wakaben6888のブログ

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この2週間の“連帯”を基盤として“これから”の運動を構築しよう(和歌山の場合)

 今晩(2013年12月6日)配信した「メルマガ金原No.1565」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
この2週間の“連帯”を基盤として“これから”の運動を構築しよう(和歌山の場合)
 
 なおも審議が続く参議院本会議の模様をインターネット審議中継で時々視聴しながら、今晩のメルマガ(ブログ)を書き始めています。
 
 和歌山市では、「Stop!秘密保護法 わかやま共同行動」の呼びかけにより、過去2週間のあいだに以下のような活動を行ってきました。
 
11月23日(土) 「ストップ!秘密保護法案 緊急集会」(於和歌山市勤労者総合センター)
11月27日(水) 「Stop!秘密保護法」緊急パレード(和歌山市役所前→京橋プロムナード)
12月4日(水) 「Stop!秘密保護法」緊急パレード第2弾(和歌山市役所前→京橋プロムナード)
 
 この間、11月26日(火)には、和歌山弁護士会主催による「秘密保護法」に反対する市民集会も開催されました。
 
 そして、参議院・国家安全保障特別委員会における強行採決の翌日となる今日(12月6日)、「Stop!秘密保護法 わかやま共同行動」は、昼休みと夕方の2回、以下の取組を行いました。
 
12時15分~ 「Stop!秘密保護法」緊急パレード第3弾(和歌山市役所前→県庁前交差点「吉宗」像前)
17時00分~18時00分 JR和歌山駅前における緊急街頭宣伝行動
 
 私は、いずれにも参加してきましたので、その内容を簡単にレポートしておきます。
 皆さんもそうでしょうが、私もいささか“疲労蓄積”状態ではあるのですが、今までの、特にここ2週間、精一杯の努力を共に重ねてきた仲間たちとの貴重な活動が、今後の私たちの運動の“基盤”となるのですから、「広報係兼記録係」(を勝手に自認している)としては、短くても何でも、とにかく書きとどめておかなければという心境です。
 

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 緊急パレード(昼休みデモ)第3弾は、これまでと同じ和歌山市役所前をスタート地点とするものの、過去2回とは方角を変え、和歌山城に沿って南下し、県庁前交差点の和歌山県立近代美術館前プロムナード、通称「吉宗」像前広場までのコースで実施されました。
 参加者は約240人ということで(第1弾200人、第2弾220人以上)、関心が低下することなく、毎回参加者を増やし続けてここまで来ました。
 もちろん、呼びかけた「わかやま共同行動」参加団体やその友好団体のメンバーが多かったのは事実であり(幟を見れば分かります)、今日の緊急パレードでも、最後尾あたりから某政党の街頭演説めいた声が一瞬聞こえてきた時には、「勘弁してくれよ」と思わざるを得ませんでした(昨夜から風邪が悪化して難聴気味になっていたので、私の聞き間違いであったという可能性もあります。そうであれば嬉しいのですが)。
 しかし、第2弾、第3弾で先導のコール役を務めてくれたグラフィックデザイナーの奥野亮平さんをはじめ、組織的背景など全く持たない多くの人たちが(中には赤ちゃんやワンちゃんを連れて)、自らのやむにやまれぬ意思に基づいて参加してくれたことは、これからの私たちにとっての最大の“財産”です。
 
 そう、問題は「これから」です。仮に特定秘密保護法案が成立してしまったとしても、闘いはまだまだそこから始まるのですから。
 何ごとにも忘れっぽく、あきらめの良い(?)日本人の特性からか、法案成立阻止の運動が盛り上がっても、強行採決で成立してしまうと、とたんに運動自体がしぼんでしまうということの繰り返しであったように思います。
 私自身、例えば、第1次安倍内閣が成立させてしまった教育基本法「改悪」について、その後、「改悪新法」の「改正運動」をやったことがあっただろうかと自問すれば、うなだれざるを得ませんから。
 しかし、今回の特定秘密保護法についてはそういう訳にはいきません。
 なぜかといえば、本日夕方の街頭宣伝行動で私が道行く人に訴えたことが主な理由です。
 
 本日午後5時から6時までの1時間、「わかやま共同行動」が、JR和歌山駅で緊急街頭宣伝行動を行いました。駅前の2箇所に別れて宣伝行動を行い、私はその双方で短時間ずつ道行く人に訴えました。他の弁士もいることなので、私は主に3点についてお話しました。
 そのうちの2点は、私が生涯で初めて作った川柳「入口も出口もおかしい秘密法」(参照「川柳を作って特定秘密保護法案に反対しよう!」)を紹介しつつ、指定の範囲があいまいで恣意的運用が懸念される(入口がおかしい)ことと、明確な公開原則が定められておらず、歴史に対してあまりにも無責任であること(出口がおかしい)について訴えました。
 そして、もう1点は、憲法21条で保障された“表現の自由”という、あらゆる人権の基礎をなす重要な人権について、自民党の「日本国憲法改正草案」が、「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認めない」という規定を新設することによって、国家にとって不都合な主張を行う“表現の自由”は認めないという、民主主義国家にとって「あり得ない」時代錯誤的・国家主義的改悪を志向していることをご紹介した上で、特定秘密保護法案の本質が、憲法21条改悪の先取りに他ならず、まさに麻生太郎副総理がいみじくも漏らした「ナチスの手口を見習った」憲法効力停止法(全権委任法)に他ならないということ、そして、次期通常国会には、憲法9条の効力を停止する「国家安全保障基本法案」の提出が控えており、今こそ目の前で進行している「クーデター」を食い止めるために立ち上がらなければならないと訴えました。
 正直、道行く人が耳を傾けてくれたかについては甚だ疑問ですが、これまでの「悪法阻止」運動が“敗北”した時と同じであっては絶対にいけない理由はここにあります。
 
 現在の反「特定秘密保護法案」の盛り上がりを絶対に次に繋げ、さらに増殖させていくことが必要です。
 私の身近なところでは、「わかやま共同行動」主催の企画に参加した弁護士が、自由法曹団和歌山支部のメンバーが中心で、他に団員ではない青年法律家協会和歌山支部会員がわずかに2名(私と今日のデモの先頭を進んだ藤井幹雄弁護士でいずれも修習41期)参加した程度というのは、正直言って何とも心許ない状況です。
 もっとも、自由法曹団にも青法協にも入っていない和歌山の弁護士で、私のメルマガやブログを読んでいる者はあまりいないのだから、もっと積極的に呼びかける努力が必要だったというのが反省点ですね。
 さらに、全労連系の団体が中心になって呼びかけると、和歌山では平和フォーラム系の団体が参加しない(できない)のが当たり前という状況が久しく続いており、「和歌山県教職員組合」の幟の横を「自治労」や「住友金属労組」の幟が進むという光景を、私自身はまだ一度も見たことがありません。
 さらに、組織的背景のない一般市民の参加者も、やや固定化の傾向がない訳ではないので、次々と新しい人を仲間に加えていく工夫が必要です。
 というような問題はありつつも、この“濃密な2週間”の経験・連帯・蓄積は、新たな運動を構築していくしっかりとした基盤となり得ると信じています。

 


(付録)
『We Shall Overcome 大きな壁が崩れる』 中川五郎