今晩(12月14日)配信した「メルマガ金原No.1198」を転載します(ただし、タイトルは一部変更しました)。
石原慎太郎とその仲間は“強盛大国”を目指す
「そりゃおかしいゼ 獣医さんの嘆き」( http://okaiken.blog.ocn.ne.jp/060607/ )というブログがあり、昨日(12月13日)、一読思わず笑ってしまう記事が載りました。
そんなに長いものではありませんから、全文引用します。
「石原慎太郎は強盛大国を目指す」
(引用開始)
北朝鮮が「人工衛星と称する事実上のミサイルを発射」した。失敗するのでないかと思われたミサイルは思ったより精度が高かったようである。事実、人工衛星は地球を回っているようであるが、メディアは事実上のミサイルと表現している。
世界最貧国の新しいボッチャマ指導者が、なぜ1年に2度も800億円もするミサイルを発射するのだろうか?答えは簡単である。2012年から強盛大国を目指すとした、お父うちゃまの遺訓の実行である。今月は命日でもある。
強盛大国とは、思想・政治・軍事・経済を強くするとする、実質軍国主義国家のことである。これはどこかで聞いたことはないか?
石原慎太郎が、これまで盛んに言ってきている内容に、ぴったり符合する。核兵器を持たないから、他国にバカにされるのだ、アメリカに頼ることになり言いなりになるのだと。
思い起こせば、彼は1932年(昭和7年)生まれである。この男が尋常小学校に入学した時は、最も軍事大国として勢いがあった。この男は、皇国史観に教育され軍事大国日本の世界制覇を、頭から叩き込まれたのである。
その後、慎太郎軍国少年の願いもむなしく、鬼畜米英に敗北するのであるが、彼はこの時の思想を、齢80になっても披歴し展開しているに過ぎないのである。
石原慎太郎こそは、現代の日本を強盛大国・軍事大国へと導こうとしているのである。憲法を破棄して国軍を持つことが、この国を強くするというのである。庶民の目線もなければ、国民の生活もない。北朝鮮の強盛大国そのものである。
敗戦国日本の反省もなければ、21世紀の世界が均一化しつつあるにもかかわらず、いまだに中国を「シナ」と卑語を使って呼ぶ石原は、戦前の軍事教育の、優秀な落とし子と言える。
こうした時代錯誤も甚だしい男の言葉は、勇ましく歯切れがいいので国民が錯誤するのであるが、実態は強盛大国の実現に他ならない。
石原は、憲法のためなら自民党とも手を組むと、改憲論者の安倍晋三に手を差し出している。公明党と手を切ってこいと言っているのである。急速な右傾化で、この国が危なくなってきている。
(引用終わり)
本メルマガの読者であれば(少なくとも斜め読みでもしてくれていれば)、去る12月6日に配信したNo.1190「自民党『日本国憲法改正草案Q&A』の呆れた内容(天賦人権説の否定)」の中で、私がこう問いかけたことをご記憶でしょう。
「自民党が考える『憲法』で保障すべき国民の『権利義務』の内容は、お隣の韓国と北朝鮮のうちの、どちらの憲法により似ているでしょうか?」
※参考
自民党「日本国憲法改正草案」(2012年)
私が書いたのは、自民党「日本国憲法改正草案」の、天賦人権説を否定して、「公益及び公の秩序」に人権よりも高い価値を置く思想が、朝鮮民主主義人民共和国憲法の「集団主義の原則」(同国憲法63条)に非常に親和性があるということでした。
そして、その自民党に、改憲のための連携を呼びかけている日本維新の会の石原慎太郎代表の主張するところが、要するに「強盛大国」を目指すものだと喝破したブログに出合い、思わず笑ってしまったという次第です。
「強盛大国」について、たとえば「智恵蔵2012」では次のように解説されています。
(引用開始)
金正日(キム・ジョンイル)体制以降盛んに唱えられるようになったスローガン。政治思想と軍事、経済のいずれでも社会主義強国を築こうとする目標だ。ことに政治・軍事面は既に強国だとして、経済強国の建設に一層の重きを置いている。
(引用終わり)
(引用終わり)
もう一つ、「goo辞書」ではこう説明されています。
(引用開始)
「思想・政治・軍事・経済の強国」を意味する、北朝鮮のスローガン。1998年ごろから標榜するようになり、2006年以降は「経済強国」の建設に注力。2012年をその目標期限としている。
(引用終わり)
(引用終わり)
かねてから、日本の右翼政治家たちが、執拗に北朝鮮攻撃を繰り返すのは、要するに「近親憎悪」ではないかと疑っていましたが、いよいよその見方は正しいと思えるようになってきました。
私が考えるポイントは以下の3点です。
1 個人より国家の方が偉いと主張していないか?