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wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

欧米の安倍“靖国参拝”批判の背後にあるもの(ある仮説のご紹介)

政治 外交
 今日(2013年12月31日)配信した「メルマガ金原No.1591」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
欧米の安倍“靖国参拝”批判の背後にあるもの(ある仮説のご紹介)
 
 バルセロナ在住の童子丸開(どうじまる・あきら)さんが精力的にご自身のサイトに掲載されるリポートや翻訳は、ずっとフォローするだけの余裕はないものの、時折参照させていただき、参考になる知見を得られることもしばしばあります。
 また、「ちきゅう座」サイトにも多くの論考が転載されています。
 
 さて、今日(2013年12月31日)閲覧した童子丸さんの翻訳と解説に非常に興味をひかれました。
 
  ジェイムズ・ペトラス 著(ニューヨーク州立大学ビンガムトン校名誉教授)
  童子丸 開 訳
 
 超大国アメリカの「帝国主義的介入の形態」がどのように変化してきたか、現在の世界に存在する「11の地域紛争」のそれぞれにアメリカがどのように関わろうとしているのかについてのペトラス氏の論考自体、非常に興味深いものであり(なにしろ、11の紛争のトップで論じられているのが「中国-日本-韓国」間の紛争なのですから)、是非リンク先で全文を(少し長いですが)お読みいただきたいのですが、以下にご紹介するのは、訳者である童子丸氏の解説の一部であり、非常に示唆的な見解が示されています。
 
(引用開始)
 今回の論文はアメリカの軍事介入の歴史から始まって次第に変化していくその形態について述べているものだが、もちろん現在の日本-中国-韓国とアメリカの帝国主義的世界戦略の関係にも触れている。この文章を書きまとめている時点でのペトラスは、どちらかというとオバマ米国政府が東アジアの方に軍事的野望の展開場所を求めているように考えていたのかもしれない。しかし、たぶんそれを最も望んでいない勢力は、あくまでアメリカを「イスラエル(だけ)のための戦争」に引きずり込みたい者たちではないのだろうか。下記のペトラス論文をお読みになってからご検討いただきたい点だが、その思惑がいま、米国経済を一気の崩壊に導かない為に中国との良好な関係を何とか維持しておきたい米国内の一方の勢力と期せずして一致しているのかもしれない。シオニスト勢力の巨大な影響力の下にある欧米大手マスコミのこの間の反応は、安部に代表される日本の好戦勢力へのバッシングだけではなく、アジアで暴走して余計な事をするなという警告のようにも思える。(あのSWCサイモン・ヴィゼンタール・センターすらが 安部の靖国参拝をおおやけに非難し始めたようだ。これはハンパなことではあるまい。)そして結局アメリカの軍事主義の矛先は再び中東に向けられることになるのだろうか。(赤字反転は金原による)
(引用終わり)
 
 童子丸さんが言及しているサイモン・ヴィゼンタール・センター(The Simon Wiesenthal Center)という組織は、自らのサイトで“ a leading Jewish human rights organization”と称しているところからも、ユダヤ系の有力人権団体であることは間違いないでしょう。
 そういえば、最近、「在特会」が同センターに抗議文を送りつけ、(ごく一部で)話になっていました。
 SWCが「安倍の靖国参拝をおおやけに非難」というのはこれですね。
 安倍首相の靖国訪問は“morally wrong"”(倫理的に誤っている)であると非難しています。
 
 
 さて、童子丸さんの「推論」「仮説」をどう見るべきでしょうか?
 童子丸さんの「仮説」を私なりに敷衍してみましょうか。
 
①アメリカ政府にイスラエルにとって利益となる政策を実行させることがシオニストたちの最大の関心事(目的)であることは言うまでもないが、東アジアで高まっている緊張が限界点を超えて発火し、日本-中国間の戦争にアメリカが「巻き込まれ」、その軍事的プレゼンスが極東地域に著しく偏ることは、イスラエルにとって何のメリットもないばかりか、多大な不利益である。
②アメリカの最も重要な貿易相手国は(NAFTAを締結しているカナダ、メキシコを除けば)中国であり(アメリカの輸出先シェア:中国7%、日本5%、アメリカの輸入先シェア:中国18%、日本6%)、アメリカ国債引受国1位が中国、2位が日本であり、この両国で発行残高の半分近い。このような関係にある中米関係が危機に陥ることがあれば、アメリカ経済が破局的な打撃を被ると懸念する勢力がアメリカ国内に有力に存在する。
③欧米の主要メディアの多くがユダヤ系資本の傘下にあることが、安倍政権の極右的行動に対する手厳しい批判の背景として想定されるが、欧米メディアの意図するところは、アメリカ政府に対しても、東アジアで「暴走」などせぬように、安倍政権と距離を置くべきだと警告しているように見える。
 
 どうでしょうか?なかなか興味深い「仮説」ですね。何でも「ユダヤロビーの陰謀」にしてしまう「トンデモ論」とは明らかに一線を画していると思います。
 ただし、国際政治の動向は、一元的な見方で解釈できるような単純なものではないのが普通ですから、この「仮説」も、あくまで一つの参考にとどまることは当然ですが、意識の片隅に置いておく価値はあるだろうと思います。
 
(メルマガとブログを読んでくださっている皆さまへ)
 2011年3月28日から配信を始めた「メルマガ金原」も、今年ついに1500号を超えました。朝日新聞(和歌山版)が取り上げてくださったこともあり、多くの知人・友人から「記事を読んだよ」と声をかけてもらいました(「メルマガを送って」という依頼は全然なかったけれど)。
 また、昨年秋から試行していたブログも、今年の1月下旬から「弁護士・金原徹雄のブログ」として本格稼働を始め、「毎日配信」したメルマガを直ちに転載し、「毎日更新」するブログとして一定の読者を獲得しつあります(年末休暇に入ってからアクセス数は急減していますが)。
 激動の1年が終わり、いよいよ日本の進路にとって決定的な分岐点となる2014年を迎えようとしています。

 1人1人が自らの信じるところに従って悔いのない行動がとれるように、お役に立つ情報を発信できればと念願しています。来年も、何卒ご愛読をよろしくお願いします。