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wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

久しぶりに公明党のWEBサイトを閲覧してみた

憲法 政治

今晩(2014年9月21日)配信した「メルマガ金原No.1855」を転載します。

なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
久しぶりに公明党のWEBサイトを閲覧してみた
 
 本日(9月21日)、公明党の第10回全国大会が開かれ、山口代表ら主要な執行部の再任が決まったと報じられています。
 
共同通信 2014年9月21日 18時54分
公明・山口代表の続投を正式承認 衆参同日選には否定的
 
http://www.47news.jp/CN/201409/CN2014092101001321.html
(引用開始)
 公明党は21日、東京都内で党大会を開き、4期目となる山口那津男代表の続投を正式に承認した。来年春の統一地方選に全力を挙げる。山口氏は大会後の記者会見で、2016年の衆参同日選の可能性に関し「いっぺんに多数の民意を取り込むダブル選は憲法の精
神にふさわしくない」と述べ、否定的な見解を示した。
 同時に「連立を組む限り、最大限に力を発揮できる選挙の在り方を模索すべきだ」と指摘。
衆院解散の時期をめぐり、安倍晋三首相が公明党の意向を尊重するのが望ましいとの立場
を強調した。
 大会では井上義久幹事長、北側一雄副代表、石井啓一政調会長ら主要幹部の再任も
決まった。
(引用終わり)
 
 このニュースに触発され、久しぶりに公明党WEBサイトを閲覧してみることにしました。
 
https://www.komei.or.jp/
 まずは「ニュース」コーナーから。
 
https://www.komei.or.jp/news/
 すると、真っ先に目に飛び込んできたのは、「平和憲法の要守った 『他国の防衛認められず』 安保法制で石井氏」という見出しでした。
 石井氏というのは、今日の大会で再任された石井啓一政調会長のことでしょう。
 どこでどんなことを語ったのか、記事を見てみることにしました。
 
公明新聞:2014年9月21日(日)付
平和憲法の要守った 「他国の防衛認められず」 安保法制で石井氏

 
https://www.komei.or.jp/news/detail/20140921_14971
(引用開始)
 公明党石井啓一政務調査会長は19日、都内でNPO法人ネットジャーナリスト協会が主催した安全保障に関するシンポジウムに出席し、日本の防衛政策について見解を述べた。石井氏は、安全保障法制整備の基本方針を定めた閣議決定に触れ、公明党が重視したのは「従来の憲法解釈との論理的な整合性を維持する点だ」と指摘。武力の行使が許されるのは、「日本国民が犠牲になる明白な危険がある場合に限られる」とし、「他国の防衛を専ら目的とする武力行使は認められていない。平和憲法の要である専守防衛の精神は守られ
た」と強調した。
 今後の法整備に関しては、「閣議決定の中身がきちんと法律に反映されることが重要」と訴
えた。
(引用終わり)
 
 公明新聞が伝える内容自体は別に意外でも何でもありませんでしたが、「NPO法人ネットジャーナリスト協会って何だ?」という疑問が頭をよぎりました。「ネットジャーナリスト」と聞いて、皆さんならどういう顔ぶれを思い浮かべますか?私は、神保哲生さん(ビデオニュース・ドットコム)、白石草さん(OurPlanet-TV)、岩上休身さん(IWJ)らを直ちに想起しました。しかし、これらの方々がNPO法人を作ったという話は知らなかったので、ただちにネット検索したところ、「こういう組織が『ネットジャーナリスト協会』を名乗るのは“僭称”ではないか」と思わざるを得ませんでした。
 
