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集団的自衛権でも小林節さんに頑張ってもらおう(付・立正佼成会の集団的自衛権についての見解)

 今晩(2014年4月15日)配信した「メルマガ金原No.1697を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
集団的自衛権でも小林節さんに頑張ってもらおう(付・立正佼成会の集団的自衛権についての見解)
 
 昨年(2013年)12月20日、メルマガ(ブログ)で以下のような記事を書いたのですが、ご記憶でしょうか?
 
小林節さんの“集団的自衛権についての意見”が知りたい
 
 憲法96条先行改憲論阻止の立役者の1人であった小林節さん(慶應義塾大学学部教授/現在名誉教授、弁護士)の、集団的自衛権についての一見矛盾するように読める2つのインタビュー構成記事をご紹介し、「どっちやねん!」と突っ込みを入れたのでした。
 その2つの記事というのは以下のとおりです、
 
ダイヤモンド・オンライン 2013年7月26日
権力者はやりたい放題、国民の義務ばかりが増える
日本人が知らない自民党憲法改正案の意義とリスク
――小林節慶應義塾大学法学部教授に聞く
 
東京新聞 2013年12月13日
【秘密保護法 言わねばならないこと】
(1)権力者の責任隠す 憲法学者 小林 節氏
 
 前回のブログの末尾で私はこう書いていました。「いずれにしても、インタビュー記事、取材構成記事などは、取材する側がどういう風にまとめるかによって、相当違った印象を受けることがあるので、にわかに即断することは避けるべきでしょう。出来れば、この問題に絞った小林節教授へのロングインタビューをどなたかに(岩上安身さんが一番可能性があるだろうか)お願いしたいものだと思っているのです」
 
 そして、岩上さんによるインタビューでこそありませんが、IWJ(チャンネル6)によってユースト中継されたパネルディスカッション(まだ無料でアーカイブが視聴できます)に小林節さんが登壇されていましたのでご紹介します。
 
2014/04/12 パネルディスカッション「Yes立憲主義 No解釈改憲」 ―小林節・福島瑞穂・今井一各氏
 
 映像が9本に細切れになっているのは難点ですが、考えようによれば、だからこそ今でも無料で視聴できるのかもしれず、質疑応答に入る前の基本的な発言は、概ね
  1/9 1時間13分
  2/9 10分
の2本でカバーできますので、これだけでも是非早めに視聴されることをお勧めします。
 
 この催しの概略は以下のとおりです。
 
パネルディスカッション「Yes立憲主義 No解釈改憲
パネリスト
 小林節氏(慶応義塾学名誉教授)
 福島瑞穂氏(社民党副党首)
 今井一氏(『「憲法九条国民投票』著者)
コーディネーター
 内田誠氏(ジャーナリスト)
日時 2014年4月12日(土)14:30~17:00
場所 YMCAアジア青少年センター(東京・水道橋)
主催 [国民投票住民投票]情報室
後援 デモクラTV
 
 小林さんより福島さんの方が倍ほどもしゃべっているのはやや残念ですが、それでも、年7月の「ダイヤモンド・オンライン」のインタビュー記事とは異なり、解釈の変更によって集団的自衛権行使を認めるというのは解釈改憲の域を超えた憲法の破壊である(1/938分~)と明言されていますので、小林節さんが、集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更を阻止するための統一戦線の有力なプレイヤーたり得ることは間違いないと確認できました。
 
 また、今井一さんが最も明確に問題意識を披瀝されていましたが、今この危機を克服るためには、「9条護憲派」だけではなく、より広くウイングを拡げる必要があるのではなかということも重要なテーマとなっていました。
 その文脈の中で、福島瑞穂さんが、頑張っている宗教団体の一例として立正佼成会を挙げておられましたので、同会のWEBサイトを調べてみたところ、何とトップページに「日本国憲法の解釈変更による集団的自衛権の行使容認に対する見解」という大きく目立つバナーがあり、クリックしてみると、今年の3月10日、「安倍晋三首相に宛てた見解書を菅義偉官房長官に手渡しました」とあり、その見解書では、「憲法の基本原則たる「平和主義」のあり方については、政府自身による解釈が長年にわたり維持され、かつ、それが国民や国際社会に広く受け入れられてきました。このような憲法の基本原則について、政府の解釈変更によって集団的自衛権の行使を容認しようとすることは、国民の意思確認を軽視する非民主的政治プロセスであり、近代国家の大原則である立憲主義を否定するものであります」とあるではないですか。
 
日本国憲法の解釈変更による集団的自衛権の行使容認に対する見解

  

 「創価学会はどうした?」としみじみ思いますねえ・・・というのは余談ですが。
 
 「9条護憲派」が頑張らなければならない(今頑張らなくていつやるんですか?)のは当然としても、「9条護憲派」以外とは手を組まないというような「排除の論理」では話にならず、広汎な統一戦線を組織するための貴重なスタープレイヤーの1人であることが確認できた小林節さんには、なお一層各方面で頑張っていただきたいと願うや切なるものがあります。
 日本弁護士連合会も各地の単位弁護士会に、集団的自衛権の行使容認を阻止するためのシンポジウム、市民集会等を開催して欲しいという要請を行っており、全国の弁護士会の内、実施済みのところには○印を付し、未実施の弁護士会は空欄のままになっているリスト(我々は「星取表」と言っています)を各弁護士会に送りつけるという力の入れようで、和歌山弁護士会憲法委員会としても何とかしなければならないのですが、小林節さんも候補として考えるかな。