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拡散しましょう!「女の平和」1.17国会ヒューマンチェーン を

 今晩(2014年12月28日)配信した「メルマガ金原No.1943」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
 拡散しましょう!「女の平和」1.17国会ヒューマンチェーン を
 
 公式Facebookが立ち上げられ、12月25日には記者会見も行われましたし、多くの呼びかけ人や賛同者が個人的に情報「拡散」に務めておられますから、それなりに知られつつあるとは思いますが、まだまだまだ知らない人の方が多いだろうし、年末年始休暇に入って情報伝播力が弱まる時期なので、本番まであと3週間となった今、私が取り上げたところで大した効果はないと思いつつ、1人でも多くの「女性」に知っていただきたく(「男性」が読んだら周りの「女性」にお伝えください)ご紹介することとしました。
 

 「女の平和」と言っても、アリストファーネスによる名高いギリシャ喜劇と直接の関連はありません。もっとも、全ての女性に「集団的自衛権行使を容認する男性」とのSEXを拒否するよう呼びかける国民運動に発展する萌芽はひょっとしたらあるのかもしれませんが、今のところそういう呼びかけはなされていないようです。
 
 まずは、12月25日の記者会見資料を一読するのが理解の早道だと思いますのでご紹介します。これは、記者会見の翌日、さる法律家団体のMLに米倉洋子弁護士(東京弁護士会)が投稿したメールに添付されていたものですが、「男性の方々も,ぜひ多方面に『拡散』してください。ご協力をお願いいたします。」とありましたので、「無断転載」にはならないでしょう。
 
(引用開始)
記者会見資料
014年12月25日午後2時(弁護士会館507)
 
      集団的自衛権の行使容認反対!戦争のできる国にしない!
             「女の平和」1・17国会ヒューマンチェーン
   国会を女たちの赤で囲もう!~レッドストッキング運動に思いを重ねて~
 
出席者(発言予定順):横湯園子(元中央大学教授・教育心理学)・雨宮処凛(作家・活動家)・藤原真由美(弁護士・日弁連憲法問題対策本部副本部長)・坂本洋子(mネット・民法改正情報ネットワーク)・上原公子(元国立市長)・浅見洋子(詩人)・大田美和(中央大学教授・英文学)・辛淑玉(のりこえねっと共同代表)/司会:杉浦ひとみ(弁護士)
 
 戦争は「永久にこれを放棄する」と宣言した平和憲法の下で,私たちは生きてきました。平和憲法によって,日本はかろうじて「戦争をしない国」にとどまってきました。
 ところが2012年12月に首相となった安倍晋三氏は,憲法を改正して日本を戦争のできる国にする方針を
掲げました。国民の強い反対にあうと明文改憲の方針を引っ込め,2014年7月1日,憲法の「解釈」により平和憲法の下でも集団的自衛権の行使が認められるとの閣議決定をしました。日本がどこからも攻撃されていなくても外国で戦争をできるようにしようというのです。これが憲法違反でなくて何でしょうか。戦争のための法律案が2015年の通常国会に提出されようとしています。そればかりか今年12月,史上最低投票率で政権継続を決めた安倍首相は,再び明文改憲への意欲を示しました。日本は今まさに,「戦争
をする国」にさせられようとしているのです。
 こうした動きに危機感をもった女性たちが,「集団的自衛権行使反対!」,「戦争のできる国反対!」
の声をあげようと動き出しました。もちろん平和への願いに男も女もありません。しかし,暴力の被害者になりやすい女性は,暴力は何も解決しない,究極の暴力である戦争は理不尽だという感覚を広く共有しています。女性たちは、誰1人として戦場で命を奪われてほしくありません。戦争に対する強い拒否感を持っています。それなのに女性にはまだまだ社会的発言の機会が多くありません。「女性の活躍」を公約とする安倍首相に,「殺し殺されるのはイヤ!」という圧倒的多数の女性たちの声を聞かせたい!そのために,国内外から総勢160人を超える女たちが呼びかけ合い、来年1月17日(土)13:00~15:00、国会を赤で取り囲む「ヒューマンチェーン」を行います。参加者は全員、赤色のファッションで集うという、ユニークな運動です。アイスランドで1970年代、女性たちが古い因習を破ろうと行った「レッドストッキング運動」に着想を得ています。発案者の横湯園子さんの「なぜ女の平和なのか」が資料に入
っていますので,ぜひお読み下さい。
 私たちは、日本の未来を思う人々と手をつなぎ、やむにやまれぬ思いを、怒りの声を、政治に届けたいと
思います。報道をよろしくお願いいたします。
(引用終わり)
 
