wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

立憲デモクラシーの会による「安倍政権による解散・総選挙に関する見解」に賛同する

今晩(2014年11月28日)配信した「メルマガ金原No.1923」を転載します。

なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
立憲デモクラシーの会による「安倍政権による解散・総選挙に関する見解」に賛同する
 
 誰しも、今回の衆議院解散総選挙に「一言」あってしかるべきと思うのですが(私は「一言」どころではなく連日書きまくっていますが)、様々な団体から意見が出ている中に、一昨日(11月26日)、立憲デモクラシーの会から「見解」が発表されました。
 
http://constitutionaldemocracyjapan.tumblr.com/post/103624937026
 同会のホームページに、「ご覧いただいたうえ、見解にご賛同いただける方は、ぜひ拡散していただければ幸いです
」とありましたので、全文引用して「拡散」に協力することとしました。
 
(引用開始)        
                                      2014年11月26日
 
            安倍政権による解散・総選挙に関する見解
 
                                   立憲デモクラシーの会
 
安倍政権が本年7月1日、閣議決定によって憲法9条の政府解釈を変更し、集団的自衛権の行使を可能にする方針を示した際、私たちは、それは憲法の枠内における政治という立憲主義の原則を根底から否定する行為であり、一内閣が独断で事実上の憲法改正を行うに等しく、国民主権と民主政治に対する根本的な挑戦でもあると抗議した。
 このたび衆議院を突如解散するにあたり、安倍首相は消費税増税の2017年への先送りと、いわゆるアベ
ノミクスの継続に争点を絞る方針を示した。菅官房長官も、憲法改正自由民主党の公約であり、限定容認は現行憲法の解釈の範囲内なので、集団的自衛権に関して国民の信を問う必要はないと発言した。衆参いずれの選挙公約にもなかった特定秘密保護法の制定についても「いちいち信を問うべきではない」とした。
 しかしながら、戦後日本が憲法を軸に追求してきた安全保障の大原則を転換するとすれば、国民的な議
論の上での、手続きに則った条文改正が不可欠である。選挙に勝ちさえすれば、万能の為政者として、立憲主義や議会制民主主義の原則まで左右できるとするのは、「選挙独裁」にほかならない。選挙によって解釈改憲を「既成事実」にすり替え、選挙後の新ガイドライン策定や安全保障法制の整備につなげようとする企ては看過できない。
 そもそも内閣による衆議院の解散は、新たにきわめて重要な課題が生じた場合、あるいは国会と内閣の
間で深刻な対立が生じ、民意を問うことによってしか膠着状態を打開できない際等に限られるべきものである。このたびの動きは、「政治とカネ」の問題が噴出し、アベノミクスが破たんしつつある中で、支持率低下前にリセットしたいという政権側の思惑による恣意的な解散であり、解散権の濫用とも言える。ま最高裁違憲状態と判断された一人別枠方式に基づく「一票の格差」を抜本的に解決しないまま、再び解散総選挙を行うことは、司法府のみならず国民をも愚弄するものである。
 人権を軽視し、権力の恣意的運用に道を開きかねない、立憲主義の原則にもとる憲法改正案を自由民主
党が用意していることも懸念される。仮に安倍政権が政権基盤を維持したとしても、選挙で国民に対して憲法改正を正面から提起しない以上、選挙後に条文改正やさらなる解釈変更を進めることは、とうてい許されることではない。この選挙によって政権が、アベノミクス評価を前面に立て、他の重大な争点は隠したまま、白紙委任的な同意を調達しようとしているとすれば、それは有権者に対する背信行為である。
 私たちは、今回の選挙が、暴走する権力に対する異議申し立てと、立憲主義的な民主政治再生のための
機会と位置付けられるべきであることをここに提起し、有権者の熟慮に期待するものである。
(引用終わり)
 
 以上の「見解」を発表するにあたり、立憲デモクラシーの会は、参議院議員会館において記者会見を開きましたので、その中継画像をご紹介します。
 
20141126 UPLAN【記者会見】暴走する権力に抗して、立憲主義的な民主政治を再生するために。
 
https://www.youtube.com/watch?v=_jIKjno1xAg
冒頭~ 司会 杉田敦氏(法政大学教授・政治学)
01分~ 山口二郎氏(法政大学教授・政治学)
08分~ 樋口陽一氏(東京大学名誉教授)
15分~ 西谷修氏(立教大学・思想史)
22分~ 奥平康弘氏(東京大学名誉教授・憲法学
32分~ 青井未帆氏(学習院大学教授・憲法学
36分~ 中野晃一氏(上智大学・政治学)
44分~ 千葉眞氏(国際基督教大学・政治学)
52分~ 蟻川恒正氏(日本大学憲法学
59分~ 杉田敦氏(法政大学教授・政治学)
1時間05分~ 質疑応答 
その中で、
1時間16分~ 石川健治氏(東京大学憲法学)が「解散権の濫用」についての質問に会場から答えておられ
ます。
 ただ、この録画は録音レベルが低いために聞き取りにくいのが難点です(機械的に増幅できれば良い
のですが)。
 
IWJアーカイブ映像
2014/11/26 【大義なき解散総選挙】暴走する安倍政権有識者らが異議、立憲デモクラシーの会が声明を発表

 
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/208922
 11月30日まで非会員にも全編公開中です。音声も非常に聞きやすいです。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2014年11月20日
選挙の争点は私たちが決める~集団的自衛権解散総選挙
 
http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/41400914.html
2014年11月23日
安倍晋三首相の「反立憲主義」を浦部法穂氏の「大人のための憲法理論入門」から照射する

 
http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/41452036.html
2014年11月24日
浜矩子氏講演会(11/15札幌市)を視聴して「女性の力」と「経済」を学ぶ

 
http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/41470023.html
2014年11月25日
秘密保護法と解散総選挙~あきらめない人々は去年のことを忘れない
 
http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/41487048.html
2014年11月26日
自民党 重点政策集 2014」(選挙公約)の不誠実さを問う
 
http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/41505012.html
2014年11月27日
テレビ局に「公平中立」を押し付ける自民党の傲岸不遜

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/41522386.html