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wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

“沖縄差別”に抗して~森本敏前防衛大臣の離任会見を想起せよ

政治 平和

今晩(2014年8月24日)配信した「メルマガ金原No.1827」を転載します。

なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
“沖縄差別”に抗して~森本敏防衛大臣の離任会見を想起せよ
 
 沖縄県名護市辺野古沖における、安倍自民公明連立政権による米軍・日本共用立入
限区域の設定及びボーリング工事の強行に対し、連日の粘り強い抵抗に加え、昨日(8月23日)、キャンプ・シュワブ第1ゲート周辺において、「止めよう辺野古新基地建設!8・23県民大集会」が開催され、わずか1週間の準備期間しかなかったにもかかわらず、目標とした2000人を大きく上回る約3600人(主催者発表)が参加しました。
 琉球新報WEB版の記事をご紹介します。同サイトには、沖縄選出・出身国会議員をはじめ
とする様々な人々のアピールを編集した動画が埋め込まれており、是非視聴していただければと思います。
 
琉球新報 2014年8月24日
辺野古新基地、3600人が抗議 工事後初の県民集
(抜粋引用開始)
 名護市辺野古沖の新基地建設に反対しようと、県内市民団体などは23日午後2時、米
キャンプ・シュワブ第1ゲート周辺で県民集会「止めよう新基地建設!みんなで行こう、辺野古へ。」を開催した。約3600人(主催者発表)が参加した。移設に向けた作業としてシュワブ内で建物解体工事が始まった7月1日以降、最大規模の県民集会となった。参加者は「民意を無視した強行だ」「政府の暴力を許さない」と声を上げ、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県内移設に反対する意思を示した。
 実行委員会は参加団体を広げ、数万人規模の県民大会を検討している。23日と同規
模の集会も今後辺野古で定期的に開催する予定。
(略)
 集会ではアピール文「止めよう新基地建設!命育む美ら海を守り抜く」も採択。「県民の
目の前で、国家権力を総動員した横暴が繰り広げられている。私たちは海、陸での抗議行動と連携支援し、辺野古の海を絶対に埋め立てさせない。新基地建設を阻止する」と呼び掛けている。
 ゲート前では午前9時すぎに100人余が集まり、辺野古漁港までデモ行進した。海上で
も抗議船が航行した。正午すぎには県内各地から貸し切りバスが続々と到着した。一方、実行委員会が用意した那覇市発、沖縄市発のバスに定員超えで乗車できず、集会現場に到着できない人もいた。
(引用終わり)
 
 以下に、上記琉球新報動画から、稲嶺進名護市長のアピール(の一部)を文字起こししました。私には、「日本人はもう一度沖縄を占領しようとしているのか?」という問いかけにしか聞こえませんでした。
 
「私たちが、県民が、これほど大きな声を出し、41市町村の首長、県議会、議会議長、全部揃って建白書を総理大臣に直接届けたにもかかわらず、私たちの思いは全く無視され、結局は、この前の新聞紙上でありました。この辺野古の海の周囲に、海上保安庁の船が、ボートがびっしり浮いてるんです。これは、69年前、沖縄を占領するために沖縄中を軍艦が取り囲んだ、その写真が、2~3日前の新聞に出ている光景と全く同じ。平時であんなことが行われているということ自体、この国はどこに向かっているんだろう?その視線はどこに向けているんだろう?そういう風に思わざるを得ません」
 
 なお、23日の県民集会にも参加していた糸数慶子参議院議員が、去る20日、ジュネーブにおいて、日本政府報告書を審査している国連人種差別撤廃委員会で発言の機会得て、以下のように訴えたという報道を目にした人も多いと思います。
 
琉球新報 2014年8月21日
糸数参院議員、辺野古中止を国連で訴え
(引用開始)
ジュネーブ=新垣毅】社大党委員長の糸数慶子参院議員は20日、スイスのジュネーブ
で開かれた国連人種差別撤廃委員会で、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での新基地建設や、東村高江でのヘリパッド建設の「即時中止」を訴えた。糸数氏は琉装姿で出席し、「抗議の声を上げている多くの市民に対して、日本政府、沖縄防衛局は民間警備会社や県警機動隊、海上保安庁を使って弾圧を続けている」と報告。これらの基地建設の強行は「人権無視であり、琉球人への差別だ」と主張した。県選出国会議員による国連への“直訴”は初めて。
 同委員会による意見聴取の場で発言する機会を得た糸数氏は、緊急課題として(1)琉
球の民意の尊重(2)辺野古新基地計画の撤回と抗議する市民への弾圧停止(3)普天間基地の即時封鎖・撤去(4)高江ヘリパッド建設工事の即時中止と計画の撤回―の四つを訴え、国連の関与を求めた。
 委員からは「日本政府は、沖縄の人を日本人と同じだと言い続けているが、言葉や文化
など日本人との違いは何か」との質問が出た。糸数氏は独立国として500年の歴史があったことや、琉球諸語がユネスコで独自の言語として認められていることを説明した。
(引用終わり)
 
