オスプレイ事故・人為的ミスと言われても
メディアの伝えるところによれば、「防衛省沖縄防衛局は26日、沖縄県と同県内の自治体に対して、米軍岩国基地(山口県岩国市)に一時駐機中の海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、早ければ28日にも、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への移動を開始すると通告した。防衛省がオスプレイの沖縄県への移動時期を自治体に伝えるのは初めて。」(時事/2012/09/26-21:30)とのことです。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012092600856
もっとも、台風接近のために28日の移動はなくなったようですが。
県民こぞって反対の意思表明がなされているにもかかわらず、これを無視する米軍・米国政府と、米国の言うことには何でも服従する日本政府の態度には言うべき言葉もありませんが、ここで沈黙することは決して許されません。
以下は、8月7日に配信した「メルマガ金原No.1055」を転載するものであり(一部リンク切れにより削除した記事があります)、やや情報的に古くはなっていますが、当時「予想」していたことで、その後「案に相違」したものは1つもありません(嘆かわしいことですが)。オスプレイを考える上で、現在でも重要な情報が含まれていると思いますので、ご紹介することとしました。
オスプレイ事故・人為的ミスと言われて
沖縄県普天間基地への配備、そしてそれ以降も、全国の6ルートで低空飛行訓練が予定されている米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV-22オスプレイですが、今年に入ってからだけでも、4月にモロッコで墜落事故を起こして海兵隊員2名が死亡し、さらに、6月にもフロリダで、空軍仕様のCV-22オスプレイが墜落事故を起こして5名が負傷しています。
このうち、4月にモロッコで起きた事故については、早くも「人為的ミス」説が米軍の調査によって「固まって」いるようです。正式の調査報告書の公表はまだのようですが(航空機事故調査って、普通はもっと時間をかけてやるものではないのかな?軍用機ならこんなものなんだろうか)。
もっとも、後ほどご紹介する2010年のアフガニスタンにおけるオスプレイ墜落事故の調査における米軍上層部の介入についての証言などを見聞きすると、まず「結論ありき」の茶番をやっているのは、日本の官僚や政治家たちだけではないことがよく分かります。
何しろ、大飯原発3号機・4号機の再稼働をめぐり、
「福島を襲ったような地震・津波が起こっても、事故を防止できる対策と体制は整っています。これまでに得られた知見を最大限に生かし、もし万が一すべての電源が失われるような事態においても、炉心損傷に至らないことが確認をされています」(6月8日、野田佳彦総理大臣記者会見より)
という大嘘を並べ立てて平然としている内閣なのですから。
早晩、「アメリカ側から提供された資料を独自に検証した結果、オスプレイの安全性が確認された」と発表するつもりであり、その手順と日取りを米国側と調整しているに決まっています。
それに第一、あいつぐ事故が「人為的ミス」によるものであろうがなかろうが、落ちたものは落ちたのであって、落ちなかったことになるものではありません。
また、ネットでは、したり顔で「オスプレイの事故率は低い」とか、「住宅地の中にある飛行場は他にもある」とか、「普天間の周りに昔は人家などほとんどなかった」などという米軍のエージェントのような書き込みをしている者が目立ちますが、あとでご紹介する「報道特集」の番組内でも言われているとおり、沖縄では、1回でも墜落すれば「アウト」なのであって、取り返しがつきません。
(1)ヘリパッドの危険性(2012年7月30日)
(2)金武町の不安(2012年7月31日)
(3)弾薬積み飛行(2012年8月1日)