本日(2014年5月6日)配信した「メルマガ金原No.1718」を転載します。
なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
私と同じように今年還暦を迎える前後の世代、特に関西で成長した者にとって、「五つの赤い風船」というフォーク・グループは、忘れがたい記憶とともに蘇ってくる特別なグループだと思います。
私たちと同年代で、高校時代に『遠い世界に』を一度も歌ったことのない者がいたとは信じられないと言えば、彼らがどのような存在であったか、少しは想像していただけるでしょうか。
西岡たかしさんを中心に結成された「五つの赤い風船」には、いろいろメンバーの出入りがあったようですが、私が彼らの音楽を(もっぱらラジオとレコードで)一番よく聴き、何度か実演に足を運んでいた高校1年生以降(1970年~)は、
ボーカル、ギター、ビブラフォン 西岡たかし
ボーカル 藤原秀子
ギター 東 祥高
ベース 長野 隆
というメンバーでした。
私が高校3年生であった1972年に「五つの赤い風船」はいったん解散し、その頃以降、若者の音楽についての関心の中心は(洋楽専門の者以外は)、吉田拓郎、井上陽水、荒井由実らの方向に向かっていったのでした。
さて、このような蘊蓄をかたむけだせばきりがありませんので、この辺でやめておきますが、なぜ私が「五つの赤い風船」の話を始めたかというと、IWJの中継録画の中に、元「五つの赤い風船」のメンバーである長野たかしさんが、奥さんの森川あやこさんとともに、京都市左京区の鞍馬寺の奉納舞台において、「憲法記念日 奉納ライブ」をされた際の映像がアップされており、これを視聴して感銘を受け、是非多くの人に視てもらいたいと思ったからです。
演奏された曲目のうち、私が分かった曲だけご紹介すると、
03分~ 私が歌う理由(わけ)
04分~ 血まみれの鳩
07分~ まるで洪水のように
09分~ 不明
11分~ 不明
13分~ 遠い世界に
16分~ まぼろしの翼とともに
18分~ 不明
20分~ Hard Times Come Again No More
なお、おそらく著作権に対する配慮からでしょうが、各楽曲は全曲ではなく、一部カットして収録されています。
そもそも、なぜ鞍馬寺で「憲法記念日 奉納ライブ」なのかといえば、長野さんも冒頭で語っておられますが、鞍馬寺本殿の参拝者休憩所には、以下のような文章が掲示されているというのです(IWJ中継の最後でも紹介されています)。
(引用開始)
はるか昔 お釈迦様は
お説きになりました
憎しみと怒りと貪りの心を
捨てたときに平和が訪れると
お説きになりました
憎しみと怒りと貪りの心を
捨てたときに平和が訪れると
今 私たちはもっています
戦わないという勇気ある選択をした
人類の至宝「日本国憲法」を
戦わないという勇気ある選択をした
人類の至宝「日本国憲法」を
戦争で悲しまないために
戦争で悲しませないために
戦争で悲しませないために
お釈迦さまのみ教えと
平和憲法を両輪として
平和への道を進みましょう
平和憲法を両輪として
平和への道を進みましょう
(引用終わり)
ちなみに、鞍馬寺貫主の信楽香仁(しがらき・こうにん)さんは、「宗教者九条の和」呼びかけ人でもあります。
一昨日、「音楽で憲法を感じる、考える」をメルマガ(ブログ)で配信したばかりですが、長野さん、森川さんご夫婦の心に染み入る歌声に耳をすましながら、再び「歌の力」を感じることができたのは幸いでした。
最後に、お2人が奉納された曲“Hard Times Come Again No More”は、アメリカのフォスターが作った曲ですが、東日本大震災による津波の映像に衝撃を受けた長野さんが、自ら日本語詞をつけて歌うようになった曲です。
その間のいきさつと歌詞は、長野さん自身が YouTube にアップされた映像の解説部分に掲載されていますので、是非お読みください。
直接には大きな災害に見舞われた人々の思いを歌った歌詞ですが、平和を祈る曲としても胸に迫るものがあります。
Hard Times Come Again No More (Takashi Nagano)長野たかし-元「五つの赤い風船」