 ちなみに、人種差別撤廃条約(あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約)に、日本は1995年に加入しています。
 
あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約
 
第3回~第6回日本政府報告に関する人種差別撤廃委員会の最終見解(2010年勧告)
(抜粋引用開始)
(日本語仮訳)
21.ユネスコは沖縄の固有の民族性、歴史、文化、伝統並びにいくつかの琉球語を認
めている(2009年)ことを強調するとともに、委員会は、沖縄の特色に妥当な認識を示そうとする締約国の姿勢を遺憾に思い、沖縄の人々が被る持続的な差別について懸念を表明する。さらに、委員会は、沖縄における軍事基地の不均衡な集中は、住民の経済的、社会的及び文化的権利の享受に否定的な影響があるという現代的形式の差別に関する特別報告者の分析を改めて表明する(第2条及び第5条)。
 委員会は、沖縄の住民の権利を促進し適切な保護施策や保護政策を設けるために、
沖縄の住民が被る差別をモニターすることを目的に、沖縄の代表者と広い協議を持つことを締約国に慫慂する。
(英語正文)
21. While highlighting that UNESCO has recognized a number of Ryukyu languages
(2009), as well as the Okinawans’ unique ethnicity, history, culture and traditions, the Committee regrets the approach of the State party to accord due recognition to the distinctness of Okinawa and expresses its concern about the persistent discrimination suffered by the people of Okinawa. It further reiterates the analysis of the Special Rapporteur on contemporary forms of racism that the disproportionate concentration of military bases on Okinawa has a negative impact on residents’ enjoyment of economic, social and cultural rights (arts. 2 and 5)
The Committee encourages the State party to engage in wide consultations with
Okinawan representatives with a view to monitoring discrimination suffered by Okinawans, in order to promote their rights and establish appropriate protection measures and policies.
(引用終わり)
 
 外務省の「沖縄の特色に妥当な認識を示そうとする締約国の姿勢」って、これ誤訳ですよね?
 
 多くの「善良な日本人」は、人種差別撤廃条約を引き合いに出されて驚き、かつ、心外に思うかもしれません。
 そういう人には、是非、民主党政権時代の最後の防衛大臣を務めた森本敏氏が、2012
年12月25日、事実上の離任会見となった最後の定例記者会見における「最後の質問」に何と答えたかを想起して欲しいと思います。
 防衛大臣という責任ある立場の者が、公式記者会見で述べた「最後の正直な見解」です。
 これを読んでも、
なお「沖縄差別はない」と言えるでしょうか?
 
 以下は、2012年12月26日にメルマガ金原No.1213として配信し、同日、「wakaben6888のブログ」に、その後、2013年2月24日に「弁護士・金原徹雄のブログ」に転載した「森本敏防衛大臣、最後の記者会見での問題発言」を再配信するものです。
 

 今日(2012年12月26日)の自公連立政権の発足を前に、昨日、森本敏(もりもと・さとし)防衛大臣による最後の定例記者会見が行われました。
 初の民間からの防衛大臣起用(元自衛官という経歴もありますが)ということで物議を醸した
りもしましたが、仕事ぶりは、これまでの防衛大臣と何ら異なることはなく、ひたすら従米路線一筋であり、訪米中にオスプレイに試乗し、「いやあ、快適だった」と感想を述べて顰蹙を買ったりしました。
 
