今晩(2014年9月26日)配信した「メルマガ金原No.1860」を転載します。
なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
馬場潔子さんのレポートで読む和歌山県議会が県政史に汚点を残した1日 ※追記・訂正あり
今日は和歌山県議会9月定例会の最終日、午後から開かれる本会議で議決される可能性が高い「『国会に憲法改正の早期実現を求める意見書』提出を求める請願」及び同「意見書」のことが気になりながら、午後いっぱい、夕方6時まで大阪で会議があったため、結果が分からぬまま和歌山の事務所に戻ってきました。そう、今どき、私はスマートフォンもタブレットも持っていないし、ガラケーですら単に持っているというだけで、ほとんど利用していない(ほぼ受信専用)人間なのです。普段は別にそれで不便も感じないのですが、こういう時はやはりあったら便利かなと思いますけど(多分、今持っている携帯が壊れない限り、スマホには変えないだろうなあ)。
今日は和歌山県議会9月定例会の最終日、午後から開かれる本会議で議決される可能性が高い「『国会に憲法改正の早期実現を求める意見書』提出を求める請願」及び同「意見書」のことが気になりながら、午後いっぱい、夕方6時まで大阪で会議があったため、結果が分からぬまま和歌山の事務所に戻ってきました。そう、今どき、私はスマートフォンもタブレットも持っていないし、ガラケーですら単に持っているというだけで、ほとんど利用していない(ほぼ受信専用)人間なのです。普段は別にそれで不便も感じないのですが、こういう時はやはりあったら便利かなと思いますけど(多分、今持っている携帯が壊れない限り、スマホには変えないだろうなあ)。
ということで、事務所のパソコンを立ち上げて和歌山県議会のホームページにアクセスし、「結果やいかに」と調べてみたところ、何と「何もわからない!」
平成26年9月定例会の議案・採決結果等一覧
意見書・決議案 第17期(平成23年5月臨時会~)分
※6月定例会までの分しか掲載されていない!
平成26年9月定例会の議案・採決結果等一覧
意見書・決議案 第17期(平成23年5月臨時会~)分
※6月定例会までの分しか掲載されていない!
今月(9月)3日、沖縄県議会が「辺野古でのボーリング調査等の強行に抗議し、新基地建設工事の即時中止を求める意見書」を賛成多数で可決した時など、沖縄県議会ホームページには、その日のうちに議案に対する議員1人1人の賛否の状況までアップされていましたよ。
まあ、こういうこともあろうかと、ある程度予想はしていましたので、おそらく今日の本会議を傍聴に行かれたに違いない知人の馬場潔子(ばば・きよこ)さんのFacebookタイムラインに狙いを定めて閲覧したところ、私の期待以上に詳細なレポートが掲載されており、本会議の様子が非常によく分かりました。
3日後くらいに視聴できるようになるインターネット録画中継と併せて、馬場さんのレポートを読めばほぼ完璧に事態が理解できまると思います。馬場さんのご了解が得られましたので、その詳細レポートを転載します。是非ご一読ください(馬場さん、ありがとうございました)。
3日後くらいに視聴できるようになるインターネット録画中継と併せて、馬場さんのレポートを読めばほぼ完璧に事態が理解できまると思います。馬場さんのご了解が得られましたので、その詳細レポートを転載します。是非ご一読ください(馬場さん、ありがとうございました)。
馬場潔子さんによる9月26日和歌山県議会本会議傍聴記
(引用開始)
【和歌山県議会ウォッチング報告と感想】
(引用開始)
【和歌山県議会ウォッチング報告と感想】
失業中をいいことに、和歌山県議会に行ってきました。今週3日目ですわ。家事も研修課題も放ったらかして、何をやってるんだかわかりませんが、大事なことだと思うので行ってきました。
さて、本日の傍聴メインは、
「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」提出を求める請願
です。
結果から言うと賛成多数で可決されたんですけど、私、結果よりも不満なことがある!
