロジェクトに招待したい」のご紹介

 今晩(2016年8月18日)配信した「メルマガ金原No.2542」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
クラウドファンディング「福島の子どもたちを沖縄・久米島の保養プロジェクトに招待したい」のご紹

 久しぶりにマコさん、ケンさんの「おしどりポータルサイト」をのぞいてみたところ、トップに大きく掲載されていた記事は、「クラウドファンデング・プロジェクトのお知らせ「球美の里クラウドファンデ
ィング・プロジェクト」7/29開始」というものでした。
 沖縄県久米島に、フォト・ジャーナリストの広河隆一さん(当時は月刊「DAYS JAPAN」編集長で現発行人)が中心となって設立した福島の子どもたちのための保養施設が「球美(くみ)の里」ですが、そういえばマコさんは、「DAYS JAPAN編集委員であるばかりか、「認定NPO法人 沖縄・球美の里」の理事でも
あるのでした。
 
 「認定NPO法人 沖縄・球美の里」では、恒常的に「募金」をお願いしていますが、それとは別に行う「クラウドファンディング・プロジェクト」ということですね。
 目的は、第66次保養(実施時期:2016年11月16日~11月29日)に参加予定の未就学児か
ら小学2年生までの福島の子ども27名とその母親たち15名の交通費、プログラム参加費、食費などを支援することであり、第一目標金額1,000,000円は達成し、現在はネクストゴール2,000,
000円を目指して引き続き募集中です(2016年9月27日まで)。
 クラウドファンディング「福島の子どもたちを沖縄・久米島の保養プロジェクトに招待したい」から、その概要をご紹介しようと思います。1人でも多くの方が協力していただければと思います。
 
(抜粋引用開始)
原発事故で外遊びが制限されている福島の子どもたちを久米島に招待したい!
 こんにちは。福島の子どもの保養施設「沖縄・球美の里」の理事長・向井雪子です。「チェルノブイリ
ども基金」「未来の福島こども基金」でも活動しています。
 「沖縄・球美の里」では、福島の子どもたちに沖縄県久米島で保養してもらう活動を2012年からずっ
と毎月続けてきました。今まで60回、2052人の子どもたちが参加してくれました。一人でも多く参加してもらうため、子どもの交通費や参加費はすべて無料としています。保養運営費はすべて国内外からの善意の募金でまかなっていますが、この先も継続的に子どもたちを受け入れ続けていくことは資金的な困難が
予想されます。そこで、11月の保養運営資金を募るプロジェクトに挑戦することに決めました。
 参加予定の子どもたち27人を無料招待するには、福島から久米島の航空券やバス代だけでおよそ160万円もの費用がかかってしまいます。福島の子どもたちに久米島で思いっきり遊んでもらうため、お力添えいただけないでしょうか?ご支援よろしくお願いいたします!
 
「沖縄・球美の里」について
 2011年3月の福島第一原発事故により被曝したか、現在も汚染された地域に住む子どもたちがいます。そんな子どもたちのために、フォトジャーナリストで月刊誌「DAYS JAPAN」の編集長だった広河隆一(現DAYS JAPAN発行人、沖縄・球美の里名誉理事長)が中心となり、福島の子どもたちの健康維持のために通
年で利用できる保養施設「沖縄・球美の里」をつくりました。
 沖縄・球美の里では、2012年から現在まで毎月、50人前後を、約10日間の保養に招待しています。小中学校が休みの期間は小中学生を、学校がある期間は未就学児と付添いのお母さんを招待します。放射能汚染の心配が無い食べもの、水、空気、土。全国から集まるボランティアや久米島の皆さんの温かいサポート。そんな環境で海水浴、自然観察、海洋深層水プール、芸術鑑賞など、わくわくするようなプログラム
をたくさん用意しています。
 10日間の久米島での生活が終わったあと子どもたちは、すっかり顔色がよくなり、より活発になって福
島へ戻っていきます。このような「保養」を繰り返すことで、心身ともに健康になって病気になりにくい体をつくってもらう。それが私たちの目的です。一定期間保養することにより、まず体の中と外からの被曝による健康被害のリスクは下がり、免疫力が上がり、精神的なストレスは軽減されます。保養中は、希望者に対して甲状腺検診と医療相談会も行なっています。
 
