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91歳の助産師 坂本フジヱさんが地元田辺で語った「平和でこその命」(7/13“9条ママnetキュッと”結成記念おはなし会)

 今晩(2014年7月18日)配信した「メルマガ金原No.1790」を転載します。

 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。

 
91歳の助産師 坂本フジヱさんが地元田辺で語った「平和でこその命」(7/13“9条ママnetキュッと”結成記念おはなし会)
 
 憲法や環境を守りたいという人たちとの交流が深まるにつれ、南北に細長い和歌山県の最北西端の和歌山市に住んでる私も、紀南の田辺市新宮市での様々な活動を知る機会が増えてきました。折りにふれて、このメルマガ(ブログ)でもご紹介してきたところですが、その中に「田辺ライン」と言っても良いようなシリーズ(?)が出来つつあります。
 今日はその最新版です。
 
 まずは、最近の「田辺ライン」の記事を振り返っておきましょう。
 
 
2014年1月18日
いのちの誕生
 
 
2014年7月9日 

 6月19日に配信した記事でご案内した「“9条ママnetキュッと”結成記念おはなし会」が、去
る7月13日(日)、田辺市の万呂公民館で開催され、メインゲストである日本最高齢の助産師・坂本フジヱさんによる講演「平和でこその命~生きとし生ける者みな仲良く住みよい世の中をめざして~」が行われましたが、その講演の模様を、「田辺ライン」の重要なメンバーの1人である東条雅之さん(田辺市中辺路町高原に在住の映像ジャーナリスト/「スナメリチャンネル」宰)が撮影・編集して、YouTube にアップしてくださいました。
 
91歳現役の助産師 坂本フジヱさんのお話「平和でこその命」
 
 
 質疑応答を含めて1時間10分、実にかくしゃくとしたお話しぶりに、あらためて感嘆しました。
 冒頭、これまで「思い出したくもない」戦争の話はしたことがなかったが、という前置きの後、大
阪で助産婦、看護婦、保健婦(現在は助産師、看護師、保健師と呼称が変わっていますが)の3つの資格を取得した後、B29による空襲に住民が逃げ惑う大阪に「救護要員」としてとどまらざるを得ず(終戦間際にはさすがに奈良県疎開されたようですが)、隙間の無い絨毯爆撃によって路上や川に多くの人や馬の死体が積み重なる惨状を目撃するなど、青春時代は戦争によって明け暮れたと述懐され、「皆さんのちっさな(小さな)声でも、常に声をあげて、こういう風に、不戦の誓いをいつもするということは是非必要ではないか」と、このような集いの意義を強調されました。
 
 坂本先生の「命のお話」本論は、映像の18分ころから始まり、その前が「戦争」についてのお話だったのですが、前段のお話の中で、私が特に感銘深く心にとどめた部分を文字起こししてみます。
 
戦争って本当に凄いですね。その場におった者でないと分かりません。それでも日本人はまだ、本土に住んだ日本人はまだましなんですよ。B29来た時だけ何とか逃げたらいい。そやけども、沖縄は大変だっただろうなあ、沖縄の人たちは本当に大変だっただろうなあということを、この前沖縄へちょっと行ってきたんですけども、本当に感じましたね」(14分~)
 
本当に戦争というものはものすごく悲惨なもんです。変な気持ちになるんですね。戦争になって。周囲が全部そういう風になってきたら、人間の心というのを失う、そういう風な雰囲気になってくるんです。私たちもその中におって、戦争ははよやまって(早く終わって)欲しいと思ったけども、まあ何とか生きてるんやから、っていうような気持ちでおったんやないかなあと、今振り返ってみると、その現実を見ると、ホントに凄い、怖いと思いますけども、そうでない時には、そういうことをあんまり感じんっていうのかな、そういうような状態で」(17分~)
 
 前者の沖縄への思いは、坂本さんが、戦時中、助産婦、看護婦、保健婦として「救護要員」を命じられていたことを抜きにしては、その真意が理解できないだろうと思います。坂本さんと同じ年代の沖縄の若き看護婦たちがたどった運命を、自らに引きつけた上での感慨だろうと理解しました。
 
 後者は、実際に、戦争と共にある社会の空気を吸った人でなければ絶対に語れない言葉だと思いました。戦争が始まってしまえば、多くの人は「人間の心というのを失う」、そうしなければ生きていけないということでしょう。だからこそ、絶対に戦争を始めてはいけないと坂本さんは訴えられたのです。
 
 最後に、この日の集いに和歌山市から参加した西郷章さんが、Facebook に投稿された写真付きレポートと動画(みんなで「アンパンマンのマーチ」を歌った)をご紹介しておきます。多分、「友達」限定ではなく「公開」設定だと思うのですが、もしも「見られない」という方がおられればご連絡ください。私から西郷さんに「公開設定にしてください」とお願いします。
 
 
 

(付録)
『Me And Bobby McGee』 作詞作曲:クリス・クリストファースン&フレッド・フォスター
 日本語詞:中川五郎 演奏:中川五郎