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自民党「政権公約(安全保障)」について

 今晩(11月23日)配信した「メルマガ金原No.1177」を転載します。
 
自民党「政権公約(安全保障)」について
 
 一昨日(11月21日)発表された自由民主党の「政権公約」は、詳細版だとpdfルで50ページ以上もあり、読むだけでも相当な手間暇がかかりますので、とりあえず、最も懸念される「Ⅳ.外交・安全保障」の中の「2.安全保障」の部分のみ読んでみいと思います。
 
 もっとも、「Ⅲ 教育・人材育成、科学技術、文化・スポーツ」、とりわけ「教育」分などでは、「お前たちにそんなことを言われる筋合いではない」と言いたくなるような「公約」のオンパレードですし、「Ⅶ エネルギー」では、「原子力発電所の再稼働の可否については、順次判断し、全ての原発について3年以内の結論を目指します。安全性については、原子力規制委員会の専門的判断に委ねます」(195 当面エネルギー政策)とあるのは、「あの正当性に重大な疑義のある原子力規制委員会が『安全でない』と判断しない限り、3年以内に全ての原発を再稼働しますという意味でしょうから、とんでもないことです。
 総選挙までに、まとまって批判する時間があるかどうか分からないので、上記「原発再稼働」に関する自民党「公約」だけでも、みんなで拡散に努めましょう。
 
自民党「政権公約」 
詳細版 
ダイジェスト版
安倍晋三総裁会見録
 
 さて、安倍晋三総裁、石破茂幹事長コンビが大好きな「安全保障」です。とにかく我慢して読んでみてください。各項目の下に黒字で書き込んだコメントは金原によるものです。
 
Ⅳ.外交・安全保障
 わが党は、国民の生命・領土・美しい海を断固として守り抜きます。自由・公正・法の支配など世界の普遍的な価値に基づき、国益を守るため、
戦略的な外交をダイナミックに展開します。また、自助自立の日本を基本としつつ、国家の独立と平和を堅守する総合的な安全保障政策を推進し、危機的状況に陥った外交・安全保障を立て直します。
 
1.外交(略)
 
2.安全保障
112 変化する安全保障環境に適応する人員・予算の強化
 北朝鮮の核実験・ミサイル発射、中国の軍事力増強、ロシアの軍事的復調など、
わが国を取り巻く安全保障環境は大きく変化しています。このような環境に適応させるため、防衛力を「質」「量」ともに見直し、予備自衛官を含む人員と予算の強化を図るべく、民主党政権で策定された防衛計画の大綱、中期防衛計画を見直します。特に総人件費改革等により、充足率が約90%前後に抑制され、部隊での「実員」不足が常態化していることを踏まえて、行政改革推進法の自衛官への適用を見直します。また、退職自衛官の転職支援を充実強化し、自衛官の年齢構成の適正化を図ります。自衛官の処遇等を改善し、震災対応などにおける献身的な働きに報います。
→要するに防衛予算の目に見える増額を「公約」している訳です。「人員」の点を強調していますが、後の項目も併せ読めば、防衛産業が泣いて喜ぶ装備・施設予算の増額が約束されています。
 
113 米国の新国防戦略と連動した自衛隊の役割強化
 米国の新国防戦略に対応し、抑止力を高めるため、日米防衛協力ガイドライン
などを見直します。また、共同訓練を活性化し、物品・役務の融通や情報保全のための協定締結を進めるなど、同盟国・友好国との防衛協力を進め、アジア太平洋地域全体の抑止力を高めます。
→この「日米防衛協力ガイドライン」の見直しということと、「集団的自衛権行使」容認への右派の雪崩を打った言動との間には密接な関連があるようなのです。その点について論じた井上正信弁護士の論考をご参照ください。
 
