纐纈(はなぶさ)あやさんと広瀬隆さんが語ること(ラジオフォーラム)
今晩(2013年7月21日)配信した「メルマガ金原No.1425」を転載します。
なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
纐纈(はなぶさ)あやさんと広瀬隆さんが語ること(ラジオフォーラム)
毎日放送「たね蒔きジャーナル」存続運動からスピンオフして誕生した「ラジオフォーラム」については、これまで何度か取り上げてきました。
「1/12スタート!『ラジオ・フォーラム』(ラヂオきしわだ)に注目しよう」
「もう一度ご紹介『ラジオフォーラム』」
「あらためて『ラジオフォーラム』に注目する」
また、土曜日~翌週金曜日までに順次各局で放送されるのですが、現在では、放送開始翌週の火曜日には、WEB上でもアーカイブが公開されて聴取できるようになっています。
各回放送分については、詳細なサマリーも公開されており、関心を持った部分だけ聴取することも容易です。
是非「ラジオフォーラム・アーカイブス」のページを活用して、様々な情報に耳を傾けていただければと思います。
上記「アーカイブス」を眺めていると、実に興味深いゲストの多彩な顔ぶれに目移りがしてきます。
前回「あらためて『ラジオフォーラム』に注目する」でご紹介して以降のゲストを書き出してみると以下のとおりです。
第15回 李政美さん(歌手)
第16回 リ・ハナさん(日本在住の脱北者)
第17回 大崎麻子さん(ジェンダー・開発政策専門家)
第18回 栗原佳子さん(ジャーナリスト)
第19回 纐纈あやさん(映画監督)
第20回 安田浩一さん(ジャーナリスト)
第21回 石坂啓さん(漫画家)
第22回 西岡研介さん(ジャーナリスト)
第23回 渡辺実さん(防災・危機管理ジャーナリスト)
第24回 趙博さん(歌手)
第25回 浜矩子さん(同志社大学大学院教授)
第26回 林恵子さん(ブリッジフォースマイル代表)
第27回 広瀬隆さん(作家)
自分の関心に応じて是非聴いていただきたいと思いますが、今日は、そのうちの2本をご紹介しようと思います。
第19回「映画を撮るのは私の生き方」
ゲスト:纐纈(はなぶさ)あやさん(映画監督)
パーソナリティ:石井彰(放送作家)
放送日:2013年5月18日(土)~24日(金)(収録日:2013年4月30日)
パーソナリティ:石井彰(放送作家)
放送日:2013年5月18日(土)~24日(金)(収録日:2013年4月30日)
監督第1作『祝(ほうり)の島』(2010年)で素晴らしい達成を見せてくれた纐纈(はなぶさ)あや監督が、ドキュメンタリー映画を撮りたいと決意した経緯、祝島での撮影で感じたことなども話されているのですが、待望の第2作『ある精肉店のはなし(仮題)』(2013年11月29日公開予定)について語られていることに引きつけられました。
新作『ある精肉店のはなし』の公式サイトに掲載された「映画概要」にはこう記載されています。
(引用開始)
日常食卓にのぼり口にする肉。しかしいのちあるものが肉となり食卓に届くまでの行程は、多くの人に知られるところではない。大阪で出会った北出精肉店では、7代に渡り家族で牛を育て、手作業で屠畜を行い、その肉を自営の精肉店で販売し、生計を立ててきた。彼らは700kgにもなる牛を命をかけて屠り、見事な手つきで内臓を捌く。確かな経験と技術により、牛は鮮やかに肉になっていく。厳かに行なわれるその作業の光景は、屠畜にまつわる様々な先入観を払いのけ、そこからは有機的に関係し合う肉と肉、いのちといのちの姿が実体を持って立ち現れてくる。
しかし、彼らが利用し102年続いてきた公営と畜場が、輸入肉や大規模屠場への統合の影響により、2012年春閉鎖することになった。そして最後の屠畜作業を記録することから本作の撮影は始まった。
(引用終わり)
(引用終わり)
まだ観ぬうちから感想めいたことを書くのは自制すべきかとは思いますが、『祝(ほうり)の島』と『ある精肉店のはなし』をつなぐキーワードは、おそらく「いのち」だろうと思います。
纐纈あや監督の新作の公開が待ち遠しいですね。
ちなみに、纐纈監督の第1作『祝の島』について書いた私のブログ「映画『祝(ほうり)の島』上映と纐纈あや監督のお話の集い開催(in和歌山市)」もお読みいただければ幸いです。
もう1本は、広瀬隆さんゲストの回です。
第27回「脱原発・ドイツの廃炉事情レポート」
メルマガ金原No.1413「DVD『核のゴミどうすんの!? 山本太郎と広瀬隆のドイツ取材3000kmの旅』のご紹介」でご紹介したとおり、山本太郎さんと一緒にドイツを訪問した広瀬隆さんが語るドイツにおける原発廃炉事情です。
このラジオフォーラムでの広瀬さんの発言の文字起こしが「みんな楽しくHappy♡がいい♪」に掲載されていました。
1「ドイツの電力会社が東京電力に『我々は協力します』って言ったのに東電が断ったんです」
2「原発廃炉でその立地自治体は?『町の人がホームレスになったとか、そんなことは全くありません』」
3「地下1000m核廃棄物の地獄~いま我々はその先を見ておかないと、これから大変なことになります」
DVD申込みはこちらから。
広瀬さんが語られているとおり、ドラム缶に詰められた放射性廃棄物が、地下深くの岩塩鉱山採掘跡に放り込まれていく光景は、届いたDVDを視聴した際にも衝撃的でした。
そのように感じるのは、いったんあのような深い地層に放り込んでしまったが最後、何が起ころうとも人間に手出しはできず、「運を天に任せる」以外に対処のしようがないからに違いありません。
このような廃棄物を不可避的に発生させるという一点だけからも、論理的にも倫理的にも、再稼働に正義がないことは明らかです。
「いのち」を見つめる纐纈あや監督の作品と、全ての「いのち」を脅かす放射性廃棄物の行く先を追った広瀬さんのレポートを取り上げてみました。
是非お聴きください。