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憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

「週刊女性PRIME(シュージョプライム)」で読む「原発は今、どうなっているのか!」

 今晩(2016年10月17日)配信した「メルマガ金原No.2602」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
週刊女性PRIME(シュージョプライム)」で読む「原発は今、どうなっているのか!」

 3日前に配信した
「「原発は今、どうなっているのか!」~「週刊女性」(10/25号)の10ページ大特集を読む」(2016年10月14日)の続報です。
 3日前のメルマガ(ブログ)で、私はこう書きました。「このメルマガ(ブログ)を読んで「週刊女性」10月25日号を買いに走ってはたして入手できるかは分かりませんが、ネットからバックナンバーやデジタル版を入手する方法もあるでしょうから、是非1人でも多くの方にお読みいただきたく、ご紹介しました。」
 
 私のFacebookやメルマガ、ブログの記事を読んで、「週刊女性」を購入してくれた人も複数いたようで、書いただけのことはあったのですが、「ネットからバックナンバーやデジタル版を入手する」人がそう多いとは思えず、このまま記事が埋もれてしまってはもったいない、もっと多くの人に読んで欲しいのだけれど・・・と思っていたところ、特集を分担執筆したライターの1人である吉田千亜さんのFacebookタイムラインによって、これらの記事が主婦と生活社が運営するサイト「週刊女性PRIME」(サイトのタイトルには、「YOUのココロ刺激する「シュージョプライム」」と書いてあります)に掲載されたことを知りました。
 
 このサイトに「ABOUT」というコーナーはないか?と探したのですが、「当サイトについて」というコーナーは、サイト運営ポリシーを包括的に説明するものであり、サイトに掲載するコンテンツの成り立ちなどについての説明は見当たりませんでした。
 そこで、Wikipediaにあたってみましたが、この程度の説明しかありませんでした。
 
(引用開始)
 週刊女性PRIME(シュージョプライム)は、主婦と生活社が運営する日本のニュースサイト。2015年(平
成27年)1月に開設された。
 主婦と生活社が発行する女性週刊誌『週刊女性』が運営している。誌面に掲載された記事からジャニーズを中心に、インターネット利用者層に関心の高い題材の記事を、WEB向けにリライトして配信するほか、
サイトオリジナルの記事も多数配信している。
(引用終わり)
 
 10月11日に発売された10月25日号の記事が10月15日、16日に順次掲載されたということは、次号発売の前に注目記事をネットにアップし、次号への期待を高めて売り上げに結びつけようということでしょうか?
 それにしては、「次号予告」が見当たらない。私がサイト編集者なら絶対に載せるだろうけど、あまり
商売っ気を出さないというのがポリシーなのだろうか?もっとも、予告したら「スクープ」にならないでしょうけど、「スクープ」狙いではない、原発問題などについての特集は、どんどん「予告」すべきだと思うんだけど。
 
 Wikipediaの説明にあった「リライト」というのが、どの程度のことを言っているのかよく分かりませんが、少なくとも、10ページ大特集「原発は今、どうなっているのか!」の各記事については、見出しの変更などはともかく、本文のどこかが「リライト」されているのかどうか、全然分かりませんでした(厳密な照合などしていませんが)。

 ちなみに、これらの記事が掲載されている期間に限定があるのかないのか、ということもよく分かりませんので、とにかく早く読んでいただくにこしたことはありません。
 「週刊女性」10月25日号を入手しそこなった方のために、急いでご紹介することとしました。
注 「週刊女性PRIME(シュージョプライム)」を以前から愛読している人にとっては今さらでしょうが、気がついていなかった向けのご紹介なので、ご理解願います。
 
 なお、本誌10月25日号との対応関係が分かるように、本誌の頁・主見出しを記載した上で、「週刊女性PRIME(シュージョプライム)」に掲載された記事にリンクすることにします。その上で、著作権の関係から「転載」は出来ませんので、特に注目すべきと考えた箇所を「引用」することとします。
 ちなみに、今回の特集「原発は今、どうなっているのか!」に掲載された各記事は、シュージョプライムでは、「社会」⇒「災害」にカテゴライズされています。
 
38頁・39頁「原発は今、どうなっているのか!アンダーコントロールの嘘を暴く10P」
なぜかよみがえる安全神話──原発新設凍結を求めて函館市が異例の裁判を闘うワケ
(引用開始)
 なぜ、どのように事故が起きたのか?どうすれば住民の安全を守れるのか?その問題に向き合わないまま国策として進められてきた原発に対し、自治体から強烈なカウンターが。函館市が国に、原発新設の差
し止め訴訟を起こしたのだ。
(略)
 函館市の主張は明快だ。「このまま原発が作られたら、自治体として住民の安全を守れない」というこ
とに尽きる。
 放射能は同心円状に飛ぶわけではなく、事故被害は広範にわたる。万が一の事態が起きれば、原発立地
自治体の問題だけではすまないことは、福島第一原発事故をとおしてわかった「事実」だ。
(略)
 原発は国のエネルギー政策として進められてきたが、いったん事故が起きれば、避難や住民への対応は自治体がやらざるを得ない。コミュニティーを失った人々の苦しみや悲しみを、工藤市長は福島県南相馬
市と浪江町を訪れたときに、目の当たりにしたという。
 「原発事故が起きたら国は自治体を切り捨てる。助けにも来ない。私も安全神話を信じていたひとりです
が、福島の事故をとおして、そう思い知りました」
 このように話す工藤市長は、いわゆる「脱原発市長」ではない。裁判の争点も、あくまで大間原発の建
設凍結と、安全でない原発に対しNo.と言える権利だ。
 「脱原発を標榜すると意見が割れて、分断が起きる。誰もが最低限、賛同しやすい争点にしぼって裁判を
闘っている。黙って泣き寝入りするわけにはいかない」
(引用終わり)
 