それは、賛成討論がされなかったこと。
反対討論は、共産党の雑賀光夫議員がされました。意見書の内容批判はもちろん、憲法が果たしてきた役割など格調高く訴えるものでした。大いに共感しながら聞きましたが、だからこそ、賛成の意見だって聞きたかった。
変えたいというからには、どこをどのように変えるべきなのか、変えることでどのような効果が得られるのか、思想や論拠があってこその請願ではないのでしょうか。賛否両論の根拠も示しながら、世論も斟酌しながら、議論を深めたうえで物事を決めていくのが議会というものではないのでしょうか。
総務委員会でも高田議員からの反対意見のみ、本会議でも反対討論のみ、この意見書の必要性や意味についてなんの説明もされないままに、数の力で請願や意見書が通っていくということ自体、おかしいです。
聞けば、予算案に対しては賛成反対両方の討論がされるけど、意見書や請願については賛成討論がないのが通例とか。けっ、へんなの。小学校の学級会でももっとちゃんとやるんちゃうか。
上から言われたから、会派で決まっているから、どうせ自民党が多いんだから、云々かんぬん、大人の事情ってやつかもしれませんが、そんな空洞化した議会で子どもの未来やくらしに関わる大事なことを決められたらたまりません。
ひとつひとつ、提案されている条例や請願の内容についてとことん身のある議論をしてから決めてほしいです。つーか、自分の選んだ議員たちが、肝心な時にどういう態度を取っているのかに私たちももっと関心を持つべき。人間的には気さくで人当たりの良いオッチャンたちもいるかもしれないが(後の席で私語だらけの品のないおっさん議員もいたが)、政治家は、どういう法案や条例にどのような態度をとったかによって評価されなければならないと思います。「本当は反対なんやけどなぁ」と言いながら賛成するとか、そういうのいらんから。
あ、ひとつだけ、良いことも書いておきます。都議会のようなヤジは飛んでいませんでした。雑賀議員の反対討論についても、わりと静かに聞けていました(ふだんはけっこうヤジもあるそうなので、今日が特別だったのかもしれません??)
----------------
ということで、以下に詳報。
まず最初に、請願(憲法改正を求める意見書を出してほしいという請願)について。
賛成 自民党と公明党全員・改新クラブの一部(長坂隆司・片桐章浩)
反対 共産党全員(雑賀光夫・高田由一・松坂英樹・奥村規子)
改新クラブの一部(藤本眞利子・浦口高典・谷口和樹)
次いで、意見書の採択について
賛成 自民党・改新クラブの一部(長坂隆司・片桐章浩)
反対 公明党全員(角田秀樹・多田純一・中 拓哉)
共産党全員(雑賀光夫・松坂英樹・奥村規子・高田由一)
改新クラブの一部(藤本眞利子・浦口高典・谷口和樹)
ややこしいですね。請願そのものには共産党と改新クラブの計7名が反対、公明党は憲法改正の請願には賛成したけど、意見書の内容があかんってことなんでしょうか、意見書の採択には反対されました。
この意見書に関しては、反対や慎重審議を求める要請書が80通以上届いたそうです。また、いつになく傍聴者もあったことなども、公明党が意見書に反対してくれた背景にはあったようです。
長くなってしまいますがついでに書いときます。ほかにも、いくつかの意見書が提出されてました。
共産党が提出した「集団的自衛権行使容認など解釈改憲に抗議し、憲法を守り尊重することを求める意見書(案)」は、共産党4名+改新クラブ3名(藤本・浦口・谷口)が賛成で反対多数により、否決。
同じく、共産党提出の「消費税10%への増税中止を求める意見書(案)」は共産党のみ賛成で、否決。
「魅力ある地方都市の構築へ向けた施策の推進を求める意見書(案)」は、共産党のみ反対で、賛成多数により可決。
「国土の強靭化と地方創生に資する社会資本整備の推進を求める・・・」「介護従事者の人材確保に関する・・・」「危険ドラッグの根絶に向けた総合的な対策の強化を求める・・・」「産後ケア体制の支援強化を求める・・」「奨学金制度の充実を求める・・・」は、全会派賛成で可決。
以上、終わり!
(引用終わり)
さて、本日の傍聴メインは、
「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」提出を求める請願
です。
結果から言うと賛成多数で可決されたんですけど、私、結果よりも不満なことがある!
