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藤岡惇氏『軍事攻撃されると原発はどうなるか』(Peace Philosophy Centre)

 「メルマガ金原アーカイブス」として、2012年12月18日に配信したNo.1204を載録します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
藤岡惇氏『軍事攻撃されると原発はどうなるか』(Peace Philosophy Centre)
 
 福島第一原発の過酷事故発生以来、誰の目にも明らかになったことの一つは、仮に日本に敵意を抱く外国政府があり、日本攻撃を決意したとすれば、その国に核兵器持ち合わせなどなくても、日本を核の被害によって破滅させることなど実に容易だということでした。

 長い海岸線に立ち並んだ原子力発電所にミサイルや航空機による攻撃を集中すれ
ば、あるいはもっとお手軽に、工作部隊を隠密裡に上陸させた上で、発電所のアキレス腱でることが分かった配電系統や配管系統を破断するための破壊活動を行えば、優にメルトダウンに追い込むことも可能であることが知れわたった訳です。
 
 しかるに、いまだに「核武装のオプション」や「核抑止力」などと口走り、原発全廃に反対し続ける政治家が率いる政党が選挙で大量の議席を獲得するという光景を目の当たりにするにつけ、私たちにとっては自明と思われることであっても、それを国民的共通認識までもっていくには途方もない大きなエネルギーを要することを思い知らされました。
 
 ところで、そのような努力の前提として、単に「自明」といって済ますのではなく、十分な理論的裏打ちのある知的営為の成果を活用できれば、それに越したことはありません。
 今回ご紹介することとしたのは、立命館大学経済学部教授である藤岡惇(ふじおか・あつし)氏が執筆され、Peace Philosophy Centre に発表された『軍事攻撃されると原発はどうなるか』という、そのものズバリの論考です。
 私たちがこれから積み重ねていかねばならない努力を下支えしてくれる研究成果として、しっかりと勉強したいと思います。