40頁・41頁「山口・上関 闘うおばあちゃんたちの34年」
山口県・上関──原発計画に抵抗し続けた祝島の34年「カネは絶対に受け取らん」
取材・文/山秋 真22016/10/15

(引用開始)
 1982年に女性が始めた祝島原発反対デモは3・11後も続き、まもなく1300回となる。次々に危機は起き
るが、そのたびに、当事者になる人も増えている。表現の自由も問われる恫喝訴訟で、特に顕著だ。
 その恫喝訴訟が8月30日、住民側の勝利的和解で決着した。中電は損害賠償請求を全額放棄、工事が再開
されても、訴えていた4人の表現行動を尊重するという。
 「市民の力が世の中の流れを変えることができるという希望だ。抗議行動は間違っていなかった」と岡
田さん。あきらめずに声をあげる限り、それは広がる。
(引用終わり)
 
42頁「「自治体と原発」を考えるインタビュー 保坂展人世田谷区長」
保坂展人世田谷区長に「福島原発事故に対する東京の自治体の責任」について聞く
取材・文/渋井哲也 2016/10/15

(引用開始)
 福島の原発から生み出される電気の最大の消費地は東京だ。その自治体の長として事故に対する責任を
どう考えているのか。
 保坂氏は「歴史的な責任を担うべきだ」と、区としてできることを模索した。例えば、区内の貸家や空
きアパートを「みなし仮設住宅」に提供を呼びかけると、100軒以上が手をあげた。一時は100世帯近くが
住んでいた。現在、自主避難が26世帯、避難地域から16世帯が住んでいる。
 また、被災地域の子どもたちの保養を目的とした事業『ふくしまっ子リフレッシュ in 世田谷』にも取
り組んでいる。区民の団体と区・教育委員会が共催で行う。
 「区民から声があがった。世田谷で福島の子どもたちを受け入れたい」
(略)
 「日本は何度も事故が起きようと、原子力産業の望むままなのか。福島事故後、ドイツは大きく転換した。原子力事故からパーフェクトに住民を守るすべはない。そのことを学んでいかないといけない。だか
ら再稼働には反対していきたい」
(引用終わり)
 
43頁・44頁「日常を取り戻せない原発避難者たち」
誰のための原発避難解除なのか─「結局やっているのは“自己責任で戻れ”ってこと」
取材・文/吉田千亜 2016/10/16

(引用開始)
 「すべてが震災前に戻るなら、戻りたいよ。でも、朽ちる家も放射線量も、仲間も戻らない。子どもも
避難先で生活を成り立たせた。なんで俺らが今、帰還を決めなくちゃならないの?」
 富岡町から郡山市に避難している平良克人さん(49)はそう話す。
 富岡町は「早ければ'17年4月の帰還開始を目指す」としている。富岡町から東京都に避難している市村
高志さん(46)もこう言う。
 「避難者の多くは避難先から通っています。『通い復興』を認めず解除を急ぐことが、かえって住民と
町との縁を切るきっかけになっている。本当は、機を待つ時間の確保が必要です」
(略)
 南相馬市小高区から避難中の男性(60代)は仮設住宅から地域に通い、変化を見守り続けた。7月に解除
された小高区は解除前と比べ、さほど変化はない。
 「解除の説明で現地対策本部の後藤さん(後藤収副本部長)が“そろそろみなさん、潮時なんじゃないんですか”って言った。言っちゃいけない言葉だよ。結局やっているのは“自己責任で戻れ”ってこと。国は、どうせ限界集落になるから手立ては不要、黙ってりゃなくなる地域だと考えているんじゃないかと
思うよ」
 男性は、あきらめたように笑いながら言った。「原発は爆発したら特効薬なんてないんだ」と─。
(略)
【コラム】自主避難者へ福島県の非情
 そんな中、福島県は昨年11月、「住宅確保に必要な国への要請事項」を自治体から集めながら国に伝え
ていないことが取材で明らかになった。
 福島県は昨年10月末、各都道府県に、借上住宅打ち切り後の住宅確保の依頼文書を出した。「住宅確保策の実施に伴って必要となる国への要請事項を別紙によりお知らせください」とし、11月中の回答を求めていた。住宅の確保は自治体だけで対応できる場合もあるが、公営住宅においては国の通達なしには困難なケースもある。そのため各都道府県は依頼文書に「現住宅の継続入居を可能に(「特定入居」等)」「入居要件の緩和」「家賃や引っ越し費用の国庫補助(財政支援)」と回答。自主避難者の経済困窮を把握
したうえでの要請だった。
 これに対し、福島県は「要請する予定ではなく、行き違い」と説明。一方、各都道府県の担当者は「福
島県が国に上げる前提で書いた」「残念としか言えない」などと話す。
(引用終わり)
 