NPO法人ネットジャーナリスト協会
 
http://www.netj.or.jp/
法人履歴
 
http://netj.or.jp/navibt6/houjin.htm
 
 石井公明党政調会長が出席したシンポというのはこういうものでした。
 
第7回安全保障シンポジウム
-“積極的平和主義”の行方を問う- 転換する日本の防衛政策
 
http://anpo.netj.or.jp/content/symposium/2014/0919chirashi.pdf
(チラシより引用開始)
 海上自衛隊の海賊対処行動(ソマリア沖)への派遣を後押しする形となった2008年の第1回シンポジウムから6年。この間、日本を取り巻く安全保障環境は大きく悪化し、昨春の第6回シンポジウムでは、尖閣諸島を巡る中国の脅威などから、日本の領土、領海、領空
を守るために必要な法や体制の整備などについて議論しました。
7回目の今回は、安倍政権が掲げる“積極的平和主義”の両翼を担う「憲法解釈の見
直し」と「防衛装備移転三原則」を中心に議論を重ねていきたいと考えております。とりわけ、日米防衛協力のための指針となるガイドラインの見直し作業に向けた課題について、また、国際連携強化の立場から、新三原則によって防衛産業の競争力を高め、米国・欧州など
との安保協力の拡大に結びつける方策について探って参ります。
 防衛政策を大きく転換させるこの二つのテーマを軸に、今回は政治の意思を確認すること
に力点を置き、自民・公明・民主の各党から出席いただき、日本が進むべき道を示し、論
点を整理したいと考えております。
(引用終わり)
 
 理事長は東芝から、理事は新日鐵パナソニック、フジテレビ、大和総研三菱総合研究所から就任しているNPO法人ネットジャーナリスト協会が主催するシンポ、しかもはじめから「(武器輸出)新三原則によって防衛産業の競争力を高め、米国・欧州などとの安保協力の拡大に結びつける方策について探って参ります」と、その目的を高らかに宣言しているシンポに登壇して、石井政調会長が「平和憲法の要である専守防衛の精神は守られた」と述べたところで、せいぜい、「公明党さんの立場もあるだろうから、まあそう言わなければ仕方がないのでしょうねえ」というあたりが最も好意的な反応だったことでしょう。
 
 ところで、公明党WEBサイトには、「集団的自衛権について」というバナーから導かれるコーナーがありますので、ここに新たなコンテンツが搭載されていないかどうか確認してみました。
 
https://www.komei.or.jp/more/understand/shudanjiei.html
 すると、7月半ばの国会閉会中審議以来、更新が途絶えていたのですが、9月14日に新たなコンテンツがアップされていました。とりあえず、これが最新の公明党の見解のようですから、復習の意味もかねて全文を読んでみましょう。
 
公明新聞:2014年9月14日(日)付
新たな安全保障と公明党 ポイント解説
 
https://www.komei.or.jp/news/detail/20140914_14936
(引用開始/「→」以下に若干の私のコメントを付します)
新しい安全保障法制整備の基本方針を定めた7月1日の閣議決定以来、さまざまな報道がなされています。ここでは、見直しの必要性やポイント、公明党が果たした役割などについて、あらためて解説します。
 
なぜ見直したのか?
隙間ない防衛法制へ 厳しさ増す安保環境の変化に対応

国民の命と平和な暮らしを守ることは政府の責任です。ところが、核兵器や弾道ミサイルと
いった大量破壊兵器の脅威に直面しているほか、領域をめぐる国家間のトラブルやテロ攻撃など、アジア大平洋地域には、いつ日本の安全に重大な影響を及ぼすか分からない問
題が存在します。
こうした日本を取り巻く安全保障環境の変化への対応が求められています。公明党は与
党として安全保障法制整備の方向性や考え方を明確にする必要があると判断しました。
武力紛争を未然に回避するための外交努力は当然です。しかし、その一方で、国民の命
に関わるような「万が一」の事態に対応できるように、隙間のない、しっかりとした安全保障法制を整備する必要があります。「万全の備え」をすることで紛争を予防する力(抑止力)が高まり、日本への攻撃の意図をくじくことができます。また、年内に改定される日米防衛
協力のための指針(ガイドライン)によって日米同盟を強化する必要もあります。
熊本県立大学五百旗頭真理事長(神戸大学名誉教授、前・防衛大学校長)も「安
全保障に関し、日本が二度と侵略戦争をしないという戦後日本型の発想では対処できな
い事態を迎えている」と述べています。
→安保法制懇や7.1閣議決定で散々聞かされた「安全保障環境悪化論」ですが、あらためて公明党から聞かされたところで、何かしら説得力が増すはずもなく、「公明党さんも、本当はそんなこと信じてないんでしょう?」と言いたくなります。
 