 引用ついでに、上記資料でも言及されている発案者・横湯園子さんによる「なぜ女の平和なのか」も全文引用しましょう。こちらは、公式Facebokにも掲載されています。
 
(引用開始)
                   
なぜ「女の平和」なのか
                                      横湯園子
 いつの間にか、政治が戦争への道へと動き出していた。集団的自衛権閣議決定に続き、衆院選で政権
継続が決まった途端に憲法改正への言明である。平和憲法のもとで70年間、生命、生活、生存を守られ
てきた日本をアメリカといっしょに海外で「戦争ができる国」に変えようとするとは何ごとか。
 なぜ、殺し合いをさせるのか。なぜ、緑の地球を壊すのか。なぜ、命を愛おしむ声が届かないのか。ど
うしたら平和を願う声が届くのか。
 それはまだ、晩夏の頃の夜明け前のことであった。問い続ける日が続いた。ふっと気がつくと、「女の
平和」という文字が浮びあがってきた、と言うとオカルトチックに聞こえるかも知れないが、何とはっき
りとした文字であったことか。
 なぜ、「女の平和」なのか。まず私の戦争の記憶を記したい。父は治安維持法下で幾度か逮捕され、獄
中で結核に冒され、仮保釈中に死亡。二九歳という若過ぎる死であった。私が一歳の時である。母は活動家ではなかったが獄中の父の身元引受け人になるために新聞紙上で結婚宣言をして一族から勘当。その後
、母の実家は没落、両親も死亡。思想犯の未亡人として辛酸を嘗めながら終戦をむかえている。
 幼い頃の私は母の手を決して離さない泣き虫だったそうだが、母子をねらうグラマン機のパイロットの
笑っている目、累々とした焼死体の中にいるかもしれない母親を探し歩く少年、終戦直後の食糧難などを
覚えている。焦土と化した国土と戦争孤児。母親のいた私は幸せだったのだと今にして思う。
 私のような、否、私よりもっと、底なしの地獄を見てきた人は多いはずである。今、その絶望を語る時
ではないか。戦争を知らない世代も憎しみより愛を、戦争より平和を願っている。その願いを共に声にし
たい。それが平和憲法に守られてきた私たち、日本人の声なのだから。
 憎しみによる愛国心を煽って戦争をする為政者たちの手段は今も昔も変わらない。集団的自衛権の名に
よって日本が「戦争ができる国」になるなんてとんでもない。どうしたらよいのかと眠れない夜を過ごす人も多いのではないか。死者もまた、平和を願っているはずで、時に風の音となり雲間の光となって、時
に「女の平和」の文字となって、私たちに語りかけているのではないか。
 そう思った時、即、パソコンの前に身を移し、ウィキペディアで調べてみると、古代ギリシャのアリス
トパネスの戯曲『女の平和』とアイスランドのレッドストッキングの二つがあった。戯曲は教養書として聞いたことがあった。早速、書店で入手。アテネとスパルタの戦争を終わらせるために女たちが手を結び、セックスストライキを行なうという内容であった。セックスストライキを呼びかけるわけにはいかない
と、レッドストキングに目を移した。
 アイスランドでは1970年に古い因習を打ち破る運動がはじまり、国際婦人年の75年に女性の90
%がレッド・ストキングを身につけて休暇をとり、家事を放棄して女性の役割がいかに重要であるのかを訴え、大統領府前の中央広場を女性たちがうめ尽くすという歴史的な大集会があったことを知った。80年、民選による初の女性のヴィグディス大統領が誕生。86年にレーガンゴルバチョフ両大統領の呼びかけにより平和会談がレイキャビークでもたれ冷戦終結のきっかけとなるが、それを主宰したのが彼女で
あった。(ウィキペディア、前田 朗『軍隊のない国 27の国々の人々』による)
 二人の女性に相談。賛同者が三人、四人と集まり実行委員会もでき、1月17日には赤いものを身につけ
て、国会をヒューマンチェーンで囲みましょうとなった。
 「女の平和」殺し殺されるのはイヤ!アイスランドで女性たちが立ち上がった“レッド・ストッキング
の戦い”の史実に思いを重ねて、「女たちからのレッドカードを」である。
 呼びかけはさざ波のように広がってきたとは言え、アイスランドにはほど遠いが、1月17日が歴史を変
えるターニングポイントとなるように、赤いコートやベレー、スカーフ、ストッキングなどを身につけて
国会議事堂前に集まりましょう。
 国会議事堂前に集まれない人はそれぞれの地域で、赤いものを身に着けて、「殺し殺されるのはイヤ」
の声を響かせましょう。
(引用終わり)
 