「病気になりにくい体をつくる!」保養の効果について
 1986年に原発事故を経験したチェルノブイリでは、事故発生から5年後には子どもたちを保養させる法律が制定され、30年後の現在まで、ベラルーシでは国策で保養が継続的に行なわれています。保養を繰り返すことにより、内部被曝外部被曝の量を減らし、健康被害のリスクを下げることは保養者の9割以上に「
明らかな効果」をもたらす、とのベラルーシ政府の科学的な調査結果もあります。
 実際に「沖縄・球美の里」の保養参加後の母親へのアンケートで、子どもの変化について、よくみられ
る回答として次のようなものがあります。
<身体的変化>
・風邪を引きにくくなった
・のどの痛みがなくなった
・鼻水が出なくなった
・よく眠れるようになった
・食欲旺盛になった
アトピーが出にくくなった
<精神的変化>
・活発になり明るくなった
・社交性と積極性が身に付いた
・自立心が芽生え手伝いを自発的にするようになった
・たくましくなった
・落ち着きが出てきた
 子どもたちは、汚染されていない土地で、のびのびと遊ぶことでストレスから解放され、汚染されてい
ない物を食べることで、体内被曝の進行から解放され、抵抗力、免疫力をつけることが可能です。
 効果を実感してリピーターとして何度も来てくれる子どもやお母さんもいるので、今後も出来る限り長く保養活動を続けていきたいです。
 
子どもたちの未来のため、応援よろしくお願いします!
 保養者たちは、保養に参加して、久米島の美しい自然の中で思いっきり遊び、走りまわり、同じ境遇の者同士で情報交換をして交流を深め、ボランティアさんや久米島の皆さんと一緒に温かく見守られながら
過ごすことで、精神的なストレスを軽減する絶好の機会も持つことができます。
 国が行わない保養に加え、甲状腺検診と医師との医療相談会への参加機会を希望者には常に提供していること。また、検診結果はすべて受診者へ開示し、その結果によっては病院の紹介も行っていること。そ
のような医療的なサポートも私たちの大きな役割です。
 一人でも多くの子どもたちを沖縄・久米島での保養に招待するため、この先も継続して活動を続けてい
きたいです。
 どうか応援よろしくお願いいたします!
 
今回の実施内容
実施時期:2016年11月16日~11月29日
参加人数:未就学児?小学2年生までの福島の子ども27名とその母親たち15名、合わせて42名(予定)
 多種多様な保養プログラムに加え、「甲状腺検診」、検診とあわせて開催される「医師と母親の医療相
談会」を予定しています。

ネクストゴール200万円の使途内訳
・子どもたちが保養に参加するための交通費
・食費
・プログラム参加費(ハテノ浜へ行くボート代、海洋深層水プールなど)
・光熱費(保養中にかかる電気、水道、ガス、ボイラーなど)
・手数料
(引用終わり)
 
 資金協力は、何種類かの中から選べるようになっています。
 
◎¥3,000のリターン
 サンクスメール+ポストカード2枚セット
◎¥10,000のリターン
 サンクスメール+ポストカード2枚セット+Tシャツ1枚(宮崎駿さんオリジナルデザインの沖縄・球美
の里ロゴ入り)
◎¥10,000(全額活動資金に提供)
 サンクスメール
◎¥30,000のリターン
 サンクスメール+ポストカード2枚セット+Tシャツ1枚+参加した子どもからのお礼の手紙
◎¥30,000(全額活動資金に提供)
 サンクスメール
◎100,000円のリターン
 サンクスメール+ポストカード2枚セット+Tシャツ1枚+参加した子どもからのお礼の手紙+沖縄のお
菓子詰め合わせ
 
 なお、以上のクラウドファンディングとは別に、「認定NPO法人 沖縄・球美の里」では、常時「募金」をお願いしています。
 
 「沖縄・球美の里」のホームページは非常に充実しています。
 トップページを訪れると、まず宮崎駿さんが描いた「球美の里の近未来図」が出迎えてくれます。
 各ページの一々はこれ以上引用しませんが、是非折に触れてご覧いただければと思います。
 
 最後に、DAYSJAPANnet(「DAYS JAPAN」のYouTubeチャンネル)から、「沖縄・球美の里」関連の動画を年代順にご紹介します。これを見ていけば、「沖縄・球美の里」の成り立ちから現在まで、あらまし理解できると思います。
 
2012年4月26日
沖縄・球美(くみ)の里 ご協力お願いいたします(5分23秒)

 
2013年1月17日
NPO法人沖縄・球美の里(9分22秒)

 
2013年8月27日
沖縄・球美の里 メッセージボード in 赤レンガ倉庫(2分20秒)

 
2014年12月17日
球美の里にメンソーレ(8分32秒)
 


(参考)
2014年12月18日
ベラルーシ子ども保養センター「ナデジダ(希望)」(11分31秒)

 

(付録)
『Hard Times Come Again No More』 
作詞・作曲:スティーブン・フォスター 訳詞:長野たかし 演奏:長野たかし&森川あやこ
 
※来る2016年8月28日(日)午後3時30分~、和歌山市ぶらくり丁の「レモネード・カフェ」に長野たかしさん、森川あやこさんご夫婦が登場されます(ちょうさんとベースパーティvol.4)。私も行くつもりです。是非ご来場ください。多分、ニューCD『希求』もサイン入りで購入できると思いますよ。