それは、賛成討論がされなかったこと。
反対討論は、共産党の雑賀光夫議員がされました。意見書の内容批判はもちろん、憲法が果たしてきた役割など格調高く訴えるものでした。大いに共感しながら聞きましたが、だからこそ、賛成の意見だって聞きたかった。
変えたいというからには、どこをどのように変えるべきなのか、変えることでどのような効果が得られるのか、思想や論拠があってこその請願ではないのでしょうか。賛否両論の根拠も示しながら、世論も斟酌しながら、議論を深めたうえで物事を決めていくのが議会というものではないのでしょうか。
総務委員会でも高田議員からの反対意見のみ、本会議でも反対討論のみ、この意見書の必要性や意味についてなんの説明もされないままに、数の力で請願や意見書が通っていくということ自体、おかしいです。
聞けば、予算案に対しては賛成反対両方の討論がされるけど、意見書や請願については賛成討論がないのが通例とか。けっ、へんなの。小学校の学級会でももっとちゃんとやるんちゃうか。
上から言われたから、会派で決まっているから、どうせ自民党が多いんだから、云々かんぬん、大人の事情ってやつかもしれませんが、そんな空洞化した議会で子どもの未来やくらしに関わる大事なことを決められたらたまりません。
ひとつひとつ、提案されている条例や請願の内容についてとことん身のある議論をしてから決めてほしいです。つーか、自分の選んだ議員たちが、肝心な時にどういう態度を取っているのかに私たちももっと関心を持つべき。人間的には気さくで人当たりの良いオッチャンたちもいるかもしれないが(後の席で私語だらけの品のないおっさん議員もいたが)、政治家は、どういう法案や条例にどのような態度をとったかによって評価されなければならないと思います。「本当は反対なんやけどなぁ」と言いながら賛成するとか、そういうのいらんから。
あ、ひとつだけ、良いことも書いておきます。都議会のようなヤジは飛んでいませんでした。雑賀議員の反対討論についても、わりと静かに聞けていました(ふだんはけっこうヤジもあるそうなので、今日が特別だったのかもしれません??)
----------------
ということで、以下に詳報。
まず最初に、請願(憲法改正を求める意見書を出してほしいという請願)について。
賛成 自民党と公明党全員・改新クラブの一部(長坂隆司・片桐章浩)
反対 共産党全員(雑賀光夫・高田由一・松坂英樹・奥村規子)
改新クラブの一部(藤本眞利子・浦口高典・谷口和樹)
次いで、意見書の採択について
賛成 自民党・改新クラブの一部(長坂隆司・片桐章浩)
反対 公明党全員(角田秀樹・多田純一・中 拓哉)
共産党全員(雑賀光夫・松坂英樹・奥村規子・高田由一)
改新クラブの一部(藤本眞利子・浦口高典・谷口和樹)
ややこしいですね。請願そのものには共産党と改新クラブの計7名が反対、公明党は憲法改正の請願には賛成したけど、意見書の内容があかんってことなんでしょうか、意見書の採択には反対されました。
この意見書に関しては、反対や慎重審議を求める要請書が80通以上届いたそうです。また、いつになく傍聴者もあったことなども、公明党が意見書に反対してくれた背景にはあったようです。
長くなってしまいますがついでに書いときます。ほかにも、いくつかの意見書が提出されてました。
共産党が提出した「集団的自衛権行使容認など解釈改憲に抗議し、憲法を守り尊重することを求める意見書(案)」は、共産党4名+改新クラブ3名(藤本・浦口・谷口)が賛成で反対多数により、否決。
同じく、共産党提出の「消費税10%への増税中止を求める意見書(案)」は共産党のみ賛成で、否決。
「魅力ある地方都市の構築へ向けた施策の推進を求める意見書(案)」は、共産党のみ反対で、賛成多数により可決。
「国土の強靭化と地方創生に資する社会資本整備の推進を求める・・・」「介護従事者の人材確保に関する・・・」「危険ドラッグの根絶に向けた総合的な対策の強化を求める・・・」「産後ケア体制の支援強化を求める・・」「奨学金制度の充実を求める・・・」は、全会派賛成で可決。
以上、終わり!
