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ETV特集が心配だ(付・特設サイト「わたちたちは忘れない ビキニ被ばく60年」のご紹介)

 今晩(2014年1月29日)配信した「メルマガ金原No.1621」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
ETV特集が心配だ(付・特設サイト「わたちたちは忘れない ビキニ被ばく60」のご紹介)
 
 2014年1月14日に配信した「『日本傷痍軍人会』最後の式典での天皇陛下『おことば』と安倍首相『祝辞』(付・ETV特集『解散・日本傷痍軍人会』2/1放送予告)」は、その日にアップしたブログにもそこそこアクセスのある記事となっていますが、本論ではなく、(付・ETV特集『解散・日本傷痍軍人会』2/1放送予告)の部分を訂正しなければならなくなりました。
 
 4日前、ETV特集の公式twitterに以下のようなtweetが流れました。
 
ETV特集は2月1日(土)の放送予定を変更しました。「海の放射能汚染に立ちむかった日本人~ビキニ事件と俊鶻丸~」をアンコール放送します。傷痍軍人の証言でつづる「戦傷病者の長い戦後」は引き続き取材を続け、3月15日に放送します。番組HPhttp://t.co/zRjMxkTICN
 
 当初の放送予定よりも1か月半も「引き続き取材を続け」なければならない、どういう事情があったのかは不明です。
 現在の番組告知ページを確認したところでは、解説の文章自体は変更されていないようですが、タイトルは、『解散・日本傷痍(い)軍人会~戦傷病者の長い戦後~』から、単に『戦傷病者の長い戦後』だけになっていました。
 
 とりあえず、変更後の放送日程を転記しておきます。
 
NHK 教育TV(Eテレ
【本放送】2014年3月15日(土)午後11時00分
【再放送】2014年3月22日(土)午前0時45分~ (金曜日深夜)
ETV特集 戦傷病者の長い戦後
 
 もしかしたら、番組内容への、政治家からの、あるいはNHK上層部からの「干渉」があったのではないか?などと、考えたくもないことをつい考えてしまうのも、最近、とみに(特に総合TV報道番組の)偏向が取り沙汰されている上に、あのような呆れた妄を恥知らずにも公言する人物がトップに就任したのですから、ある意味当然と言ねばなりません。
 そのような「懸念」が杞憂であったということを、番組そのものが証明してくれることを切に願っています。
 
 しかし、今年に入ってからETV特集がまだ1本も放映されておらず、唯一予告されていた『戦傷病者の長い戦後』が3月中旬に延期となり、2月1日に至ってようやく今年初めて放送される番組が「再放送」というのは、私はNHKの内情など全く知りませんが、何らかの「異変」が起こっているとしか思えません。しかも、「良い方向」に変化しているとはとても思えないのですが。
 どなたか、この問題を調査して発表してくれるジャーナリストはおられないでしょうか?既にどこかで発表されているのかもしれませんが)。
 
 ETV特集の「危機」(かどうかは分かりませんが)はともかく、2月1日に再放送される『海の放射能に立ち向かった日本人~ビキニ事件と俊鶻丸(しゅんこつまる)~』(2013年9月28日放送)は、未見の方には是非ご覧になっていただきたい番組です。
 最初の放映については、私もメルマガ(ブログ)でご紹介していました。
 今回の放送予定は以下のとおりです。
 
本放送 2014年2月1日(土)午後11時00分~
再放送 2014年2月8日(土)午前0時45分~ (金曜日深夜)
『海の放射能に立ち向かった日本人~ビキニ事件と俊鶻丸(しゅんこつまる)~』
(番組案内・引用開始)
 1954年3月1日、アメリカが太平洋ビキニ環礁で行った水爆実験で、日本のマグロはえ縄漁船・第五福竜丸が被ばくしました。被害は水産物にも及び、日本各地の港では放射性物質に汚染されたマグロが相次いで水揚げされます。しかし、核実験を行ったアメリカは、放射性物質は海水で薄まるためすぐに無害になる、と主張しました。
 このとき、日本独自に海の放射能汚染実態を解明しようという一大プロジェクトが始動します。水産庁が呼びかけて、海洋や大気、放射線の分野で活躍する第一線の専門家が結集、「顧問団」と呼ばれる科学者たちのチームが作られました。
 そして水爆実験から2か月後、顧問団が選んだ若き科学者22人を乗せた調査船・
俊鶻丸がビキニの実験場に向けて出発します。2か月に渡る調査の結果、海の放射能汚染はそう簡単には薄まらないこと、放射性物質食物連鎖を通じてマグロの体内に蓄積されることが世界で初めて明らかになりました。
 俊鶻丸「顧問団」の中心的な存在だった気象研究所の三宅泰雄さんは、その後も大気や海洋の放射能汚染の調査・研究を続けます。原子力発電所が次々と作られていく中で、三宅さんをはじめとする科学者たちは、大きな原発事故にも対応できる環放射能の横断的な研究体制を作るべきだと声を上げます。
 しかし、それは実現しないまま、2011年3月11日、福島第一原発の事故により、
再び放射性物質で海が汚染されました。
 ビキニ事件当時、日本の科学者たちが行った調査から、今私たちは何を学ぶことができるのでしょうか。俊鶻丸に乗り込んだ科学者の証言や、調査を記録した映像などから描きます。
(引用終わり)
 
 ETV特集・公式twitterによれば、以下のような賞を受賞したそうです。
 
ETV特集「海の放射能に立ちむかった日本人~ビキニ事件と俊鶻丸」がメディア・アンビシャス大賞2013・映像部門大賞を受賞しました。昨日NHK静岡放送局に正式に連絡がありました。2月1日(土)23時と2月8日(土)0時45分(再・金曜深夜)にEテレで放送しますのでぜひご覧ください!
 
 また、ビキニ水爆実験から60年、この番組を製作したNHK静岡放送局が、特設ホームページを開設していました。是非、多くの人にこのホームページを訪れて、貴重なコンテンツに接していただきたいと思いました。
 
NHK静岡放送局 特設ホームページ
わたちたちは忘れない ビキニ被ばく60年
 
 特に、「これまでの放送」コーナーには、貴重な証言が集められています。
 私は、一番新しい(今年1月16日に放送された)「テープが語るビキニ被ばくスクープの真実」を視聴したのですが、これを見て初めて知って驚いたのは、1954年3月1日に被ばくした第五福竜丸が焼津港に帰港した3月14日の2日後、日本漁船員の被ばくの事実を大々的にスクープしたのが、何と「あの」読売新聞であったということです。何という皮肉!
 読売新聞社主であった正力松太郎が、同紙や日本テレビを使って「原子力の平和利用」キャンペーンに大々的に乗り出し、第五福竜丸事件を機に燃え上がった反核の世論を沈静化させようとしたのは1955年になってからでした(しんぶん赤旗原発の源流と日米関係(2)」)。
 
 最後に、この特設ホームページの「このサイトについて」をご紹介しておきます。
 
(引用開始)
このHPは、静岡デザイン専門学校の生徒がデザインをしました。
生徒たちは、ビキニ被ばくについてほとんど知らなかった状態から、第五福竜丸
示館の見学や第五福竜丸の元乗組員からの聞き取りを通じ、被ばくの実態について学びました。
その中で、今若者たちにどのようにこの事実を伝えるべきか、議論を進める中でデ
ザインが生まれました。

 

(引用終わり)