wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

とにかく出来ることをやる 和歌山からの報告

 

 今晩(2014年7月9日)配信した「メルマガ金原No.1781」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
 とにかく出来ることをやる 和歌山からの報告
 
 「7.1クーデター」は阻止できなかったけれど、私たちに「あきらめる」「何もしない」という選択肢があり得ない以上、「とにかく出来ることをやる」という決意の下、全国各地で様々な取組が行われていることと思います。
 以下には、私の地元和歌山県から、「あきらめない人々」の活動のほんの一端をご紹介します。
 
【7月3日(木)田辺市
紀伊民報 2014年7月4日
集団的自衛権閣議決定、撤回を 田辺で抗議集会
(引用開始)
 憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認すると政府が閣議決定したことに抗議する集会が3日、和歌山県田辺市高雄1丁目の会津児童公園であった。雨が降る中で約80人が集まり、決定の撤回を求めた。
 県地方労働組合評議会(県地評)西牟婁支部や「憲法をまもり、くらしに活かす田辺・西牟婁会議」(憲法会議)、共産党田辺市委員会など5団体が主催した。
 憲法会議代表の岡田政和弁護士(48)は「今回の閣議決定は、立憲主義や民主主義、平和主義という憲法の基本原理のいずれにも反する暴挙だ。逆立ちをした解釈をあえて行った」と指摘。紀南9条交流ネット事務局の前田一彦さん(69)は「(政府、与党は)慎重審議を求める声を無視した。多数のおごり以外の何者でもない」と語り、「9条ママnetキュッと」世話人の小池佳世さん(40)も「閣議決定の内容、やり方に大変な怒りを覚える」と訴えた。
 参加者はその後、「憲法守れ」「集団的自衛権撤回」などと書いたプラカードなどを持って市内をパレード。撤回を求めた。
(引用終わり)
 
 主催5団体の内、残る2団体は、記事の中にも出てくる紀南9条交流ネット、それと田辺平和委員会でした。共産党系色が強い集会ととらえられるおそれがありながら、紀南9条交流ネットが参加を決断したのは、正直「えらい!」と賞賛したいと思います。今はそんなことを気にしている時ではないですからね。
 なお、紀伊民報の記事の中に出てくる、「9条ママnetキュッと」世話人の小池佳世さんのスピーチ(多分原稿でしょう)が、小池さんのお身内の方の Facebook に投稿されていました。本来であればご本人の了解を得た上で紹介すべきかとも思いますが、紀伊民報の取材には応じておられること、それと、佳世さんご本人ともFB友達というご縁に免じてお許しいただき、以下に全文引用させていただきます。私は、これを読んで心から感動しました。是非皆さんにもお読みいただきたいと切望します。
 
7月3日集会での小池佳世さんのスピーチ
(引用開始)
 「9条ママnetキュッと」世話人の○○と申します。子どもたちに平和で明るい未来を手渡すのは母親の務め、との思いから5人の母親が集まり今年の3月に会を結成しました。昨日、今日、で新たに2人が仲間になってくれ、現在7人所帯です。
 私には2歳の息子がいます。長い間待ちわびてようやく授かった命。私にとっては奇跡でした。命を授かった女性は10か月の間その新しい生命を何よりも大事に育て命がけで産みます。
 生まれた我が子に寝る間も惜しんでおっぱいをあげ、泣けば抱っこかな?おむつ変えてほしい
のかな?と語りかけ、せがまれればどんなに重くても抱っこし、心豊かに育つよう絵本を読み、歌を歌い、お友達と仲良く遊べるよう人の心を教え、苦労もありますが小さな成長に大きな喜びを見出し、手塩にかけ育てています。
 そんなわが子が将来徴兵され、人を殺し、殺される戦場に送り出すことを受け入れられる母
親が一体、世界中のどこにいるでしょうか。
 集団的自衛権行使容認の閣議決定には、その内容、やり方に大変な怒りを覚えます。密室協議の安保法制懇提出からわずか1か月、日本が世界に誇る平和憲法9条を骨抜きにし、先の戦争で300万人を超える犠牲を出してやっと手に入れた平和を手放してしまう。批判をすれば切りがありません。
 これから大事なことは、このことに関心を持ち、知識を深め、一人でも多くの人に反対の共感を広めることだと思います。
 私の知人にも9条って何?という人がいますが、そんな人にも現状を話すと、それは大変なことや。と事の重大さに気づいてくれます。ぜひご自分の周りの方に「集団的自衛権ってどう思う?」と聞いてみてください。
 もしここにお集りの皆さんが、今日からたった一人にだけでも話しをして、賛同を得られたとすると、それだけで相当な声は広がります。そうやって、世論の渦を巻き起こしましょう。若い人たちは、フェイスブックツイッターで訴えてください。
 そして必ずや平和な日本を守り抜きましょう。
 ありがとうございました。
(引用終わり)
 
