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沖縄県議会が「辺野古でのボーリング調査等の強行に抗議し、新基地建設工事の即時中止を求める意見書」を26対14で可決

今晩(2014年9月3日)配信した「メルマガ金原No.1837」を転載します。

なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
沖縄県議会が「辺野古でのボーリング調査等の強行に抗議し、新基地建設工事の即時中止を求める意見書」を26対14で可決
 
 本日(9月3日)、沖縄県議会で1日だけの臨時会が開かれ、「辺野古でのボーリング調査等の強行に抗議し、新基地建設工事の即時中止を求める意見書」が賛成多数で可決されました。
 
 現在の沖縄県議会の議席状況(「定数48、欠員3、現員45)は、
  自由民主党     13人
  社民・護憲ネット    8人
  県民ネット       7人
  公明県民無所属   5人
  日本共産党      4人
  そうぞう          3人
  社大党         2人
  無所属         3人(議長を含む)
   計          45人    
となっており、この内、自民党公明党が、仲井眞弘多(なかいま・ひろかず)知事の県政与党となっています。
 私の地元(和歌山県議会)などとは大違いで、沖縄県議会の場合、相当に与野党が伯仲しているようです。
 
 今回の意見書の共同提案者は、野党4会派(社民・護憲ネット、県民ネット、日本共産党社大党)の21人に加え、公明党の吉田勝廣議員が加わった22人となっていましたので、採決の前から、公明党が賛成に回ることは予想されていたのかもしれません。
 
http://www.pref.okinawa.jp/site/gikai/documents/0903ikennsho.pdf
 
 議案に対する1人1人の議員の賛否の状況が早速議会ホームページに掲載されていました。
 
http://www.pref.okinawa.jp/site/gikai/documents/h260903sannpi.pdf
 これを見ると、
  賛成26人 野党4会派(21人)+公明党(5人)
  反対14人 自民党(13人)+無所属(1人)
  退席 2人 そうぞう(2人)
  不在 2人 そうぞう(1人)+無所属(1人)
  採決に加わらず 無所属(1人)→議長
であったことが分かります。
 
 可決された意見書を読む前に、地方議会が意見書を議決することの根拠法令をご紹介しておきます。
 
地方自治法
 
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO067.html
第九十九条 普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる。
 
 それでは、沖縄県議会が今日可決した意見書の全文を読んでみましょう。
 
辺野古でのボーリング調査等の強行に抗議し、新基地建設工事の即時中止を求める意見書
 
http://www.pref.okinawa.jp/site/gikai/h2609ikenn.html
 安倍内閣は、沖縄県民の圧倒的多数が反対し、地元の名護市長が反対している名護市辺野古への米軍新基地建設に着手し、海底のボーリング調査を8月18日に強行した。
 抗議する県民を敵視し、キャンプ・シュワブ第1ゲート前では、防衛局職員、警察、民間警
備会社まで総動員し、公道には危険な山形の鉄板まで設置し、海上では、立入禁止水域のブイ(浮標)やフロート(浮き具)も強行設置し、海上保安庁の巡視艇やゴムボートを大量動員し、漁船やカヌーで抗議する人たちを威圧、一時拘束して強制連行するなど抗議する県民を締め出している。まるで戦後の米軍占領時代に銃剣とブルドーザーで住民を追い出して、
土地を奪った米軍のやり方と同じである。
 海上での立入禁止区域の拡大も、日米地位協定に基づく施設・区域の提供や使用条件
の変更は本来、米軍の使用のために行うものであり、今回のような日本政府が行う埋立工事のために立入禁止水域を拡大することは、同協定の目的からも逸脱したものである。また、名護市が辺野古漁港の使用を許可していないにもかかわらず、同漁港への作業ヤードの設置
工事等の入札を秘密裏に行っていたことも判明するなど二重三重の暴挙である。
 去年1月28日、41市町村長・議会議長、県議会各会派の代表者などが署名して、安倍
首相に建白書を提出した。この建白書は、「オスプレイの配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念」というオール沖縄の願いをまとめ上げたものである。しかし、安倍内閣はこの建白書を受け取りながら、これを全く無視して埋立工事を強行したことは、民主主義をじゅうりんし、沖縄県民の尊厳を踏みにじるものであり到底容認できるものではない。怒りを込めてこ
の暴挙を糾弾する。
 沖縄県民は、戦後の米軍占領時代の苦難の歴史の中でも決して屈服せず、基地のない
沖縄を目指して闘ってきた。今回の安倍内閣の新基地建設のための工事強行着手に厳重
に抗議し、下記のことを要請する。
     記
1 海底ボーリング調査など、辺野古新基地建設のための工事を直ちに中止すること。
2 陸上、海上での県民の正当な抗議行動への弾圧、過剰警備を直ちにやめること。
3 第1ゲート前の危険な山形の鉄板と、海上ブイ、フロートなどを撤去すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   平成26年9月3日
                                     沖 縄 県 議 会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣      宛て
国土交通大臣
防衛大臣   
 
 この沖縄県議会の意見書を読みながら、私は、つい先頃視聴したUSTREAM中継での柳澤協二さん(元内閣官房副長官穂補)の発言を思い出していました。
 それは、柳澤さんが理事を務めておられる新外交イニシアティブ(ND)が、去る8月25日に沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハで開催した「新外交イニシアティブ(ND)設立一周年記念(沖縄)・『虚像の抑止力』出版記念シンポジウム どうする米軍基地・集団的自衛権―オキナワの選択」での柳澤さんの基調発言の最後のあたりで、11月の沖縄県知事選挙に言及された部分でした。
 柳澤さんの発言(ユースト中継の26分頃~)をかみしめた上で、もう一度今日の「意見書」を読んでいただければと思います。
 
2014年8月25日 那覇市での柳澤協二さんの発言から
 沖縄知事選の歴史的な意義っていうのはね、福島も含めて、地方からの明確なNO!を突
きつける。そのことによって、今はっきり申し上げて野党は頼りになりませんから、与党の中に心配を作らせること、それによって、「今の政権のままでは、これは駄目なんじゃないか」という、そ
ういう流れを作っていくことが極めて大事だと思います。
 それから、アメリカに対しても、「なんだ、日本政府はああ言ってるけど、沖縄の人はあんだけ
反対しているじゃないか」ということを、アメリカ政府に分からせるということが非常に大事だと私は思います。それが、ひるがえって日本政府に対するアメリカからの圧力という形にもなってくる
だろうと(思います)。
 ですから、今度の選挙というのは、勝つかどうかが問われているんじゃない、どれだけ勝つかが問
われてる。ワシントンがびっくりするような勝ち方をしなければいけない。そういう選挙だし、そういうチャンスが今来てるということを是非お分かりいただきたいと私は思っております。
 
IWJ 2014/08/25 【沖縄】「集団的自衛権は、国際社会に向けた参戦の意思表示だ」 ~新外交イニシアティブ『虚像の抑止力』出版記念シンポジウム(視聴するためには会員登録が必要です→ http://iwj.co.jp/join/ )
 
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/164116