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憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

『スナメリ泳ぐ海』から世界を見たら

 今晩(2013年11月16日)配信した「メルマガ金原No.1545」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
『スナメリ泳ぐ海』から世界を見たら
 
 「原発問題」といい、「憲法問題」といい、最近、メルマガ(ブログ)で取り上げる話題といえば、腹立たしいものか、悲観的なものばかりで、我ながら「うんざり」せざるを得ません。
 そこで、たまにはこういう心温まる話題もいいだろうと思い、ご紹介することとしました。
 
ケーキカット 実は、今日(2013年11月16日)、和歌山県田辺市上屋敷の「ララ・ロカレ」2階で、笠松誠司さんと田中美奈さんのウェディングパーティが開かれ、私も参加してきました。
 新郎の笠松さんとお会いするのは初めてでしたが、新婦の田中美奈さんとは3年来の友人ということで出席させていただきました。
 
 美奈さん、それに彼女が作った名曲『スナメリ泳ぐ海』との初めての出会いについて、今年の3月7日に「あしたの朝 目がさめたら(弁護士・金原徹雄のブログ 2)」に書きましたので、その一部を抜粋して再掲します。
 
(引用開始)
 私が、「なつおmeets南風」の3人のメンバーのうち、南健二さん(パーカッション)と田中美奈さん(ピアノ、キーボード)のお2人と初めてお会いしたのは、2010年12月初旬のことでした。
 田辺市在住の岡田政和弁護士の紹介により、同市のビッグユーでお会いしたお
2人から、山口県上関原発に反対する住民らに対して中国電力が乱発しているスラップ訴訟について、弁護士会が何とか力になってくれないだろうかというご相談を伺
ったのでした。
 当時、9条の問題についてならともかく、原発問題について特段の知識も関心も
なかった私にとって、こういう問題に自分のこととして心を痛めている人が和歌山にいるということを知り、非常に新鮮な驚きを感じたものでした。
 そして、別れ際に、祝島を訪ねたことによって生まれた曲『スナメリ泳ぐ海』をレコーディングしたということを伺い、その後すぐにメールで音声データを送っていただいたのでした。
 一聴して非常に感動した私は、毎年12月にゲスト出演することになっていたFM
和歌山の番組で、この曲をかけてもらいました。
 また、翌年(2011年)11月3日に開催された「守ろう9条 紀の川 市民の会」(私
も運営委員をしている)が主催する「憲法フェスタ」に、「なつおmeets南風」に出演してもらい、地元の「楠見子連れ9条の会」の子どもたちやお母さんたちが臨時に結成した「紀の川スナメリ合唱団」と一緒に『スナメリ泳ぐ海』を歌ってもらうことができ、「夢はかなうのだ」と感動を新たにしたものでした。
(引用終わり)
 
 上記ブログに書いた「第8回 憲法フェスタ」に出演した「なつおmeets南風」と「紀の川スナメリ合唱団」との感動的な協演については、メルマガ金原No.662として詳しくレポートしました。少し長くなりますが、引用します。
 
(引用開始)
 前々日(11月1日)は龍神村の中学校(ボーカルの松本奈津子さんの母校)での演奏、前日(11月2日)の夜はみなべロイヤルホテルでのラウンジコンサートを済ませ、田辺に泊まった松本さんを含めた3人のメンバーは、早朝に田辺市を出発し、9時には会場の河北コミセンに入り、PAシステムのセッティングとリハーサルに十分時間をかけ、午後の演奏に備えました。
 その間、11時からは、地元の「楠見子連れ9条の会」のメンバーが中心となって臨時編成された「紀の川スナメリ合唱団」のママや子どもたちとのリハーサルも行われました。合唱団のメンバーが独自に編曲したコーラスパートをママたちが歌うのを聴いて、本番が非常に楽しみになりました。
 
 午後の多目的ホール、第1部の酒井豊さんの報告が終わった後、午後1時半から「なつおmeets南風」の演奏が始まりました。
 コンサートで歌われた曲は以下の5曲でした。
 
1曲目 『ひとつ』(オリジナル) 作詞作曲:松本奈津子
※ユニット名が「うにゃっ2☆」となっていますが、演奏は彼ら3人です。
 
 
2曲目 『花』(喜納昌吉の名曲のカバー/演奏は石嶺聡子風に)
3曲目 『そこにある場所』(オリジナル) 作詞作曲:松本奈津子

4曲目 『上を向いて歩こう』(カバー)
5曲目 『スナメリ泳ぐ海』(オリジナル) 作詞作曲:田中美奈
 
 1曲目から4曲目までももちろん素晴らしい演奏でしたが(何人もの方から「『そこにある場所』良かった」という声を聞きました)、何と言ってもこの日のハイライトは、プログラムの最後、
 『スナメリ泳ぐ海』 by なつおmeets南風 & 紀の川スナメリ合唱団
でした。 
 大人5人と子どもたち10人による「紀の川スナメリ合唱団」と「なつおmeets南風」の3人、合わせて18人がステージにのぼっただけでも壮観ですが、演奏がまた素晴らしかった。
 演奏の始まる前に作者の田中美奈さんが、この曲にかけた思いを話されましたが、ここでは、「憲法フェスタ」のために書いてくれた(当日配布した歌詞カードに掲載)田中さん自身の文章を再掲します。
 
