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森本敏防衛大臣、最後の記者会見での問題発言

 今晩(12月26日)配信した「メルマガ金原No.1213」を転載します。

森本敏防衛大臣、最後の記者会見での問題発言
 
 今日(12月26日)の自公連立政権の発足を前に、昨日、森本敏(もりもと・さとし)防衛大臣による最後の定例記者会見が行われました。
 初の民間からの防衛大臣起用(元自衛官という経歴もありますが)ということで物議を醸したりもしましたが、仕事ぶりは、これまでの防衛大臣と何ら異なることはなく、ひたすら従米路線一筋であり、訪米中にオスプレイに試乗し、「いやあ、快適だった」と感想を述べて顰蹙を買ったりしました。
 
 ところで、その森本防衛大臣が、「最後の記者会見」の中の「最後の質問」で、気が緩んだのか、つい「本音」を語ってしまったことを、辺野古浜通信で知りました。
 
 その記者会見の文字起こしが防衛省・自衛隊のサイトに掲載されています。
 
 最大の「問題発言」は末尾の部分です。
 
(引用開始)
Q:沖縄問題にとてもお詳しい大臣で、今回、半年の間に沖縄の負担軽減に努力されていたと思いますが、1点だけ確認というか。普天間辺野古移設は地政学的に沖縄に必要だから辺野古なのか、それとも本土や国外に受入れるところがないから辺野古なのか、その1点だけ、考えをお願いします。
A:アジア太平洋という地域の安定のために、海兵隊というのは今、いわゆるMAGTFという、MAGTFというのはそもそも海兵隊が持っている機能のうち、地上の部隊、航空部隊、これを支援する支援部隊、その3つの機能をトータルで持っている海兵隊の空地の部隊、これをMAGTFと言っているのですが、それを沖縄だけはなく、グアムある
いは将来は豪州に2,500名以上の海兵隊の兵員になったときにはそうなると思いますし、それからハワイにはまだその態勢がとられていないので、将来の事としてハワイにもMAGTFに近い機能ができると思うのです。こういうMAGTFの機能を、割合広い地域に持とうとしているのは、アジア太平洋のいわゆる不安定要因がどこで起きても、海兵隊が柔軟にその持っている機能を投入して、対応できる態勢をある点に置くのではなくて、面全体の抑止の機能として持とうしているということであり、沖縄という地域にMAGTFを持とうとしているのは、そういうアジア太平洋全体における海兵隊の、いわゆる「リバランシング」という、かつては1997年頃、我々は「米軍再編計画」と言って、「リアライメント」という考え方ではなくて「リバランシング」というふうに言っているのですが、そのリバランシングの態勢として沖縄にもMAGTFを置こうとしているということです。これは沖縄という地域でなければならないのかというと、地政学的に言うと、私は沖縄でなければならないという軍事的な目的は必ずしも当てはまらないという、例えば、日本の西半分のどこかに、その3つの機能を持っているMAGTFが完全に機能するような状態であれば、沖縄でなくても良いということだと。これは軍事的に言えばそうなると。では、政治的にそうなるのかというと、そうならないということは、かねて国会でも説明していたとおりです。そのようなMAGTFの機能をすっぽりと日本で共用できるような、政治的な許容力、許容できる地域というのがどこかにあれば、いくつもあれば問題はないのですが、それがないがゆえに、陸上部隊と航空部隊と、それから支援部隊をばらばらに配置するということになると、これはMAGTFとしての機能を果たさない。したがって3つの機能を一つの地域に、しかも、その持っている機能というのは、任務を果たすだけではなくて、必要な訓練を行う、同時にその機能を全て兼ね備えた状況として、政治的に許容できるところが沖縄にしかないので、だから、簡単に言ってしまうと、「軍事的には沖縄でなくても良いが、政治的に考えると、沖縄がつまり最適の地域である」と、そういう結論になると思います。というのが私の考え方です。
(引用終わり/下線は金原による)
 
 この最後の質問をした記者が誰かは不明ですが、「お見事!」と言いたいですね。出来ればもっと早い段階で質問して欲しかったとは思いますが。もっとも、退任前日だからこそここまで「正直な」意見が述べられたのかもしれません。
 
 米海兵隊の「MAGTF」なる構想が全く無批判に所与の前提となっていることはともかくとして(これも大問題ですが)、地政学的、軍事的に沖縄(辺野古)でなければならない理由はなく、要するに本土で受け入れるところを確保することが「政治的に」無理だから、沖縄に押しつけるのだと公言しているのです。
 
 「辺野古浜通信」が以下のように批判するのも当然と言わねばなりません。
 
(抜粋引用開始)
どういう意味だ!沖縄の民衆も政治もすべて猛烈に反対してきた。
何十年も「理解を求め」られるたびに、もう無理だ、これ以上無理だと。
現に沖縄の社会も、民衆も、日米の基地と暴力によってこの70年、徹底的に傷つ
けられ続けてきた。本土が受け入れないなら、差別的に、戦争で日米が滅茶苦茶にした沖縄に、他府県がほんのわずか(な)でも嫌がる基地を、更に、徹底的に、押(つけ?)ていいのか。
「理解を求める」ように脅迫し…、反抗する人間を国はSLAP訴訟に訴えるのか?
県知事の権限を剥奪してでも、公有水面埋め立てを強行し、沖縄の海を潰すの
か?
もはや防衛省官僚、政治家達は、最近うろちょろしているチンピラ右翼並のレイシストだ。愛国者なら国家としてこのようなレイシストが行政や政治にいること(が?)ずかしくないのか?
(引用終わり)
 
 第2次安倍内閣で防衛大臣に就任することになった小野寺五典氏に対しても、是非同じ質問をして欲しいものです。