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講演録2題「格差・貧困と憎悪-憎しみはなぜ隣人に向かうのか」(反貧困ネット北海道)

今晩(2013年4月10日)配信した「メルマガ金原No.1321」を転載します。
 
講演録2題「格差・貧困と憎悪-憎しみはなぜ隣人に向かうのか」(反貧困ネット北海道)
 
 なぜ橋下徹を支持する人たちがこんなに存在するのだろう?
 なぜ在特会の呼びかけに応えて新大久保や鶴橋で聞くに堪えないヘイト・スピーチを繰り返す者があんなにいるのだろう?
 
 こういう疑問を持たれる方が多いのではないかと思います。
 まさに、現代社会が構造的に抱える「閉塞感」の2つの噴出口と言うしかないような「現象」ですが、この困難な問題に果敢に挑んでいる2人のジャーナリストを招いて学習会を開き、その講演録をネットで公開してくれている団体がありました。
 
 「反貧困ネット北海道」がそれで、同ネットが「2012年度連続学習会(第2回)格差・貧困と憎悪-憎しみはなぜ隣人に向かうのか」での講演を文字起こしして公式サイトに掲載したものです。
 
 招かれた講師は、藤田和恵さんと安田浩一さん。それぞれの演題は以下のとおりでした。
 
講演① 藤田和恵
「人々はなぜ、“ヒーロー”を求めるのか-今、大阪で起きていること」
講演② 安田浩一
在特会とネットファシズム-『ネットと愛国』の取材を通して」
 
 ただし、学習会が開催されたのは2012年11月10日であり、日本維新の会が議院で54議席を獲得する前、また、在特会による東京・新大久保や大阪・鶴橋における排外デモが関心を呼ぶ前のことですから、非常に先見性のある学習会であった訳で、しかも講演録を読めば、まさにそれぞれのテーマについての第一人者が講演されていたことが分かります。
 
 藤田さんの講演では、2011年11月に行われた大阪市長選挙に際し、大阪市交通局で働く非正規職員の一人が、自らの職場の労働組合が不正な文書を作成したという事実を捏造した事件の取材などを通し、公務職場で働く非正規労働者の正規公務員に対して向ける憎悪・憎しみの心情が語られて衝撃的です。
 
 また、安田さんが講演のまとめで話された以下の内容もまた、私たちにとって重く受け止めざるを得ない課題だと思いました。
 
(引用開始)
 私が怖さを感じるのは、在特会の行動そのものよりも、在特会の足もとに、日本人の今を覆っている空気や気分・心情が渦巻いているということです。問題は、私たち日本人の周りに領土問題や拉致問題といったナショナリズムを煽る問題現在数多くあるなかで、日本人一般が持つ心情や皮膚感覚が、外国人差別や排外主義に向いてしまっていないか、ということです。真に恐れを持つべきは、特会ではなく、その足元に地下茎のように広がる日本人の思惑と、正義の名を借りた差別・排外主義の連なりだろうと思います。
(引用終わり)
 
 是非、この貴重な講演録をお読みいただきたいと思います。
 
(参考サイト)
2012年11月19日 
夜な夜なカフェ vol.15 辛淑玉×藤田和恵
「公務員バッシングで誰が得するの?」(1時間10分05秒)
 
2013年3月14日 
排外・人種侮蔑デモに抗議する国会集会(1時間56分51秒)
※安田浩一さんによる基調報告は12分~30分です。他に、鈴木邦男さん(一水会・顧問)と木村三浩さん(一水会・会長)の発言(1時間16分~1時間57分)も是非視聴をお勧めしたいと思います。