今晩(2013年11月26日)配信した「メルマガ金原No.1555」を転載します。
なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
特定秘密保護法案が衆議院を通過した今日(11月26日)午後6時から、和歌山弁護士会館4階講堂で開かれた「秘密保護法」に反対する市民集会にご参加いただいた多数の市民の皆さま、ありがとうございました。講師の太田健義弁護士(日弁連秘密保全法制対策本部事務局次長)の気迫に満ちた分かりやすい解説により、「修正のまやかし」も含め、法案の問題点がさらに浮き彫りになったのではないかと思います。連日となりますが、明日の昼休み緊急パレードもよろしくお願いします。
さて、去る11月23日(土)、和歌山市勤労者総合センター6階文化ホールにおいて、140人以上の参加者の熱気の中で開催された「ストップ!秘密保護法案 緊急集会」(主催:Stop!秘密保護法わかやま共同行動)の模様については、その日のうちにメルマガ(ブログ)でご報告しました。
次は11/27「Stop!秘密保護法」緊急パレードに結集しよう(in和歌山市)
ただし、その中のリレートークの先頭話者としてお話された西郷章さんについては、「西郷さんに頼まれてFacebook用の写真をせっせと撮っていたため、要約はいい加減です。不十分な点は、また西郷さんに『メルマガ金原』用の原稿を送ってもらうことにしょう」と書いておいたところ、早速、リレートーク用の草稿をお送りいただきました。
(明日の緊急パレードに是非結集しましょう!西郷さんも参加予定です)
「Stop!秘密保護法」緊急パレード
日時 2013年11月27日(水)
12時15分 和歌山市役所前 出発
↓
12時45分 京橋プロムナード 解散
主催 Stop!秘密保護法わかやま共同行動
連絡先 日本国民救援会和歌山県本部(電話073-425-9411)
2013年11月23日「ストップ!秘密保護法案 緊急集会」
(主催:STОP!秘密保護法わかやま共同行動)
におけるリレートーク発言(草稿)
西 郷 章
関西電力和歌山支店前・脱原発アクションでいつもお世話になっております西郷と申します。今日の緊急集会で「特定秘密保護法案(以下「秘密法」と略称)と原発」のテーマをいただきましたので、脱原発運動にかかわる一市民の立場から、私のわずかな経験ではありますが、それを通じて秘密法の狙いについて考えてみたいと思います。
私は約3週間前に、秘密法に関する街頭シールアンケート調査に参加する機会があり、170名の市民の方の協力を得ることができました。その回答の内訳ですが、秘密法の制定に賛成3名、秘密法を知らない116名、反対51名でしたが、私はこの中の「知らない人116名(70%)」に着目しました。それは多くの人が秘密法を知らない状態が安倍政権の思惑「知らせたくない、知られたくない」に全く適っているからです。なぜ知らせないのか?その狙いについて、私は次の2点を挙げたいと思います。
1つは、「アメリカとともに戦争のできる国作り」の手段に秘密法を使いたいためです。そして、そのような国作りに向けて日米軍需産業の生産を活発化させること。とりわけ日本においては、三菱重工業を筆頭とする軍需産業を復活させてぼろもうけをするためです。
もう1点は、原発に関して、プルトニウムを生産して核兵器の原料としてアメリカへ供給するとともに、安倍首相がトップセールスに邁進しているとおり、海外に向けて原発をどんどん売りつけて暴利を得ようとするためです。
おおむね、これらのことが秘密法を実現したい大きな狙いであると考えます。
1つは、事故直後に冷却機能が喪失したために、それに代わる措置として注水の必要に迫られ、消防庁はその作業に必要な建屋の見取り図の提供を東電に要請しました。すると東電は、テロ対策防止法に違反するからと言って応じようとしませんでした。しかし最悪の事態を察知した担当者の一人が機転を効かせて見取り図を渡し、それに基づいて適切な注水を行ったために、関東一円にも人が住めなくなるような危機的な状況を免れることができました。
それから、スピーディーの問題ですが、国民には一切知らされなかったために、浪江町の人たちは放射能が流れる北西方向に避難したために大量に被ばくしてしまいました。
それと、政府や東電のウソ・でたらめ発言や対応についてですが、枝野元官房長官の「直ちに健康に影響はない」発言や野田元首相の収束宣言、安倍首相の「汚染水は完全にブロックされている」発言や東電の数えきれないウソや隠蔽、でたらめな対応の数々に対して国民は怒り、鋭く追及してきた経緯があります。
では、このような政府や東電の嘘発言やいいかげんな対応に反対する国民の側の立場は、秘密法が成立するとどう変わるのか考えてみたいと思います。
今後、収束に向けていくつもの困難な作業が予想される中で、東電や政府の対応に不都合が生じた場合に、今まで以上に露骨に嘘がつかれたりや隠ぺいが行われても、それを追及することが難しくなり、結果的に国民の生命や健康、安全がますます脅かされる恐れがあります。
また、脱原発のデモや集会、ビラ配布や署名活動に厳しい制限が加えられて活動が出来にくくなる、あるいは出来なくなる恐れがあります。私は、9月に大間原発建設に反対してその敷地のど真ん中に私有地を持ち一人で闘い続けている「あさこはうす」の小笠原厚子さんと交流する機会を得ました。彼女は「原発は絶対作らせない」とギリギリの立場で抵抗していますが、この法案の成立により原発側は新たな策略を使い、私有地への出入りをできないようにして、結果的に生活に必要ない土地として処分される恐れがあります。
さらに、福島第一原発から放出された放射線量や健康への影響、環境汚染の情報開示の請求をしても、「全く問題はないです」とか何とか言って、あいまいに扱われる恐れがあります。そして、これらの扱いに納得がいかないと言って、これまでのように追求すれば、「国家の不安をあおり、公共の秩序を害した」と理屈をつけて処罰の対象にされてしまいかねません。
私は、このような国民の命や健康、安全を軽視して原発の推進を最優先する独裁法には断固反対です。国民にとって「百害あって一利なし」の秘密法は廃案にするしかありません。今後とも脱原発、市民運動を共に闘い、なお一層のご指導、お付合いをよろしくお願いします。
(付録)
『HK & Les Saltimbanks "On lâche rien" (Japanese subtitles)』
(「オン・ラシャ・リアン(あきらめないぞ!)」
「ボスニア出身の外国語教師スーレイマンとその仲間が始めた、外国語の歌に日本語字幕を付けるプロジェクト。第一弾はアシュカ・エ・レ・サルタンバンクの「オン・ラシャ・リアン」です。翻訳して短い言葉に置き換えるは難しいですね。多少の意訳はご勘弁を。偶然この翻訳が出来上がった同じ時期にMUSICMAGAZINE 増刊「プロテスト・ソング・クロニクル」という本が出版されました。そのなかにもこの曲が紹介されています。ちょっと参考にさせてもらいました。最後にバンドのメンバーからメッセージを戴きましたので記しておきます。
魂におけるユートピア主義者、精神におけるノマドであれ。
私たちは皆「世界の市民」です。
私たちの闘いは同じ、夢も同じ、理想も同じです。
何も手放さないぞ!
北フランス出身のSaltimbanksのバンドより、
尊敬と友情と連帯をこめて。
私たちは皆「世界の市民」です。
私たちの闘いは同じ、夢も同じ、理想も同じです。
何も手放さないぞ!
北フランス出身のSaltimbanksのバンドより、
尊敬と友情と連帯をこめて。
※西郷さんにこの曲を紹介した山下慶喜さん(茨木市議会議員)のブログもご参照ください(訳詞が転記されています)。