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安倍首相靖国参拝に対するアメリカ政府の“批判”と安倍首相の“自信”

 今晩(2013年12月26日)配信した「メルマガ金原No.1585」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
安倍首相靖国参拝に対するアメリカ政府の“批判”と安倍首相の“自信”
 
 既に報じられているとおり、安倍首相が本日(2013年12月26日)午前、靖国神社参拝したことについて、米国大使館が「公式の」プレスリリースを発表しました。
 ごく短いものですから、全文引用します。
 
(引用開始)
安倍首相の靖国神社参拝(12月26日)についての声明
*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。
2013年12月26日
 日本は大切な同盟国であり、友好国である。しかしながら、日本の指導者が近隣国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに、米国政府は失望している。
 米国は、日本と近隣諸国が過去からの微妙な問題に対応する建設的な方策を見いだし、関係を改善させ、地域の平和と安定という共通の目標を発展させるための協力を推進することを希望する。
 米国は、首相の過去への反省と日本の平和への決意を再確認する表現に注目する。
(引用終わり)
 
 いかに短いステートメントとはいえ、米国大使館が公式に日本政府を批判する内を含んだ文書を発表するのですから、本国政府からの指示によるものであることは明らかです。
 そして、こうも早手回しにリリースが出たということは、今回の参拝を日本政府が事前に米国政府に「お知らせ」していたか、もしくは「安倍靖国参拝必至」と見た米政府が、事前にステートメントの「予定稿」を作っておいたかのどちらかでしょう。
 
 そこで思い出すのが、10月3日、「2+2」のために来日したケリー国務長官とヘーゲル国防長官の2人が連れ立って千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れて献花したことです。誰が考えても、この行動は、安倍政権に対する(靖国に参拝するな、という)「警告」であったことは明らかであったはずですが、安倍首相に、その「警告」を理解すだけの知能が無かったか、もしくは「警告」など無視して良いという「自信」があったかのずれかでしょうが、普通に考えればまず後者でしょうね。
 
 米国政府が様々な機会に「靖国参拝」に懸念を持っているというメッセージを日本政府関係者に伝えていたことは、これまでも報じられていました。
 今日のFNNニュースも以下のように伝えています。
 
(抜粋引用開始)
安倍首相靖国参拝 アメリカ側は事前に「日米関係害する」と反対
 安倍首相は、政権発足から1年を迎えた26日、東京・九段北の靖国神社を参拝する。11月、衛藤首相補佐官が、協議のためにアメリカを訪問した際に、参拝すれば「日米関係を害するだろう」などと、強く反対されていたことが、FNNの取材で明らかになった。
 衛藤首相補佐官は、靖国参拝をめぐる意見交換のため、11月中旬に訪米し、ラ
ッセル国務次官補など、アメリカの要人らと面会した。
 この際、アメリカ側から、「オバマ大統領が理解を示すことはない」、「日本の評判
を落とし、日本のアジアにおける影響力低下を招く」などと、厳しく反対されたという。
(以下、略)
(引用終わり)
 
 それにしても、米国政府からの度重なる「警告」を無視しても良いという安倍首相の「自信」はどこから来るのでしょうか?
 最近の見境いのない「暴走」とも照らし合わせてみて、私はそれが一番「怖い」と思います。
 
(参考)
弁護士・金原徹雄のブログ
千鳥ヶ淵戦没者墓苑に献花したケリー、ヘーゲル両長官が意図したこと