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青法協(和歌山支部)憲法連続講座第2回のご報告

 今晩(2013年8月7日)配信した「メルマガ金原No.1442」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 

 

青法協(和歌山支部)憲法連続講座第2回のご報告
 
 青年法律家協会和歌山支部が主催する「青法協憲法連続講座~完全攻略 深めよう憲法~」が、去る(2013年)7月24日(水)に開催された第1回(テーマ「96条」)に引き続き、本日(8月7日)午後6時30分より、和歌山ビッグ愛6F会議室(前回の603号に加えて隣の602号も借り増ししました)において、第2回の講座が開かれ、前回とほぼ同じ約70名の参加者がありました。
 
 
 第2回のテーマは「9条」であり、講師の重責を担った(押し付けられた?)のは、司法修習新62期の小川裕和弁護士でした。
 その小川さんは、第1回の講が終わってからいうもの、弁護士会で顔を合わせても、気持ちが張り詰めていることが見た目にもはっきりと分かり、今日の昼休みに行われた青法協支部会議では緊張の極に達し、他の会員の議論も上の空という様子であり、「本当に丈夫か?」と、正直かなり心配になりました。
 しかし、「案ずるよりも産むが易し」とはこのことで、2週間しっかりと準備した甲斐って、非常に分かりやすい基調報告になっていたと思います。最低限抑えるべき論点について解説を加えるだけではなく、自らが悩み考えたことを率直に聞き手に伝えようという誠実さが伝わってきました。
 
 仮にあなたが、「9条」について、実質45分程度で過不足のない話をするようにと言われたらどうします?私でも困ってしまいますね。「9条の源流として不戦条約に触れない訳にはいかないだろう」「日本国憲法誕生の法的基礎であるポツダム言の解説が必要ではないか」「9条誕生については、幣原喜重郎・マッカーサー会を取り上げるのが聴衆の興味を引くかもしれない」「9条制定後の警察予備隊、保安隊、自衛隊、旧日米安保条約、新日米安保条約、安保体制の変質としての日米同盟などをどう歴史的にたどるかが問題だ」などと考え出して、「9条の規範性」「集団的自衛権」など焦眉の急と言える論点にいつたどり着けるかわからないという状況に陥りそうです。
 小川弁護士は、たくさん勉強していたようですから(資料をいっぱい集めていた)、話す材料は豊富にあったはずですが、思い切って
  9条解釈論を俯瞰する
  なぜ9条を「改正」しようとしているのか
に話をしぼった上で、自らが考える「9条を守るための運動論」で基調報告を締めくくりました。このやり方は成功だったと思いますよ。小川先生、お疲れ様でした。
 
 
 前回同様、第2部「質疑応答&意見交換」には、第1部「基調報告」以上に時間をたっぷりととりました。
 今回は、何しろテーマが「9条」であり、どんな質問が出るかもしれないということで、第1部を担当した小川弁護士に加え、由良登信元支部長(修習38期)と畑純一前支部長(修習44期)にも回答席に座ってもらいました。話すことがいくらでもある両ベテラン弁護士が主に回答するのですから、私が司会役を押し付けた赤木俊之弁護士(修習56期)はあまりしゃべる時間がなく、やや欲求不満気味だったかもしれませんので、次回は回答者席に座ってもらうのが良いかもしれませんね。
 ところで、第2部では多くの参加者から発言があり、時間が足りなくなる位でしたが、多くの人が、恣意的な内閣法制局長官人事に強い危機感を抱いており、集団的自衛権行使容認に向けた「解釈改憲」や「立法改憲(国家安全保障基本法)」をかに阻止するかが、今後の運動の中心となるべきということが共通認識になりつあるという印象を受けました。
 
 次回(第3回)がとりあえず連続講座最終回となりますが、「自民党憲法改正草案の問題点」をテーマとし、基調報告はさらに若手の重藤雅之弁護士、伊藤あすみ弁護士(ともに修習新64期)が担当します。
 そして、次回の第2部では、第1部のテーマに関係した質疑・意見だけではなく、出来れば今後の具体的な運動のあり方についても時間をとって議論したいと思っています。
 第1回、第2回に参加された方はもとより、これまで都合がつかずに参加できなかった方にも是非議論に加わっていただきたいと希望していますので、何卒よろしくお願いします。
 
 
「青法協憲法連続講座~完全攻略 深めよう憲法~」第3回 
開催日 2013年8月20日(火)
テーマ  「自民党憲法改正草案の問題点」
講 師 重藤雅之弁護士、伊藤あすみ弁護士(予定) 
時 間 午後6時30分~午後8時30分(予定) (開場 午後6時15分)
会 場 和歌山ビッグ愛6階 会議室603・602(和歌山市北出島二丁目1-2)
入 場 無料(予約不要)
主 催 青年法律家協会和歌山支部
お問い合わせ先 ゆら・山﨑法律事務所 TEL:073-433-5551(担当:丸山)