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予告3/15近弁連シンポ「原発事故による避難者のための健康・医療対策 過去の公害・薬害における恒久対策から学ぶ」

 今晩(2014年2月11日)配信した「メルマガ金原No.1634」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
予告3/15近弁連シンポ「原発事故による避難者のための健康・医療対策 過の公害・薬害における恒久対策から学ぶ」
 
 来る(2014年)3月15日(土)午後、大阪弁護士会館において、近畿弁護士会連合会主催による原発事故避難者に関するシンポジウムが今年も開催されます。
 今年のテーマは「健康・医療対策」です。
 
 原発事故・子ども被災者支援法(東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律)第13条は以下のように規定しています。
 
放射線による健康への影響に関する調査、医療の提供等)
十三条
 国は、東京電力原子力事故に係る放射線による被ばくの状況を明らかに
するため、被ばく放射線量の推計、被ばく放射線量の評価に有効な検査等による被放射線量の評価その他必要な施策を講ずるものとする。
2 国は、被災者の定期的な健康診断の実施その他東京電力原子力事故に係る放
射線による健康への影響に関する調査について、必要な施策を講ずるものとする。この場合において、少なくとも、子どもである間に一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住したことがある者(胎児である間にその母が当該地域に居住していた者を含
む。)及びこれに準ずる者に係る健康診断については、それらの者の生涯にわたって実施されることとなるよう必要な措置が講ぜられるものとする。
3 国は、被災者たる子ども及び妊婦が医療(東京電力原子力事故に係る放射線によ
る被ばくに起因しない負傷又は疾病に係る医療を除いたものをいう。)を受けたときに負担すべき費用についてその負担を減免するために必要な施策その他被災者への医療の提供に係る必要な施策を講ずるものとする。
 
 ところで、同法の指示する施策を具体化するために定められたはずの「基本方針」(平成25年10月)が、「健康・医療対策」について規定しているのは以下のような内容に過ぎません。
(引用開始)
(13)放射線による健康への影響調査、医療の提供等
福島県の全県民を対象とした外部被ばく線量調査や、事故時 18 歳以下の子どもに
対する甲状腺検査等必要な健康管理調査を継続する。また、個人線量計等による福島県及び近隣県の被ばく線量の推計・把握・評価を行う。 (主な具体的取組)
福島県及び近隣県の住民の被ばく全般の把握・評価の在り方及び方法を示す、個人
被ばく線量モニタリング運用ガイドラインの作成。【環境省
福島県民健康管理調査や子育て支援の観点からの医療費の助成等のために活用さ
れている福島県民健康管理基金により、福島県内の子ども等に個人線量計による外部被ばく測定、ホールボディカウンターによる内部被ばく測定を実施するとともに、基金の各事業のフォローアップを実施。【環境省、復興庁】
・事故初期のヨウ素等短半減期核種による内部被ばく線量評価調査を継続実施。【環
境省】
・国として改めて被ばく線量を正確に把握するため、福島近隣県において、新たに個人線量計による外部被ばく測定等をモデル的に実施。その結果を踏まえ、さらに拡充を検討。【環境省
 また、きめ細やかな個人線量把握を行うため、避難指示解除準備区域等において外
部被ばく測定等を一層推進。【環境省
福島県民健康管理調査により、住民票の有無にかかわらず事故当時福島県に居住・
滞在されていた方を含む全福島県民に対する外部被ばく線量を把握する基本調査や、事故時 18 歳以下であった子どもに対する甲状腺検査等を継続実施。【環境省
 また、福島県において甲状腺検査が継続的に着実に実施できるよう、検査スタッフの
確保、育成を支援。【環境省
福島県民健康管理調査の着実な実施のため、甲状腺検査結果等の情報の管理・
集約・提供の在り方を検討。【環境省
福島県外3県で実施した甲状腺有所見率調査結果の周知など、福島県における甲
状腺検査の理解促進を引き続き支援。【環境省
・新たに有識者会議を開催し、福島近隣県を含め、事故後の健康管理の現状や課題
を把握し、今後の支援の在り方を検討。【環境省
・被ばく量の観点から、事故による放射線の健康への影響が見込まれ、支援が必要と考
えられる範囲(子ども・妊婦の対象範囲や負傷・疾病の対象範囲)を検討するなど、県民健康管理調査や個人線量把握の結果等を踏まえて、医療に関する施策の在り方を検討。【環境省
甲状腺の精密検査・診断、ヨード内用療法等、質の高い甲状腺医療が受診可能と
なる、診断・医療技術の向上を支援。【環境省
(引用終わり)
 