(引用終わり)
はじめは部分的な引用にとどめようかと思いながら読んでいたのですが、「カットすべきところがない!」
県民の皆さんに全部読んで欲しいということで、全文転載となりました。
馬場さんが書かれている「ひとつひとつ、提案されている条例や請願の内容についてとことん身のある議論をしてから決めてほしいです。つーか、自分の選んだ議員たちが、肝心な時にどういう態度を取っているのかに私たちももっと関心を持つべき」ということに異論をはさめる者はいないでしょう。
週に3回も傍聴に通い詰めるのはなかなか難しいことですが(馬場さんにしても今回が特別だった訳ですが)、インターネットによる生中継もありますし(それにしても、何故録画が3日後からしか見られないんだ)、私たち県民が、もっと具体的な県政の課題や議会の動きに関心を持たねばならないことは間違いありません。
もっとも、今回の請願及び意見書が「県政」と一体どういう関係があるんだ?という根本的な問題があることについては、一昨日発出した4団体(9条ネットわかやま、憲法9条を守る和歌山弁護士の会、自由法曹団和歌山支部、青年法律家協会和歌山支部)共同申入書をご参照ください。
県民の皆さんに全部読んで欲しいということで、全文転載となりました。
馬場さんが書かれている「ひとつひとつ、提案されている条例や請願の内容についてとことん身のある議論をしてから決めてほしいです。つーか、自分の選んだ議員たちが、肝心な時にどういう態度を取っているのかに私たちももっと関心を持つべき」ということに異論をはさめる者はいないでしょう。
週に3回も傍聴に通い詰めるのはなかなか難しいことですが(馬場さんにしても今回が特別だった訳ですが)、インターネットによる生中継もありますし(それにしても、何故録画が3日後からしか見られないんだ)、私たち県民が、もっと具体的な県政の課題や議会の動きに関心を持たねばならないことは間違いありません。
もっとも、今回の請願及び意見書が「県政」と一体どういう関係があるんだ?という根本的な問題があることについては、一昨日発出した4団体(9条ネットわかやま、憲法9条を守る和歌山弁護士の会、自由法曹団和歌山支部、青年法律家協会和歌山支部)共同申入書をご参照ください。
馬場さんのレポートを読んだ感想をあと2点ばかり。
○「『国会に憲法改正の早期実現を求める意見書』提出を求める請願」に反対し、「集団的自衛権行使容認など解釈改憲に抗議し、憲法を守り尊重することを求める意見書(案)」に賛成した以下の7人の議員に拍手を!(次の選挙で絶対に落としてはならない)。
藤本眞利子さん、浦口高典さん、谷口和樹さん(改新クラブの一部)
馬場さんが書かれている雑賀光夫議員(日本共産党)の反対討論が、日本共産党和歌山県議団ホームページにアップされていますので、本請願に関する部分を引用します。
2014年9月和歌山県議会 議案・請願に対する反対討論 雑賀 光夫
(抜粋引用開始)
日本共産党県議団を代表して、議案第133号、第139号および、議請第13号についての反対討論をおこないます。
(略)
次に、議請第13号「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」提出を求める請願であります。その趣旨は、国会が憲法改正発議を行い、国民投票を実現してもらいたいということであります。ところが、奇妙なことにどのような憲法を求めるのかということは、オブラートでくるまったように、隠されたままになっています。
「戦後約70年、憲法改正がなされていない」といいますが、憲法を変えなくてはならない理由になりません。「内外情勢の激変」から「国民が現実と現憲法規定の乖離の解消を望んでいる」としていますが、何をどう変えたいのか明らかではありません。
日本国憲法は、アジアで2000万人、日本でも300万人を超す犠牲者をだし、国内では戦争に反対する言論の封殺や思想弾圧が行われた反省に立って、①恒久平和主義 ②国民主権 ③基本的人権の尊重 を三原則として制定されたものです。
この憲法のもとで、日本は戦後69年間、一度も戦争に巻き込まれることはなく、自衛隊があっても外国で人を殺したり殺されたりすることがなかったということは、世界に誇るべきことでした。
ところが世界に目を転じるとどうでしょうか。強大な軍事力をもっているアメリカが、ベトナムやイラクで大義のない戦争を行い、憎しみの悪循環を生みました。その結果、9.11同時多発テロで多くのアメリカ市民が犠牲になりました。「テロとの戦争だ」といいながら、さらに多くの犠牲者を出し、泥沼から抜け出すことができていません。
だからこそ、どの世論調査でも「9条を守れ」という国民世論は、多数を占めています。
