wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

今さらながらの替え歌『東電に入ろう(倒電に廃炉)』のご紹介

 2012年1月8日に配信した「メルマガ金原No.786」を転載します。当時でさえ、「今さらながらの」でしたが、それから早9ヶ月、「今さらながらの」二乗のような記事ですね。とはいえ、歌っている「ヒポポフォークゲリラ」の皆さんが、今年も天満音楽祭(10月7日)に出演されるということを知り、古いバックナンバーを引っ張り出してきたという次第です。ご笑覧ください。

 

今さらながらの替え歌『東電に入ろう(倒電に廃炉)』のご紹介
 
 もしもまだ聴いたことがないという人は、とりあえず予備知識なしで、以下の楽曲を聴いてください。
 『東電に入ろう』という曲です。
オリジナル版 
実写版(in天満音楽祭2011年10月9日)
 
 歌詞を書き出したサイトがあります。
(引用開始)
(1)
皆さんがたの中に
東京電力に入りたい人はいませんか
ひと旗あげたい人はいませんか
東電じゃ人材もとめてます
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(2)
スリルを味わいたい人いたら
いつでも東電にお越しください
ウランでもプルトニウムでもなんでもありますよ
下請け使えば平気です
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(3)
原発推進派のみなさんは
原子炉の真下にお集まりください
いますぐ体に悪いわけじゃありません
シャワーで洗えば平気です
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(4)
原発はクリーンなエネルギーです
プルトニウムはそんなに怖いもんじゃありません
放射能出すといっても半減期
たったの2万と4千年です
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(5)
日本のエネルギーを支えるには
原子力に頼らないといけません
多少の被爆はやむをえません
イソジン飲んでおけば平気です
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(6)
使用済みの核燃料はぜんぶまとめて
ドラム缶に詰めたらだいじょうぶ
六ヶ所村のプールで冷やしてます
たったの300年のがまんです
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(7)
水が漏れてるけど騒ぐんじゃない
煙が出てるけどあわてるな
屋根が吹っ飛んだけど全然だいじょうぶ
とにかく塩水で冷やしてます
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(8)
いますぐ危険ってわけじゃないけど
牛乳も野菜も捨てましょう
政府のおエライさんが言ってます
補償は税金で払います
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(9)
ガイガーカウンタは売り切れてます
君たちそんなもの持っちゃダメですよ
放射線の値はこちらで発表します
信じる者は救われる
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(引用終わり)
 
 この曲は、言うまでもなく、高田渡さんの『自衛隊に入ろう』(1969年)の替え歌で、私はこの曲が収録された「高田渡五つの赤い風船」というLPレコードを中学3年生の乏しい小遣いをはたいて購入したという思い出があるのですが、まもなく高田渡さん自身がこの曲を「封印」してしまいましたから、現在の動画サイトで見られるのは他の歌手によるカバーだけでしょう。
  さて、『自衛隊に入ろう』の替え歌『東電に入ろう』が動画サイトに(匿名で)アップされ、一部の話題を呼んだのが正確にいつ頃であったか記憶にないのですが、遅くとも4月にはアップされていたようです。
 教えてくださる方がいて、私もすぐに視聴したのですが、メルマガでご紹介したものかどうか、迷った末に、その当時はスルーしました。
 高田渡さんが『自衛隊に入ろう』を封印した理由は分かりませんが、私が思うに、60年代終わりや70年代なら、「自衛隊に入って花と散る」という歌詞は「シャレ」になったと思うのですが(ちなみに、『自衛隊に入ろう』という曲自体が、米国の楽曲の替え歌でした)、PKOによる自衛隊の海外派遣が常態化し、はては小泉政権が米国に追随して自衛隊をイラクに「派兵」するに及び、自衛隊員が「花と散る」という歌詞は「シャレ」にならなくなりました。
 
 そして、『東電に入ろう』です。非常にレベルの高い替え歌だとは思いましたが、昨年4月の段階で、「東電に入って花と散る」という歌詞は「シャレ」では済まない状況でした(多分今でもそうです)。
 私がこの曲のメルマガでのご紹介をためらった最大の原因はその点でした。
 それと、作詞者・歌唱者の正体が分かってからでも遅くないということもありました。
 
 作者の「正体」については、とりあえず以下のサイトなどをご覧ください。
  ヒポポ大王の気まぐれ日記
  ヒポポ大王のプロフィール
   ※ 出身地「紀州・熊野古道のはて」 住まい「大阪府(堺市)」
  ヒポポ大王ソロライブの様子(写真入り)
 
 ところで、昨年末からメルマガの各号末尾に「付録」として楽曲をご紹介するようになりました。聴いていただいているでしょうか?
 子どものころ、毎月買ってもらっている雑誌の本誌よりも付録の方を楽しみにしていた人も少なくないと思うのですが、まあ、そのようなものと受け取っていただいてかまいません。
 「付録」用に様々な楽曲を選んでいる過程で、『東電に入ろう』もあらためて聴き直しました。最初に聴いた時点では、リフレインの「東電に入って花と散る」の部分にのみ意識が集中していたのですが、じっくりと聴いてみると、歌詞全体の構成が実にしっかりとしていること、歌唱力や演奏力も一級であることにあらためて感銘を受けました。
 そもそも、『自衛隊に入ろう』自体、非常にカバーが難しい曲です。
 You Tube で視聴できるなぎらんいちさんやソウル・フラワー・ユニオンは、いずれも実力十分な歌手、バンドですが、正直自衛隊に入ろう』の演奏は感心しません。
 これに比べ、『東電に入ろう』は立派に一つの楽曲としての存在を主張しています。
 ちょうど、忌野清志郎さんの『サマータイム・ブルース』や『ラブ・ミー・テンダー』がそうであったに。あるいは、斉藤和義さんの『ずっとウソだった』がそうであるように。  
 『自衛隊に入ろう』の作者に自衛隊員に対する悪意がなかったように、『東電に入ろう』にも、個々の東電社員に対する悪意はありません。それを確信した上で、皆様にも是非聴いていただきたいと思いました。
 
 最後に、原曲『自衛隊に入ろう』のさらに元歌は、
『I want to go to Andorra』あるいは単に『Andorra』
 作詞:マルヴィナ・レイノルズ(Malvina Reynolds)
 補作詞・作曲:ピート・シーガー(Pete Seeger)
という曲です。曲名で検索をかければ動画サイトで視聴できると思います。