 
【7月8日(火)・9日(水)田辺市】 
 以下に、田辺9条の会の寺井拓也さんから、9条ネットわかやまMLに投稿された文章を引用させていただきます。 
 
「取り組みのご紹介<田辺9条の会・寺井」(2014年7月8日)
(引用開始)
「田辺9条の会」では、集団自衛権行使容認に抗議するチラシ(別紙添付)を、市内へ新聞折り込みをしました。
ほかにも同様な取り組みもあるかもしれませんが、ご参考までにお知らせいたします。
●田辺旧市内
●読売、朝日、毎日、産経の4紙で合計14、600部
●今日、又は明日の新聞に入る予定。(広告の少ない日に入れてくれるとのことで少し遅
れるかも)
●折込経費は一部2.5円
●総額5万円強の経費は、会員にカンパ要請。
●郵便払込用紙を会員に会報とともに送付。
●今日現在、要請して間もないにもかかわらず、カンパ合計がほぼ必要額に達しています。
1000円、2000円、3000円、と振込みが続き、なかには30,000円を振り込んでくれる方がいて、予想を越えるカンパに、「熱い思い」が伝わってきます。(当初は赤字を本会計でカバー予想)
●「許せない」「何とかしたい」という多くの市民・会員の思いの一つの現われではないかと考
えています。
●なお、このほかにも白浜9条の会、上富田9条の会もこれまでに地方紙「紀伊民報」に
「折込」に取り組んでいます。
(引用終わり)
 
 その折込チラシは、「九条の会・わかやま」ホームページに掲載されました。
 「閣議決定」による憲法破壊は許されないという声を、どういう風にして「普通の国民」に伝えたらよいのか、ということについての解答の1つでしょう。大変、素晴らしい取組だと思います。 
 
【7月9日(水)和歌山市】 
 6月23日の第1回に続く第2回「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」が、今日(7月9日)の12時20分に和歌山市役所前をスタートし、京橋プロムナードまでの行程で実施しました。
 主催(呼びかけ団体)は、全回と同じく「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」。以下に呼びかけ文を引用します。
 
第2回・第3回 憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ への参加を呼びかけます
(引用開始)
 去る6月23日、第1回「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」を実施したところ、160名近くの方々にご参加いただくことができました。心よりお礼申し上げます。
 さて、予想されたこととはいえ、昨7月1日、安倍内閣は、自民・公明両党の合意を得た
として、集団的自衛権行使の容認等を内容とする閣議決定を行いました。
 もとより、私たちは、憲法の平和主義のみならず、立憲主義国民主権の原則を根底か
ら破壊するこのような暴挙を断じて容認することはできません。
 秋の臨時国会にも、昨日の閣議決定を具体化するための法案が上程されることが予想
される中、より一層多様な国民各層が「憲法の破壊を許さない」運動に加わり、憲法違反の立法を絶対に阻止するとの広範な世論を形成することがどうしても必要です。
 そこで、私たちは、「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」を継続して実施することとし、
とりあえず、第2回(7月9日・和歌山大空襲慰霊の日)及び第3回(8月6日・広島原爆投下の日)の日程を確定し、下記実施要領のとおり開催することと致しました。
 是非、周りの方々にお声をおかけいただくとともに、これまでこの種のデモに参加したことの
ない層にも私たちの呼びかけが伝わるように、何卒ご協力のほどよろしくお願い致します。そして、回を重ねるに連れて参加者が増えていくという状況を、みんなの力で何としても実現しましょう。
実  施  要  領
日  程 第2回 2014年7月9日(水)
      第3回 2014年8月6日(水)
(以下、第2回・第3回共通)
集合場所 和歌山市役所前
集合時刻 午後0時00分 
出発時刻 午後0時20分 ※第1回よりも5分遅らせました。
コ ー ス 和歌山市役所前→公園前交差点(左折)→京橋プロムナード(ゴール)
主催団体 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
お問合先 ℡073-428-6557(トライ法律事務所)
そ の 他
 小雨決行(風雨が強い場合は上記お問合先までお電話ください)
 様々に工夫をこらしたプラカード、横断幕、コスチューム等を歓迎します。
 出来るだけ様々な立場の方に参加していただくため、団体名のみを表示した幟の携行
はご遠慮願います。 
(引用終わり)
 