 横湯園子さんは、今年の5月、岩波書店から『魂への旅路 戦災から震災へ』を刊行されており、短い動画(著者メッセージ)などを観ると、(書籍自体未読ではありますが)この新刊に込めた問題意識は、今回の「女の平和」の提唱へとダイレクトに繋がっているのではと思いました。
 
魂への旅路――戦災から震災へ (シリーズ ここで生きる)

横湯園子さん『魂への旅路』著者メッセージ

 
 ここで、記者会見当日時点の呼びかけ人(170名)のお名前をご紹介しておきましょう。
 
           「女の平和」1.17国会ヒューマンチェーン呼びかけ人
青井未帆、赤石千衣子、阿部知子、畔上三和子、浅見洋子、安達和美、雨宮処凜、安次嶺美代子、井上浩
子、井形和子、池田恵理子石川康子、石崎暾子、石田法子、泉川真理、板垣京子、伊藤和子、伊藤史子、稲塚由美子、上田佐紀子、上原公子、内山絢子、内山桂子、打越さく良、浦田ユリ、海老原由佳、大江京子、沖野章子、大竹優子、太田啓子、大田美和、大谷ちひろ、大森典子、小笠原彩子、岡野八代、岡部玲子、落合恵子、海渡双葉、加藤珠子、金田利子、金田茉莉、香山リカ、川村百合、神田香織、きくちゆみ、岸 牧子、北沢杏子、木原秀子、北館恭子、吉良よし子、清末愛砂、清宮美稚子、木村 結、熊谷博子、黒澤いつき、古今亭菊千代、後藤弘子、小林緑、小林啓子、小松恭子、小松久子、近藤みつる、斎藤美奈子、坂上 香、坂本照子、坂元ひろ子、坂本洋子、相良順子、櫻井幸子、笹井明子、猿田佐世、澤地久枝、柴田真佐子、小古間ゆりか、志田なやこ、白石 草、辛 淑玉、上嶋希代子、菅沼みどり、杉浦ひと
み、杉山千佐子、鈴木はつみ、鈴木伶子、須藤道子、狭石啓子、高木澄子、高里鈴代、高田三恵子、高遠菜穂子、高安淑子、橘かがり、竹信三恵子田中美津、田中由利子、谷口真由美、建石真公子、大門美代子、地脇美和、辻元清美、土山希美枝、角田由紀子、坪井節子、寺町東子、巴 ふさ、土井登美江、當山冨士子、富山洋子、徳永恭子、中居 純子、永井よし子、中尾こずえ、長尾詩子、中原道子、ノーマ・フィールド、西岡秀子、西亀百合子、西野留美子、野口 薫、朴慶 南、原沙希子、橋本紀子、馬場千鶴、畠山節子、浜 矩子、林 和子、原田直子、春野すみれ、東本久子、樋口典子、秀嶋ゆかり、日比野保子、福士よし子、福島みずほ、藤井純子、藤田タカ、藤田紀子、藤谷加津江、藤原真由美、蛇石郁子、星野弥生、堀江いずみ、俣野尚子、松井久子、松田幸子、村井志摩子、武藤類子、三浦まり、宮城晴美、宮子あずさ、宮坂琇子、宮本ゆき、矢作由美子、山川良子、山希美枝、山口たか、山口智美山口真美、山北真由美、山城紀子、山本みはぎ、八巻暁美、湯川れい子、横井久美子、横湯園子、米倉洋子、來田亮子、和田央子、和田成枝、渡辺一枝、渡部照子
(以上170名 2014.12.25 10:00現在)
 
