誰も止められない安倍晋三の暴走とアメリカの懸念
今晩(2013年4月26日)配信した「メルマガ金原No.1337」を転載します。
誰も止められない安倍晋三の暴走とアメリカの懸念
また、産経ニュース(WEB版/2013.4.24 14:27)も次のように伝えました。
(抜粋引用開始)
靖国参拝批判に首相「わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない」
安倍晋三首相は24日の参院予算委員会で、安倍内閣の閣僚らの靖国神社参拝に中国や韓国が反発していることに関し「国のために尊い命を落とした英霊に尊崇の念を表するのは当たり前だ。わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない。その自由は確保している。当然だろう」と述べた。
中国に対しても「A級戦犯が合祀(ごうし)されたとき、時の首相の参拝に抗議せず、ある日突然抗議をしはじめた」と不快感を示した。
また「歴史や伝統の上に立った私たちの誇りを守ることも私の仕事だ。それを削れば(中国や韓国との)関係がうまくいくとの考えは間違っている」とも語った。
(引用終わり)
この答弁に快哉を叫ぶ層が我が国の一部にあるのは間違いないと思いますが、「正気の沙汰」とは思えないこの答弁(そういえば表情もまともではない)を苦々しく思っているのは、何も国内の護憲派や中国・韓国ばかりではありません。
(抜粋引用開始)
安倍氏の恥ずべき衝動的行為は、北朝鮮の核兵器プログラム等の諸問題において、地域における大切な協力関係を脅かすものになりかねない。このような修正主義は、歴史を歪曲することよりも、長い経済不況からの回復に集中しなければいけないこの国にとって、恥ずかしいことである。
(引用終わり)
まさに、同紙の予言は的中したと言うべきでしょう。
同紙は、その社説の末尾において再び以下のように主張せざるを得ませんでした(もっとも、この社説は24日の「どんな脅かしにも屈しない」答弁の前に書かれたようなので、この程度の論調に押さえられていたのでしょうが)。
(抜粋引用開始)
日中両国は領土問題の平和的解決に取り組む必要がある。しかし、北朝鮮の核開発問題を解決するために各国が協力して取り組む必要がある時に、日本が中国と韓国の敵意を煽るのは特に無謀なことであるように見える。
歴史的な傷を悪化させるのではなく、長く停滞している経済の改善と、アジアと世界での指導的民主国家としての役割強化に重点を置いて、日本の将来を構想することに、安倍氏は集中すべきである。
(引用終わり)
集団的自衛権を考える際、私たちは「日本がアメリカの戦争に巻き込まれる」ことを懸念して強く反対してきたのですが、今や、アメリカが「日本の戦争に巻き込まれる」事態を何とか回避しようとしているという、非常に逆説的な状況になっています(その辺のところは、豊下楢彦氏の『「尖閣問題」とは何か』(岩波現代文庫)をご参照願います)。
最後に、以上の点を指摘した元外交官・天木直人さんの本日(2013年4月26日)のブログをご紹介しておきます。
天木直人のブログ「安部首相の右傾化を誰も止められない日本の危うさ」