今晩(2014年4月3日)配信した「メルマガ金原No.1685」を転載します。
なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
毎年5月中旬の土曜日の午後、「憲法九条を守るわかやま県民の会」が主催する「5月の風に We Love 憲法」が、和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホールにおいて開催されるのが恒例となっており、毎年、タイムリーなテーマとそれにふさわしい講師が招かれています。
何しろ、同じような時期に開催する講演会ですから、「どのようなテーマで講演会を開催するか」「それにふさわしい講師は誰か」と考えていくと、偶然に同じ講師候補者に行きついても不思議はありません。
不思議はないのですが、実際にわずか3週間しか間を置かずに、この2つの団体が同じ講師を招くという「失態」が、1度ならず2度まであったのですから(2011年の伊波洋一さん、2013年の孫崎享さん)、両団体内部のみならず、講演会を楽しみにしてくださっている外部の方たちからも、「何とかしなさい」という厳しいお叱りがあったのも当然です。
という訳で、今年の両団体は、同じ「集団的自衛権」というテーマを設定しながら、青法協の方がまず半田滋さん(東京新聞論説兼編集委員)から内諾をいただいたという情報をすぐさま県民の会にお伝えし、それを踏まえて県民の会は柳澤協二さん(元内閣官房副長官補)に交渉してお引き受けいただいたという次第です。
公明党への配慮から、安保法制懇からの報告書の提出が5月の連休明けになりそうだと伝えられていますが、いずれにしても、我が国の命運を決する正念場がいよいよ迫ってきた現在、半田滋さんも柳澤協二さんも、文字通り「東奔西走」状態です(そのうちのいくつかは私のメルマガ(ブログ)でもご紹介しています)。
ところで、日本弁護士連合会も各地の弁護士会に対し、「集団的自衛権行使容認」への憲法解釈の変更に反対するため、会長声明等を公表すること、シンポジウム等の企画を実施すること、マスコミとの懇談会を実施することなどを緊急要請しています。私も4月から和歌山弁護士会の憲法委員会に配属されたので、各地の弁護士会の取組状況を調べているのですが、すると、埼玉弁護士会が4月9日に、半田滋さんと柳澤協二さんをお招きして「講演と対談」を行うという豪華企画に目がとまりました。
和歌山では、お2人の「対談」は聴けませんが、以下のように近接した連続講演会として聴講することが可能です。「集団的自衛権」問題の本質を語るのに最も適切なお2人の講演に、是非とも多くの方とお誘い合わせの上参加されますように。
4月25日(金)午後6時~ 和歌山県民文化会館小ホール
半田 滋さん(青年法律家協会和歌山支部)
5月17日(土)午後1時30分~ プラザホープ4階ホール
(チラシ表面から)
5.17県民のつどい
5月の風に We Love 憲法
2014年5月17日(土)
開場13時00分 開演:13時30分
プラザホープ 4F 大ホール
プラザホープ 4F 大ホール
<当日企画>文化企画 入場無料
講師プロフィール
1946年生まれ。1970年防衛庁に入庁、防衛庁官房長、防衛研究所長を経て、2004年4月から2009年8月まで内閣官房副長宮補(安全保障や危機管理の担当)。
現在、国際地政学研究所理事長。
著書に、『検証 官邸のイラク戦争-元防衛官僚による批判と自省』(岩波書店2013年)、『抑止力を問う-元政府高官と防衛スペシャリスト達の対話』共著(かもがわ出版2010年)、『脱・同盟時代-総理宮邸でイラクの自衛隊を統括した男の自省と対話』共著(かもがわ出版2011年)、『対論 普天間基地はなくせる 日米安保の賛成・反対を超えて』(かもがわ出版2012年)、『「国防軍」私の懸念-安倍新政権の論点』共著(かもがわ出版2013年)、『改憲と国防 混迷する安全保障のゆくえ』共著(旬報社2013年)など
1946年生まれ。1970年防衛庁に入庁、防衛庁官房長、防衛研究所長を経て、2004年4月から2009年8月まで内閣官房副長宮補(安全保障や危機管理の担当)。
現在、国際地政学研究所理事長。
著書に、『検証 官邸のイラク戦争-元防衛官僚による批判と自省』(岩波書店2013年)、『抑止力を問う-元政府高官と防衛スペシャリスト達の対話』共著(かもがわ出版2010年)、『脱・同盟時代-総理宮邸でイラクの自衛隊を統括した男の自省と対話』共著(かもがわ出版2011年)、『対論 普天間基地はなくせる 日米安保の賛成・反対を超えて』(かもがわ出版2012年)、『「国防軍」私の懸念-安倍新政権の論点』共著(かもがわ出版2013年)、『改憲と国防 混迷する安全保障のゆくえ』共著(旬報社2013年)など
e-mail w-9jokenm@naxnet.or.jp
(チラシ裏面から)
立憲主義を破壊する!
安倍首相は、これまで歴代政権が憲法上できないとしてきた集団的自衛権の行使を「解釈改憲」により行使可能にしようとしています。これを許せば、自衛隊がアメリカ軍といっしょに世界各地の戦争に参加することが現実化します。「集団的自衛権」は「自衛権」と言いながら、実際は、アメリカなど大国による他国への軍事介入の「合法化」に使われてきました。ベトナム戦争やイラク戦争なども「集団的自衛権の行使」を口実として行われました。
そもそも憲法とは、国民の自由や権利を守るために国家権力を縛るためのものです(立憲主義)。それを、時々の政府の都合で恣意的に解釈を変えられるようになったら、憲法は憲法でなくなってしまいます。これまでの「国のかたち」を大きく変えるだけでなく、立憲主義・民主主義を根本から破壊する安倍首相の“暴走”に対し、多くの方から批判の声が寄せられています。
☆古賀 誠氏(元自民党幹事長)
「立憲国としてとても考えられない」「総理の考え方次第で集団的自衛権を認めたり、認めなかったり、ころころ変わったら、世界の国々は日本の安全保障や国際的な信頼をどう考えるか。大変な発言だ」(2月16日 TBS「時事放談」より)
☆阪田雅裕氏(元内閣法制局長官)
「内閣が簡単に(従来の解釈を)『やめた』と言って成り立つなら、議会制民主主義って一体何だということだ」「憲法9条をどう読めば、米国や中国と同様に外国に行き戦争ができるのか。9条削除と一緒だ」(2014年3月 参議院予算委員会・公聴会での発言)
国民世論は反対が多数派!
【主なマスコミの集団的自衛権行使に対する世論調査】
2014年1月 [共同通信] 賛成37.1% 反対53.8%
2013年8月 [毎日新聞] 賛成37% 反対53%
[朝日新聞] 賛成27% 反対59%
[日経新聞] 賛成32% 反対54%