114 国家安全保障基本法の制定
 政府において、わが国の安全を守る必要最小限度の自衛権行使(集団的自衛
権を含む)を明確化し、その上で『国家安全保障基本法』を制定します。また、その法律において、内政上の施策に関する安全保障上の必要な配慮など国・地方公共団体・国民の責務を始め、自衛隊の保有と文民統制、国際社会の平和と安定のための施策、防衛産業の保持育成と武器輸出などを規定して、安全保障政策を総合的に推進します。
→これが、今回の「政権公約」のハイライト(?)です。自民党が作った「国家安全保障基本法(案)」の危険性については、メルマガNo.1014で取り上げ、ブログにも転載しましたので、詳しくはそちらをご参照ください。
 そこで書きましたように、集団的自衛権行使容認(10条)、武器輸出の公然化(12条)などを眼目とし、改憲手続を経ることなく、事実上、憲法規範の骨抜きを図ろうという法案です。
 
115 国家安全保障会議の設置
 外交と安全保障に関する官邸の司令塔機能を強化するため、「国家安全保障
会議」を内閣に設置します。国家の情報収集・分析能力の強化及び情報保全に関する法整備による態勢の強化を図り、的確な情報を活用して国民の安全を守ります。
→現在も「安全保障会議設置法」という法律はありますから、これを「改正」しようということでしょう。
 
116 防衛省改革の推進
 民主党政権で停滞している防衛省改革を加速させます。特に統合運用、内部
部局と各幕僚幹部との関係の見直し、専門性に応じた自衛官と文官の適切配置(UC混合組織への改編)、部隊運用組織の統合などを進め、より積極的・効率に機能する防衛省・自衛隊にします。
→「民主党政権で停滞している防衛省改革」というのは、具体的にはこういうことです(平成22年6月3日「防衛省改革に関する大臣指示」)。
 上記「大臣指示」でも、「UCの一体性を醸成する」ことが強調されていましたが、民党「公約」は、それをさらに「加速」させようというのです。
 ちなみに、「UC」というのは、「U=ユニフォーム(制服組)」及び「C=シビリアン(文官)」の略です。 
 
117 国際平和協力法の制定
 世界の平和構築に資する自衛隊の国際平和協力活動の推進のため、補給支
援特措法やイラク人道復興支援特措法といった、その都度定める特措法ではなく、自衛隊の海外派遣が迅速に対応可能となるような一般法としての『国際平和協力法』の制定を目指します。
 また、災害時などの国際緊急援助隊の活動の経験と教訓を踏まえ、より迅速で
実効性のある派遣が可能となるように、関係法を整理します。国連のPKO、ソマリア沖・アデン湾での海賊対策等、自衛隊の海外派遣は、今後とも国益と国際協調のために積極的に実施します。
→いわゆる自衛隊海外派遣恒久法のことです。実は、自民党は、2010年に「国際平和協力法案」を議員提案で国会に提出しており、今まではたなざらしになっていたものを、いよいよ政権奪還のあかつきには、政府提案として出し直そうということでしょう。
 
118 危機管理体制の強化
 非常事態(武力攻撃事態も含む)に際して、国として迅速な対応が可能となる
よう、関係省庁の連携を強化し、憲法に緊急事態に関する規定を設けるなど、法制度や組織を整備します。
→自民党「日本国憲法改正草案」98条、99条を参照願います。
 例えば、草案99条1降は、次のように定めます。
 「緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる
 つまり、内閣及び内閣総理大臣に「臨時独裁権」を与えるというに等しい条項を設けようという訳です。これが、東北大震災の教訓とは、笑止と言うしかありません。
 
119 在外邦人の避難措置に関する自衛隊法の改正
 外国における緊急事態に際して、在外邦人等の避難や輸送を迅速かつ効果的
に行えるように、『自衛隊法』を改正します。
→これについては、国民各層にも色々な考えがあるでしょうね。
 
120 新たな脅威からの日本防衛
 必要な水準の防衛力を基盤として、即応性や実効性の高い弾道ミサイル防衛
システムの配備を進め、大規模なテロ・ゲリラへの対策、NBC(核、生物・化学)兵などの対策を講じます。特に安全保障に資する宇宙利用の推進とサイバー空間における対応能力を早急に高めるため、国を挙げて取り組みます。
→今年の6月20日、ろくに審議もせず、自民・公明・民主の「三党談合」によって会を通過してしまったいくつかの問題法律がありましたが、独立行政法人宇宙航空研究開発機構法」(JAXA法)の「改正」もその一つでした(「平和の目的に限り」が削除されてしまった)。その布石を踏まえて、自公政権時代の2008年に作った「宇基本法」第14条をさらに具体的に推進しようという「公約」です。
第十四条  国は、国際社会の平和及び安全の確保並びに我が国の安全保障に資する宇宙開発利用を推進するため、必要な施策を講ずるものとする。
 
