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真宗大谷派の日本国憲法第九十六条「改正」反対決議

 今晩(2013年6月14日)配信した「メルマガ金原No.1387」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
真宗大谷派日本国憲法第九十六条「改正」反対決議
 
 真宗大谷派(本山は京都市の東本願寺/いわゆる「お東さん」)は、全国に多くの末寺を傘下に持つ日本有数の伝統仏教教団の一つですが、従来から、様々な社会問題についての意見の表明を積極的に行ってきたことで知られています。
 
 原発問題についても、以下のような踏み込んだ見解を表明し、脱原発を切望する国民を勇気づけてくれました。
 
2012年4月23日 解放運動推進本部長名義 宗派声明
「-すべての原子力発電所の運転停止と廃炉を求めます-」
(抜粋引用開始)
 さらに、このたびの事故により原子力を利用する限り、現在のみならず未来のいのちをも脅かす放射線被曝を避け得ないことが明らかになりました。
 私たちは、すべてのいのちを摂めとって捨てない仏の本願を仰いで生きんとする念
仏者として、仏智によって照らし出される無明の闇と、事故の厳しい現実から目をそらしてはならないと思っています。
 すべての原発の運転停止と廃炉を通して、原子力に依存しない、共に生きあえ
る社会の実現に向けた取り組みがなされる歩みを進めてまいりたいと意を決しております。
(引用終わり)
 
2012年6月12日 宗務総長名義 宗派声明
「大飯原子力発電所再稼動に関する声明」
(抜粋引用開始)
 今なお、福島第一原子力発電所の事故で多数の苦しんでおられる方がある中で、一旦停止した原子力発電所を再稼動する理由に、人のいのちよりも優先すべきことがあったのでしょうか。
 ここに、真宗大谷派は、このたびの野田内閣総理大臣の大飯原子力発電所
再稼動を表明されたことに対し、強く遺憾の意を表明いたします。あらためて大飯原子力発電所はもとより、他の原子力発電所も決して再稼動することのないように、念願するものであります。
(引用終わり)
 
 その真宗大谷派が、去る(2013年)6月12日、同派の最高議決機関である参議会(門徒議員で構成)において、「日本国憲法第九十六条「改正」反対決議」を全会一致で可決しました。以下に決議の全文を引用します。
(引用開始)
           日本国憲法第九十六条「改正」反対決議
 政府与党は、日本国憲法第九十六条の「改正」を表明しております。これは国会における改憲発議要件を3分の2以上から2分の1以上に緩和することにより、憲法「改正」を容易にしようとするものです。本来、憲法は、国民からの負託によって、国民に代わって行政権を執行する政府を規制する国の最高法規であります。それ故、他国においても同様に、その改正にはあえて厳しい制約が定められています。
 言うまでもなく、「国民主権」「基本的人権の尊重」「戦争の放棄」の三大原則を謳う現日本国憲法は、政府が先頭に立ってそれを遵守し、憲法に基づく施策を具現化していく義務を持つものであり、その具体的実践により、初めて日本国憲法は世界に誇りうる憲法となります。
 「国豊かに民安し。兵戈用いることなし(くにゆたかにたみやすし。ひょうがもちいることなし)」と説く『仏説無量寿経』を正依の経典とする私たち真宗大谷派宗門は、宗祖親鸞聖人の開顕せられた念仏の教えと、そこに流れる御同朋・御同行の精神のもとに歩んでまいりました。しかし、私たちは、過去の戦争においてその教えを歪め、無数のかけがえのない命を戦場に送り込むという痛恨の過ちを犯してしまいました。その慙愧に立って、1995年宗会において「不戦決議」を行った私たちは、今こそ念仏者として、恒久平和を願う現日本国憲法を守らねばなりません。
 よって真宗大谷派参議会は、日本国憲法第九十六条「改正」反対をここに決議いたします。
                                          以 上 
2013年6月12日
第57回参議会/全会一致で可決
(引用終わり)
 
 「恒久平和を願う現日本国憲法を守らねばな」らないから、「日本国憲法第九十六条「改正」反対」であるとするのは、やや言葉足らずというか、論理の飛躍がありますが、まあ、そんなことはどうでも良いので、その言わんとするところ、その願いは100%読む者に伝わってきます。
 
 ところで、私の家系は、同じ門徒とはいっても「お西さん」(浄土真宗本願寺派方なのですが、憲法についてはどうなんだろうなあ・・・。
 2007年4月20日には、「日本国憲法の改正手続に関する法律案」(国民投票法案)に関する要請を当時の安倍首相宛に提出していたくらいだから、今こそ改憲反対声明を出すべきだと思うのだけれど。