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スメドリー・バトラー『戦争はいかがわしい商売だ(War Is A Racket)』を読む

 今晩(2013年3月5日)配信した「メルマガ金原No.1284」を転載します。
 
スメドリー・バトラー『戦争はいかがわしい商売だ(War Is A Racket)』を読む
 
 スメドリー・バトラー(Smedley BUTLER)氏(1881年7月30日~1940年6月21日)は、米海兵隊で様々な武勲を挙げ、多くの勲章を授けられた英雄であり、少将を最後に除隊した人でしたが、彼の名を(特に外国で)現在まで知らしめているのは、退役後に行った戦争の本質についてのまことに率直な発言にあったと思われます。
 
 中でも、1933年に、バトラー氏がコネティカット州在郷軍人会で行った講演を基にして後に印刷された『War Is A Racket(戦争はいかがわしい商売だ)』は有名であり、日本でも、 『戦争はペテンだ―バトラー将軍にみる沖縄と日米地位協定』(吉田健正氏著/七つ森書館/2005年4月刊)の第1章として、吉田健正氏によって翻訳されています。
 
 原文の著作権は米国でも保護期間切れとなっているようで、いくつかのサイトで全文を読むことができます。
 
 日本語訳についても、最近、吉田健正氏(及び出版社)の了解の下、複数のサイトに転載されています。
 ここでは、「Peace Philosophy Center」に掲載された日本語訳『戦争はいかがわしい商売だ』をご紹介します。
 
 PeacePhilosophyの乗松さんが「核兵器をまだ知らないバトラー将軍が最後の方に発する警告には、胸を揺さぶられます」と書かれている部分のみ引用します。是非全文をお読みください。
 
(引用開始)
 専門家によれば、次の戦争は軍艦や大砲や銃、あるいは機関銃で戦われることはないだろうという。致命的な化学品やガスで戦われるのだという。
 各国は、敵を全面的に壊滅させるための、より新しい、より陰惨な方法を秘密
裏に研究している。そうだ、戦艦は今後も引き続き造られるだろう。造船業者は利益をあげなければならないのだ。銃砲、火薬、ライフルも作られ続ける。武器メーカーは巨大な儲けをあげる必要があるのだ。そして兵士たちは軍服を着なければならない。軍服メーカーも稼ぐ必要があるのだ。
 だが、勝敗を決するのはわが科学者たちの技術と工夫だ。
 彼らに毒ガスや、悪魔的な破壊兵器をもっともっと作らせるようにすれば、彼らに
はすべての人々のために繁栄を築く建設的な仕事をやる時間はとれない。彼らにこの有益な職務につかせることによって、われわれはみんな(武器メーカーでさえ)、戦争から得られる以上の利益を平和から得ることができるのに。
 だから、わたしは声をあげて言う。
 戦争なんてまっぴらご免だ!
(引用終わり)
 
 最後に、翻訳者の許諾を得てこの文章を転載したサイト(PeacePhilosophy Center)の管理者(乗松聡子さん)の言葉を抜き出してご紹介します。
 
(抜粋引用開始)
「偏狭なナショナリズムや排外主義がまん延し、それを抑制するどころか助長させる政府を選んだ今の日本でこそ読まれるべき本だと強く思います」
「以下のバトラー将軍の文は、今度日本でも教科となると言われている『道徳』の
副教材として配ったら最適なのではないでしょうか!将来、大事な命と財産を守る頼もしい若者たちが育つことでしょう」
(引用終わり)