 以上、長々と記載されている「主な具体的取組」に目を通されてどう感じられたでしょうか?「調査」「検査」「測定」という用語が頻出するのに対し、肝心の「医療」についての具体策が乏しいことはすぐに気がつかれたことと思います。
 今回のシンポジウムは、被爆者訴訟や過去の薬害・公害訴訟が生みだしてきた恒久対策から、あるべき今後の施策について考えようとするものです。
 
 以下、チラシの記載を転記して、その内容をご紹介します。
 
(引用開始)
原発事故による
避難者のための健康・医療対策 
過去の公害・薬害における恒久対策から学ぶ
 
 福島第1原発の事故から3年の月日が経過しようとしています。しかし、原発事故は未だ収束の目途すら立っていません。福島県内をはじめ同県周辺地域の方たちは、今なお、そのまま居住地にとどまるのであれ、避難するのであれ、
放射能汚染という深刻な問題を突きつけられています。特に、放射能の影響を受けや
すい子どもたちにとってはなおさらです。国や自治体は、こうした方々の健康に対して十分な対策をとっているといえるのでしょうか。
 本シンポジウムでは、現状の施策を検証するとともに、過去の悲惨な公害や薬害の被
害者に対して、どのような健康・医療政策が実施されてきたか、そして、それはどのような過程によって実現してきたのかを学ぶとともに、本件原発事故における「あるべき健康・医療対策」は何か。それをいかに実現させるのかについて考えたいと思います。

プログラム
①基調講演
 「今求められる低線量被曝に対する健康対策」
   講師 郷地 秀夫 氏 (東神戸診療所所長)
原発事故子ども・被災者支援法によって定められた基本方針の検討報告
③パネルディスカッション
  パネリスト
   郷地 秀夫氏(同上)
   尾藤 廣喜氏(京都弁護士会所属 弁護士)
   加藤 高志氏(大阪弁護士会所属 弁護士)
   近畿各地の避難当事者の方3名
  コーディネーター
   山西 美明氏(近弁連遠隔地避難者連絡協議会座長)


開催日時 平成26年3月15日(土)13:00~16:30
開催場所 大阪弁護士会館2階 
        大阪市北区西天満1-12-5
参加費無料
託児あり
主催 近畿弁護士会連合会
お問合せ先 大阪弁護士会法律相談部 TEL:06-6364-1238

パネリスト プロフィール
郷地 秀夫(ごうち・ひでお) 氏

1947年広島県生まれ。東神戸病院院長を経て、現在、東神戸診療所所長。神戸大学医学部卒業後、精神科、神経内科リハビリテーション科、一般内科、緩和医療等に携わりながら、被爆者医療に取り組んできた。約250人の被爆者の主治医として日常健康管理を担当するなど、兵庫県下の2000人の被爆者と関わってきた。著書に「被爆者医療から見た原発事故ー被爆者2000人を診療した医師の警鐘」(かもがわ出版)等がある。
尾藤 廣喜 氏
1947年香川県生まれ。1970年厚生省(現厚生労働省)入省。1975年京都弁護士会登録。「弁護士の社会における第1の役割は、社会的弱者の権利を擁護することにある。」との信念の下、被爆者訴訟、スモン薬害訴訟、水俣公害訴訟などに関わってきた。
加藤 高志 氏
1961年奈良県生まれ。1990年大阪弁護士会登録。患者側の立場から多くの医療過誤事件に携わりながら、薬害エイズ訴訟、薬害肝炎訴訟に関わってきた。現在も、両事件の訴訟解決後の健康・医療対策などの恒久対策について中心的に関わっている。
 
Access(交通)
大阪市北区西天満1-12-5 大阪弁護士会
●京阪中之島線なにわ橋駅」下車 出口1から徒歩約5分
●地下鉄・京阪本線淀屋橋駅」下車 1号出口から徒歩約10分
●地下鉄・京阪本線「北浜駅」下車 26号階段から徒歩約7分
JR東西線北新地駅」下車 徒歩約15分
 
参加申込方法
FAXでの申込
 チラシ裏面の参加申込書に必要事項を記入し、「大阪弁護士会 法律相談部」宛(FAX:06-6364-5069)にFAXで送信してください。
WEBサイトの申込フォームからの申込
 大阪弁護士会WEBサイトの以下の申し込みフォームから申し込んでください。

 

(引用終わり)