いまこそ、日本国憲法、とくに「9条」を世界に広げること、国際的にも国内的にも、日本国憲法を生かすことが求められます。
今回の請願が県議会にだされたことを知って、県内の80もの団体・個人から、「憲法改正につながるような意見書には反対あるいは慎重に」という趣旨の要請が、よせられています。
こうした状況の中で「とにかく憲法を変えろ」というような請願を採択することは、本県議会に大きな禍根を残すことになると考え反対いたします。
以上で、反対討論を終わります。
(引用終わり)
(抜粋引用開始)
日本共産党県議団を代表して、議案第133号、第139号および、議請第13号についての反対討論をおこないます。
(略)
次に、議請第13号「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」提出を求める請願であります。その趣旨は、国会が憲法改正発議を行い、国民投票を実現してもらいたいということであります。ところが、奇妙なことにどのような憲法を求めるのかということは、オブラートでくるまったように、隠されたままになっています。
「戦後約70年、憲法改正がなされていない」といいますが、憲法を変えなくてはならない理由になりません。「内外情勢の激変」から「国民が現実と現憲法規定の乖離の解消を望んでいる」としていますが、何をどう変えたいのか明らかではありません。
日本国憲法は、アジアで2000万人、日本でも300万人を超す犠牲者をだし、国内では戦争に反対する言論の封殺や思想弾圧が行われた反省に立って、①恒久平和主義 ②国民主権 ③基本的人権の尊重 を三原則として制定されたものです。
この憲法のもとで、日本は戦後69年間、一度も戦争に巻き込まれることはなく、自衛隊があっても外国で人を殺したり殺されたりすることがなかったということは、世界に誇るべきことでした。
ところが世界に目を転じるとどうでしょうか。強大な軍事力をもっているアメリカが、ベトナムやイラクで大義のない戦争を行い、憎しみの悪循環を生みました。その結果、9.11同時多発テロで多くのアメリカ市民が犠牲になりました。「テロとの戦争だ」といいながら、さらに多くの犠牲者を出し、泥沼から抜け出すことができていません。
だからこそ、どの世論調査でも「9条を守れ」という国民世論は、多数を占めています。
いまこそ、日本国憲法、とくに「9条」を世界に広げること、国際的にも国内的にも、日本国憲法を生かすことが求められます。
今回の請願が県議会にだされたことを知って、県内の80もの団体・個人から、「憲法改正につながるような意見書には反対あるいは慎重に」という趣旨の要請が、よせられています。
こうした状況の中で「とにかく憲法を変えろ」というような請願を採択することは、本県議会に大きな禍根を残すことになると考え反対いたします。
以上で、反対討論を終わります。
(引用終わり)
明日も今日の会議の続きが大阪であるため、朝早くから出かけなければならないので、とりあえず、今日のところはここまでとします。
4団体共同申入書を発出した後、和歌山の新人弁護士から、「県議会がこのような意見書を議決することがどうして憲法尊重擁護義務違反になるのですか?」と質問され、なかなか良い質問(どう答えるかを考えることによってより思考を深めさせてくれる質問が良い質問です)なので、この問題を書いてみようかと思っていたのですが、これは明日以降の宿題にしておきます。
(追記 2014年9月27日)
4団体共同申入書を発出した後、和歌山の新人弁護士から、「県議会がこのような意見書を議決することがどうして憲法尊重擁護義務違反になるのですか?」と質問され、なかなか良い質問(どう答えるかを考えることによってより思考を深めさせてくれる質問が良い質問です)なので、この問題を書いてみようかと思っていたのですが、これは明日以降の宿題にしておきます。
(追記 2014年9月27日)
日本共産党和歌山県議団の奥村規子さんのFacebookに、26日に議決された「意見書」自体がアップされていました。県議会ホームページに未搭載なのでご紹介します。日本会議和歌山が提出した請願書添付の意見書(案)は「ですます調」でしたが、25日の採択を受けて総務委員会が本会議に提出した意見書(案)は「である調」になっていました。おかげで、3月に自民党本部が全国に「見本」として送付した石川県議会「意見書」といよいよそっくりとなり、一読したくらいでは見分けがつかなくなりました。自民党県議団は、よほど自分たちが何も考えていないということをアピールしたいのだろうか?それとも、日本会議や自民党本部に恭順の意を表すため、絶対に「独自色」を出すまいとしているのだろうか?