 ところで、その森本防衛大臣が、「最後の記者会見」の中の「最後の質問」で、気が緩んだ
のか、つい「本音」を語ってしまったことを、辺野古浜通信で知りました。

 その記者会見の文字起こしが防衛省自衛隊のサイトに掲載されています。

 最大の「問題発言」は末尾の部分です。

(引用開始)
Q:沖縄問題にとてもお詳しい大臣で、今回、半年の間に沖縄の負担軽減に努力されてい
と思いますが、1点だけ確認というか。普天間辺野古移設は地政学的に沖縄に必要だから辺野古なのか、それとも本土や国外に受入れるところがないから辺野古なのか、その1点だけ、考えをお願いします。
A:アジア太平洋という地域の安定のために、海兵隊というのは今、いわゆるMAGTFという、
MAGTFというのはそもそも海兵隊が持っている機能のうち、地上の部隊、航空部隊、これを支援する支援部隊、その3つの機能をトータルで持っている海兵隊の空地の部隊、これをMAGTFと言っているのですが、それを沖縄だけはなく、グアムあるいは将来は豪州に2,500名以上の海兵隊の兵員になったときにはそうなると思いますし、それからハワイにはまだその態勢がとられていないので、将来の事としてハワイにもMAGTFに近い機能ができると思うのです。こういうMAGTFの機能を、割合広い地域に持とうとしているのは、アジア太平洋のいわゆる不安定要因がどこで起きても、海兵隊が柔軟にその持っている機能を投入して、対応できる態勢をある点に置くのではなくて、面全体の抑止の機能として持とうしているということであり、沖縄という地域にMAGTFを持とうとしているのは、そういうアジア太平洋全体における海兵隊の、いわゆる「リバランシング」という、かつては1997年頃、我々は「米軍再編計画」と言って、「リアライメント」という考え方ではなくて「リバランシング」というふうに言っているのですが、そのリバランシングの態勢として沖縄にもMAGTFを置こうとしているということです。これは沖縄という地域でなければならないのかというと、地政学的に言うと、私は沖縄でなければならないという軍事的な目
的は必ずしも当てはまらないという、例えば、日本の西半分のどこかに、その3つの機能を持っているMAGTFが完全に機能するような状態であれば、沖縄でなくても良いということだと。これは軍事的に言えばそうなると。では、政治的にそうなるのかというと、そうならないということは、かねて国会でも説明していたとおりです。そのようなMAGTFの機能をすっぽりと日本で共用できるような、政治的な許容力、許容できる地域というのがどこかにあれば、いくつもあれば問題はないのですが、それがないがゆえに、陸上部隊と航空部隊と、それから支援部隊をばらばらに配置するということになると、これはMAGTFとしての機能を果たさない。したがって3つの機能を一つの地域に、しかも、その持っている機能というのは、任務を果たすだけではなくて、必要な訓練を行う、同時にその機能を全て兼ね備えた状況として、政治的に許容できるところが沖縄にしかないので、だから、簡単に言ってしまうと、「軍事的には沖縄でなくても良いが、政治的に考えると、沖縄がつまり最適の地域である」と、そういう結論になると思います。というのが私の考え方です。
(引用終わり/下線は金原による)

 この最後の質問をした記者が誰かは不明ですが、「お見事!」と言いたいですね。出来れば
もっと早い段階で質問して欲しかったとは思いますが。もっとも、退任前日だからこそここまで「正直な」意見が述べられたのかもしれません。

 米海兵隊の「MAGTF」なる構想が全く無批判に所与の前提となっていることはともかくとし
て(これも大問題ですが)、地政学的、軍事的に沖縄(辺野古)でなければならない理由はなく、要するに本土で受け入れるところを確保することが「政治的に」無理だから、沖縄に押しつけるのだと公言しているのです。

 「辺野古浜通信」が以下のように批判するのも当然と言わねばなりません。

(抜粋引用開始)
どういう意味だ!沖縄の民衆も政治もすべて猛烈に反対してきた。
何十年も「理解を求め」られるたびに、もう無理だ、これ以上無理だと。
現に沖縄の社会も、民衆も、日米の基地と暴力によってこの70年、徹底的に傷つけられ続け
てきた。本土が受け入れないなら、差別的に、戦争で日米が滅茶苦茶にした沖縄に、他府県がほんのわずか(な)でも嫌がる基地を、更に、徹底的に、押し(つけ?)ていいのか。
「理解を求める」ように脅迫し…、反抗する人間を国はSLAP訴訟に訴えるのか?
県知事の権限を剥奪してでも、公有水面埋め立てを強行し、沖縄の海を潰すのか?
もはや防衛省官僚、政治家達は、最近うろちょろしているチンピラ右翼並のレイシストだ。愛
国者なら国家としてこのようなレイシストが行政や政治にいること(が?)恥ずかしくないのか?
(引用終わり)

 第2次安倍内閣で防衛大臣に就任することになった小野寺五典氏に対しても、是非同じ
質問をして欲しいものです。