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6/14「96条の会」発足記念シンポジウム・熟議なき憲法改定に抗して

 今晩(2013年6月18日)配信した「メルマガ金原No.1391」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載されています。
 
6/14「96条の会」発足記念シンポジウム・熟議なき憲法改定に抗して
 
 去る2013年5月23日に、「96条の会」発足を発表する記者会見が開かれ、私のメルマガ&ブログでも取り上げました。
 
 そして、6月14日(金)に上智大学四谷キャンパスにおいて、会場に入りきれない多数の聴衆が詰めかけて発足記念シンポジウム「熟議なき憲法改定に抗して」が開かれ、IWJによってユースト中継されました。
 
IWJ期間限定配信映像(2時間25分21秒)
 
 「96条の会」公式サイトに掲載された開催案内を引用します。
(引用開始)
「96条の会」発足記念シンポジウム
◎テーマ「熟議なき憲法改定に抗して」

憲法改正手続きを定めた憲法96条の改正がこの夏の参議院選挙の争点に据えら
れようとしています。これまでは両院で総議員のそれぞれ3分の2の多数がなければ憲法改正を発議できなかったのに対し、これを過半数で足りるようにしようというのです。
自民党を中心としたこうした動きが、「国民の厳粛な信託」による国政を「人類普遍
の原理」として掲げる前文、平和主義を定めた9条、そして個人の尊重を定めて人権の根拠を示した13条など、憲法の基本原理にかかわる変更を容易にしようと進められていることは明らかです。
その中でもとりわけ、96条を守れるかどうかは、単なる手続きについての技術的な問
題ではなく、権力を制限する憲法という、立憲主義そのものにかかわる重大な問題です。
私たちは、今回の96条改正論は、先の衆議院議員選挙でたまたま多数を得た勢
力が暴走し、憲法の存在理由を無視して国民が持つ憲法改正権のあるべき行使を妨げようとする動きであります。
これに反対する「96条の会」が5月23日に発足しました。発足を記念し、そして96条
改憲の問題を明らかにするために、記念シンポジウムを開催いたします。
~詳細~
日時:2013年6月14日 18:30~21:00(18:00開場)
会場:上智大学四ツ谷キャンパス8号館410教室
基調講演:
樋口陽一(96条の会代表、憲法学者東北大学名誉教授、東京大
学名誉教授)
パネル・ディスカッション「96条改定の何が問題か」
司会:杉田敦(法政大学教授)
登壇予定者:
 長谷部恭男東京大学大学院教授)
 小森陽一東京大学大学院教授)
 山口二郎北海道大学大学院教授)
 岡野八代(同志社大学教授)
入場料:無料
(引用終わり)
 
 中継したIWJによる説明文は以下のとおり。
(引用開始)
 冒頭、上智大学教授・三浦まり氏から「96条の会」について、「この会は、熟議を欠いた安易な憲法改定に、反対する人々の集まりとして発足した。立憲主義の重要性について、とりわけ改憲のハードルを下げることの危険性について、有権者が深く考える機会を提供することを目指している」との説明があった。
 基調講演では、樋口陽一氏が「96条は、憲法の憲法、根本規範、憲法改正権などと言われている」と述べ、「96条が持つ憲法改正の権限を、その権限によって変えることができるのか、という本質的議論をクリアしないまま、96条を使って96条を変えることは、理屈の上ではできない。一部の政治家は、手続き上の問題だけというが、大きな間違いだ」と語り、以下のように続けた。
 「昨年、安倍首相は『たった3分の1の反対で発議できないのはおかしい。そういう横柄な議員には、退場してもらう選挙を行なうべきだ』と話した。職責を果たそうとする国会議員を横柄と呼び、たまたま手にした2分の1の議席で発議し、あとは国民に丸投げする。これは明らかに、主権者としての国民への侮辱である」。
 パネルディスカッションでは、山口氏が「国民投票があるからいいじゃないか、と言う人がいるが、直接民主主義は強烈なアプローチ。改憲後、のべつ幕なしに国民投票をすることになる。そうなると、すべて形骸化し、逆に国民投票が、国民主権破壊する」と危惧した。
 岡野氏は「憲法は、マイノリティにとって最後の砦だ。その時の多数意見で決めるものではない。新憲法では家族を強調するが、セーフティネットや社会福祉が削られるなかで、家族というものに負担を押しつけようとしている」と述べた。
 長谷部氏は「憲法の中の『国民』には、2つの意味がある。国民投票の国民は、有権者としての国民。前文でいう国民は、国政の福利を享受する、将来の世代含めて長期的な意味を含んだ国民、という意味だ」と説明した。
 山口氏は「反知性主義が、今の政治の基調だ。今、安倍首相はトーンダウンしているが、株価さえ維持できれば乗り切れる、と思っているようだ。ただし、世論には力がある。私たちは無力ではない」と語った。【IWJテキストスタッフ・関根】
(引用終わり)  
 

 

 私もまだ樋口陽一さんの基調講演を聴いただけで、パネルディスカッションはまだ聴いていないのですが、間もなく会員限定記事になってしまいますから、せめて口さんの基調講演(10分~42分)だけでもすぐに聴いてください。それだけの値ちは絶対にあります。