121 原発等の重要施設の警備
 テロ等の不測の事態から、原子力発電所を始めとした重要施設を守るため、警
察・海上保安庁・自衛隊の連携を強化し、必要な人員・組織・装備を充実させます。その際、自衛隊が原発施設等の重要施設を警護できるような法的措置を行います。特に福島第一原発の警備は喫緊の課題であり、作業員の入退出の管理を厳格化するとともに、緊急措置として自衛隊を中心とした万全な警備体制を確立します。
→全ての原発を廃炉にすることが、最も我が国の安全保障に資するということが多くの国民の共通認識となることを何としてでも阻止したいのでしょう。この「公約』通りに進展すれば、「焼け太り」そのものです。
 
122 大規模災害時等に対する訓練の充実
 自らの危険を顧みず、東日本大震災の被災者の救援、復旧・復興に全力を傾
けた自衛隊・警察・消防・海上保安庁等の活動に感謝しつつ、日頃から地方自治体等との合同訓練を充実させる等、今後も大規模災害等に連携して対処できる体制を整えます。
→特にコメントはありません。強いて何か言うとすれば、「あざとい」ということばが思い浮かびますが。
 
123 防衛を支える地域との連携
 防衛施設は、自衛隊及び在日米軍の各種活動の拠点であり、自衛隊と日米
安保体制を支える基盤として必要不可欠なものです。これらの施設がその機能を十分発揮するため、国民の国を守る意識を涵養するとともに、基地周辺対策を推進し、関係地方自治体や住民、支援組織との連携を重視します。
→裏から言えば、「米軍基地撤去など絶対に言わせない」ということでしょう。そのためには、素直に言うことをきく地域には、従来通りの「アメ」を提供しようということなのですね。
 
124 基地周辺住民への負担軽減の推進
 基地周辺住民の方々に様々な負担をかけていることを踏まえつつ、沖縄におけ
る米軍基地の整理・統合・縮小をはじめ、基地周辺住民の方々の負担軽減や生活環境の整備、雇用の創出などの諸施策を推進します。特に普天間飛行場の固定化に対する沖縄の懸念を払しょくするとともに、新たな負担を被る関係自治体には特別な配慮・施策を講じます。
→上に同じ、なのですが、「新たな負担を被る関係自治体」を想定しているというのがすごいですね。辺野古(名護市)でしょうか?それともまた別のところ?
 
125 技術立国日本の未来のための防衛技術、生産基盤の維持・強化
 国の防衛政策上の観点から国内の防衛産業の技術、生産基盤を維持 ・強化
するため、自主的な技術研究 ・開発や日米共同開発・生産を推進します。わが国の卓越 した技術 ・製品の国際社会での活用、防衛省が開発した装備品等の民間・他省庁への転用など、抜本的改革を進めます。その中で、武器及びその技術の輸出に関しては、わが国及び国際社会の平和と安全の確保の目的に資するため、テロ支援国、国連決議対象国、国際紛争当事国、輸出貿易管理の不十分な国を輸出禁止対象国とし、それ以外の国 ・地域を対象とする武器輸出について、許可に係る判断基準 「武器及び武器関連技術に関する輸出管理の指針」を定めて、厳正に武器等の輸出を管理し、個別に輸出の可否を決定する仕組みを構築します。
→これこそ防衛産業が待ち望む施策です。全ての日本人にききたい。「あなたはこれが許せるのですか?」と。
 
