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wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

日本記者クラブ・研究会の映像で考える“集団的自衛権”(北岡伸一氏、阪田雅裕氏、柳澤協二氏)

憲法 政治
 今晩(2014年3月20日)配信した「メルマガ金原No.1671」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
  
日本記者クラブ・研究会の映像で考える“集団的自衛権”(北岡伸一氏、阪田雅裕氏、柳澤協二氏)
 
 日本記者クラブは、特定のテーマを設定し、そのテーマをめぐって様々な立場のゲスト・スピーカーを招く「研究会」をシリーズで開催することがあります。
 そして、現在、最も重要な政治課題の1つである「集団的自衛権を考える」「研究会」が企画され、既に3回実施されています。
 さすがは日本記者クラブだけあって、集団的自衛権行使容認派、反対派の代表的な論客が登場しており、じっくりと視聴する価値はあると思いますので、まとめてご紹介することとしました。
 
2014年2月21日 
北岡伸一氏(国際大学長、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会座長代理)
(記者による会見リポート・引用開始)
集団的自衛権の行使 「5つの要件」を課して
集団的自衛権の行使を可能にする政府の憲法解釈の見直しは、日本の安全保障政策の方向­性を定める大きな一歩となる。これまで、常に議論をリードしてきた北岡氏を「ミスター­集団的自衛権」と紹介したところ、「行使には慎重であるべき。憲法解釈の見直しは、普­通の平和国家を目指すささやかな数歩です」との返事が戻ってきた。
政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の座長­代理として、「理解を得るためなら、どこへでも説明に行きますよ」と低姿勢だが、会見­前には、「揚げ足ばかり取られる」との本音も......。
見直し反対派が持ち出す「いつか来た道」論については、「戦前の日本は、地理的膨張へ­の欲求が強く、周辺国や国際社会を軽視し、言論の自由もなかった。いまの日本には何ひ­とつ当てはまらない」と切り捨て、「それが当てはまるのは、別の国ではないですか」と­の解釈までつけた。どこの国を指しているのか、会場に詰めかけた誰もがすぐさま思
い浮­かんだようだ。
会見は終始一貫して、行使には慎重で抑制的であるべきとの立場だった。密接な関係国へ­の攻撃、日本の安全に大きな影響、当該国からの明確な要請など、行使には5つの要件を­課すべきだと言い切る。
安全保障論議はイデオロギー対立に陥りやすく、相手の意見に聞く耳を持たないと言われ­る。それを払拭するには、今回が最後のチャンスかもしれないと感じた。
企画委員 読売新聞調査研究本部主任研究員 勝股秀通
(引用終わり)
 
2014年3月6日
阪田雅裕氏(元内閣法制局長官、弁護士)
(記者による会見リポート・引用開始)
「法の番人」としての矜持 行使容認の動きに厳しく警鐘
司会者の冒頭発言のように、内閣法制局がこれほどまで世間の耳目を集めたことは、かつ­てなかったのではないか。きっかけは「集団的自衛権の行使」容認を目指す安倍晋三首相­の再登板だ。
政府は集団的自衛権について、有しているが、憲法上行使できないとの解釈を長年、堅持­してきた。その役割を担ったのが内閣法制局である。
安倍首相にはそれが面白くないらしい。法制局長官に行使容認派とされる元外務官僚を起­用し、私的諮問機関に行使容認に向けた報告書を作らせるなど、「解釈改憲に向けた動­きを着々と進めている。法制局にはかつてない圧力だろう。
阪田氏は、行使が認められれば「自衛隊が海外で外国の人を傷つけることも起こり得る」­と警鐘を鳴らし、憲法解釈の変更についても「一内閣の判断で変えていいのか」「国の大­事な政策転換であり、本当に必要なら、憲法改正手続きをして国民投票で賛否を問うべき­だ」と手厳しい。
法制局を「吹けば飛ぶような役所」と謙遜した阪田氏だが、会見での毅然とした発言は「­法律の専門家集団」としての矜持を失わないようにとの、後輩へのエールにも聞こえた。
(引用終わり)
 
2014年3月14日
柳澤協二氏(元内閣官房副長官補、国際地政学研究所理事長)
(記者による会見リポート・引用開始)
徹底した政権批判で行使反対訴える
集団的自衛権の行使を可能にする政府の憲法解釈の見直しについて「憲法改正
手続きを踏まなければ、脱法行為になる」と述べるなど、反対の立場から持論を展開した。解釈変更ではなく「個別的自衛権の延長でできる理屈はいくらでもある」と指摘。
「拡大解釈でかえって危険だ」との批判には「日本が攻撃されたら、という論理のなかで説明できる」と反論した。
用意したレジュメに「日本がとるべき道」として、「抑止だけが戦略ではない。説得・妥協も立派な戦略」と記したが、会場からは「『中国がとるべき道』に直してほしい」との声も出た。
会見冒頭に「実は(昨年末の)安倍晋三首相の靖国参拝で切れちゃったんです」と発言するなど徹底した政権批判を展開。現役時代は慎重に発言する官僚とみられていたが、退官するとここまで言いたい放題になるのかという印象を受けた。
「後輩からは『困った先輩』と言われている」と質問されると「昭和45(1970)年の防衛庁(当時)入庁以来、集団的自衛権の行使に反対する立場は一貫している」と強調。もっとも「気がついたら一番左にいるような立場になった」と漏らした。
(引用終わり)
 
 会見リポートを書いた記者が、北岡伸一氏については読売新聞、阪田雅裕氏については東京新聞中日新聞であったのは、いかにもということで別段違和感はないのですが、柳澤さんについてのリポートを産経新聞政治部長に書かせるというのは、何らかの「悪意」があるのでは?と、つい勘ぐりたくなるほど、この有元隆志という人の書いた文章は下品ですね。皆さん、絶対「真似」はしないように。
 
 阪田さんや柳澤さんの主張は、これまでもたびたびご紹介してきましたが、北岡伸一安保法制懇座長代理の映像のご紹介は初めてだろうと思います。
 先日の参議院予算委員会公聴会で阪田雅裕氏とともに公述人として意見陳述し西修駒澤大学名誉教授の発言を視聴した時にも感じたことですが、この人たちは、憲法釈を変えようとしているのではない。そうではなくて、「安全保障」を「憲法」の上位に置き、自分たちが(安倍晋三のような人間が?)勝手に「国の安全を守るために必要」と判断すれば、憲法を黙らせることが正当化される、と言っているのだということがよく分かります。
 その点を確認したい人は、北岡氏映像の43分以降を是非ご覧ください。