今晩(12月17日)配信した「メルマガ金原No.1203」を転載します。
少しばかりの所感~第46回衆議院議員総選挙について
とりあえず、3年前の総選挙(第45回)と昨日投票のあった総選挙(第46回)のデータを比較して何が読み取れるか考えておきたいと思います。但し、本来であれば総務省公表のデータに直接あたるべきだとは思うのですが、時間の都合により、便宜目に付いたデータを使わせてもらったことをお断りします。
まずは有権者数です。
2009年 103,949,442人(投票日当日現在)
2012年 103,701,651人(投票日当日現在)
いよいよ国政選挙も人口減少時代に突入ということでしょうか。もっとも、2009年との比較ではまだ「微減」といったところです。
次に、政党別の得票数・得票率を調べてみました。
2009年選挙については、ウイキペディアに掲載された一覧表の数字に依拠します。
また、2012年選挙については、Facebook で広まっていた一覧表(出典不明)を利用させてもらいました。
まず、各候補者・政党に投じられた投票総数の比較をします。
(小選挙区)
2009年 7058万1679票
2012年 5959万7674票
→1098万4005票の減少
(比例区)
2009年 7037万0255票
2012年 5908万7106票
→1128万3149票の減少
戦後最低となった今回の投票率59.32%(前回比約10%減)は、大ざっぱに言えば、1100万人が投票所から去った、ということを意味します。
次に、3年前と形勢逆転した自民党、公明党と民主党の得票数及び得票率の推移(2009年→2012年で表記)を見てみましょう。
自民党
小選挙区 2730万1982票(38.68%)→2563万3120票(43.01%)
比例区 1881万0217票(26.73%)→1634万5544票(27.66%)
公明党
小選挙区 78万2984票(1.11%) →88万5881票(1.48%)
比例区 805万4007票(11.45%)→699万7391票(11.84%)
小選挙区 3347万5334票(47.43%)→1359万6215票(22.81%)
比例区 2984万4799票(42.41%)→947万2250票(16.03%)
これで分かるとおり、自民党は、小選挙区、比例区とも得票率こそ上昇していますが(比例区は「微増」)、実は絶対得票数は「減少」しているのです。
意外でしたか?
この数字は、私たちが周囲から受け取っていた感触と、実は結構「符合」していたのではないかと思います。
それから、マスコミが「第三勢力」と称した3党の数字を見ておきましょうか。
小選挙区 61万5244票(0.87%)→280万4425票(4.70%)
比例区 300万5199票(4.27%)→512万5072票(8.67%)
日本維新の会(2012年)
小選挙区 693万8098票(11.64%)
比例区 1203万8767票(20.37%)
日本未来の党(2012年)
小選挙区 299万0587票(5.01%)
比例区 335万5454票(5.67%)
「民主党への幻滅」+「棄権(投票所からの逃避)」
によってもたらされたのだろうということです。
それにしても、民主党の「激減ぶり」は顕著です。小選挙区でも比例区でも、ほぼ2000万票減らしていますが、大まかな印象としては、その内の半分が「棄権」、残る半分が「維新の会」や「みんなの党」に流れたのではないかと考えられます。
比例区での得票数の比較で言うと、
自民党 -246万4673票
公明党 -105万6616票
民主党 -2037万2549票
共産党 -132万1891票
社民党 -162万2195票
5党計 -2683万7924票
以上が得票数を減らした既成政党ですが、前回も比例区に候補を立てた政党の中で唯一議席も得票も増やしたみんなの党と2つの新興政党の増加分を見てみましょう。
みんなの党 +211万9873票
日本維新の会 +1203万8767票
日本未来の党 +335万5454票
3党計 +17,514,094票
こうして見てくると、自民党は決して支持を拡大していないという実態が浮かび上がってきます。それよりも、比例区で維新の会が自民党の3/4の得票を得ていることの方が重大な問題なのかもしれません。何しろ、投票所に足を運んだ有権者の半分近くの人が、比例区では自民党か日本維新の会に投票したのですから。
私は選挙分析などやったこともなく、ただ2009年と2012年の得票数を政党別に比較して印象を述べただけのことですが、少しはお役に立ったでしょうか。
今日から新たな一歩を踏み出すにしても、とにかく今回の選挙結果を踏まえておかないと、ということで検討してみました。