126 サイバーセキュリティの対策強化
 わが国の情報セキュリティ技術は未だ世界最高峰にはほど遠く、現行目標(2020
年)では足下の有事に対処できません。国家安全保障、外交、国民の安心 ・安全等の観点から、外国からのサイバー攻撃を有事と定義し、情報セキュリティの抜本的強化を図ります。具体的には、今後5年程度に目標を短縮し、官民の設備投資、情報システム担当者等の集中的な訓練や人材育成、啓発活動、研究開発等の総合的な対策を推進するための基金の創設や予算措置を行うと同時に、有事関連法令や秘密保護関連法令の法的整備や情報セキュリティ関連組織の増強を行います。特に、警察庁や防衛省、海上保安庁においては、米国並みの動的防御システムやバックアップシステムを早急に構築します。また、政府機関の全ての情報機器や複合機を厳密なセキュリティ監視下におくための措置を早急に整備します。
→「セキュリティ対策の強化」自体に異論をさしはさむ人はあまりいないでしょうが、それを奇貨として、「有事関連法令や秘密保護関連法令の法的整備や情報セキュリティ関連組織の増強を行います」というのが図々しい。民主党政権が準備していた「秘密保全法案」も、もとはといえば自公政権時代から準備されていたものです。
 
127 G空間 (地理空間情報 )プロジェクトによる社会基盤インフラの構築
 地理情報と衛星測位情報を電子国土基盤情報として統合活用したG空間情報 (地理空間情報 )は領土、領海、領空統治の基本情報となります。この様な情報を国として担保し、発信するための社会基盤インフラを構築することでわが国の外交、経済、防衛上の安全保障の確保、国土の強靭化に努めます。
→何となくうさんくさいような気がしますが、もう少し勉強するまでコメントは控えます。
 
128 日本の外交、防衛の向上に直結する宇宙システムの構築
 
宇宙覇権各国の動向に注視しつつ、日本の国益に直結するグローバル・コモン
ズにおける宇宙空間を国家領域として捉え活用します。具体的には、わが国のミサイル防衛に必要な高分解能かつ高頻度の偵察衛星と早期警戒衛星に必要な開発を加速し、自衛隊が利用する通信、気象衛星、偵察等、様々な用途の衛星システムを開発・構築します。これらの運用を支える輸送系、新射場の新設・整備を含む地上系、技術基盤の維持 ・向上を図るため、デュアルユースの観点からの宇宙システムの開発を推進し、その保全策を立案します。また、準天頂衛星「きずな」を7基打ち上げ、アジア・オセアニア地域の情勢安定の観点からも、測位政策を推進させ日本の国際的プレゼンスを高めていきます。
→これぞ、JAXA法改悪によって「自・公・民」がやりたかったことなのでしょう。
 
3.領土・主権(略)
 
 ここまで我慢して読み通せた人は、読み始めた人のうち、せいぜい1割か2割程ではないかと推測します。お疲れ様でした(私も書いていて疲れました)。
 こういう「公約」を掲げる政党が「政権復帰間近」ということでは、暗澹とせざるを得ませんが、「絶望して何もしない」という選択肢があり得ぬ以上、この「公約」の帰結がどうなるかを、一人でも多くの周囲の人に訴えるという地道な努力をするしかないのでしょうね。
 
 たとえば、「集団的自衛権」です。
 テレビの街頭インタビューなどを視ていると、集団的自衛権を認めても良いという市民の言っていることって、結局、尖閣竹島問題で、中国や韓国に「なめられたくない」ということしか言っていない人が多くありませんか?(そういう答えばかり放送局が選んでいるのでしょうか)。
 でも、この問題は、集団的自衛権とは、基本的に別の問題であるということを理解してもらう必要があります。
 仮に、尖閣周辺海域で、中国海軍と日本の自衛隊(もしくは海上保安庁)の間で「武力衝突」が生じたとすれば、それは、日本が「個別的自衛権」の行使を主張できるかどうかという問題です。
 これが、集団的自衛権の問題に発展するとすれば、米国が、その「武力衝突」を同盟国・日本に対する中国からの「攻撃」とみなし、米軍が中国軍を攻撃するというシチュエーションになった時です。
 しかも、それは、日本が集団的自衛権を行使するのではなく、米国が行使するのです。
 ちなみに、万一、尖閣で以上のような事態が生じても、米国は金輪際、中国軍を攻撃するようなことはしないと私は確信していますけれど。
 