 「地球ができてから今まで、長い年月をかけて、たくさんの生物が繋がりあい、この生命に満ちた美しい地球をつくりあげてきました。
 この曲に登場するスナメリやナメクジウオカンムリウミスズメカラスバトも瀬戸内海で最も美しいと言われている山口県上関町付近の海域に住む生き物たちです。
 この町には30年前から原発建設計画があり、実際に建設されるとこういった生き
物たちは生
活の場を追いやられる可能性があります。
 たくさんの生命が、存続の危機に瀕している今、この地球上のすべての場所、そ
して、これから訪れる未来は、人間だけが繁栄するのではなく、すべての生命が輝ける場だということにあら
ためて思いめぐらせることが大切なのでは…
という思いを込めてつくりました。(田中美奈)」
 
 この曲の歌詞もご紹介します。
 
      『スナメリ泳ぐ海』 作詞作曲 田中美奈
 
  スナメリって知ってる?世界で一番小さなクジラなんだよ
  ナメクジウオって知ってる?魚みたいな形で人類の祖先と言われてるんだ
  ここに来ればたくさんの仲間と出会えるんだ
  これからも共に生きてゆく仲間たち
  この海は人間だけのものじゃない
  この海は全ての命のふるさと
  未来は人間だけのものじゃない
  未来は全ての命かがやく場所
    カンムリウミスズメって知ってる?水に潜って魚をとるのが上手な渡り鳥
    カラスバトって知ってる?カラスのような黒い体に牛のような鳴き声
    今まで一緒に暮らしてきた仲間たち
    これからも仲良く生きてゆく仲間たち
    この空は人間だけのものじゃない
    この空は全ての命つつみこんでる
    未来は人間だけのものじゃない
    未来は全ての命かがやく場所
  この星は人間だけのものじゃない
  この星は全ての命の楽園
  未来は人間だけのものじゃない
  全ての命に未来はあるから 
 
なつおmeets南風(in憲法フェスタ) 私は、昨年12月に初めてこの曲を聴いて以来、「なつおmeets南風」の皆さんとたくさんの子どもたちが一緒に『スナメリ泳ぐ海』を歌う情景を夢見てきました。
 「第8回 憲法フェスタ」の企画会議で私が提案した「なつおmeets南風」のコンサートが正式に承認され、出演交渉もスムースに進んだ段階で、思い出したのは私の「夢」でした。
 幸い、地元には「楠見子連れ9条の会」があり、メンバーの何人かとは知り合いであったことから、馬場さん、松野さん、松永さんらに相談のメールをお送りした(というか「けしかけた」)という次第です。
 皆さん、何かと忙しい中、意欲的に周りに声をかけていただき、子ども用及びママさん用歌詞カードの作成、コーラスパートの編曲、会場と日程を確保しての合同練習を経て、本番にのぞんでいただいたものです。
 ママさんたちのコーラスも決まっていましたし、(リハーサルの時には少し心配した)子どもたちもしっかりと声が出ていたし(年かさの子どもたちのセンター・馬場ひかりちゃんがひっぱってくれました)、満員の聴衆が一体となって聴き入ってくれている情景を見ながら、私は、「夢は実現するのだ」という感動にひたっていました。
 
 なお、後日、作者の田中美奈さんからいただいたメールの一部をご紹介します。
 
 「あんなに大人数でステージで一緒に歌わせて頂いたのは初めてで、貴重な体験をさせて頂いたこと、ほんとうにありがたく思っています。歌に出てくる生き物たちも喜んでいるように感じました。子どもさんたちの歌声を聞いて、未来のために私たち大人ができることは何だろう、と思いました。すべての生き物や自然が調和した持続可能な地球になるイメージをこうしてみんなで共有していくことも1つなのかな、と思いました。『スナメリ泳ぐ海』を守りたいと願う人が増えればそれが本当に実現するように思います。」
 
 あらためて、「夢は実現する」と信じられたことに感謝したいと思います。
 「なつおmeets南風」の皆さん、「紀の川スナメリ合唱団」の皆さん、たくさんの聴衆の皆さん、企画実現に協力していただいた運営委員、憲法フェスタ実行委員、会員の皆さん、本当にありがとうございました。
 「夢」は実現します。
 それは「夢」を見ることのできた者だけに訪れる特権です。
 ただし、そのためには、「夢」を実現しようとする持続した志と多くの人たちの協力が不可欠であることは言うまでもありません。
 皆さんは、どんな「夢」を見ますか?
 
