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日本記者クラブでの小泉純一郎元総理大臣の講演(+質疑応答)

 今晩(2013年11月12日)配信した「メルマガ金原No.1541」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
日本記者クラブでの小泉純一郎元総理大臣の講演(+質疑応答)
 
 本日(2013年11月12日)午後、日本記者クラブにおいて、小泉純一郎元総理臣による講演及び若干の質疑応答が行われました。
 
日本記者クラブ公式映像(YouTube/1時間19分00秒)
 
 小泉氏の講演は6分から60分まで、その後、約20分、記者からの質問に答えました。
 小泉氏の講演のうち、31分から36分までは郵政民営化をめぐる「自慢話」であり、42分以降は首相在任中の中国との「靖国」をめぐるやりとりや日米関係、メガフロート海上基地構想などであり、まあ、私は聞き流しました。
 
 「原発ゼロ」の主張の具体的内容自体は、これまで報道された講演会での発言と別段異なるところはありません。
 
※参考「小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に向けた本気度は?」
 
 ただ、最後の質疑応答の中で注目されたのは、読売新聞記者からの、「原発ゼロにするというその時期をいつと考えているのか?」(1時間12分~)という趣旨の質問に対し、以下のように答えた部分です。木更津講演でも述べていたところですが、より明確になっています(文字起こししておきます)。
 
「私は、即ゼロの方がいいと思いますね。その方が企業も国民も様々な専門家も準備が出来る。全然なもの再稼働させると言ってますけどね、再稼働するにしても、そんなに多く再稼働できないでしょ。そしたら代替エネルギーで出来ると思いますね。しかも、再稼働するとまた核のゴミが増えていく訳ですよ。再稼働させると言ったって、最終処分場見つかんないんでしょう。だったら、すぐゼロにした方がいいと思いますよ。そして、原発に代わる代替エネルギーに対して、原発に充た費用を回した方が、日本の企業なら、そういうね、原発に代わるエネルギー源は、発明し開発していきますよ。だから、早い方がいいと思いますよ。もう今ゼロなんですから。これをずっと、再稼働も中止すると、早くゼロにする。しかし、何年かかって廃炉も実現するか、これも難しいですから、そういう点は将来ゼロにす
るという方向でやった方が、中間貯蔵施設を作るにしても理解を得やすい。だから私は、早い方がいいと思います。今もゼロですから。
(司会:倉重篤郎氏(毎日新聞)「それはもちろん核燃料サイクルも含めて?」)
もちろん!核燃サイクルも含めてです。その手当するのも早い方がいいでしょう。進んでいって「止めろ」と言うよりも、どうせ将来止めるんだったら、今止めた方がいいでしょう」
 
 もう一つ、1時間08分からの安藤優子さんの「今回の脱原発、それは小泉さんにとって、郵政民営化と同等位、命をかける本気なテーマなんでしょうか?」という質問は良かったですね。
 
 ところで、この講演を聴いての私の率直な感想は、小泉氏の助言を聞き入れて「即時原発ゼロ」に梶を切る自民党の指導者が現れたなら、それ自体は望ましいことには違いないけれども、原発以外の、特に憲法や安全保障分野についての政策が現政権と同一線上にあるのなら、非常に困った事態を迎えるだろうということでした。
 まあ、安倍晋三首相が「即時原発ゼロ」に転換する可能性はまずないとは思いますが・・・。
 
 最後に、河野太郎議員から贈られた本として小泉氏が披露していた書籍をご紹介しておきます。
 
『新しい火の創造』 
 エイモリー・B・ロビンス、ロッキーマウンテン研究所(山藤泰訳)