45頁「「復興」と帰還政策を考えるインタビュー 山下祐介首都大学東京准教授」
原発事故の避難解除に異論「安全の前提がないのに“帰れる”と言うのは詭弁」
取材・文/吉田千亜 2016/10/16

(引用開始)
 住民が帰還できる“前提”とは何か?
「現状では、除染によって被ばくしない状況が作られ、インフラ、仕事、コミュニティー、学校が整備さ
れれば帰還できる── 一部の声をもとに、そういう“前提”で進められている。
 しかし、帰れない理由はそれだけではない。根っこにある“大前提”は、安全なはずの原発が爆発した
という事実なんです。しかも再事故の可能性さえ否定されていません。
 そもそも日本で原発が事故を起こすと思われていたか。関係者だけでなく日本人のすべて、原発反対の人も含め、本当に今回のレベルの事故を想定したことがあったか。事故前には、そんな人はいなかったで
しょう」
(略)
 「実際、多くの住民は“通っている”んです。避難元と避難先の2つの地域をまたいで暮らしている。地域をまたぐ暮らしを実現させているのは、今の政府の支援です。その支援を断ち切るための避難の“解除”が進んでいる。やるべきは、二重住民票などの長期避難を支える制度作りです。賠償が惜しいからとい
って、やるべきことをやらないのは無責任です」
 被害を受けた住民のために、何もかもを奪われた地域の“真の復興”のために、国は、どういった対策
をするべきなのか?
 「賠償問題よりも前に、帰るに帰れない状況を作り出した責任を国はきちんと認めること。廃炉までの長期的な展望をもって、復興政策を組み立てる覚悟をすることです。性急な解除ではなく“いつか、やがて帰る”という長期政策・制度化によって復興すべきです。帰還政策を進め“事故はなかったことにする”
というのは、信頼再建どころか新たな信頼失墜にしかつながりません」
(引用終わり)
 
46頁・47頁「子どもの甲状腺がんは、今―」
子どもの甲状腺がんが福島で多発!それなのに検査縮小の動きが出てくる「謎」
取材・文/青木 泰 2016/10/16

(引用開始)
 福島の事故から5年8カ月を経過した日本でもチェルノブイリの教訓は、今後考えられる甲状腺がんの患
者の大幅な増加に備え、検診や治療体制の拡充を即急に図ることにある。
 ところが今年9月、福島県の小児科医会や福島県で、検査体制を縮小したいという動きが出てきた。理由
は、検査を現状のまま続ければ「子どもや保護者に不安が広がる」という。
 福島県郡山市に住む、0歳児と3歳児の子を持つ2児の母、滝田春奈さんは、「私の子どもたちは事故後に生まれているので、これまで検査の対象になっていませんが、検査してもらいたいと考えていました。検査して何もないことがわかれば不安が晴れます。不安だからこそ、検査体制を拡充してもらいたいと思い
ます」と心情を話す。
(略)
 この甲状腺がんの診断をボランティアで行ってきた仙台市の寺澤政彦医師は、「診断の日は1日50人を限度にしている。それ以上だと疲れ果て、次の日に仕事にならない」という。そうした自身の経験から、福島県立医大が行ってきた数十万人にのぼる検査も「精神的にも肉体的にも大変だと思う」としたうえで、
縮小論に対しては批判的だ。
 「ベラルーシでも4年後から甲状腺がんが出てきている。甲状腺がんの検診をやめたり、縮小したりするというのはとんでもない乱暴な提案。甲状腺に限らず、心血管系、筋・関節系、血液・免疫系などの検診
を年齢、地域を拡大して実施する必要があり、ひとつの大学や県に任せておける検査ではありません」
(略)
 福島第一原発事故は日本政府の国策のもとに「絶対安全」という原発安全神話が破られ、そして今、原発事故の被害は、どれをとっても惨憺(さんたん)たるものである。環境汚染や被ばくによる疾病、避難
者への対応を間違えば被害はさらに拡大し、人々に重くのしかかる。
 いま東京電力や国がやっているのは、被害を極力少なく見せようという、その場しのぎの対応に過ぎない。水俣病をはじめとする公害問題で、日本の行政は事業者側に立ち、被害を拡大してきた。その誤りを
再び繰り返すことは許されない。
 縮小論の背後には、被ばく被害が注目されれば「東京オリンピック開催に支障をきたす」から、これを
避けたい。そのような思惑があるのではないか。そう筆者は感じる。
(引用終わり)

「週刊女性」1025号表紙