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 さて、前回を上回る参加者を目指した意気込みに水を差すように、台風8号の前触れなのか、朝から雨模様であり、集合時刻の12時を回るといよいよ雨脚が強まる有様で、しかも、出発まであと10分という段階でも、主催団体の会員(要するに弁護士)が片手の指で数えるほどしか来ておらず、先頭で横断幕を持つ弁護士が足りない!と焦った時にはどうなることかと心配しましたが、最終的には雨の中、110名の参加があり、心配させられた弁護士も最終的には17名が参加し(前回は15名)、何とか次につなげる成果は得られたのではないかと思います。
 
 それから、第2回に向けた新機軸として、「マイ・チラシ」を活用してランチTIMEデモへの参加を呼びかけようという試みを始めました。

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 はじまりはひょんなことだったのですが、私が、Facebook のタイムラインに前掲の呼びかけ文を貼り付けて投稿し、デモへの参加を呼びかけたついでに、ほんの思いつきで「『可愛くてわず参加したくなるようなチラシをボランティアで作ってあげよう』という方、いませんか?」とびかけたのです。
 https://www.facebook.com/tetsuo.kimbara/posts/664357530323556
 すると、さっそく「九条の会・わかやま」事務局の柏原卓先生から、お嬢さんがやってみたい
と名乗りをあげているというコメントをいただき、その日のうちに、上のような素敵なチラシを送ってくださったのでした。
 そして、このチラシを Facebook に投稿したところ、短期間であったにもかかわらず、多くの人にシェアしていただくことができました。
 この反応を見て、次回以降も絶対にこの「可愛いチラシ」作戦を拡大していこうと決意しました。Facebook を利用している方ならお分かりと思いますが、文字情報だけの投稿よりも、インパクトのある映像主体の投稿の方が圧倒的に反応が良く、多くの人に読んでもらえます。
 そもそも、私の適当な思いつきから始まったことではありますが、多くの(出来ればこれまであまり接点のなかった若い人たちに)アピールするためのツールとして、みんなが思い思いに「マイ・チラシ」を作って周りに広めるということが出来れば素晴らしいなと思いました。
 そして、そういう「マイ・チラシ」がたくさん集まれば、その中から大量に輪転機を回して紙媒
体として配布した方が良いものも出てくるかもしれませんし。
 もちろん、チラシとして大量配布する場合には、備えていなければならない定石というもの
はあります。例えば、主催者・連絡先の記載は必須。日時・場所についても出来るだけ正確に詳細データがあった方が良い、などです。ただし、自分の友人たちに配ってもらうものなら、そこまで書かなくても、口頭で補足することもできますが。
 それから、「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」に参加する人の大半は、9条の明文
改憲に反対している人だとは思いますが、理念としては、9条は改正した方が良いと思っているが、改正手続を経ることなく、政府が勝手に憲法規範を無効化することは許せないという考え方の人々にも共闘を呼びかけている訳です。 だからといって、「9条を守れ」というスロ
ーガンを排除する必要は全然ありませんが、「憲法を守れ」「立憲主義を守れ」「民主主義を守れ」「独裁は許さない」という趣旨を盛り込みつつ(こういうスローガンが「固い」のが困りもの)、受け止めやすくユニークなデザインのチラシなども是非欲しいなと思います。
 
