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和奏(Wakana)さんからキャロライン・ケネディ(Caroline Kennedy)大使への手紙

 今晩(2014年2月10日)配信した「メルマガ金原No.1633」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
和奏(Wakana)さんからキャロライン・ケネディ(Caroline Kennedy)大使の手紙
 
 私には子どもがいませんので、残念ながら、我が子にどんな名前を付けようかと悩んだことはありません。従って、想像するしかないのですが、おそらく大半のお父さん、お母さんは、「こういう風に成長していって欲しい」という願いを込めて、我が子に名前を付けるのでしょうね。
 
 そんなことをふと考えたのは、「Peace Philosophy Centre」サイトを閲覧したところ、2月9日付で以下の記事が掲載されており、そこで紹介されている1人の少女の手に心を打たれたことがきっかけでした。
 
Ambassador Caroline Kennedy, please respond to the letter from Wakana Toguchi, Nago, Okinawa.
ケネディ大使、名護市の渡具知和奏さんの手紙にお返事をください。
 
 沖縄県名護市の小学校6年生、渡具知和奏(とぐち・わかな)さんが、昨年末(2013年12月26日)、キャロライン・ケネディ駐日米国大使に、辺野古に「軍事基地を造らないで下さい」と訴えた手紙、その便箋3枚の画像と英訳が掲載されています。
 この手紙のことは、地元紙でも報道されたようですが(だからかもしれませんが)、いまだにケネディ大使からの返事は届いていません。
 2月9日付の「Peace Philosophy Centre」は、以下のように書いています。
 
(引用開始)
Here is a letter from Wakana Toguchi, a grade 6 girl in Nago, Okinawa to the US Ambassador to Japan Caroline Kennedy, sent on December 26, 2013. Wakana trusts that Ms. Kennedy will respond to her and waits every day, but she has not heard back yet.
(引用終わり)
 
 そうこうするうちに、明日(11日)、キャロライン・ケネディ大使は、着任後初めて沖縄県を訪問することになっていますが、それに合わせて、和奏さんにも次のような頼があったそうです。
 
琉球新報 2014年2月9日
ケネディ大使来県 渡具知さん姉妹「諦めず思い届ける」
(抜粋引用開始)
 和奏さんは昨年11月に着任したケネディ大使に気持ちを届けようと母の智佳子さんらに相談し、「基地を造らないでください」と思いの丈をつづった。
 「何て返事が来るかな。ちゃんと私の意見を見てくれているかな」。手紙を送ってか
ら、和奏さんは双子の和紀さんと毎日、郵便受けを確認したが、ケネディ大使から手紙は届いていない。
 ことしケネディ大使の来県が決まり、抗議集会で手紙を読むことを依頼された。和
奏さんは「ケネディさんが(集会の様子を)テレビで見るかもしれないから思いを伝えたい」と笑顔で語る。自分の気持ちがきちんと届くよう本番に向けて手紙を読む練習を続ける。
(引用終わり)
 
 和奏さんに抗議集会での手紙の朗読を依頼するのが、良いことなのかどうかにいては意見が別れるところかもしれませんね。
 ただ、それはそれとして、私がこの手紙を一読した時の感動が薄れる訳ではありません。
 全文は「Peace Philosophy Centre」でお読み戴くとして、特に感銘深く読んだ所を抜粋してご紹介します。
 
渡具知和奏(とぐち・わかな)さんからキャロライン・ケネディ大使への手紙
(抜粋引用開始)
私は、1度もジュゴンに会ったことはありません。会いたいけれど、絶滅きぐ種なので、ほとんどの人が会えないくらい数が少ないのです。でも私は、ジュゴンがとても優しく、かわいい動物だと知っています。なぜなら、写真を見ていても、ジュゴンの優しさが伝わってくるからです。実際に会えたら予想以上のおどろきと笑顔があふれてくるでしょう。
そんな、ジュゴンが住んでいる海に、アメリカの軍事基地を造る計画があります。ジ
ュゴンの住む海を守りたい!!私をはじめ、沖縄県民は、皆そう思っています。軍事基地が造られたら、ジュゴンは、絶滅し、辺野古大浦湾の豊かな自然もこわれてしまうでしょう。
どうかお願いです。軍事基地を造らないで下さい。ジュゴンを守って下さい!!キャロラインさんもぜひ辺野古大浦湾のきれいな海を見に来て下さい。絶対好きになると思います。
これからも、お体に気をつけてお仕事頑張って下さい。今日は私の手紙を読んでくださり、どうもありがとうございました。
私の思いがキャロラインさんに届くことを信じています。
  Wakana Toguchi
(引用終わり)
 
 ここで今日の記事を終わりにしたら、私が冒頭に書いた「そらく大半のお父さん、お母さんは、『こういう風に成長していって欲しい』という願いを込めて、我が子に名前を付けるのでしょうね」と書いた理由が判然としないことになりますので、簡単に述べておきます。
 
 「和奏(わかな)」という名前がどれくらいの頻度で命名される名前なのか知りませんが、実は、私が信頼する和歌山弁護士会の若手弁護士ご夫婦に「和奏(わかな)ちゃん」という女の子がいるのです。生後まもない頃からママの押すベビーカーに乗った和奏ちゃんの姿をよく見ていましたから、いつまでも赤ちゃんのようなつもりでいたら、昨年の春には妹が生まれ、お姉ちゃんになってからもうすぐ1年になるのですから早いものです。
 その名前を聞いた時、「和奏の和は和歌山の和?」と尋ねたところ、パパ弁護士の答えは、「平和を奏でる子に育って欲しいと思って『和奏』と付けました」というもので、親の願いの深さに触れて感動したものでした。
 
 名護市の和奏さんの命名に込めたご両親の思いは分かりませんが、おそらく私の知っている和歌山の和奏ちゃんの場合とそんなに違わないのではないかという気がします。
 ケネディ大使への手紙を読みながら、おそらくご両親の願いを受け止めて健やかに成長した少女の姿が今ここにあるのだなと思ったのでした。
 

(付録)
『名護んちゅ肝心(チムグクル)』 作詞・作曲・歌 松原洋一
※松原さんは「紀宝9条の会」(三重県南牟婁郡紀宝町)の事務局長をめるかたわら、アマチュア・フォークグループ「わがらーず」でも活躍される音楽愛好家です。最新作『名護んちゅ肝心(チムグクル)』は、名護市長選挙の歴史的勝利をきっかけに作られたものだそうです。昨日に続いて今日もこの曲を是非お聴きください。
(歌詞)
1.ジュゴンの遊ぶこの海に
  命どぅ宝の在り処見る
  金と脅しに屈しない
  名護んちゅ清しゃ 肝心(チムグクル)
2.デイゴの花咲くこの丘で
  平安願う祈り聴く
  新たな基地は作らせない
  名護んちゅ清しゃ 肝心(チムグクル)
3.オジイオバアのテント小屋
  未来を手渡すカギがある
  朝まで踊ろうカチャーシー
  名護んちゅ清しゃ 肝心(チムグクル)
4.嫌なものみんな押し付けて
  米軍は必要とすまし顔
  さてさて本土(ヤマト)はどないする?
  名護んちゅ清しゃ 肝心(チムグクル)
  名護んちゅ清しゃ 肝心(チムグクル)