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wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

フタバの思いを伝えるドキュメンタリー映像からフクシマを考える

 今晩(2014年3月10日)配信した「メルマガ金原No.1661」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
フタバの思いを伝えるドキュメンタリー映像からフクシマを考える
 
 「3.11」3周年を前にした2月下旬、ドイツ公共第2テレビ放送(ZDF)が、フクシマの現状を取材した29分のドキュメンタリー番組(ヨハネス・ハノ監督)を放映したところ、早速、その日本語字幕版を作ってYouTubeにアップした人がいます。過去の例から考えて、ZDF自身がYouTube著作権侵害通告をするとは考えにくいのですが、出来るだけ早く視聴していただくに超したことはありません。
 
フクシマの嘘 其の弐(隠ぺい・詭弁・脅迫)
 http://www.youtube.com/watch?v=8wCehe0iaKc#t=1452
 
翻訳全文(フクシマの嘘 其の弐(隠ぺい・詭弁・脅迫))
 
オリジナルドイツ語版映像

 番組は、以下の方々に対するインタビューをたたみかけ、安倍首相による「フクシマはコントロールされている」というスピーチの「嘘」を暴いていきます。
 
井戸川克隆氏(前双葉町長)
小出裕章氏(京大原子炉実験所助教
匿名の研究者
山敷庸亮氏(京大防災研究所准教授)
吉沢正巳氏(希望の牧場)
匿名の情報提供者
今井誠司氏(牧師)
泉田裕彦氏(新潟県知事)
 
 30分足らずの時間の中にこれだけの人たちの発言を詰め込んでいるのですから、1人1人について見れば、「物足りない」「結論を語っているだけ」という印象にもなるのですが、それは百も承知の上で制作されたものでしょう。一見の価値は十分にあると思います。
 
 なお、ドイツ在住のジャーナリスト・梶村太一郎さんのブログ(明日うらしま)によると、「ドイツ公共第2テレビが先月放映した安倍首相の大嘘を暴くドキュメントに続いて、これを29分から45分まで拡大した決定版がフクシマ3周年を前に8日に放送され、さらに2度再放送されます。(略)この拡大版は29分版を編集し直し、郡山の高度汚染地域に住みながら放置されて子どもの健康を悩む母親の現状を詳しく伝えています。それに登場人物のインタヴューも、それぞれが長く詳しくなっていま」ということです。
 45分版の日本語字幕版がアップされたら、少なくとも「弁護士・金原徹雄のブログ」には「追記」としてご紹介することにします。 
 
 ところで、29分版の動画には、双葉町の井戸川克隆前町長が登場し、「原子力明るい未来のエネルギー」という町の標語が描かれた横断幕も映し出されていました。
 そこで、是非、皆さんにご覧いただきたい日本のドキュメンタリー映画があります。
 『フタバから遠く離れて』(2012年/舩橋淳監督/96分)です。
  公式サイト http://nuclearnation.jp/jp/
 福島第一原子力発電所のある故郷から町役場ぐるみ埼玉県に集団避難した福島県双葉町の人々を追ったドキュメンタリーであり、多くの国際映画祭において高い評価を受けてきました。
 その『フタバから遠く離れて』が、3月11日(午前0時)から3月23日の深夜24時までの期間限定で、公式Facebookの特設ページから無料で視聴できることになりました。
 
 少し長くなりますが、「311から3年:わたしたちに「いま」できること~無料公開への思い~」と題された文章を引用します。
 
(引用開始)
311におきた、あの地震津波そして原発事故の悲劇からもう3年が経ちました。「あのとき」テレビにかじりついて見ていた日々は遠い昔のようで、原発事故はもう終わったことのようになっていると「いま」感じませんか。
「フタバから遠く離れて」は、「あのとき」から始まり「いま」も続いている原発避難についてのドキュメンタリー映画です。原発事故の悲劇を「あのとき」のものとして葬り去りたくない、「いま」も続いている、収束など全くしていない事故について考え直してみたいと思う方にぜひ見ていただきたいと思います。
劇場や上映会でご覧になった方、DVDを購入された方がもう既にいるので心苦しくもあり、大変思い悩んだのですが、原発事故に悲劇を風化させないため私たちに何ができるのかを考え、決意致しました。
「いま」この映画を見てほしい理由は三つあります。簡単にいいます。
一つ目は、福島の原発事故が収束もしておらず、事故の反省・原因究明も出来ていない中で、日本という国がまだ原発を使い続けようとしているからで す。我々はなんとなく「良くないんじゃないか」と思いながら原発の電気を使い続けてよいのでしょうか。今の生活のために将来の子孫に核のゴミを残して良い のでしょうか。これについてちゃんと考える必要があります。
二つ目は、福島第一原発の電力は100%東京首都圏へ送られていたように、原子力発電は不公平に地方に事故のリスクを押し付ける犠牲のシステムであ り、我々日本人はそんな犠牲のシステムにずっと長く依存して来たからです。いったん事故が起きれば、どんな悲劇が起きるのか、原発避難を強いられた方々の 姿を直視していただきたいと思います。
三つ目は、原発避難の時間は一枚の新聞記事や5分のニュース報道では語ることができないからです。ジャーナリズムは言葉で情報を伝えるものであり、 ドキュメンタリーは言葉にならぬもの、時間の重みや人の感情を伝えるものです。事故直後の混乱時は、いつかこの混乱も治まり、いつか町への帰還のメドも立 つだろうと思われていました。しかし、放射線量はずっと高く、国は帰還のメドを示されないまま、時がどんどんと経過してゆきました。置いてきぼりにされた ごく普通の人々の苦しみ、時間の重みを経験していただきたいのです。
以上の理由から、3年たった「いま」事故の風化を絶対にさせないため、みなさんと「フタバ~」を共有したい、そう思って無料公開を決意しました。
ぜひご感想をお聞かせください。
必ず全員にお返事するつもりです。
よろしくお願いします。
原発事故の悲劇、避難の苦しみを風化させないために、この映画をぜひ見てください。
(引用終わり)
 
 今日ご紹介した2本の作品を両方ご覧になることによって、一口にドキュメンタリーと言っても、決して「ひと色」のものではあり得ないことがお分かりいただけるのではないかと思います。
 優れた作品にはどこかに共通するところがあるのではないかとい視点は、そのような理解の上に立って、初めて持つことができるような気がします。
 

(付録)
坂本龍一氏×飯田哲也氏×吉原毅氏×舩橋淳氏×島キクジロウ氏トーク 2014.3.9 @日比谷公園~311東日本大震災 市民のつどい Peace On Earth~にて』