第2回和歌山県「9条の会」交流集会(私が話したこと)
今晩(2013年9月8日)配信した「メルマガ金原No.1476」を転載します。
なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
第2回和歌山県「9条の会」交流集会(私が話したこと)
本日(2013年9月8日)午後1時30分から、和歌山市のプラザホープ4階ホールにおいて、「第2回和歌山県『9条の会』交流集会」が開催されました。
記録にとどめるために、プログラムを以下に転記しておきます。
司会:柏原卓さん(第2回和歌山県「9条の会」交流集会 運営委員会事務局長)
開会(司会)
歌声 『あの日の授業』(作詞:笠木透 作曲:安川誠)
和歌山うたごえ九条の会(指揮:由井勝さん)
挨拶 月山桂さん(弁護士)
講師紹介(司会)
講演
演題:参院選後の憲法~情勢と私たちの課題~
休憩
「9条世界会議・関西2013」へのお誘い
梅田章二さん(弁護士)
各地の「9条の会」からの発言(各会7分)
①はしもと9条の会(富岡嬉子さん)
③守ろう9条 紀の川 市民の会(原通範さん)
④和歌山大学憲法9条の会(越野章史さん)
⑤9条の会・美浜(大谷眞さん)
⑥楠見子連れ9条の会(馬場潔子さん)
⑦輝け9条!芳養の会(前田一彦さん)
⑧憲法9条を守る和歌山弁護士の会(金原徹雄)
ここで、この交流集会全体についてのレポートが書ければ良かったのですが、休憩前の前半、私はロビーで店番(伊藤真さんのDVDの物販をさせてもらっており、助手がいないので自分で店番をしなければならなかった)をしていたため、全く聴いておらず、ご報告のしようがありません。
ちなみに、私もグッズを1品ずつ買わせていただきましたが、みんな安い!
後半の各地の「9条の会」からの発言は、時間の制約もある中で、それぞれ特色ある活動をしている会を運営委員会でセレクトされたのかと思うのですが、いずれも、参加された皆さんにとって参考となる報告だったのではないかと思います・・・と言ってしまうと、私も発言者の1人なのでやや手前味噌となりますが。
なお、各会の報告を一々ご紹介する余裕はありませんが(いずれ「九条の会・わかやま」ホームページに掲載されるのではないかと期待しています)、一つだけ、「9条の会・美浜」の大谷眞さんから、「今年6月1日現在の美浜町有権者数は6583人、その過半数は3292人でしたが、8月11日の署名行動で95筆の署名を獲得し、累計3330筆となって、ついに有権者の過半数署名を達成しました」という報告がなされ、会場から一斉に盛大な拍手がわき起こったことをご報告しておきます。
私は、スピーチ原稿を作った場合でも、基本的に原稿は見ずに話しますので、この通り話した訳ではありませんが(結構、アドリブを放り込んだりします)、大筋は大体このようなお話をしました。
全ての「9条の会」にとって激動の2013年でしたが(まだ終わっていませんが)、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が、その中でどんな活動をしてきたかを振り返るとともに、今後、どのような展望を持つべきか(ここは私見)についての意見を語ったものです。
ご一読いただければ幸いです。
第2回和歌山県「9条の会」交流集会でのスピーチ原稿(金原徹雄)
とりわけ、今年の憲法記念日には、例年実施している「憲法9条『改正』に反対する統一街頭署名行動」の終了後、JR和歌山駅から和歌山市役所前までのコースで、初めての試みとして「憲法9条を守り生かそう わかやまアピール行進」を企画して参加を呼びかけましたところ、紀南方面からかけつけてくださった方も含め、160名以上の多数の方にご参加いただき、憲法9条の大切さをアピールすることができたと思います。ありがとうございました。
まだ第2回の予定は具体化していませんが、皆さまのご意見なども伺いながら、できれば継続して実施していければと考えています。
対外的アピールを目的に、今年取り組んだ活動としては、他に以下のようなものがあります。
