今晩(2013年3月6日)配信した「メルマガ金原No.1285」を転載します。
オスプレイ 本土低空飛行訓練開始に思う
この事態をうけて、和歌山県平和フォーラムが、本日、以下のような申し入れを和歌山県知事宛に行ったことを、平和フォーラムの藤原慎一郎さんから教えていただきましたので、申入書全文をご紹介します。
(引用開始)
2013年3月6日
和歌山県知事
仁 坂 吉 伸 様
和歌山県平和フォーラム
代 表 裏 野 勝 也
紀伊半島上空へのMV-22 オスプレイ
飛行訓練に反対する申し入れ
在日米軍は5日、垂直離着陸輸送機MV-22オスプレイの低空飛行訓練について、和歌山県などを通過する「オレンジルート」で実施すると防衛省へ通告してきたと報道されています。当初は九州の「イエロールート」で行うとしていましたが、わずか一日で変更、直前の通知は、住民の安全を確保するという自治体の責任と主体性を無視した暴挙といえます。
在日米軍は、これまで低空飛行訓練で多くの事故を起こしています。ご承知の通り、オレンジルート下においても1994年には高知県早明浦ダム近くでA6イントルーダー攻撃機が墜落、乗員2名が亡くなる事故がおき、1987年と91年には、奈良県十津川村でAVー8Bが木材運搬用のワイヤを切断するという事故を起こしています。県内の日高川町、印南町などにおいても低空飛行による騒音被害が住民より出されています。
オスプレイは、開発段階で4回、部隊配置後も3回の墜落事故を起こし、36人が死亡するなど事故が多発、欠陥機と指摘され、不安は拭えておらず、強烈な風害・騒音・危険性から米国においても、ニューメキシコ州やハワイ州の米軍基地における飛行訓練が地元住民の反対によって中止に追い込まれています。
そのことに異議を唱えず容認する日本政府の姿勢も同様です。危険なオスプレイが、危険な低空飛行訓練を行うことは、ルート下の住民の生命と財産を危険にさらすことになります。許されることではありません。県民の安全を守るために、私たちは貴職に対して、以下の事項を要請いたします。
記
1.危険な米軍輸送機MV-22 オスプレイの紀伊半島への飛行訓練(オレンジ ルート)を認めず、撤回することを求めていただきたい。
2.MV-22オスプレイの国内への配備を中止・撤回するよう、政府と米国政府 に働きかけていただきたい。
(引用終わり)
ところで、今日の昼間、私も所属する青年法律家協会和歌山支部で、4月26日(金)午後6時から、和歌山県民文化会館小ホールで開催する憲法記念講演会(孫崎享氏講演会「戦後日本外交の歴史と展望~自主と追随の戦い~」)準備のための会議があったのですが、そこでオスプレイのことが話題となり、「和歌山弁護士会として低空飛行訓練中止を求める声明を出す方向で考えるべきではないか」などという意見が出たりしたのですが、その場にいた元沖縄弁護士会会員の藤井幹雄弁護士から、「反対するのなら普天間に配備された段階で声明を出すべきだったのであって、市街地の上空を毎日オスプレイが飛び回っていたのに何も言わず、今になって反対するというのには違和感がある」という意見が出され、みんな「それもそうだな」とうなずいたのでした。
もっとも、藤井弁護士にしても、オスプレイの低空飛行訓練中止を求めること自体に反対している訳でないことは言うまでもありません。
それから、上記申し入れを行った和歌山県平和フォーラムは、昨年の6月22日、オスプレイがまだ日本に到着するずっと前の段階で、「紀伊半島上空へのMV-22オスプレイ飛行訓練に関する申し入れ」を和歌山県知事宛に行っていたことを申し添えます(メルマガNo.998でご紹介しました)。
以下に要請の結論部分のみ再度引用しておきます。
(引用開始)
(引用終わり)
最後に、You Tube にアップされていたオスプレイの沖縄での「飛行」の状況をハンディカメラで地上から撮影した短い映像をご紹介します。
沖縄では、これが「日常」なのですね。
(付記)
来週の木曜日(3月14日)、琉球新報政治部長・論説委員の松元剛さんが和歌山市で講演されます(午後6時半からプラザホープにて)。