今晩(2014年1月17日)配信した「メルマガ金原No.1608」を転載します。
なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
ただ、残念なことに、平日の午後に行われる企画なので、参加できる方は限られてくるでしょうし、何より私自身、仕事のために参加することができません。
それでもご案内しようと思い立ったについては、それなりの理由があるのですが、それについては後ほどご説明するとして、まずは盛り沢山なシンポジウムの概要をチラシから転記するとともに、参考サイトにリンクをはっておきます。
(引用開始)
地域創造への連携2014
―和歌山大学の研究と地域の未来―
未曾有の災害が相次ぎ、復興・再生など地域問題が山積する現在、科学および科学者が社会といかに向き合い、研究成果をいかに公平に社会に還元するかについてが、重要な議論のテーマとなっています。大学では、基本的な使命である教育、研究に加え「地域連携・社会貢献」が第三の使命として掲げられています。和歌山大学でも、学生教育や研究開発を通して、その成果を正しく社会に還元することが、地域社会の期待に応える重要な社会的責任と考え、地域から世界へと研究フィールドを広げながら、さまざまな研究活動を実践しています。
そこで、和歌山大学で取り組んでいる研究をご紹介するとともに、地域と大学が協同し実践する「地域創造」への方法論を皆様と共に考え、さらに地域の皆様や地域連携各機関の皆様との交流の機会としていただくためのシンポジウムを開催します。
【日時】平成26年2月12日(水)13時~17時
【会場】フォルテワジマ4Fイベントホール
(和歌山市本町2丁目1番地)
第1部 13時~
「3.11以降における科学者の社会的責務を考える」
基調講演「これからの科学者コミュニティの課題」 講師/広渡清吾
対談/山本健慈・広渡清吾
【プロフィール】
東京大学社会科学研究所教授、同研究所長、同大学副学長、第21期日本学術会議会長等を経て現職。2011年3月11日の東日本大震災発生後、日本学術会議会長として、また現在は同会議第一部福島原発災害後の科学と社会のあり方を問う分科会委員として、「科学者の社会的責務」について真摯に向き合い、市民や政府に対して学術は何をすべきか、を模索しながら活動している。
山本健慈(やまもと・けんじ) 和歌山大学学長
ポスターセッション・マッチングコアタイム
(参考サイト)
第2部 トークセッション 15時30分~
京都府財政課長、総務部長等要職を歴任し副知事を経て現職。オール真庭方式で全世帯の家庭電力を賄う規模のバイオマス発電所開設の取り組み等、豊富な森林資源の利活用を地域内外で図る「真庭市バイオマスタウン構想」を産学官民が一体となって推進している。
(参考サイト)
和坂貞雄 和歌山県工業技術センター所長
(参考サイト)
和歌山県工業技術センター
柴田政明 株式会社エイワット代表取締役
(参考サイト)
株式会社エイワット
(参考サイト)
地域創造支援機構
(参考サイト)
湯崎真梨子特任教授 わかやま新報 連載記事 「こんなんしてます。わだいのしごと」
交流会(要参加費2,000円) 17時15分~19時(修了予定)
□要事前申込→申込期限2014年1月31日まで
チラシ裏面の「お申込票」に所定事項をご記入の上、1月31日までにFAX、メール、もしくは電話でお申し込みください。
FAX 073-457-7550
電話 073-457-7009(研究協力課)
電話073-457-7009 FAX073-457-7550
(引用終わり)
私がこのシンポジウムに気がついたのは、私も理事に名前を連ねているNPO法人・わかやま環境ネットワーク(重栖隆理事長)のMLに、事務局から案内のメールが流されてきたことによります。このようなお知らせはしょっちゅう着信しますので、いつもは読み流すことも多いのですが、今回は何気なく、リンクがはられていたチラシpdfファイルを開けてみたところ、広渡清吾先生のお名前が目に飛び込んできたのです。
私が広渡先生に注目した理由は2つあります。
1つめはごく個人的な理由です。
私はふとしたきっかけから、2008年以来、放送大学の「学生」になって、半期に2~3科目のペースで放送授業を履修しているのですが、その最初の学期に履修した科目の1つが、客員教授・広渡清吾先生による「市民社会と法」だったのです。大学の教養課程で開講される「法学」「法学概論」的なものかと思って受講したのですが、もちろんそのような要素はあるものの、より「市民社会」と「日本国憲法」の理念にフォーカスした授業でした。ちなみに、広渡先生の専攻は「ドイツ法、比較法社会論」とテキストには書かれていました。
もう1つの理由は、広渡先生が、短期間ながら日本学術会議(第21期)の会長をされたことと関係があります。
広渡先生が日本学術会議の会長に在任されたのは2011年7月~9月までのわずか2か月余りでしたが(前任者の残任期間がそれだけしかなかった)、その時期は、日本学術会議にとっても、非常に重要な審議依頼について、どのような回答を行うかについて検討がなされていた時期にあたります。
※日本学術会議歴代会長・副会長
ところが、2011年3月11日に発生した福島第一原発事故により状況が一変し、予定より1年遅れて2012年9月に公表された日本学術会議の「回答」は、「地層処分」という従来の国の方針(法律で定まっている)を抜本的に見直し、「暫定保管」「総量管理」という新たな枠組を提言するという、非常に思い切った内容となっていました。
そして、私は、会長在任期間は短かったものの、最終的な提言に向かう議論の方向性については、広渡先生の意向もそれなりに力を発揮したのではないかと、別に確たる根拠も何もないものの、推測したりしていたのです。
私がそのように考えた根拠の一つは、広渡先生は、人文社会系研究者としては初の日本学術会議会長だったそうですが、2012年9月に公表された提言には、社会科学分野の研究者の意見がかなり反映されたのではないかと思われる節があるということがあります。
ところで、わかやま環境ネットワークMLに、私が「参加可能な方は、第1部だけでも聴かれる価値はあると思います」と書き込んだところ、和歌山大学システム工学部環境システム学科の中島敦司(なかしま・あつし)教授から、「当日の2部では,私も登壇します。(略)インターバルの時間は,和大の地域研究のポスター発表もあります。そこでは,私も2件,発表します。なので,ぜひ,いらして下さい」という投稿がありました。中島先生、大変失礼しました。そもそも、「地域創造への連携」ということから言えば、第2部こそメインの企画であることは当然なのですが、つい個人の興味を優先してしまいました。
上でご紹介した(参考サイト)をご覧いただければ分かるとおり、第2部においても、非常に興味深く、将来に希望を持てるお話が聴けるものと思います。
1人でも多くの方のご参加をお勧めします。