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予告2/11「子どもシェルターるーも開所記念シンポジウム」(in和歌山市)

 今晩(2013年12月17日)配信した「メルマガ金原No.1576」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
予告2/11「子どもシェルターるーも開所記念シンポジウム」(in和歌山市)
 
 来年(2014年)1月から2月にかけて、和歌山弁護士会が主催するシンポジウム等の企画ご紹介第2弾です。
 
 皆さんは、「子どもシェルター」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
 保護者がいなかったり、(虐待などで)保護者に監護させることが不適当な児童(「要保護児童」と言います/児童福祉法6条の3第8項)については、児童相談所での一時保護、児童養護施設への入所、里親委託などの制度が設けられています。
 しかし、これらの保護の対象となる「児童」は「満十八歳に満たない者」とされており(児童福祉法4条1項)、18歳、19歳の年長未成年者には(原則として)行き場がなく、また、18歳未満であっても、一時的に保護する緊急避難場所が必要な場合があります。
 このような需要に応えるのが「子どもシェルター」であり、今、全国的に設立の動きが進んでいます。
 
 そして今年、和歌山県においても、全国で、都道府県としては8番目、施設としては9番目となる「子どもシェルターるーも」開設されました。
 これを記念して、来年(2014年)2月11日(火・祝)に「子どもシェルターるーも開記念シンポジウム」が開催されることになりました。
 その内容をお知らせする前に、「子どもシェルターるーも」の運営主体である特定非営利活動法人子どもセンターるーもの理事長である中川利彦弁護士が、今年(2013年)5月に発行された和歌山弁護士会「会報(第82号)」に執筆した文章が和歌山弁護士会ホームページに掲載されていますので、是非ご一読ください。
 
「子どもセンターるーも~『子どもシェルター』の開設を目指して~」 中川利
 
(一部を抜粋して引用します)
 私たちは、全国で9番目となる「子どもシェルター」を和歌山県内に開設すべく、成25年2月28日、「特定非営利活動法人 子どもセンターるーも」を設立しました。「るーも」とは、エスペラント語で光、輝きを意味する単語で、子どもは光り輝く存在である、というところから名付けました。
 子どもシェルターとは、児童虐待などのため、安心して生活することができる場所を失ってしまった14、15歳から19歳までの子どもたちのための緊急避難場所です。
 NPO法人が一軒家を賃借し、そこで1人~4人程度の子どもが短期間(長くても2ヵ月程度)生活します。子どもたちはカギのかかる個室に入居し、常駐しているスタッフやボランティアが食事を用意するなど、衣食住を無償で提供します。
 子どもシェルターはなぜ必要なのでしょうか。
 児童虐待を受けた子どもは、児童福祉法児童虐待防止法により、児童相談所による保護の対象となります。しかしそれは「児童」=18歳未満の子どもに限られています。現実には、性的虐待や心理的虐待など虐待を受けている
18歳、19歳の子どもたちがいるにもかかわらず、児童相談所による保護の対象にならないのです。
 また児童相談所の一時保護所は、幼児から17歳までの子どもたちが寝食を共にする集団生活で、外出なども制限されています。非行少年が入所していることもあります。したがって、特に高年齢の子どもの中には、家庭で虐待されているにもかかわらず一時保護所への入所がいやで児童相談所による保護を拒否したり、一時保護所での生活に馴染めず、逃げ出すケースもあります。
 一方家庭裁判所の審判を受ける非行少年の中には、家庭での受け入れが可能であれば保護観察や試験観察が十分見込めるにもかかわらず、親が引き取りを拒否したり親のもとにかえすことが不適切であるため少年院送致になっ
てしまうケースがあります。
 シェルターは、このような子どもたちのための緊急の避難場所です。子どもたちに一時的な居場所を確保し、まずそこでこころと体をゆっくり休め、関係機関の援助、協力のもとで、落ち着いて今後のことを考えることができるようにする必要があります。
(略)
 親などからの連れ戻しを防ぐため、シェルターの場所は公開されません。入所する子どもにも秘匿を約束してもらい、携帯電話もGPS機能による発見を防ぐため預かります。
 しかし子どもシェルターは、単に子どもに一時的な避難場所を提供するというだけではありません。心身が傷ついた子どもには必要な医療が受けられるようにします。子どものニーズを聞き取り、その子どもには何が必要か、どのような支援
が求められているかを考え、子どもを常に中心において、その子どもの最善の利益を実現するために様々な分野の関係者が協働します。子どもシェルターは、人権侵害を受けている子どもを救済し、その権利を回復し、擁護するための活動なのです。
(後略)
(引用終わり)
 
 それでは、2月11日のシンポジウムの概要をご紹介します。
 なお、講師経歴については、チラシの裏面をご参照ください。以下には、私の母校でもある桐蔭高校演劇部のプロフィールのみ引用します。
 是非1人でも多くの方にご参加いただき、「子どもシェルター」への理解を深めていただきたいと念願しておりますので、何卒よろしくお願い致します。
 
子どもシェルターるーも開所記念シンポジウム
   -光り輝く子どもたちの未来-
日時 平成26年2月11日(火・祝)午後1時15分~4時30分まで
    開場/午後0時30分
場所 和歌山市民会館小ホール(和歌山市伝法橋南ノ丁7番地)
対象 児童虐待、少年非行その他子どもの人権、福祉にかかわりのある方及びこれらの問題に関心のある方々
申込不要
参加無料
内容
第1部
 基調講演「子どもシェルターの現状と課題」
  講師 カリヨン子どもセンター理事長 坪井節子 弁護士
第2部
 和歌山県立桐蔭高校演劇部による創作演劇
  「居場所のない子どもから見た風景」
(和歌山県立桐蔭高校演劇部プロフィール)
桐蔭高校は134年の歴史をもち、「文武両道」を校訓に学校生活を送っています。演劇部は今年もゆかいなメンバーで、年間6回の公演に向けて日々練習しています。平日は放課後、休日は朝から夕方まで体育館の舞台で仲良く楽しく時にはけんかもしながら活動しています。
平成25年度 
第65回和歌山県高等学校演劇祭 優秀賞 近畿総合文化祭出場
第34回近畿高等学校総合文化祭演劇部門 奨励賞 
第3部
 特別講演「児童福祉を取り巻く現状と課題~子どもシェルターの割に着目して」
  講師 宮腰奏子 氏(和歌山県 福祉保健部 福祉保健政策障害福祉課長)
主催 和歌山弁護士会・和歌山県・特定非営利活動法人子どもセンタるーも
後援 和歌山市・和歌山県教育委員会・和歌山市教育委員会・和歌社会福祉士会・和歌山県臨床心理士会・子どもシェルター全国ネットワーク会議
連絡先 
 〒640-8152 和歌山市十番丁72番地 カサ・デ・まるのうち2F
 (特非)子どもセンターるーも事務局

 

  TEL:073-425-6060 FAX:073-425-5025