③ 8月第一土曜日の3日、紀州おどりに今年も「九条連」を結成して参加しました。2005年以来、9年連続の参加となります。今年、大人の参加者は約40名とやや物足りない数でしたが、子どもさんが20人と、おそらく過去最多の参加で盛り上がりました。ただし、「九条連」に参加される「9条の会」は数会に限られており、来年以降は、是非これまで参加しておられない「9条の会」にも「九条連」にご参加ください!と、この場を借りて訴えたいと思います。
今年の当会の活動としては、さらに以下の2つをあげることができます。
① 6月26日、「新リレートーク 立憲主義と平和主義の危機に立ち向かう~自民党『日本国憲法改正草案』の検証~」をプラザホープで開催しました。急な開催ということもあり、参加者は約60名という少数にとどまりましたが、弁護士の職能団体であるという当会の成り立ちからいって、やらねばならない取組であったと思います。
② 当会では、2005年の創立以来、会員である弁護士を無料で講師として派遣する取組を続けてきていましたが、近年、派遣実績が非常に低調であったことは否めません。当会を含め、私たち全体に危機意識の不足、より端的に言えば「油断」があったとしか思えません。そこに、2012年12月の総選挙による自民党の地滑り的大勝によって、にわかに現実化した「憲法の危機」に直面し、多くの団体から講師派遣のご依頼が届くようになりました。また、当会事務局宛ではなく、個々の会員に個別に講師依頼があるケースも多く、今年、当会会員が延べ何回の講師活動をしたのか、おそらく当会事務局でも把握しきれていないと思います。今後とも、各地の「9条の会」からの積極的な講師派遣のご依頼をお待ちしています。
③ なお、これから来年はじめにかけて講演会等を開催できないかを検討するプロジェクトチームが立ち上げられました。企画が具体化しましたら、また皆さまにお知らせします。
以上が、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」としての今年の活動報告ですが、最後に、これからの取組の方向性について述べたいと思います。ただし、これは会内で合意された方針ではなく、今のところは私の個人的意見に過ぎないことをお断りしておきます。なお、以下に述べる意見は、去る8月20日に開催された「青法協憲法連続講座」の最終回のまとめとして、私が述べた意見と基本的には同一です。
私たちは、かねてから、護憲派だけではなく、幅広い層と連携を図ることの重要性を口にはしてきましたが、十分に実行がともなっていたとはとても言えません。たとえば、伝統的な自民党支持層の中にも、同党の改憲案にはついていけない、やはり反対しなければ、と考えている層がきっといるはずですし、また、公明党の支持母体も、平和運動の分野では、尊敬すべき実績を積んでおり、連携できる可能性は十分にあると思います。今後は、あらゆるチャンネルを使って、このような層との連携に向けた働きかけに力を入れることが重要です。
また、様々な斬新なアイデアを出し合い、あらゆる機会を利用して憲法の価値を訴える対外的活動を行うことも、もとより大変重要です。
さらに、私たちは、従来からも「憲法学習会」に取り組んできましたが、振り返ってみれば、決して十分なものではなかったと思います。これからは、中身についても様々に工夫する必要がありますが、その頻度、対象者、開催方法など、あらゆる面において従来の常識の殻を破り、絶えることなく打ち寄せる波のごとく憲法学習会を開催し続けることが重要だと、私は思っています。
最後に、これからの運動論を考える際に、最も心しなければならないと私が考えていることは、以上に述べたような様々な方策は、決して「相互排斥的」ではないし、そうであってはならないということです。少々自分の考えと違っていたとしても、大筋として目指す方向が同じであるならば、ともに協力し合うという態度が求められています。「排除の論理」は私たちの力を削ぎ、結果として「敵を利する」ことにしかなりません。
そして、もう一つだけ付け加えるとすれば、「決してあきらめない」ということです。
力を合わせてがんばりましょう。