 実は、チラシについての最後の感想と関連するかもしれないのですが、今日のデモ終了後、私が事務所に帰ろうとしていたところ、ランチTIMEデモに初めて参加されたというご婦人2人連れの方から声をかけられました。その方々が言われるには、「デモの一行を沿道のビルの窓から見下ろしている女性たちの中には、訴えかけ次第では、関心を持ってくれそうな人たちもいるように感じたけれど、『戦争を許さない』というようなシュプレヒコールでは怖がって引いてしまうと思う。もっと工夫しなければ」ということでした。また、私に向かって「共産党の方ですか?」と尋ねられたのは、この種のデモをやるのは共産党系の団体という思い込みがあったのかもしれません。当然ながら、「私は民主党とも共産党とも関係ありません」と丁重に答えておきましたが。
 あながち「戦争を許さない」というようなコールが良くないとも思いませんが、沿道へのアピールという点については、もっと工夫の余地があるはずだということは間違いありません。シュプレヒコールの内容についても、もっとみんなが事前に智恵を出し合うことが必要でしょうし、過去2回、男性弁護士がコール役をやりましたが、前半・後半で男女が交替するというようなこと
も考えるべきでしょうね。

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 今日のデモには、手作りのプラカードを持参して参加してくださった女性もおられたようで、こういう自製プラカードのデータを集めて、メーリングリストFacebook などで紹介し、他の参加者の参考にしてもらうというようなことを考えてもいいですね。
 ただ単に惰性のようにデモをやり続けるというのではなく、1回ごとに新たな工夫をこらし、私たちの主張をアピールするだけではなく、デモに参加すること自体が、自分たちの表現欲を満たしてくれる「創造の場」でもあるのだという風に持っていければ、などと夢は限りがありません。
 でも、そのような「夢」がなければ、やがてデモそのものがマンネリ化して先細りとなる可能性が十分にあると思いますから、ここは、みんなの智恵の出しどころですね。
 
【7月13日(日)新宮市 田辺市 和歌山市 
 13日(日)の和歌山県下の取組は、以前にご紹介していますので、メルマガ(ブログ)のバックナンバーをご参照ください。
 
田辺市 “9条ママnetキュッと”結成記念おはなし会
と き 2014年7月13日(日)13:30~
ところ 万呂公民館 3階 大集会室
     和歌山県田辺市中万呂46番地の3 
お題 平和でこその命~生きとし生ける者 みな仲良く 住みよい世の中をめざして~
お話 坂本フジヱ先生 
 
新宮市 くまの平和の風コンサート
 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/38941328.html
日時 2014年7/13〈日〉開場13:30 開演14:00(16:00終了予定)
場所 新宮市福祉センター
     和歌山県新宮市野田1-1
入場無料 カンパは大歓迎です
主催/平和の風コンサートの会 
 
和歌山市 松元ヒロ ソロライブ
日時 2014年7月13日(日) 開場18:15 開演18:30
場所 中央コミュニティーセンター(3F多目的ホール
     和歌山市三沢町1丁目2番地
料金 2,000円(当日2,500円) ☆中学生以上
     (会員1,000円)松元ヒロ:プロフィール  
主催:和歌山みなみ子ども劇場 高学年部「松元ヒロ Solo Live ★実行委員会」 
 
 人口減少に悩む(97万人余)和歌山県ですが、大事な子どもたちの未来のために「絶対にあきらめない人々」の活動は続きます。
 折に触れて、これからもメルマガ(ブログ)でご紹介していこうと思います。少しでも、これを読んでくれた人が元気になり、「とにかく出来ることをやる」という確信が持てますように。 
 

(付録)
祝婚歌』 作詞作曲:中川五郎 演奏:中川五郎