wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

内部被曝問題研が“日本政府の4つの誤り”を指摘して緊急提言(5/12)

 今晩(2014年5月15日)配信した「メルマガ金原No.1727」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
内部被曝問題研が“日本政府の4つの誤り”を指摘して緊急提言(5/12)
 
 漫画『美味しんぼ』「福島の真実」篇をめぐる争論は収まりそうもありませんが、問題となっている作品自体未見のため、私自身の発言は控えたいと思います。
 ただこの間、様々な発言の中で、独自に収集したチェルノブイリ原発事故被災者を対象としたアンケート調査結果を、冷静な(いつもそうですが)筆致で紹介された広河隆一さんの文章はご紹介する価値があると思います。
 
DAYSから視る日々 2014年5月14日
チェルノブイリでは避難民の5人に1人が鼻血を訴えた 2万5564人のアンケート調
査で判明
 
 さて、この『美味しんぼ』「福島の真実」篇に、井戸川克隆前双葉町町長、荒木田岳福島大学准教授とともに実名で登場した松井英介医師(岐阜環境医学研究所所長)も有力なメンバーである市民と科学者の内部被曝問題研究会(内部被曝問題研)から重要な「理事長声明」が発表されましたのでご紹介します(2014年5月12日)。
 
理事長声明「本文」(2014年5月12日 市民と科学者の内部被曝問題研究会)
政府は、大きな誤りに基づいた『汚染地帯』への「帰還施策」をやめ、最新の科学的
知見に基づいた対策を実行して住民の健康を守るべきである
 
理事長声明「参考資料」
 
松崎道幸医師(北海道深川市立病院 内科部長)資料(全122頁)
 資料1(30頁)
 資料2(30頁)
 資料3(30頁)
 資料4(32頁)
 
 「理事長声明」の中から、「日本政府の4つの誤り」と「日本政府に対する4項目の要
請」を引用します。
 
(引用開始)
◆日本政府の4つの誤り
1 放射線被ばくで病気になるリスクを一ケタ近く小さく見積もっている
  (放射線被ばくの健康影響の過小評価)
2 被災区域の放射線被ばく量をきわめて小さく見積もっている
  (放射線被ばく量の過小評価)
3 小児甲状腺がんを被ばくと関係ないと断定している
  (放射線被ばくの害の非科学的否定)
4 がんだけでなく様々な病気が増えるおそれがあることを無視している
  (チェルノブイリの教訓の無視)
◆日本政府に対する4項目の要請
1 放射線被ばくリスクの過小評価を改めよ_ 時代遅れの被ばくデータ固執を止め、最新の科学知見に沿って見直せ。リスク対経済効果の立場でなく、人権を基礎において国家施策を策定せよ。帰還者は年間1mSv以下で可能な限り低くなったときのみ帰還を推奨されるべきで、その間全ての避難者に財政的援助、給付金を提供すること。
2 被ばく線量を大幅に小さく見積もるデータ操作を止めよ_個人線量計は、内部被ばくはもとより、外部被ばくも測れない。
3 甲状腺検診をしっかり継続せよ。同時に血液、尿検査を含むすべての健康影響に関
する調査に拡大せよ_内部被ばく検査はホールボディカウンター(WBC)に限定せず、かつ影響を受けたすべての人々に対して実施すること。健康管理調査は、年間追加被ばく1mSv以上のすべての地域に住む人々に対して行うこと。
4 被ばくリスクと被ばく線量の過小評価に基づいた避難指示解除と除染・補償の打ち切
りをするな。東京電力の責任を明確にし、支払い責任を納税者に転嫁するな_「原子力事故 子ども・被災者支援法」実施の 「復興庁」基本方針を見直し、「支援法」を完全実施すること。
(引用終わり)
 
 内部被曝問題研が指摘する「日本政府の4つの誤り」の妥当性を判断する能力は私には到底ありませんので、上記資料及び5月12日に日本プレスセンタービル(日本記者クラブ)9F大会議室で行われた記者会見において松崎道幸医師が行った説明をご覧になって、ご自身で判断していただければと思います。
 なお、当日の記者会見に当然出席予定であった沢田昭二理事長は、ご家族が緊急
入院されたという事情からやむなく欠席されました。
 
20140512 UPLAN【理事長記者会見】政府は,大きな誤りに基づいた『汚染地帯』への「帰還施策」をやめ、最新の科学的知見に基づいた対策を実行して住民の健康を護るべきである
 
IWJ 2014/05/12 「政府は放射線被曝で病気になるリスクを一桁小さく見積もっている」内部被曝研が緊急会見

 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/139456