国会に憲法改正の早期実現を求める意見書
日本国憲法は、昭和 22年5月3日の施行以来、今日に至るまでの約70年間、一度の改正も行われていない。
しかしながら、この間、我が国を巡る内外の諸情勢は劇的な変化を遂げている。
すなわち、我が国を取り巻く東アジア情勢は、一刻の猶予も許されない事態に直面している。さらに、家族、環境などの諸問題や大規模災害等への対応が求められている。
このような状況の変化を受け、様々な憲法改正案が各政党、各報道機関、民間団体等から提唱されている。国会でも、平成19年の国民投票法の成立を機に憲法審査会が設置され、憲法改正に向けた制度が整備されるに至った。
よって、国におかれては、新たな時代にふさわしい憲法に改めるため、憲法審査会において憲法改正案を早期に作成し、国民が自ら判断する国民投票を実現するよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成26年 月 日
和歌山県議会議長 坂 本 登
(追記・訂正 2014年9月30日)
9月26日の和歌山県議会本会議における、総務委員会提出の「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」についての採決結果について、馬場潔子さんから訂正の連絡がありましたので、そのまま転載します。
ご迷惑をおかけした改新クラブの片桐章浩議員には、私からもお詫び申し上げます。
馬場潔子さんによる訂正
(引用開始)
9月26日に投稿した和歌山県議会傍聴記の中に間違いがありましたので、お詫びとともに訂正いたします。
意見書の採択について、改新クラブの片桐章浩議員も賛成としてお名前を挙げていましたが、正しくは「反対」されていました。請願には賛成されたものの意見書には反対、とのことでした。よって、意見書への反対は11名あったことになります。
誠に申し訳ありませんでした。
つまり、請願および意見書への賛否の結果については以下が正しいです。
----
請願(憲法改正を求める意見書を出してほしいという請願)について。
賛成 自民党と公明党全員・改新クラブの一部(長坂隆司・片桐章浩)
反対 共産党全員(雑賀光夫・高田由一・松坂英樹・奥村規子)
改新クラブの一部(藤本眞利子・浦口高典・谷口和樹)
意見書の採択について
賛成 自民党・改新クラブの一部(長坂隆司)
反対 公明党全員(角田秀樹・多田純一・中 拓哉)
共産党全員(雑賀光夫・松坂英樹・奥村規子・高田由一)
改新クラブの一部(藤本眞利子・浦口高典・谷口和樹・片桐章浩)
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以上、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。
(引用終わり)
なお、和歌山県議会WEBサイトから、9月26日当日のインターネット録画中継の模様がようやくアップされました。
和歌山県議会インターネット中継
↓
録画中継はこちらから
↓
平成26年度
↓
9月定例会
↓
9月26日(金)
ざっと視聴したところ、本件に関連する部分は以下のとおりでした。
16分45秒~23分25秒
雑賀光夫議員(日本共産党和歌山県議団)による反対討論
25分40秒~
日本会議和歌山提出の請願についての採決
39分35秒~
総務委員会提出の意見書についての採決
裁決時の瞬間的な映像を(一時停止して)子細に見れば、賛否の状況が確認できるのでしょうが、そもそも、議員の賛否が分かれる採決については、電子投票システムを導入し、議会開会当日の内に議会WEBサイト上で賛否の結果を公開するのが当然ではないでしょうかね。沖縄県議会が議員の賛否の状況を当日のうちにWEBサイトにアップしているのは、電子投票システムを導入しているからに違いないとにらんでいるのですが。
(弁護士・金原徹雄のブログより)
2014年9月18日
2014年9月24日
2014年9月25日