 なお、今回添付した写真も、「九条の会・わかやま」の南本勲さんが撮影されたものです。南本さん、ありがとうございました。
(引用終わり)
 
 田中美奈さん&『スナメリ泳ぐ海』と私のつながりについては、以上の引用で大体ご理解いただけたかと思います。
 私は、日本中の子どもたちが『スナメリ泳ぐ海』を歌う日が来ることを、本気で夢見ているのです。
 『スナメリ泳ぐ海』から世界を見る。そんな子どもたちがいずれ大人になっていく。そういう日が必ず来るという「夢」を皆さんも共有しませんか?
 
 という訳で、私が、今日の午後、本来なら「ふれあい人権フェスタ2013」(和歌山県など主催)が開かれている和歌山ビッグホエールに午後いっぱい詰めていなければならない予定を大幅に短縮して田辺にかけつけたのも当然(?)という訳です。
 お似合いのお2人とそのご家族に幸多かれとお祈りします。
 
 以下は、若干の補足です。
 
○「なつおmeets南風」と「紀の川スナメリ合唱団」が協演した際の写真が、「楠見子連れ9条の会」ブログに掲載されています。ただし、合唱団の陰に隠れて美奈さんは足しか写っていませんし、合唱団のメンバーは顔を特定できないように修正が施されています(オリジナル写真の撮影は南本勲さん)。
 
○「なつおmeets南風」のボーカル「なつお」こと「なっちゃん」こと「松本奈津子さん」は、その後結婚して「嶋田奈津子さん」となり、今年の4月、長女・虹子(にこ)ちゃんのお母さんになりました。今日のウェディングパーティでは、呼びかけ人兼幹事として、ひょっとこの仮面までかぶり(何のことか分からない人は以下のFB参照のこと)大活躍でした。
 
○肝心の『スナメリ泳ぐ海』の演奏をご紹介していませんでした。「なつおmeets南風」の演奏としては、2012年7月15日、池袋西口公園で行われた「届けたい私の歌」に出演した際の映像がYou Tube にアップされています。これは、翌7月16日に代々木公園で行われた「さようなら原発10万人集会」のプレイベントとして開かれたものでした。なお、音質がいまひとつパッとしないのは我慢してください。
  

○もう少し良い音質でじっくりと『スナメリ泳ぐ海』を聴きたいという方には、以下の映像をお薦めします。2011年8月15日、和歌山市のライブハウス「オールドタイム」で開かれた「FUKUSHIMA@OLDTIME」に出演した奈津子さんがナッキーさんのギター伴奏で歌い上げています。
 ナツオとナッキー FUKUSHIMA@OLDTIME 
 
 
「スナメリ泳ぐ海」①○今日のウェディングパーティでも、参加者全員に歌詞カードが配られ、みんなで『スナメリ泳ぐ海』を歌いました。もっとも私は歌詞は暗記していましたが(少し自慢)。キーボードは出産を間近に控えた美奈さんご本人。CD版と同じく藤堂素子さんのチェロとともに伴奏されました。その前の『ハナミズキ』ではミスタッチもあった美奈さんでしたが、さすがに『スナメリ泳ぐ海』の演奏は堂に入ったものでした。
 
○美奈さんは、来月出産予定(予定日:12月23日)で、ここだけの話(でもなく公開していましたが)、男の子だろうということでした。どうか元気な赤ちゃんが産まれますように。
 
○最後の挨拶で感極まって言葉に詰まった笠松誠司さんが事務局長を務めておられる地域総合型スポーツクラブ「特定非営利活動法人 会津スポーツクラブ」のホームページはこちらです。
 
○今年の6月23日、沖縄全戦没者追悼式で朗読された『へいわってすてきだね』(安里有生くん・小1)という詩をご記憶でしょうか?美奈さんが曲を付けたのですが、ようやく沖縄県の了解も得られて公開の場で歌えることになったようです。聴かせてもらえる日が待ち遠しいですね。

(追記)
 予定日から少し遅れましたが、2014年1月4日(土)午前1時過ぎ、美奈さんが無事男の子を出産されたとの嬉しいニュースが田辺から届きました。本当におめでとうございます。
 なお、美奈さんご本人の Facebook に出産直後の写真がアップされました。赤ちゃんの名前は「優生(ゆうき)」くんだそうです。