 それでは、実際に1月17日(土)のヒューマンチェーンに参加しようと思った女性はどうすればよいのか?
 公式Facebookに掲載された記事を引用します。
 
(引用開始)
「女の平和」ヒューマンチェーン
当日の国会周辺での行動です
2015年1月17日(土)13:00~15:00
 国会をヒューマンチェーンで包囲します
 4回チェーンをつなぎます
 ①14:00  ②14:20  ③14:40  ④15:00 
赤いものを身につけて、国会を包囲しましょう!
また、国会正門前のほか、円周の何カ所かを小さなステージにして参加のみなさんからメッセージのアピ
ールをします。
<アイデア募集です!>
・地方からの参加者も大勢予想されますので、案内の徹底
 「こんな方法が親切」「こんな声かけがわかりやすい」
・女性による警備
 「こんなことに気をつけたら、小競り合いもないですよ」 
****************************
<地方でも,行動募集 アイデア募集で~す!!>
★地方でも同日こんな行動します!
★地方でもこんな行動したいけど一緒に活動しませんか!
(引用終わり)
 
 「赤いものを身につけて」と言っても、具体的にどんなものを?と思われた方のために、公式Facebookには続々と「見本」の写真が掲載中ですから、是非ご覧ください。全身「赤ずくめ」の辛淑玉さんの写真もあります。
 また、公式WEBサイトに掲載されたチラシ(表)には、「スカーフ、セーター、ソックス、かばん 等々、何でもOKです。」と書いてありました。
 
 
 そう、「女の平和」実行委員会の公式WEBサイトというのがあるのですね。
 公式Facebook「基本データ」のページを閲覧してようやく発見しました。
 
 あと、当日の「警備」を担当してくれる女性弁護士が募集されていました。
 既に警備要員として確定しておられる女性弁護士の面々は、石田法子大阪弁護士会会長をはじめ、カリヨン子どもセンター理事長の坪井節子先生、・・・などと書き出そうとすると延々と肩書や経歴を連ねる必要のある錚錚たるメンバー揃いで、「すごい」の一言です。
 東京近辺の女性弁護士の皆さん、是非よろしくお願いします。
 
 さて、ここまでご紹介してきて、「男性の出番はあるのだろうか?」ということが気になりました。
 チラシ(裏)には、<賛同者>として、「高田 健、小森陽一、南 典男、伊藤 真、堀尾輝久、世取山洋介、澤藤統一郎、阪口徳雄、中川重徳、児玉勇二、中山武敏、原田敬三他40名(11月16日現在)」という男性の氏名が列挙され、また、チラシ(表)には、「~男性応援団の賛同者を募集しています。~」とありました。
 (情報拡散や資金カンパなどでの)応援団としての役割が期待されていることは分かりましたが、「では当日はどうするの?」ということが分かりません。
 もしかすると、警備を担当する女性弁護士のさらに警備をするために駆け付ける男性弁護士がいるかも、という冗談はさておき、ヒューマンチェーンの中に少しだけ男性が混じるというのも変なので、おそらく、男性が当日国会周辺に出かけるにしても、せいぜい外側から「暖かく見守る」役回りだろうと思うのですが・・・。

(追記 男性の役割について)
 以上のように書いた上でブログをアップし、「
女の平和」1.17国会ヒューマンチェーンの公式Facebookにアップしたことを報告する投稿をしたところ、すかさず管理者から「当日、男性も一緒にチェーンを作って下さい!」というコメントが返ってきました。大変失礼しました。自分も一緒にヒューマンチェーンを作ろうという男性は、「赤いものを身につけて」当日国会を目指してください。
 
 1月17日、地方でこの企画に連帯した動きが広がるにはやや準備不足・時間不足かと思いますが、徳島でこのような動きもあるようです。
 
 出来るだけこの企画を大きく広げるために、女性も男性も是非協力しましょう。そして、1月17日、国会周辺が、赤い彩りの女性たちで埋め尽くされる光景を是非実現してもらいたいと思います。
 
 なお、12月25日の記者会見の様子を収録した動画がネットにアップされていないかと探しているのですが、どうも見当たりません。
 また、新聞報道も東京新聞しんぶん赤旗だけだったようで、マスメディアの食いつきも期待薄ということなら、私たちがSNSなどを活用して「拡散」に励むしかないでしょう。
 皆さんも、是非ご協力をお願いします。
 