閣議決定の要点は?
自衛の措置の限界示す 他国防衛の集団的自衛権認めず
憲法第9条の下で許容される自衛の措置 新3要件閣議決定の核心は、憲法第9条下で
認められる自衛の措置(武力行使)について「新3要件」【別掲】を定め、政府の恣意的な自衛権発動を封じ込めた点にあります。自衛権に関する政府の憲法解釈の基本となって
いる、1972年見解の考え方も変わっていません。
72年見解の根幹は、「自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自
由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこ
れらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認される」との部分です。
「新3要件」はこの論理を守り、憲法第9条の下で認められる自衛の措置の限界を示して
います。
閣議決定には、武力の行使は「我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として
初めて許容される」とあります。あくまで自国防衛に限った措置であることを明確にしたものです。いわば、日本への武力攻撃に匹敵するような事態にのみ武力行使が認められており、外国の防衛それ自体を目的とした、いわゆる集団的自衛権の行使は認めていません。横畠裕介内閣法制局長官も国会答弁で閣議決定について、「(他国防衛の権利として)観
念される、いわゆる集団的自衛権の行使を認めるものではない」と明言しています。
→この部分が公明党の主張の「キモ」であり、木村草太首都大学東京准教授に「潮」や「第三文明」などの系列月刊誌に登場してもらい、熱弁をふるって(代弁して?)もらっているところです。そもそも、私が不満に思っているのは、「誰それがこう言っている」「あの人もこう評価してくれている」というようなことではなく、公明党自身が真正面から、もっと率直に、「閣議決定の実質はこうだ、だから国民も理解して欲しい」という訴えがはなはだ不十分だということです。
 
公明が果たした役割は?
憲法解釈の基本を守る 専守防衛堅持し、武力行使に歯止め

公明党は一貫して、「政府が長年とってきた憲法解釈を外れてはいけない」「丸ごとの集団
自衛権を認めることは断固反対」と訴えてきました。閣議決定に向けて議論を重ねた与党協議会でも、従来の憲法解釈との論理的な整合性を確保すべきだと強く主張し続けま
した。
その結果、政府の憲法解釈のベースとなっている1972年の政府見解の基本的な論理は、
憲法第9条の下では今後とも維持されなければならない」と閣議決定の中に明記されました。万一、閣議決定の内容を超える武力の行使を認めようとするならば、憲法改正しかあり
ません。
さらに公明党は、自衛権発動の「新3要件」について、「他国」の部分に「我が国と密接な関
係にある」との文言を加えて限定。条件の核となる部分を、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される「明白な危険がある場合」とし、当初案の「おそれがある」より
も厳格にして武力の行使に歯止めをかけました。
閣議決定文の冒頭部分では、日本が専守防衛に徹してきた戦後の基本方針を確認した
上で、平和国家の歩みを「より確固たるものにしなければならない」との意思を示しています。
これも、公明党の主張が反映されたものです。
東京財団上席研究員の渡部恒雄氏は、「公明党が『専守防衛の堅持』『平和主義』を重視して慎重な立場を取り、その方針を閣議決定に反映させたことは、周辺国の不安を払拭
する上では、良い方向に働いた」と評価しています。
→「歯止めをかけました」など「公明党にとっての気休めにしかならない」ということを付け加える他は、前項に同じです。
 
 7月以来、久しぶりの新コンテンツなので、もう少し踏み込んだ説明があるかと期待したのですが、以上のとおり、7月の時点から何の深まりもありませんでした。
 そのうち、木村草太氏がまとまった著作を出してくれることを期待しているのだろうか?
 
(付記)
 WEB第三文明に、「誰それがこう言っている」「あの人もこう評価してくれている」という話を集積しているコラムがあるので、探す手間が省けるという便宜があります。
【コラム】集団的自衛権公明党を問う(1)「閣議決定」での勝者は誰か?
 
http://www.d3b.jp/npcolumn/4273
【コラム】集団的自衛権公明党を問う(2)反対派は賢明な戦略に立て
 
http://www.d3b.jp/npcolumn/4317
【コラム】集団的自衛権公明党を問う(3)自公連立の意味
 
http://www.d3b.jp/npcolumn/4366
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2014年7月5日
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2014年7月20日
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2014年7月24日
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閣議決定」で「集団的自衛権」の定義は変更されたのか?
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