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今年初めてETV特集の新作が見られる!(2/8『戦時徴用船~知られざる民間商船の悲劇~』)

 今晩(2014年2月3日)配信した「メルマガ金原No.1626」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
今年初めてETV特集の新作が見られる!(2/8『戦時徴用船~知られざる民間商船の悲劇~』)
 
 連日のNHKネタですが、今日は少しほっとする話題です。
 去る1月29日、このメルマガ(ブログ)で「ETV特集が心配だ(付・特別サイト『わたしたちは忘れない ビキニ被ばく60年』のご紹介)」という記事を配信し、その中で、「年に入ってからETV特集がまだ1本も放映されておらず、唯一予告されていた『戦傷病者の長い戦後』が3月中旬に延期となり、2月1日に至ってようやく今年初めて放送される番組が『再放送』というのは、私はNHKの内情など全く知りませんが、何らかの『異変』が起こっているとしか思えません。しかも、『良い方向』に変化しているとはとても思えないのですが」という憂慮の念を、ETV特集の一ファンとして書きました。
 
 その心配が払拭された訳ではありませんが、ETV特集の公式サイトに、ようやく今年初めて放映される新作の予告記事が掲載されていました。
 早速、その番組案内を引用します。
 
NHK 教育TV(Eテレ
【本放送】2014年2月8日(土)午後11時00分
【再放送】2014年2月15日(土)午前0時45分~ (金曜日深夜)
ETV特集 
戦時徴用船~知られざる民間商船の悲劇~
 http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2014/0208.html
(引用開始)
 撃沈された船数およそ2400隻。戦死した船員6万人。これは、太平洋戦争で軍需輸送のために徴用された日本の民間商船の被害である。一般船員の死亡率は43%で、海軍軍人の2倍以上にのぼった。この中には10代の乗組員も数多く含まれていた。
 開戦当時、世界第3の海運国になっていた日本。当時国内トップの規模に迫って
いた大阪商船は、3年半におよぶ戦争で200隻あまりの船と4000人以上の船員を失い、壊滅状態で終戦を迎えた。その大阪商船に、生存者の証言に基づくほかに類例のない戦時資料が残されていた。当時の社長岡田永太郎が嘱託画家の大久保一郎に描かせた絵画群である。
 大久保が描いた絵は約80点。戦後は倉庫に秘されたままになったが、台風による
浸水被害を経て、現在は修復された37枚が残る。そこには、ガダルカナル島の海戦をはじめ、太平洋戦争の海の戦場で繰り返された「人と物資の輸送」の悲惨な実態と、船と命運をともにした船員たちの極限状態における行動が詳細に描かれている。
 番組では、大久保一郎の残した絵画を通して、徴用された船と船員たちの知られ
ざる悲劇を伝える。
語り:山根 基世
朗読:楠 年明
(内容時間 59分)
 
 内容的にも非常に期待の持てる番組のようですが、何よりETV特集の「新作」がようやく見られるというのが嬉しいですね。
 それと、公式サイト番組案内の末尾に(内容時間 59分)という記載がなされたのはこれが初めてかもしれません。ETV特集は、基本は1時間枠ではあるものの、それ以上の長尺のこともあり、一定していませんでしかたから、これまで調べるのが手間でした。
 3月15日放送予定の『戦傷病者の長い戦後』にも(内容時間)が追加されているかと思ってチェックしてみましたが、記載のないままでした。もしかしたら、まだ「取材中」で、放映尺数が確定していないのかもしれません。
 
 まだまだ油断は出来ませんので、ETV特集で放映されるドキュメンタリー番組を楽しみにしていた方々には、「ETV特集に異変が起こっていないか?」ということに、引き続き注意していただきたいと思うのですが、それはそれとして、今週の『戦時徴用船~知られざる民間商船の悲劇~』がどのような作品に仕上がっているのかということにも是非注目したいと思います。以下の参考サイトでご紹介したとおり、このテは、取り上げ方次第では、遊就館靖国神社)とも非常に親和性の高いテーマですから。
 
(参考サイト)
「大阪商船」大久保一郎(「モダン周遊」より)
※「大阪商船」の嘱託画家としての本来の画業であった同社の宣伝用ポスターが何枚か見られます。
画集戦時徴用船の最期
※19枚の戦時徴用船の「最期」を描いた絵がWEB上に掲載されています。
戦時徴用船の最期「大久保一郎遺作展」開催のお知らせ(遊就館

 

※昨年(2013年8月24日~9月1日)、公益財団法人日本殉職船員顕彰会が主催する大久保一郎画伯の39回目の遺作絵画展が開催されましたが、その会場となったのが靖国神社内の遊就館であり、同公式サイトには「軍属として海上輸送の最前線で斃れた船員の苦闘を偲び、奉慰顕彰の誠を捧げたいと存じますと書かれていました。