 最後に、25日の記者会見の模様を伝えたしんぶん赤旗の記事がWEB版で読めますのでご紹介しておきます。
 
2014年12月26日 しんぶん赤旗
来月17日「女の平和」行動 会見し発表
赤くキメて国会へ

抜粋引用開始)
 「集団的自衛権行使容認反対!戦争できる国にしない!」を掲げて来年1月17日に国会を人間の鎖で囲む「女の平和」行動について横湯園子元中央大教授らが25日、東京都内で記者会見し、発表しまし
た。
 赤いベレー帽をかぶった横湯さんは、「憲法改正に全身全霊でとりくむ」とする安倍首相に対し、「私
たちの命、生存、生活を守ってきた憲法を全身全霊で守りたい」と語りました。
 アイスランドで9割以上の女性が赤いストッキングをはいて地位向上を求めた運動などを参考に「赤いコートやスカーフ、ストッキングなどを身に着けて国会を包囲しましょう。それぞれの地域で赤いものを身に着けて『殺し殺されるのはダメ』と安倍首相にレッドカードを突きつけましょう」と訴えました。赤い服を着た作家の雨宮処凛さん、日弁連憲法問題対策本部副本部長の藤原真由美さん、mネット・民法改正情報ネットワーク理事長の坂本洋子さん、のりこえねっと共同代表の辛淑玉さんらが行動の成功を訴えま
した。
 国会包囲は、2015年1月17日の午後1時から3時まで行います。
(略)
(引用終わり) 
 
(付記 12月24日・安倍晋三総理大臣記者会見での“違憲発言”について)
 上に引用した赤旗の記事の中で、横湯さんの発言として、「憲法改正に全身全霊でとりくむ」とする安倍首相、という表現がありましたので、その「裏付け」をとってみました。
 
 
 「女の平和」記者会見の前日(12月24日)、首相官邸での記者会見において、幹事社の西日本新聞記者からの「総理が政治家としての歴史的使命と位置付けられている憲法改正について、今後どう取り組まれるのでしょうか。特に、2016年の参院選と同時に国民投票を目指す動きもありますが、こうしたスケジュール感も含めてどうお考えか、お聞かせください。」という質問(当然、事前通告済みのはずです)に対し、安倍晋三内閣総理大臣は次のように答えました。
 
憲法改正については、そもそも自由民主党の結党以来の大きな目標と言ってもいいと思います。自民党を結党した際、しっかりとした経済的な基盤をつくって国民生活を豊かにするということと同時に憲法を改正していく、これが2つの大きな目標であったわけであります。その意味においては、今回の公約においても憲法改正に取り組んでいくことを明記しているところであります。
 私自身にとっては、幹事長の際に憲法改正草案をつくっていく、その作業をスタートしました。そして、第1次安倍政権において国民投票法を成立させ、第2次安倍政権がスタートし、改正し、投票の要件を18歳に引き下げました。いわば宿題であった投票の年齢について、決定することができました。
 これから憲法改正、これは歴史的なチャレンジと言ってもいいと思います。しかし、それはそう簡単なことではありません。先ず3分の2の多数を衆議院参議院でそれぞれ構成していく必要があります。その努力を進めていくこと。同時に、大切なことは、発議された後、国民投票を行うわけであって、国民投票において過半数の支持を得なければいけません。ここが正に正念場であり、これこそが憲法改正の一番の大切なポイント、舞台と言ってもいいと思います。つまり、そこで国民的な支持を得なければいけません。どういう条文から国民投票を行うのかどうか、また、その必要性等について、国民的な理解を先ずは深める努力をしていきたいと考えています。」
 
 映像の11分過ぎからの部分です。
 以上のとおり、「歴史的なチャレンジ」とは言っていますが、「全身全霊」という言葉は使われていませんでした。まあ、似たようなものですが。
 「歴史的使命」であろうと「歴史的なチャレンジ」であろうと、このような発言を、総理大臣としての公式記者会見で平然と引き出す記者も記者だし、答える方も答える方であって、彼らには日本国憲法99条(憲法尊重擁護義務)など、もはや守るべき規範であるという意識などさらさらないということでしょう。
 憲法9条集団的自衛権)や21条(特定秘密保護法)を守るつもりのない総理大臣の気に入るように進行させるだけの記者会見なのですから、こういう質疑応答が行われても別に驚くにはあたらない訳ですが、法律家であれば、最後の1人になるまで「憲法(99条)違反だ」と言い続けなければならないと思います。

(追記)
 上記の(付記)だけを抜き出して私の別ブログに掲載しました。
2014年12月29日
憲法尊重擁護義務をわきまえない内閣記者会と内閣総理大臣による茶番