 今、議論されている集団的自衛権というのは、これとは全く別のことです。
 2003年3月、米英軍はイラクに対する攻撃を開始しました。両国は、イラクが大量壊兵器を保有しているとか(結局嘘だった)、様々な理由を並べたものの、結局は、「米英による先制的自衛権の行使」として起こされたものです。
 もっとも、国連憲章上認められる「個別的自衛権」に「先制的自衛権」が含まれるとの解釈はほとんど支持されていません。
 ところで、米英軍によるイラク侵攻には、有志連合として、イタリア軍、スペイン軍、ウクライナ軍、ブルガリア軍、ポーランド軍、オーストラリア軍なども加わっていたことはご存知だったでしょうか?
 これらの国々は、いったいどういう理由があってイラク攻撃に参戦したのでしょうね?そう、集団的自衛権」しかありません。
 2003年のイラク攻撃に、国連(安全保障理事会)による承認決議はありませんでしたから、この攻撃を国連憲章上、正当化するとすれば、個別的自衛権の行使か集団的自衛権の行使しかあり得ません。
 でも、これらの国々がイラクから攻撃を受ける可能性など到底考えられないので、局は、各国が締結している軍事同盟(安全保障条約)に基づく集団的自衛権の行使と言うしかないでしょう。
 さすがに各国でも、「なぜイラク戦争に参戦したのか?」についての検証を求める動きがあるようです。以下はオーストラリアの例。
 
 イラク戦争の開戦早々、「米国を支持します」と言明した小泉純一郎首相に、今自民党が成立を目指している「国家安全保障基本法」という武器があったなら、イラクに派遣された自衛隊は、道路工事用の施設隊などではなく、陸海空の実戦部隊だったでしょう。
 そして、イギリス軍やイタリア軍とともに、自衛隊員の中から多くの「戦死者」を出すとともに、それをはるかに上回るイラク市民を殺傷していたことでしょう。
 私は、どうしてもそんなことは許せないし、皆さんもそうでしょう。
 今、自民党が「公約」として掲げている「集団的自衛権の行使容認」の全く疑う余地のない「帰結」を一人でも多くの国民に知って欲しいと切望しています。
 
 なお、最後の「Ⅶ.憲法・国のかたち」には以下ような「公約」が並べられています。
 
321 憲法改正草案を提唱
 わが党は、サンフランシスコ平和条約発効 (昭和27年4月28日)から60周年とな
る平成24年4月28日、すなわち主権を回復した日に合わせ、「日本国憲法改正草案」を発表しました。
 前文で、主権在民、平和主義、基本的人権の尊重の三つの基本原則を継承し
つつ、日本国の歴史や文化、国や郷土を自ら守る気概、和を尊び家族や社会が互いに助け合って国家を形成していることなどを表明しています。
 天皇の章では、元首の規定、国旗 ・国歌の規定、元号の規定、天皇の公的行
為の規定などを加えています。
 安全保障の章では、自衛権を明定し、国防軍の設置を規定し、あわせて、領土
の保全等の規定を新設しました。
 国民の権利及び義務の章では、国の環境保全、在外国民の保護、犯罪被害
者への配慮、教育環境の整備の義務などの規定を加えました。
 地方自治の章では、地方自治体間の協力などを規定しました。
 緊急事態の章を新設し、有事や大災害の時には、緊急事態の宣言を発するこ
とができることとし、その場合には、内閣総理大臣が法律に基づいて一定の権限を行使できるようにするとともに、国等の指示に対する国民の遵守義務を規定しました。あわせて、国会議員の任期の特例などを定めることが「できるよう規定しました。
 改正の章では、憲法改正の発議要件について、これまで、両院で3分の2以上の賛成を必要とされていたものを、過半数と改め、緩和しています。 
 
322 「憲法改正原案」の国会提出 
 「国民投票法」の施行に伴い、「憲法改正原案」を衆参両院に提出することが可能となりました。わが党は、「憲法改正原案」の国会提出と憲法改正を目指し、国民の理解を得つつ、積極的に取り組んでいきます。
 
 いよいよ「闘いの時は来た」ということでしょう。
 全国の「9条の会」の皆さん、私たちが「9条の会」を作ったのは、まさにこの日に備えてであったことを思い出しましょう。